京都と奈良の地獄旅。

先週の連休に京都と奈良へ日帰り旅してきました。
例によって六道珍皇寺さんの特別拝観へのお参りが目的ですが、
この日は藪入りで閻魔賽日でもあったのでせっかくだから京都の閻魔詣でをしよう!と思ったのと
現在、奈良国立博物館にて開催中の「源信 地獄極楽への扉」展も見たかったので
かつての都2か所で地獄めぐりと相成りました。

と、その前に祇園祭のお話を少々。
朝早くに夜行バスで京都駅入りしたのですが、この日は祇園祭宵山でもあり
四条通の界隈に山鉾が出ているはずだよなあと思って観に行きましたよ。
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烏丸線から地上へ出たら、うおー!なんか建ってる!
祇園祭の山鉾は縦に長いので写真に収めるのが大変です。
動かしてるとこもかっこいいだろうなあ。

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絵が描かれていたり彫刻がついてたり胴体部分を織物がぐるっと囲んでいたりと
隅々まで総合芸術のようなデザイン、
写真の函谷鉾は孟嘗君がニワトリの声で函谷関を脱出した故事がテーマになっていて
屋根裏には今尾景年の鶏図が描かれています。

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四条通から室町通へ入ると菊水鉾がありました。
町内に古くからあった菊水井という井戸から名づけられたそうです。

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屋根には鳳凰の彫刻があり、内部には水墨の龍が見えました。


以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆
(拍手お返事は次回記事にさせていただきます。もうしばらくお待ちください)
 
 
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また四条通に戻って、鉾頭に三日月がある月鉾を見に来たよ。

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屋根裏の草花図は円山応挙で、

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波に乗る兎の彫刻は左甚五郎の作と伝わっているそうです。
月に兎に草花、亀も泳いでいておめでたい様子がいいですねえ。

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四条通から新町通へ。船鉾です。
防水対策のためでしょうか、この時間はビニールがかけられていました。
(鉾の拝観時間になると外されるそうです)

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船首の鷁。かっちょいい!

他の鉾も見学したかったけどこの先の予定がちょっと心配だったので移動することにして
地下鉄の入口へ向かって歩き始めたところ、
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四条通のファミマが臨戦態勢だった件。
こうでもしないと床がえらいことになるのでしょうね…まるでコミケ時のビッグサイトのようだ。

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地下鉄に乗る前にちょこっと長刀鉾を見学。
くじとらずと呼ばれ山鉾巡行の際に先頭で結界を切り出発する役目をもつ鉾です。

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胴懸の絨毯には中国やインド、ペルシャの絨毯が使われています。

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鉾先きの長刀。三日月宗近のレプリカですが何でもすっぱり切りそうな切れ味が感じられます。

早朝だったのでまだ通りに人は少なく(通りすがりに写真を撮っていく人たちはいた)、
関係者の人もいなくて山鉾には登れなかったし粽やグッズも買えなかったけど
ゆっくり見学できたのはよかったです。
早いとお昼前から混雑するらしいのでね…。
街にはお囃子のBGMが流れていてすごく雰囲気ありました。
そのうち夜の雰囲気も味わってみたいですがいつ行けるかなァ…毎年ものすごい混雑と聞くし
特に今年は三連休が宵々山~山鉾巡行だったからかつてない人出だったのでは。
行くならせめて平日にお休み取って熱中症など完全対策して突撃!みたいな感じでしょうか、
いずれにしろ体力のあるうちに行かねば(੭ु `・ω・´)੭ु

この後は東山に移動して、さて六道珍皇寺はどんなもんかしらと偵察にやって来ましたら
まだ朝も早いというのに境内にはすでにでっかい鞄やリュック背負った人がウロウロしててびっくりしました。
なんなの?朝の7時だよ??(おまえもな)
一瞬だけ、並んで待つべきか本気で迷ったけど
特別御朱印のストックはそれなりにあると聞いていたし、
早朝に夜行バスから降りたときは去年の8月ほどには暑さを感じなかったけど
曇りとはいえ気温も上がり始めていたので少しの時間でも涼しい場所で休みながら行動しないと
今日1日もたないなと思って、とりあえず朝ごはん食べに行きました!
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すっかり京都旅行の恒例になりつつありますがSAGANさんの朝ごはんです!卵かけご飯セット。
水分と塩分とエネルギーを獲得してお水をごくごくいただきました。いつもありがとうございます。

それでも8時過ぎに六道さんへ戻ると既に10人ほどが並んでいた!慌てて列に加わりました。
去年はあやうく熱中症になりかけた教訓があるのですが、今回はちゃんと朝ごはん食べたし
鞄にはタオル、扇子、ペットボトルの爽健美茶と塩飴ちゃんが常備してあるわたしに隙はないのだ。
お寺の本堂入口にテントが張られていて避難させてもらったので
直射日光にも当たることなく待機できました、ありがたい。
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開門!
受付のところに矢二郎にいさんがいました^^

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夏のお庭。
井戸の中はそれなりに綺麗になってたけど
矢二郎にいさんが隠れられそうな程度の蔦は残してあった気がする。
あと、お庭に面したお部屋には普段はだるま商店さんの「篁卿六道遊行絵図屏風」があるのですが
今回は地獄を描いた掛軸が10幅並んで展示されていました。
江戸時代にお寺に奉納されたそうで、汚れも折り目もなくとても綺麗な掛軸で
閻魔様は顔が真っ赤でおっかなかった。。

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いただいた金朱印と散華しおり。
そもそも今回の特別拝観は六道さんのお迎え鐘と鐘楼が修復されたことによる落慶記念でして
この金朱印(1セット9枚)は3日間だけ頒布されるものでした。
数量限定と聞いていたけど無事にいただけてよかった…正直ちょっと不安だったので。

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その鐘楼。去年まで茶色かったのがめっちゃ綺麗になっていたー!落慶おめでとうございます。
あおによし、やっぱり朱と緑はお寺に映えますね。
落慶法要は連休明けに行われ、調整を経てお盆になったら突くことができるそうです。

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六道さんの東門の向かいに来てみたよ。
ブラタモリでやってた坂というか断層崖というか、
こういう場所にある六道さんは地形的にもこの世とあの世の境のお寺という解釈だったね。
言われてみれば松原通は鴨川から東山に向けて緩やかな坂になっていて
黄泉比良坂とか、この世とあの世を行き来するときの道を連想させるのかもしれません。


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電車とバスを乗り継いで、次の閻魔様スポットである千本ゑんま堂へ。
このお寺では毎月16日を閻魔様の日とし法要と御開帳があります。

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閻魔様は相変わらず大きくていらっしゃった。

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毎月16日限定の閻魔様御朱印。境内にある篁堂の御朱印もいただけたよ~小野篁のお姿も入ってる。
一番右はさっき六道さんでいただいた閻魔様の御朱印です。
両方とも藪入り(閻魔賽日)の日付!うれしい!

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本堂の風鈴。
ゑんま堂では毎年7月の風祭りにて風鈴が吊るされ、
梶の葉祈願(昔の七夕に梶の葉に願い事を書いて吊るしたことから)とご本尊のライトアップが行われます。
わたしが行った日には終わっていました…いつか参加してみたいなあ。

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鐘楼の鬼瓦が鬼かっこいいことに今更のように気づいた!
何度も訪れていると色んな所に目が向きます。


この後はバスで京都駅に戻って、電車で奈良へ移動。
近鉄奈良駅から奈良公園までは歩いても行ける距離ですが、
地上に出たら日差しと気温がそんな悠長なこと言ってる場合じゃないレベルでしたので
おとなしくバスに乗りました!
節約と健康なら健康を買うよ、わたしは。
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公園に着いたら鹿さんたちもこの通り(笑)。
奈良は京都と違って日陰に入れば比較的涼しいので、密集してても大丈夫なのかな。

目的の奈良博へ行く前に、東大寺の俊乗堂・大湯屋の特別公開へ。
年に2度しか公開されないお堂と、史上初公開のお風呂が1ヶ月だけ拝観できると聞いて
これも何かのご縁と行くしかないと思いました。
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俊乗堂。ねこ坂を登ったところの鐘楼の丘にあります。
江戸時代に重源の菩提を弔うために建てられたもので、
堂内には重源上人坐像や阿弥陀如来立像(快慶作)、愛染明王坐像が安置されています。
重源像と阿弥陀如来像は過去に東大寺大仏-天平の至宝展でお会いして
そのリアルさと穏やかさに圧倒されたっけなあ、ご無沙汰しております。

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俊乗堂の奥にある階段(ここも普段はロープがあって通れません!)を下っていくと大湯屋があります。
鎌倉時代に重源が再建した浴室施設です。

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内部は撮影可!唐破風つきの浴室なんて初めて見ます。
湯気が籠らないよう通気孔が開けてあって、密閉するお風呂ではないんだね。

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鉄湯船。
係の人に伺ったところ、もともと床にはめられていたのを銹止めのため掘り出して展示しているそうです。
隣の釜場から沸かしたお湯を湯船に流し込み、掛け湯を浴びて心身を浄めるのが本来の使われ方で
お湯は1000リットルほど入るとか。
(光明子が建てた法華寺の浴室は蒸し風呂ですが、この大湯屋では沐浴が行われたということが
鎌倉時代の東大寺衆徒申状案という文書からわかるのだそう)

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湯を沸かす釜のあった釜場。土間で、天井に煙出しが空けられています。
釜は2つあったそうなので夏場は暑かったでしょうけど窓が連子なので通気性はありそう。

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見学を終えて博物館に戻る途中、南大門前の橋の付近にいた鹿さんたち。
橋の下にも数頭の鹿さんたちが水に入ったり土にぺたんと寝そべって涼んでいらっしゃった。
くれぐれも熱中症にはお気をつけて…。


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博物館に戻って、レストラン葉風泰夢にて源信展の限定メニュー「極楽と地獄 冷やしそうめん」をいただきました。
三輪そうめんについてくるのは胡麻つゆ(極楽をイメージ)と唐辛子・ラー油入りつゆ(地獄をイメージ)。
あと極楽浄土をイメージした「極楽かき氷(練乳付き)」もあったけど食べなかった…
気にはなったんだけど。

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博物館の前の池には蓮の花が咲いてました。満開だったら極楽の池だなあ。

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というわけで「源信 地獄極楽への扉」展を鑑賞。
去年、1000年忌を迎えた恵心僧都源信の人生と業績、
彼の著した往生要集や以後の地獄と極楽について紹介する展覧会です。
源信さんはお母上が高雄寺の観音菩薩像に祈り授かった子という伝説があったり
極楽浄土のアンソロ本や注釈書つくったり、色々とインパクトのある人ですが
資料や史料がこうしてまとまって展示されているのを見ると、当たり前ですがちゃんといた人なんだって実感できます。
藤原隆親が櫃に入れて持っていた絵巻の目録のひとつに「源信僧都絵」があったり
霊山院釈迦堂毎日作法(横川で行う毎日の供養や作法の当番表)の5/5に源信の名前があったり
因明論疏四相違略注釈に宋僧に批評を頼んだけど返事が来なかったので
来日していた知り合いの斉隠という宋僧にもう一度託したことが書いてあったり(源信僧都伝にもある)、
ああいたんだ、たくさん仕事してたんだ…と改めて感慨深くなった。
現存最古の肖像画からは意志の強さと真っすぐさが伝わってくるよ。
代表作ともいえる往生要集も初版(985年)から現代まで様々な写本や版本が作られてきて
漢字とひらがな交じりだったり、源信の手紙を巻末につけたり
カラーで絵をつけて絵巻物にされたり色んな形があるのですね。

源信と同時代に活躍していた人々のコーナー。
空也上人立像は六波羅蜜寺のが有名ですが、今回来ていた荘厳寺の空也は
口から阿弥陀仏は出してないけどげっそり痩せた体躯にゆったりを袈裟をまとっていてリアルです。
一遍聖絵は日本国宝展で一部を見たっけなあ、
市中でワイワイしながら踊念仏をグルグル踊る人々が生き生きしています。
清海曼荼羅は源信と清海が感得したと伝わる浄土図の転写本ですが
黒地に金色で描かれる浄土は文字通り光り輝いておりました。。
談山神社の性空上人像は一心に経典を黙読する性空のまなざしがかっこいいし
(彼の隠棲先へは慶滋保胤や源信も訪ねて行ったそうな)、
2人の鬼も描かれていてひとりは一心に祈り、もうひとりは源信を守るように立っていた。

地獄絵のコーナーがすっごい楽しかった。
何といっても聖衆来迎寺の六道絵15点が揃っていて圧巻!
後で知ったんですけどこの六道絵が揃って展示される機会はほとんどないのだそうで
たいへん貴重な時間でした。
地獄や六道、功徳についてそれぞれ表現された掛軸で地獄は血と炎の表現がすさまじく、
人道や天道も決して豊かではなく、功徳の絵は地獄からの救済が描かれていて
これ見たら功徳積まなきゃってなるわな…。
どうでもいいけど阿鼻地獄の上半分がとんでもなくえげつないレベルの真っ赤な業火に包まれてるのに
下半分は獄卒さんたちが「ちょっとそこどいて」みたいな会話してそうというか、
何ともお役所感あふれる雰囲気でギャップすげえ…と思ってしまった。
地獄草紙も日本国宝展で見たので久々です、相変わらずすさまじい表現。
閻魔様と石川五右衛門をコメディにしてしまう江戸時代みたいな明るさやユーモアは一切なくて
ひたすら痛くて苦しくてしんどい。
そういう表現で描けって注文だったのかもしれないけど絵師も相当がんばったよな…。
でも雲火霧の炎は踊っているかのようで見事だなと思ってしまった。
辟邪絵は過去に江戸博の大妖怪展で神虫を見たけど、今回は現存する5点が全部ありました~。
神虫くんは相変わらずいい食べっぷり、
初めて見る天刑星、鍾馗、栴檀乾闥婆、毘沙門天
おもしろかったのが、彼らが奈良国立博物館のTwitterにて「ヘキジャーズ」として登場していたことです(笑)。
会場で配布されているジュニアガイドにいるキャラクターで「人々を守る正義の味方」と紹介されてて笑った^^
公式が遊んでる。最高。
(ジュニアガイド欲しかったけど数量限定のため小さなお友達にのみ配られるそうで…大きいお友達にもください)

あと、今まで存在は知っていたんですけどお姿を一度も見たことがない東大寺の閻魔王坐像がいらしたんですが
イケオジすぎて「かっ、かっこいいー!」って口に出すところだった。
イケオジって言いましたけど何かこう、いい意味で年齢が不明というかあれっ何歳だろ?と迷っちゃう風貌で
顔が小さすぎず大きすぎず、体格もほどほどにガッシリして姿勢がよくて
すごく体のバランスが整ってるというか、絵になる閻魔様だった。
今まで怖い・背高い・迫力・ごつい・渋い・優しい・かわいい閻魔様はたくさん見てきたけど
かっこいいのは文句なしにあの閻魔様がMVPです!!!(当社比)
通期展示だから閻魔様ファンはマジで行ってくれ…今回を逃すと次はいつ見られるかわからないよ。
(普段は東大寺でも常設展示されてません)
六道さんとゑんま堂さんに続き奈良でも、しかも東大寺の閻魔詣でができた!藪入りに!!ウッヒョ~☆
なんという僥倖。生きてるといいことありますね。
持ち歩く移動距離が長いので図録買うかどうか迷ってたけど会場を出た後ミュージアムショップで即購入、
だって閻魔様のポストカードとか売ってなかったんだもんー!
画像とはいえあのお姿を我が家に置くためには値段や重さなど何の障壁になりましょうや…
ほんと行ってよかったです。ご縁をありがとうございました。

来迎図や極楽図は音楽が聞こえてきそうな美しさ。
さっきまで地獄のリアルを完膚なきまでに見せられて、今度はひたすらキラキラした理想って感じでした。
阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)が特に、とても動きのある絵で
如来の乗る雲がふわっと山を越えてきた動きや風が伝わってくるかのような。
おもしろかったのが帰り来迎図、往生者を手に乗せて極楽へ戻っていく如来一行を描いていて
蓮の花の上にちょこんと乗った小さな往生者がかわいい。
當麻寺の曼荼羅はもう、ため息ものでした。
そして来迎といえば音楽が欠かせません。
平等院から雲中供養菩薩のうち南14号様がいらしていて
鼓を打つ、というか鼓で奏でているかのような優雅さは見事としか言えない。
即成院の二十五菩薩坐像のうち笙や笛を持った菩薩像が来ていて
この方たちの奏でる音楽を一度でいいから聴いてみたい…と思いました。

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今月のnikinikiはfestival。祇園祭のお菓子がやっと買えたよ!わぁい\(^o^)/

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鶴屋吉信「御巡行」、二條若狭屋「祇園祭」は京都限定のお菓子、
鶴屋長生「山鉾巡行餅」は祇園祭のときにしか販売されないお菓子です。
お祭のお菓子って何でこんなにテンションあがるんだろう!山鉾かわいい…でゅふふ^^
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テーマ: 京都・奈良 | ジャンル: 旅行

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