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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


100人で歌をうたおう。

  1. 2017/07/31(月) 23:50:51_
  2. 文化・美術
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
前回記事の続き。三井記念美術館の地獄絵ワンダーランド展を見た後に
国立公文書館の企画展「ふしぎなふしぎな百人一首」に行ってきました。

fushihyaku_1.jpg
藤原定家が選んだとされる100首の歌の内容や選ばれた時期、
歌人たちにまつわるエピソードや説話の成立過程、後世に新しく編まれた百人一首、
江戸時代に学問やパロディなど様々に使われた事例などが、主に版本を中心に紹介されています。
毎回、色んな資料が見られるうえに入場料無料+写真撮影可なのがいつも思うけど本当に有難い!

fushihyaku_2.jpg
ゆるキャラ蓮生さんかわゆす。
展示ケースには漢字だらけのキャプションが表示されていますが、蓮生さんがいるパネルはひらがなが多い。

蓮生は定家の子為家の妻の父・宇都宮頼綱の出家後の名前で、
彼が嵯峨野の小倉に設けた庵に定家が選定した歌(小倉山荘色紙和歌と呼ばれます)を飾ったのが
小倉百人一首の始まりと言われていますね。

fushihyaku_3.jpg
江戸時代の僧・信海の筆と伝わる「小倉山庄色紙和歌」。
霞や植物が描かれた料紙にさらさらと美しい書、一目見て「きれいだ」と思いました。
定家の筆だとこうはいかないから…カクカクしてるからね^^;
(いや、定家もオフィシャル時の字は整ってるけど信海みたいな字じゃなかったはず)

fushihyaku_4.jpg
百人一首の中から特に知られる歌人をピックアップして紹介するコーナー。
写真は小野小町に関する資料です。
百人一首9番「花の色は~」の歌は古今和歌集の春下巻から引用されています。
また、小町の人生は室町時代以降に卒塔婆小町、草子洗小町など様々な謡曲に脚色されていきますが
それには9番の歌が影響したともいわれるとか。

fushihyaku_5.jpg
小式部内侍のコーナー。
百人一首60番の「大江山いくのの道~」の歌の初出は金葉和歌集・雑上巻から。
母の和泉式部をからかった藤原定頼に向けて詠ったという、古典の教科書にも載ってるあの話です。
(鎌倉時代に編纂された十訓抄にも同じ話が載ってるね)
内侍は若くして亡くなるのですが、その折に和泉式部が詠んだ歌(後拾遺和歌集)がまた泣ける…。
「とゝめおきて誰をあわれに思ふらむ 子はまさるらん子はまさりけり」

他にも在原業平、壬生忠岑、平兼盛、崇徳院のコーナーがありそれぞれ紹介されていました。
業平の「ちはやふる~」の歌は古今和歌集と伊勢物語にそれぞれ収録されているけど
謂れが全然違っておもしろいし、
忠岑の「有明の~」の歌は定家と藤原家隆(定家と並び双璧と称された人)がともに秀歌として挙げているとか
兼盛の「しのぶれど~」の歌にまつわる話は鎌倉時代には尾ひれがついて流布していたとか
崇徳の「瀬をはやみ~」の歌は再録にあたり本人が語句を変更したとか、色々と紹介されていました。

fushihyaku_6.jpg
江戸時代初期に編纂された武家百人一首。
源氏や平氏などの武将100人による歌が収録されています。
ここから先の展示資料のほとんどは江戸時代が初版のものが多く、
お江戸の自由闊達さを改めて思いました。
昨日の地獄展といい、江戸時代って本当に色んなものを当世風におもしろおかしくして遊んでいたんだな^^

fushihyaku_7.jpg
近世百人一首。
成立は江戸時代と思われますが編纂した人が誰かはわかっていないみたいです。
色んな人が書き写し、のちに版本で出版されてもいるようで
当時はよく知られた書物だったのかな。
収録されているのは戦国時代~江戸初期の武将や歌人による歌です。

fushihyaku_8.jpg
幕末になっても新しい百人一首は選ばれているぞ。
写真は新撰百人一首で、南北朝時代から江戸時代までの歌人の100首がまとめられています。
正方形の中に歌を書くデザインなのは色紙を意識したからだそうで
小倉山荘色紙をイメージしたのかなあ。

fushihyaku_9.jpg
歌があるなら詩もあるという例。江戸時代初期に林羅山らが編集した百人一詩です。
漢から宋までの詩を100詩、百人一首のように並べたもの。

今回は展示されていなかったのですが、
歌と詩があるなら俳句もあるのかなあと帰宅して調べたら何と百人一句なるものが出てきたよ→こちら
真似してみたくなったのかもしれない。

fushihyaku_10.jpg
秀歌が100首まとまっているというのは色んな意味で役に立つもので、
江戸時代には百人一首を使った教育や音楽活動が行われていたようです。
歌に三味線で節をつけたものや、歌の勉強の際に基本教養として教科書に載せたり
実際に歌を詠んでみる際の教則本になったり。
そうこうしているうちにお正月のかるた遊びなどに取り入れられたのかもしれませんが
これもはっきりした時期はわかっていないみたい。
近代になって小説にかるた遊びが書かれるようになる頃には(こころとか金色夜叉とか)
だいぶ普及していたのかもしれませんね。

fushihyaku_11.jpg
百人一首の研究本も。
細川幽斎や契沖などによる注釈書のほか、
「本当に定家が100首を選んだのか?」みたいな根本的な研究まで様々。

fushihyaku_12.jpg
定家にまつわる資料も。
明月記(写本)の1235年5月27日の記事には「嵯峨中院の障子を飾る色紙を書く」とあり、
定家が百人一首を選んだとされている根拠は今のところこれなわけですが
確かに現代まで伝わる100首が選ばれたとはっきり書いてあるわけじゃないんだよね…。
何だか紫式部日記の「源氏の物語、御前にあるを~」の記述を思い出すような話だと思いました。
(源氏物語も厳密に言うと彼女が作者だとはっきり断定されてるわけではないのだ)

fushihyaku_13.jpg
定家たん二次創作されるの巻。
謡曲「定家」には式子内親王との件が、
浄瑠璃「小倉山百人一首」(石塚豊芥子作)にも式子内親王と百人一首の件が
歴史物語のようになって語られています。
現代でも色んな歴史上の人物がドラマや小説やマンガやゲームになったりしてるけど、
昔から似たようなことは行われていて人々はそれを見て聴いて楽しんだり涙したりしたのでしょうね。
物語って自由だ。

fushihyaku_14.jpg
展示を観終えてアンケートを書き帰ろうとしたところ、
スタッフの人に呼び止められてゲーム「タッチでかるた」を紹介されました。
画面上に百人一首の誰かの上の句がランダムに表示され下の句の札をタップして歌を完成させるというもので
制限時間1分の間にいくつの歌を当てられるかチャレンジ。
知ってる歌はすぐ答えられるけど知らない・覚えてない歌はいくら考えてもわからなかった…
一応ヒントも出るので(ノーヒントの回答よりは点数が減点される)全問正解できましたけども。
伊勢・阿倍仲麻呂・持統天皇・小野篁の歌はすぐわかって、
他の歌はヒントを見て当てたらその日のランキング2位に入れました。
1位の人は点を見る限りノーヒントで正解しまくったっぽいな…すごい。


あ。
前に食べマスの記事を書いたときにポケモンやスヌーピーが出たらいいなと思ってたけど
先週、満を持して発売されたのがスヌーピーと聞いて「よっしゃあ!」と訳もなくうれしくなりました。
snoopytabe.jpg
ゲット。ローソンでの限定販売です。
スヌーピーがチョコ味で、ウッドストックがカスタード味。
スヌーピーの和菓子は京都のカフェでも買ったけど今回はチャーリーの代わりにウッドストックが来たので
お次はルーシーやライナスやシュローダーがお菓子になったらいいなあ。
(夢は言えば叶うかもって今回思い知ったので言ってみる。関係各所の方々よろしくお願いします!)
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