2017-10-08 (Sun)
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東京都美術館の「ボストン美術館の至宝展 東西の名品、珠玉のコレクション」に行ってきました。
ブロとものあやのさんと上野駅で合流してから会場に突撃しましたよ、
一緒にお出かけするの久し振りでした!よろしくお願いします!

ボストン美術館のコレクションは多岐にわたりますが
今回も様々なジャンルから選りすぐりの作品が来日していました。
古代エジプト美術のコーナーの展示品は、1905~1945年までボストン美術館とハーバード大学が
エジプトで行った発掘調査の出土品を持ち帰ったときのコレクションだそうです。
(エジプト政府が半分持って帰っていいよって言ったらしい)
高官マアケルウの偽扉はクフ王のピラミッドから出土していて
実際に開け閉めはしないけどこの扉を通して死者の魂が行ったり来たりすると考えられていたらしい。
埋葬者であるマアケルウさんが扉のあちこちに描かれていて供物もいっぱい、偉い人だったんだな…。
高官クウエンラーの書記像は王子だったクウエンラーさんのお墓のもので
当時、王の息子たちは書記を務めることが多かったとのことで、お仕事の姿の像ですね。
ハトシェプスト王の小像断片は彼女が即位する前、つまり王妃だった頃の姿の像で
額に蛇神ウエラウスを頂いていまして、それが王妃のしるしなのだそう。
そういえば3年前の女王と女神展でもこの蛇を頂いた女性の像が来日していましたっけ。

南宋時代の絵画コーナー。
徽宗(皇帝)の五色鸚鵡図巻は梅の花にとまる小さな鸚鵡の絵で添えられた書も抜群にうまい字!
絵を描く君主は多いけどこの方は特に才能がありたくさんの絵を描いたようです。
周季常の五百羅漢図のうち2点はフェノロサがボストンで企画展をやったときにも展示されたそうで
燈籠を持った鬼が蝙蝠の翼を生やして飛んでいたり、翼の生えた天狗(?)みたいな生き物が飛んでいたりして
ちょっと西洋チックな表現も。
陳容の九龍図巻が思いのほかおもしろくてじっくり鑑賞、
4本指の9匹の龍が雲間をうねりながら飛んだり荒波の中を泳いだり
とぐろを巻いて眠ったり滝を昇ったり、老人の龍が若者に何か言っていたりして
表情や仕草からそれぞれの性格までわかるような筆致。
陳容はこの絵を酒に酔った状態で描いたらしくて、曽我蕭白や河鍋暁斎みたいだと思いましたが
どこにでもそういう人はいるもんですね^^

モースやビゲロー、フェノロサらが集めた日本美術の数々。
野々村仁清の鳥形香合、かわゆい!
手のひらサイズの白カイツブリちゃんは茶色の羽模様がとっても優美でおキュートでした。
尾形光琳・乾山兄弟の銹絵観瀑図角皿は乾山の角皿に貴人が滝を眺める絵を光琳が描いていて
絵の人かわいいなあとわたしがボーっと眺めておりましたら
乾山が書き添えたと思われる漢詩をあやのさんがスラスラっと音読されて「スゲエェェェ」ってなった。。
わたし全然気づいてなかったので…気づかず素通りするところだったよ、ありがとうございます。
曽我蕭白の風仙図屏風は5年ぶりに再会できまして
蛟を退治する道士(陳楠?)、吹き飛ばされている人、白黒2匹のうさぎ、風にあおられる植物が
とても大胆に、しかし繊細に描かれていてやっぱり蕭白すごいと思った。
同じく蕭白の飲中八仙図は杜甫の詩をもとに水墨画にしたということですが
仙人たちが出山釈迦図を眺めながらワイワイ騒いでいて
なんだか杜甫のイメージからはだいぶ遠い(苦笑)でも見ちゃうんだよね~引力のある絵です。
司馬江漢の秋景芦雁図、水辺に立つ雁の絵ですが
遠近法を用いているので画面に奥行きがあるし雲の形も西洋絵画を意識してるし
顔料に油を混ぜているから他の江戸絵画と比べてかなり立体感のある仕上がりになっててきれい。
鳥居派の絵看板は、1758年8月に江戸中村座の舞台にかかった錦木栄小町の絵で
今も歌舞伎座に毎月新しい絵看板が出てますけど、あれのルーツだと思ったらすごく楽しくなって
しかも絵看板てあまり残っていないとキャプションにあってさらにすげえって思いました。
あの江戸でどうやって保存されてたのかわかりませんが…すごいね、よく残ってきたね。
酒井抱一の花魁図はきれいな花魁の絵なのですが
ボス美に収蔵される前は河鍋暁斎が所蔵していたらしく、
しかも暁斎はこの絵を抱一ではなく歌川豊春の筆だと鑑定したみたいで
「明治16(1883)年4月7日 豊春筆也 暁斎[印]」とか書きこんでしまっておりました(爆)。
ハンコ押しちゃったんかい!暁斎せんせいってば何てことを…^^;
今となってはそのサインも歴史的価値があるのでおもしろいんですけどね。
喜多川歌麿の三味線を弾く美人図、着物をさらりと着こなした女性が優雅に三味線を鳴らしていて
5つの狂歌が記してありすべて彼女の美しさの前にひれ伏す男たちという内容でした。
英一蝶の月次風俗図屏風はお正月から年末までの町の行事の様子で
一蝶はこういう絵をすごく細かく描くよなあ…。
同じく一蝶の涅槃図はボストン美術館が1年かけて修復をおこない今回が修復後初公開となる掛軸。
大きな画面いっぱいに釈迦たち仏たち、沙羅双樹、動物たちが描きこまれていました。
猫が2匹いたのもうれしかった(1匹はジャコウネコで凛とこっちを見つめていて
もう1匹は日本猫でリスの尻尾を押さえつけて寝ている姿でした)。
どこのお寺が持っていたのかな…今となっては由来もわからないね。

フランス絵画からは主にバルビソン派と印象派のコレクションが来日。
ミレーの「編み物の稽古」や「ブドウ畑にて」などからは毎日を静かに懸命に生きる人々の姿が感じられます。
あと、ミレーは静物画を3点しか残していないそうでそのうちの1点である「洋梨」が今回展示されていて
ごろりとした手触りも感じられる洋梨と添えられたナイフの光が強烈。
モネの「ルーアン大聖堂」は連作のひとつで、今回は正面の絵が展示されていまして
空が青いからたぶんお昼頃の大聖堂を描いたのではないかな、
前に同じ構図で朝とか夕方ver.を見たことがあります。
「睡蓮」も色の深い水面に花が点々と咲いてとてもきれいだった!
過去に見たことがあるようなないような…モネの絵は、特に睡蓮は似た構図が多いのでわからないけど
初めましてでもまた会えたねでも、どちらでもうれしいです^^
ドガの「腕を組んだバレエの踊り子」はドガの死後にアトリエから見つかった未完成品のひとつで
でも表情はなんとなく読み取れたな…完成してたらエトワールのような美しい絵になってたのかなあ。
クールベの「銅製ボウルのタチアオイ」は何となく色が沈んで見えたけど
これは彼がパリ・コミューンの際に広場の柱を壊した疑いで6ヶ月の刑期中に描いたことが影響しているらしい。
隣にルノワールの「陶製ポットに生けられた花」の絵があったけど対照的でものすごく明るい色彩でした…!
ルノワールの静物画ってあまり見たことないからおもしろかったです。
ゴッホの「郵便配達人ジョセフ・ルーラン」と「ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン」は
ゴッホがアルルに滞在したとき親しかったご夫婦の肖像画で、2点そろっての来日は初めてだとか。
ジョセフは立体的に、オーギュスティーヌは平面的に描かれているのが特徴です。
ゴッホはジョセフの顎髭をソクラテスに例えているそうで
言われてみればギリシャの哲学者でこういう髭の人を結構見かけるような。
オーギュスティーヌの顔色が黄色で手の色が白いのに違和感を覚えないのがすごい、色彩の妙。

アメリカ絵画。
フィッツ・レーンの「ニューヨーク港から」は港に停泊中のたくさんの船を描いていて
帆船、蒸気船、ボートなどの描き分けが絶妙。タッチが繊細できれいでした。
トマス・エイキンズの「クイナ猟への出発」は2人の漁師が乗る舟の傾きが絶妙に描かれているのですが
これを描くためにエイキンズは水平線の位置や舟の帆、太陽光の角度まで計算して仕上げたそうな。
ジョン・サージェントの「ロベール・ド・セヴリュー」は子犬を抱っこした正装の少年で
頬が真っ赤で子どもの血色の良さが出ているなあと。
ジョージア・オキーフの「グレーの上のカラー・リリー」や「赤い木、黄色い空」などは抽象絵画のよう。

版画や写真もありました。
ウィンスロー・ホーマーの「八点鐘」は六分儀で星の位置を見る男性たちのエッチング。
ヨット競技が好きだったエドワード・ホッパーの小帆船はエッチングでヨットを描いていて
ヨットを操る乗り手の体格や筋肉がとてもリアル。
同じくホッパーの「機関車」は線路で車体を眺める車掌さんたちのエッチングで
こういうの見ると何となく機関車トーマスを思い出しますね。
アンセル・アダムスの写真、特に「白い枝、モノ湖」が強烈なモノトーンが印象に残りまして
ゼラチンシルバープリント(銀塩写真)は遠くから見ると一瞬、絵みたいに見えるよな…。
(ボストン美術館はカメラが発明された頃からの写真を収集しているらしい)
アンディ・ウォーホルの「ジャッキー」。どなたかと思ったらジャクリーン・ケネディのことで
夫のジョン・F・ケネディが暗殺されて喪に服している時の写真を水色と青色に加工したもの。
村上隆の「If the Double Helix Wakes Up…」は
村上氏が学生さんたちと一緒に考えたDDB(ドボシラドボシラオシャマンベ)くんをDNAっぽく描いたそうで
カイカイキキに比べてすっきりまとまった色なのがおもしろい。
サム・テイラー=ジョンソンの静物は放置されたりんごにカビが生えて腐るまでを映像に撮影していて
なんだか九相図みたいだなあと思いました。
動く静物画って斬新だよね…そしてこれからは映像アートも保存の対象になりますね。

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イッセー尾形さんによる指人形劇「ルーランさんの夫婦漫才」で使用されたお人形。撮影OKでした。

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一蝶の涅槃図に出てくる動物たちのマスキングテープがあったので買ってしまった☆
リス、猫、虎、亀、蟹、猪、猿、鶴、狐、鳥、馬、鴛鴦、牛、犀、デフォルメされてみんなかわいい☆


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上野公園の広場で開催されていた東京江戸ウィークも覗いて来ました。
和食や日本酒がいただけたり、工芸品の販売や縁日の遊びが体験できるなど
江戸文化を紹介するイベントです。

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日本橋伊場仙さんのブースで出会ってしまった…!猫扇子。
見つけた瞬間一目ぼれして、色が茶色と黒の2種類あったので黒にしました。
扇子袋に尻尾ついててめっちゃかわいいよ~~夏になったら使いたいので今から来年が楽しみです。

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ツーショット。
「新入りかしら?」とでも言いたそうにチラ見されました。よろしくね。
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