虫を見るような目で見られたいんだ。
細谷正充『少女マンガ歴史・時代ロマン 決定版全100作ガイド』を読みました。
これまでに発表・刊行された膨大な少女マンガやレディスコミックの中から
歴史・時代ものをセレクトして100作品を紹介するガイドブックです。
過去の名作から現在連載中の作品まで幅広く紹介されてますよー!
ちなみにこの100作品のうち、わたしがこの本を読む前に読了していたのは15作品、
作品名やあらすじを知っているのは半分程度で、両方とも存じ上げなかったものがほとんどでした。
こんなに世の中には歴史少女マンガが溢れているんだ…!たくさん知ることができてよかったです。
ラインナップは日本史(古代~近代史)、フランス(ルネッサンス~近代)、
ヨーロッパ(中世~近代)、ロシア、アメリカ、エジプト、オリエント、インド、中国・西域です。
あらすじやキャラクター、作品が発表された時代背景、著者による萌え要素まで
1作品につき2ページ程度で紹介されています。
少女マンガ雑誌に限らず幅広いジャンルの雑誌やウェブ連載ものも入っていて著者の興味の範囲が伺える。
連載された年月日や掲載雑誌などのデータがなかったり
それぞれのコミックス総巻数が記載されていないのは少々残念ではありますけども
ネット社会ですし興味を持ったらぐぐって探してみてね!ってことなのかもしれない。
(たぶん絶版作品とかも混じってるので)
わたしが読んだことがあるのは以下の作品たち。
山岸涼子『日出処の天子』。聖徳太子と蘇我毛人が主人公なんですが、
ご存知の方はおわかりかと思いますがあの内容なので
初めて見かけた学生時代にはまったく読めなくて、何年か経ってから一気読みした作品です。
とにかく太子がやべえ…!それ以上に刀自古がやべえ!と戦慄しっぱなしだったよ…
歴史教科書のイメージと全然違うし仏教やSFめいた演出がとても壮大だった。
(どうでもいい萌えポイントですが毛人が猫を膝にだっこして気を紛らわせるコマがあって、あれ好きです)
里中満智子『天上の虹』。完結した際に過去記事にも書きましたけど
キャラクターが誰も彼も複雑で深みのある造形で読みごたえがあるんですよね。
D・キッサン『千歳ヲチコチ』これおもしろいよー!最高におもしろいですよ!!(力説)
ほのぼのとギャグとシリアスと恋愛がおもしろいくらいにバランスよく組み込まれていて
しかもそれらはガッチリと調査された史実と古典に裏打ちされていることがコマ間からばしばし伝わってきます。
「具注暦(カレンダー)」「部活か!」「ハーレクインも腰抜かすぞ」「女房モブ」「ノンストップ行事」「U・T・K」など
現代的なセリフが多いのに全く気にせず読めるのはどうしてだろうと思っていたのですが
作者さんが過去のツイートでこんな発言をなさっていて
ああこれはどろろだったんだ…読み慣れていたからかあ、とスコンと納得がいったのでした。
あとキッサン氏がどろろを読んでいたこともちょっとうれしかった。いい妖怪マンガですよね。
ねこしみず美濃『猫暦』。伊能忠敬に弟子入りしたおえいの研究生活がほんとすこ、
司天台を始め天文学の描写が非常に丁寧で勉強になるし、
ねこしみず氏の時代考証は徹底的なことで有名なので安心して読めますよね。
あとヤツメの描写が!毛めっちゃフサフサふわふわしてそう~~触ってみたい。
沙嶋カタナ『咲くは江戸にもその素質』。きましたわ~!
たまたまネットで連載中だったのを見つけて読み始めてあっという間にハマったんですよ…
「〇×〇いいと思うの」とか唾ゴクリとか腐女子あるあるトークをわかる…わかる…と静かに頷きながら読んだよ…
八犬伝を通じてじわじわ仲間が増えていくとか3次元男子で妄想始めちゃうとかしゅごいよ、沼が深い。
あとフルカラーマンガなのすごいよね!どんだけ手間暇かけて描いていらしたのか。いやはや。
永尾まる『猫絵十兵衛 御伽草子』は少女マンガなのかどうかわかりませんが
お江戸猫ぱんち連載だし猫と人間の人情とか萌え要素もあるのでカテゴライズされるのかな。
日常から妖怪、神様や仙人の世界まで色んな猫が出てきて楽しい、猫のお伊勢参りの話がすきだ~。
捨てられていた幼い十兵衛がたくさんの猫に囲まれていたコマも好きすぎる…ああいうのに弱いです。
あとニタ様の本当の姿はかっこよすぎてしねる。
渡辺多恵子『風光る』。これ学生時代から読んでますがまだ続いてるんだね!
熱いファンだった友達が部室でめっちゃ語ってくれたのを今でも覚えています。
池田屋事件で沖田総司に吐血させなかった理由を渡辺氏がコミックス巻末に詳細に記してくれていたのを読んで
マンガって自分の考えを持って描いていいんだと自信をくれた作品でもあるので最後まで見届けたい。
菅野文『北走新選組』、歳さんが勇ましいけど儚げで哀しいんだよね…でもそれがいいんだ…(何)。
海に落ちた野村利三郎が「青い…」とモノローグする様は碧血碑を知っている人は泣くよきっと。
あとこの作品の大鳥圭介は!とても!いいぞ!!(熱弁)
(菅野氏は斎藤一を主人公に描いた『誠のくに』もおすすめです)
大和和紀『はいからさんが通る』、読んだのいつだっけなあ?
楽しい物語なのかなと読み始めたら早々に裏切られ波乱の展開にドキドキしたものです。
ギャグ要素もあってホッと笑えたりもしますが最後までぐいぐい引っ張られてました。
あとこの物語に出てくる男性は皆美人ばかりであった…筆頭は蘭丸くんね。
あと、著者も言ってるけど関東大震災の芸能人のエピソードはわたしも読みながらへー!って思ったなあ、
当時蝶々夫人を上演中だった浅草オペラで田谷力三がピンカートンの扮装のまま逃げたとか
肉声や体温が垣間見えるエピソードは興味深いです。
草間さかえ『タケヤブヤケタ』。きましたわ~!(その2)
草間氏のマンガは『さよならキャラバン』も『うつつのほとり』も『魔法のつかいかた』も大好きですが
最初に出会ったのがタケヤブで、たちまちその作風にハマってしまったのでした。
わずかなセリフと人物の交流からドラマが繰り広げられ、そうくるかー!という展開からのカタルシス…
特に氏の描く枯れたおじさまがエロい。わかりみが高い。(何か言い出した)
都戸利津『嘘解きレトリック』、おおおおこれも大好きですわ~!
嘘を見抜く能力のためにずっと村八分にされてきた主人公の鹿乃子が
東京に出てきて祝先生のところで居場所を見つけられたのが本当にほっとする。
ミステリも作り込まれていて最後まで読まないとわからないし(推理作品は推理しないで読むタイプです)、
都戸氏の描かれるレトロモダンな背景も綺麗なのでおすすめですよ。
萩尾望都『王妃マルゴ』。モー様の描く人物は情感がすさまじいよね…!
モー様の作品で最初に読んだのは『ポーの一族』で、『イグアナの娘』はドラマで見たけど
登場人物がみんな強烈に生きていて下手すると見てるこっちがエネルギーを吸い取られるような気がする。
おととしの「浦沢直樹の漫勉」で制作風景を見たときも鬼気迫るマルゴが原稿上にいたしなあ、
下書きのレベルも高かったよね…何気ない神作家の「下書き」が僕の心を傷つけた!凸(☎︎ω☎︎)凸
池田理代子『ベルサイユのばら』。もう説明の必要がないくらい知名度も名作度も高い作品。
原作もアニメも何度も読んで観てて、あとは宝塚版を見に行くしかないんじゃないかという。
(でもきっと見に行ったらハマってしまうこと間違いないので怖くて行けない)
ベルナールやアランが好きでした。オスカルはル・ルーちゃんと一緒にいるときの姿が好き。
穂積『さよならソルシエ』。テオのキャラがわたしのイメージといい意味で真逆ですばらしかったんですが
もうちょっと、2冊じゃなく5冊くらいにしたら兄弟の葛藤をもう少し描きこめたような気がするんだけど…
わたしにはもったいない気がしてしまった作品でもあります。
映画にするならちょうどよい長さかなと思っていたら2.5次元舞台化されましたね。どうだったんだろ。
(ちなみにわたしは同氏の『式の前日』が大好きです)
篠原千絵『天は赤い河のほとり』。妹が友人に全巻借りてきたとき読ませてもらいましたが長く感じたなあ!
ヒッタイトの知識は皆無で読んだけどおもしろかったです。お蔭でラムセス二世に詳しくなった。
主人公ユーリの超人ぶりがすごいけどそれ以上にナキア様の存在感がすごかった…ジュダは天使。
タイムスリップもので主人公が帰らない選択をするのはよくあることだけど
(その新しい形は先年『犬夜叉』でかごめが体現してみせた気もする)、
子孫の話にまで繋がるのは何というか、大河ドラマのようだなあと思いました。
(わたし少コミ作品はふし遊しか読んでないんだけど、天河も同じ少コミだけど
ふし遊より政治要素も恋愛要素も強めなのは史実ベースだからかな)
タイトル知ってるなあとか、まだ読めてないなあと思った作品も。
碧也ぴんく『義経記』、まだ読んでない!
碧也氏の歴史マンガは『八犬伝』『天下一!』などを読んでいますが
中でも『鬼外カルテ』シリーズのラスト2作は大傑作になっているのでおすすめします!!
よしながふみ『大奥』どうしようかなと思いつつ読んでないな…きのう何食べただったら読んでますけども…。
森薫『エマ』、あ~~『乙嫁語り』なら読んでるんですが
エマも友達が読んで絶賛していたのでこれを機に読んでみるのもよさそうだな。
いがらしゆみこ『キャンディ・キャンディ』はタイトルも作家も知ってますけど読んだことはなくて、
というか第一次大戦の頃の話って初めて知った。。あらすじを読んだけど暗い話だったんだろうか。
高尾滋『マダム・プティ』、現在も連載中なんですよね~。
オリエント急行の中で事件が起こるという発端が気になってる。
楠桂『妖魔』、作家さんローディストだったとかまじすか…!
あと鬼切丸伝を読もう読もうと思ってて読めてません、ぐぬぬ。
山下友美『妖怪と薬売り』は初めて知りましたけど
元薬剤師の作家さんによるお江戸医療マンガだと??読みたい。
岩崎陽子『王都妖奇譚』も知らない作品だ~、
「小野篁の曾孫で冥府の役人である氷月という魅力的な女性が出てくる」と紹介されていた。ほわああぁ!?
著者も「執筆中に次々と新たな作品が刊行され間に合わなかった」と悔やんでおられますが
ユキムラ『たむらまろさん』、おかざき真里『阿吽』、喜多尚江『銀のトゲ』、吟鳥子『いづれの御時にか』、
灰原薬『応天の門』、佐野絵里子『たまゆら童子』、大久保圭『アルテ』、びっけ『王国の子』、
紗久楽さわ『かぶき伊佐』『あだうち』『百と卍』あたりはあるとよかったなあ。
過去に実際に存在した人物が登場するマンガが基本的には紹介対象だったと思いますが
架空の登場人物であっても時代背景が史実を踏まえていれば入れているようなのもありましたのでね。
たぶん泣く泣く省略なさった作品いっぱいあると思うのでぜひ第2弾を企画していただいて
著者にはじゃんじゃん歴史少女マンガへの愛と萌えを語っていただきたいものです。
何かすごく親近感を覚える紹介文を書く方なのだ…!
『歴史・時代小説の快楽 読まなきゃ死ねない全100作ガイド』という姉妹編もあるみたいなので
そっちも読んでみようかなあ。
これまでに発表・刊行された膨大な少女マンガやレディスコミックの中から
歴史・時代ものをセレクトして100作品を紹介するガイドブックです。
過去の名作から現在連載中の作品まで幅広く紹介されてますよー!
ちなみにこの100作品のうち、わたしがこの本を読む前に読了していたのは15作品、
作品名やあらすじを知っているのは半分程度で、両方とも存じ上げなかったものがほとんどでした。
こんなに世の中には歴史少女マンガが溢れているんだ…!たくさん知ることができてよかったです。
ラインナップは日本史(古代~近代史)、フランス(ルネッサンス~近代)、
ヨーロッパ(中世~近代)、ロシア、アメリカ、エジプト、オリエント、インド、中国・西域です。
あらすじやキャラクター、作品が発表された時代背景、著者による萌え要素まで
1作品につき2ページ程度で紹介されています。
少女マンガ雑誌に限らず幅広いジャンルの雑誌やウェブ連載ものも入っていて著者の興味の範囲が伺える。
連載された年月日や掲載雑誌などのデータがなかったり
それぞれのコミックス総巻数が記載されていないのは少々残念ではありますけども
ネット社会ですし興味を持ったらぐぐって探してみてね!ってことなのかもしれない。
(たぶん絶版作品とかも混じってるので)
わたしが読んだことがあるのは以下の作品たち。
山岸涼子『日出処の天子』。聖徳太子と蘇我毛人が主人公なんですが、
ご存知の方はおわかりかと思いますがあの内容なので
初めて見かけた学生時代にはまったく読めなくて、何年か経ってから一気読みした作品です。
とにかく太子がやべえ…!それ以上に刀自古がやべえ!と戦慄しっぱなしだったよ…
歴史教科書のイメージと全然違うし仏教やSFめいた演出がとても壮大だった。
(どうでもいい萌えポイントですが毛人が猫を膝にだっこして気を紛らわせるコマがあって、あれ好きです)
里中満智子『天上の虹』。完結した際に過去記事にも書きましたけど
キャラクターが誰も彼も複雑で深みのある造形で読みごたえがあるんですよね。
D・キッサン『千歳ヲチコチ』これおもしろいよー!最高におもしろいですよ!!(力説)
ほのぼのとギャグとシリアスと恋愛がおもしろいくらいにバランスよく組み込まれていて
しかもそれらはガッチリと調査された史実と古典に裏打ちされていることがコマ間からばしばし伝わってきます。
「具注暦(カレンダー)」「部活か!」「ハーレクインも腰抜かすぞ」「女房モブ」「ノンストップ行事」「U・T・K」など
現代的なセリフが多いのに全く気にせず読めるのはどうしてだろうと思っていたのですが
作者さんが過去のツイートでこんな発言をなさっていて
ああこれはどろろだったんだ…読み慣れていたからかあ、とスコンと納得がいったのでした。
あとキッサン氏がどろろを読んでいたこともちょっとうれしかった。いい妖怪マンガですよね。
ねこしみず美濃『猫暦』。伊能忠敬に弟子入りしたおえいの研究生活がほんとすこ、
司天台を始め天文学の描写が非常に丁寧で勉強になるし、
ねこしみず氏の時代考証は徹底的なことで有名なので安心して読めますよね。
あとヤツメの描写が!毛めっちゃフサフサふわふわしてそう~~触ってみたい。
沙嶋カタナ『咲くは江戸にもその素質』。きましたわ~!
たまたまネットで連載中だったのを見つけて読み始めてあっという間にハマったんですよ…
「〇×〇いいと思うの」とか唾ゴクリとか腐女子あるあるトークをわかる…わかる…と静かに頷きながら読んだよ…
八犬伝を通じてじわじわ仲間が増えていくとか3次元男子で妄想始めちゃうとかしゅごいよ、沼が深い。
あとフルカラーマンガなのすごいよね!どんだけ手間暇かけて描いていらしたのか。いやはや。
永尾まる『猫絵十兵衛 御伽草子』は少女マンガなのかどうかわかりませんが
お江戸猫ぱんち連載だし猫と人間の人情とか萌え要素もあるのでカテゴライズされるのかな。
日常から妖怪、神様や仙人の世界まで色んな猫が出てきて楽しい、猫のお伊勢参りの話がすきだ~。
捨てられていた幼い十兵衛がたくさんの猫に囲まれていたコマも好きすぎる…ああいうのに弱いです。
あとニタ様の本当の姿はかっこよすぎてしねる。
渡辺多恵子『風光る』。これ学生時代から読んでますがまだ続いてるんだね!
熱いファンだった友達が部室でめっちゃ語ってくれたのを今でも覚えています。
池田屋事件で沖田総司に吐血させなかった理由を渡辺氏がコミックス巻末に詳細に記してくれていたのを読んで
マンガって自分の考えを持って描いていいんだと自信をくれた作品でもあるので最後まで見届けたい。
菅野文『北走新選組』、歳さんが勇ましいけど儚げで哀しいんだよね…でもそれがいいんだ…(何)。
海に落ちた野村利三郎が「青い…」とモノローグする様は碧血碑を知っている人は泣くよきっと。
あとこの作品の大鳥圭介は!とても!いいぞ!!(熱弁)
(菅野氏は斎藤一を主人公に描いた『誠のくに』もおすすめです)
大和和紀『はいからさんが通る』、読んだのいつだっけなあ?
楽しい物語なのかなと読み始めたら早々に裏切られ波乱の展開にドキドキしたものです。
ギャグ要素もあってホッと笑えたりもしますが最後までぐいぐい引っ張られてました。
あとこの物語に出てくる男性は皆美人ばかりであった…筆頭は蘭丸くんね。
あと、著者も言ってるけど関東大震災の芸能人のエピソードはわたしも読みながらへー!って思ったなあ、
当時蝶々夫人を上演中だった浅草オペラで田谷力三がピンカートンの扮装のまま逃げたとか
肉声や体温が垣間見えるエピソードは興味深いです。
草間さかえ『タケヤブヤケタ』。きましたわ~!(その2)
草間氏のマンガは『さよならキャラバン』も『うつつのほとり』も『魔法のつかいかた』も大好きですが
最初に出会ったのがタケヤブで、たちまちその作風にハマってしまったのでした。
わずかなセリフと人物の交流からドラマが繰り広げられ、そうくるかー!という展開からのカタルシス…
特に氏の描く枯れたおじさまがエロい。わかりみが高い。(何か言い出した)
都戸利津『嘘解きレトリック』、おおおおこれも大好きですわ~!
嘘を見抜く能力のためにずっと村八分にされてきた主人公の鹿乃子が
東京に出てきて祝先生のところで居場所を見つけられたのが本当にほっとする。
ミステリも作り込まれていて最後まで読まないとわからないし(推理作品は推理しないで読むタイプです)、
都戸氏の描かれるレトロモダンな背景も綺麗なのでおすすめですよ。
萩尾望都『王妃マルゴ』。モー様の描く人物は情感がすさまじいよね…!
モー様の作品で最初に読んだのは『ポーの一族』で、『イグアナの娘』はドラマで見たけど
登場人物がみんな強烈に生きていて下手すると見てるこっちがエネルギーを吸い取られるような気がする。
おととしの「浦沢直樹の漫勉」で制作風景を見たときも鬼気迫るマルゴが原稿上にいたしなあ、
下書きのレベルも高かったよね…何気ない神作家の「下書き」が僕の心を傷つけた!凸(☎︎ω☎︎)凸
池田理代子『ベルサイユのばら』。もう説明の必要がないくらい知名度も名作度も高い作品。
原作もアニメも何度も読んで観てて、あとは宝塚版を見に行くしかないんじゃないかという。
(でもきっと見に行ったらハマってしまうこと間違いないので怖くて行けない)
ベルナールやアランが好きでした。オスカルはル・ルーちゃんと一緒にいるときの姿が好き。
穂積『さよならソルシエ』。テオのキャラがわたしのイメージといい意味で真逆ですばらしかったんですが
もうちょっと、2冊じゃなく5冊くらいにしたら兄弟の葛藤をもう少し描きこめたような気がするんだけど…
わたしにはもったいない気がしてしまった作品でもあります。
映画にするならちょうどよい長さかなと思っていたら2.5次元舞台化されましたね。どうだったんだろ。
(ちなみにわたしは同氏の『式の前日』が大好きです)
篠原千絵『天は赤い河のほとり』。妹が友人に全巻借りてきたとき読ませてもらいましたが長く感じたなあ!
ヒッタイトの知識は皆無で読んだけどおもしろかったです。お蔭でラムセス二世に詳しくなった。
主人公ユーリの超人ぶりがすごいけどそれ以上にナキア様の存在感がすごかった…ジュダは天使。
タイムスリップもので主人公が帰らない選択をするのはよくあることだけど
(その新しい形は先年『犬夜叉』でかごめが体現してみせた気もする)、
子孫の話にまで繋がるのは何というか、大河ドラマのようだなあと思いました。
(わたし少コミ作品はふし遊しか読んでないんだけど、天河も同じ少コミだけど
ふし遊より政治要素も恋愛要素も強めなのは史実ベースだからかな)
タイトル知ってるなあとか、まだ読めてないなあと思った作品も。
碧也ぴんく『義経記』、まだ読んでない!
碧也氏の歴史マンガは『八犬伝』『天下一!』などを読んでいますが
中でも『鬼外カルテ』シリーズのラスト2作は大傑作になっているのでおすすめします!!
よしながふみ『大奥』どうしようかなと思いつつ読んでないな…きのう何食べただったら読んでますけども…。
森薫『エマ』、あ~~『乙嫁語り』なら読んでるんですが
エマも友達が読んで絶賛していたのでこれを機に読んでみるのもよさそうだな。
いがらしゆみこ『キャンディ・キャンディ』はタイトルも作家も知ってますけど読んだことはなくて、
というか第一次大戦の頃の話って初めて知った。。あらすじを読んだけど暗い話だったんだろうか。
高尾滋『マダム・プティ』、現在も連載中なんですよね~。
オリエント急行の中で事件が起こるという発端が気になってる。
楠桂『妖魔』、作家さんローディストだったとかまじすか…!
あと鬼切丸伝を読もう読もうと思ってて読めてません、ぐぬぬ。
山下友美『妖怪と薬売り』は初めて知りましたけど
元薬剤師の作家さんによるお江戸医療マンガだと??読みたい。
岩崎陽子『王都妖奇譚』も知らない作品だ~、
「小野篁の曾孫で冥府の役人である氷月という魅力的な女性が出てくる」と紹介されていた。ほわああぁ!?
著者も「執筆中に次々と新たな作品が刊行され間に合わなかった」と悔やんでおられますが
ユキムラ『たむらまろさん』、おかざき真里『阿吽』、喜多尚江『銀のトゲ』、吟鳥子『いづれの御時にか』、
灰原薬『応天の門』、佐野絵里子『たまゆら童子』、大久保圭『アルテ』、びっけ『王国の子』、
紗久楽さわ『かぶき伊佐』『あだうち』『百と卍』あたりはあるとよかったなあ。
過去に実際に存在した人物が登場するマンガが基本的には紹介対象だったと思いますが
架空の登場人物であっても時代背景が史実を踏まえていれば入れているようなのもありましたのでね。
たぶん泣く泣く省略なさった作品いっぱいあると思うのでぜひ第2弾を企画していただいて
著者にはじゃんじゃん歴史少女マンガへの愛と萌えを語っていただきたいものです。
何かすごく親近感を覚える紹介文を書く方なのだ…!
『歴史・時代小説の快楽 読まなきゃ死ねない全100作ガイド』という姉妹編もあるみたいなので
そっちも読んでみようかなあ。
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- 2018/02/14(水) 19:03:24 |
- URL |
- TOM-F
- [ 編集 ]
あれね、もう途中から誰と誰がナニしてるんだか、しっちゃかめっちゃかでとにかく圧倒されました。
シリアスな内容なんですけど、ときどき挿入されているほわっとしたエピソードやシーンが良かったなぁ。私は厩戸と刀自古が、山背王子をあやしているシーンに萌えましたねぇ。終盤では貴重ななごみシーンだったし。
内容はたしかにアレでしたけど、ああいうパワーのある漫画、また読んでみたいですね。
そうそう、タカラヅカの『ベルばら』は必見ですよ~。どっぷりとはまり込んでくださいな(笑)
Re: タイトルなし
- 2018/02/15(木) 21:22:02 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
圧倒されますよね!
読むだけで引きこずりまれるというか、
キャラクターも背景も細いタッチなのにエネルギーを感じるすごい作品でした。
ちょこちょこ笑いのシーンがあるのも飽きずに読めた理由のひとつかな。
山背をあやす厩戸、いました、いました。
刀自古がだいぶキてた頃でしたっけ…何だかんだ山背のこと大事にしてますよね、厩戸は。
> タカラヅカの『ベルばら』は必見ですよ~。
ひいぃっ(;´∀`)
だいぶ前にBSでちらっと見たきりなんですよね…ううう気になる。勇気を出したいです。
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