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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


いろいろな光が混じり合ってその人の光になる。その人だけの光になる。

  1. 2018/03/03(土) 23:57:08_
  2. 文化・美術
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
hamaningyo_4.jpg
横浜人形の家にて開催中の「後藤由香子展-時空を超えた愛の贈り物」に行ってきました。
去年亡くなられた節句人形工芸師・後藤由香子さんの追悼企画展です。
後藤さんは主に雛人形を制作しておられた作家さんで
現代的でシックな、さらに過去の雅さも盛り込んだ美しい雛人形がたくさんありました。
この展覧会に気づいたのが先月で、でもなかなか行けなくて
「よし行ける!」ってなった日がたまたま桃の節句だったのも何かの縁だったのかな、
こんなに多くの雛人形を見る機会もあまりないと思うので充実した時間でした。
しかも全部写真撮影OK!!太っ腹すぎる。

というわけでいっぱい写真撮ってきましたのでいくつかご紹介いたします!
hamaningyo_12.jpg
展示室に入ってすぐ迎えてくれるのがこんなお人形さんなんですよ~☆
「夜明けのシンフォニー」というタイトルで、笛と琴を奏でるお人形さんたち。
「これからつむぎだすたくさんの人生のシンフォニーがやがて素敵なシンフォニーとなりますように」との
願いが込められているそうです。
そうだこれは雛人形なのだから、これから大きくなる女の子たちの健やかな人生を願うんだな。
しかし典型的な雛人形のように真正面を向いて座るのではなくちょっとお互いを向き合っているのも素敵、
後藤さんのお人形はこんな風に自由です^^

hamaningyo_13.jpg
「こもれび」。
木漏れ日の中でいつまでも光輝く人生でありますように、とのこと。
こちらはスタンダードに正面向いて並んでいますね~緑色のかさねが美しい。

hamaningyo_14.jpg
「Snowbird 雪の情景の中で寄り添う二人」。
源氏物語に登場する「氷のかさね」を着たお人形さんたちです。
人形の家スタッフさんによるとこの男雛は羽生結弦さんをイメージしているとのこと。
言われてみれば雪景色の背景に氷のような地面で今にもスケートとか始めそう、
十二単でスケートは難しいだろうけど
束帯もどきで4回転ループが飛べるのは先日までの五輪で羽生氏本人が証明してくれたしね。

hamaningyo_15.jpg
「JAZZ」。
ちょっと粋なJAZZのように女雛に手紙を書く男雛、というコンセプトがおもしろいなと思いました。
2人が着ているのは秋色のかさね。

hamaningyo_36.jpg
「PARADISE」。
南国のパラダイスをイメージした夏色のかさねで、柄は唐草と鳳凰!
鳳凰はフェニックスと同一視される火の鳥ですからまさに情熱の夏ですなあ。

hamaningyo_37.jpg
「さくら」。
春のかさねはやっぱり桜。桜柄の着物と、持ち物も桜。桜づくしで華やか!

hamaningyo_16.jpg
「出逢い」。
しだれ桜の下で出会う2人というとてもロマンチックな作品。
デートというよりお花見のような感じもします。優雅なお花見。

hamaningyo_17.jpg
「エミールの庭」。
後藤さんの初期作品で、エミール・ガレに憧れて制作したそうです。
お人形さんたちの着物はフランスの織物で作られているとのことで西洋のドレスのようにも見えてエレガント。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆
 
 
 
hamaningyo_21.jpg
「織部」。
それぞれのお人形が織部の茶碗とツーショット☆
雛壇には盃がつきものですが、焼き物で白酒としゃれこむのもよさそうです。

hamaningyo_22.jpg
「志野」。
こちらは志野焼とのツーショットです。
紅い顔の右大臣はいないけど、ピンク色のライティングでお人形さんの顔が心なしか紅色でした。

hamaningyo_23.jpg
「Dreaming」。
後藤さんのおじいさまも人形師だったそうで、戦後の焼け野原の中で仕事を始めたそうです。
後藤さんは東日本大震災のとき、おじいさまを思い出されて
「何もない中で人形作りを始めたのはこころの復興のためではないか」と思われて
この作品を制作したそうです。
鳥たちと戯れるお人形さんたち、髪型もアウトドアらしくラフですね。素敵だ。

hamaningyo_24.jpg
「春色のこころ」。
桜の柄の着物をきたお人形さんたち。アクセサリーも桜です。
桜を見ると春が恋しくなります。早くあったかくならないかなー!

hamaningyo_38.jpg
「Japan」。
あえてこの構図なのはこの着物が鶴をイメージしているからで、
上から見た方が鶴が翼を広げたように見えるかなあと思ったのです。
平等院鳳凰堂も上から見ると鳳凰が翼を広げたように見えるっていいますでしょ^^

hamaningyo_39.jpg
「花かんむり」。
春一番に咲くミモザの花を冠にしてプレゼント。
ちょっとわかりにくいけど男雛の肩に黄色い小鳥がとまっています。

hamaningyo_40.jpg
「妖精~ミモザ」。
こちらもミモザの花。さっきの花冠の続きというか、ストーリーが感じられます。
こちらは女雛の手に黄色い小鳥が。

hamaningyo_18.jpg
後藤さんは雛人形だけでなく、五月人形も制作されています。
こちらは「ポセイドン」というタイトル。
貝殻やヒトデがちりばめられ、海の波を連想させるような兜がかっこいい。

hamaningyo_19.jpg
「宇宙の騎士」。
ルーク・スカイウォーカーかダース・ベイダーか。
あの世界の誰かが被って映画に出ていても全然違和感なさそうな雰囲気、むしろ被ってほしいー!

hamaningyo_25.jpg
「森のくまさん」。
ドイツのモヘアで作られたテディベアのお雛様!かわいい☆
ヨーロッパでは子どもが生まれるとぬいぐるみをプレゼントする風習がありますけど
(ファーストフレンドというやつ)その子たちはどんな服を着てるんだろう、そういえば。

hamaningyo_20.jpg
後藤さんの遺品も展示されていました。
こちらはお人形の着物に使われた西陣織の織物や、染められた糸、小道具など。
他にも企画のスケッチブックや画材、布、工芸品やデザイン図案などがたくさん並んでいました。
特に着物については素材から模様、色彩まで入念に研究されていたそうだ。


そしてそしてわたしが一番見たかった作品がこちら!
hamaningyo_27.jpg
ゴスロリ雛人形!
「かっこいいのが好き、でもかわいいのも譲れないの。美にはちょっとした毒は欠かせない」という
キャプションの後藤さんのお言葉ーーー!!キエエエェェェエエエエ( ゚Д゚)
雪洞に鳥籠がぶら下がるなんて前代未聞だよ…背景の額縁にもリンゴとか鍵とか厨二アイテムががが。

hamaningyo_28.jpg
モノトーン三人官女!
それぞれ持ち物が黒い蝶、黒いレース付き黒花、黒い鳥かご!めっちゃおしゃれ。
かつて「黒は女を美しく見せるんだから」と言ったオソノさんは正しかったのだ…!

hamaningyo_29.jpg
モノトーン雛人形!アヒィ('Д')
黒でもただの黒じゃない、あらゆるグレーと黒を駆使したカラーリングにただただ溜め息。
お花をあしらったレース付き扇わたしも欲しいー!

hamaningyo_30.jpg
まつげバッチリつけちゃってもう!
こんな形のつけ睫毛あるんだろうかとか、マスカラめっちゃ重そうとか色々思いましたが
そんなんあっという間にどうでもよくなる造形美であります。キエエエェェェエエエエ(何回言うの)
このお姉さんたちに囲まれて恐縮して縮こまりたい、何だかとても倒錯的な気持ちになれそうな気がする。
(やばいこれ以上は何かに目覚める、もうやめよう)

hamaningyo_26.jpg
カネボウのKATEのCM「ザ・エクストリームひな祭り」にて俳優さんが着用した着物。
後藤さんは着物の他にメイクも担当なさったそうです。
そういえばあのCMにはゴスロリ雛人形さんたちもチラリと出演なさっていたような覚えがあります。

hamaningyo_31.jpg
「幻桜」。
千年以上咲き続ける薄墨桜と、千年以上続く雛祭りのコラボ☆
作品に近づくとドビュッシーの月の光が自動的に流れて
背景の月にかかる雲が投影されるインスタレーションです。
雲がゆっくり動いていくので雰囲気あります。

hamaningyo_32.jpg
光源氏と紫の上。
源氏物語御法巻にて中秋の名月の前日に紫の上が亡くなり、源氏が月を見上げるシーンがありますが
後藤さんはそんな源氏と上を再会させ、2人ができなかったお月見をさせてあげたようです。
上は馬に乗って現れたという設定だそうで、馬上の上を想像すると超かっこいいとしか感想でてこないね!

hamaningyo_33.jpg
ゲーム「ファンタシースターオンライン2」の5周年を記念して制作されたお人形「マザー」。
月の象徴として登場するキャラクターだそうなので、かぐや姫のイメージを織り込まれたとか。

hamaningyo_34.jpg
マザーは後藤さんの最後の作品だそうですが
お人形さんはこんなに生き生きとしているのでとても信じられません。
衣裳にはコンピューター回線のような模様を織り込み、髪にエンブレムをあしらい、
小道具には三種の神器に見立てた魔鏡・剣・勾玉を用意しています。
またこの十二単の形はマザーのためのオリジナルで本来の十二単よりもボリュームを出す工夫がしてあるとか。
細部まで試行錯誤と工夫を凝らして制作されたのだなあ…たくましいエネルギーを感じました。

hamaningyo_35.jpg
こちらも雛人形としての最後の作品、「MANA」。海をテーマにしています。
貝殻をあしらった美しい衣装はさわやかな海辺を連想させるし
たっぷりとした花はお人形の持ち主が身につけることもできるそうです。
雛人形と同じモチーフを身に着けられるのっていいよね、お揃い^^

「いろいろな光が混じり合ってその人の光になる。その人だけの光になる。
 命は光を持っている。優しい光。悲しい光。」
(会場に掲示されていた後藤由香子さんの詩より)


企画展の後は常設展も観てきましたよ~。
色んなお人形がいて、みんなかわいくておしゃれでエキゾチック、お人形っていいなあ。
hamaningyo_1.jpg
切符売り場にいたくるみ割り人形。
クリスマスイブにマリーやクララが見たのはこんなサイズだったのだろうか。

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横浜といえば!な、赤い靴の女の子。
縮緬で作られた物憂げな表情にどきどき。

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戦前に日米関係の悪化を憂えたアメリカ人の博士によって始められた友情人形プロジェクト。
まずアメリカから青い目の人形が贈られ、お返しに日本からも市松人形が贈られました。
このプロジェクトの中心にいたのが渋沢栄一氏だったとキャプションで知りました。そうだったのかー!

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世界の民族人形コーナー。
アジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなど世界各地のお人形が展示されています。
地域や時代でお人形の表情も髪型もアクセサリーもファッションデザインも違っておもしろい。

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ドールハウスもあったよ!
細部まで作り込まれてまるでさっきまで誰かが生活していたような、
綺麗すぎない雑然とした室内インテリアがすばらしい。
ドールハウスには夢が詰まってると思います…ミニチュア好きとしてはたまらん。

hamaningyo_7.jpg
ドールメモリーは「子どもの頃一緒にいたお人形を思い出す」コーナーで
ダッコちゃんやバービーなどが展示されていたのですが
じゃじゃまる・ぴっころ・ぽろりを見つけて「ぎえええ」って叫ぶところでした!懐かしい☆
(ゆさのおかいつはにこにこぷん時代です)
何だかんだでぴっころの言うこと聞いてあげるじゃじゃ丸が好きでした。ぽろりは前歯がキュート。

hamaningyo_8.jpg
ピノキオからテディベアまで、触って楽しめるお人形もありましたよ。
あやつり人形を動かすのって一時期すごく憧れたなあ…あれも技術ですよね。

hamaningyo_9.jpg
海外の人形の歴史。
アンティークドールは一時期めっちゃ憧れました…!たぶん小公女セーラの影響。
セーラが抱いていたエミリーもアンティークドール(ビスクドール)ですよね。
寝かせると目を閉じるスリーピング・アイのお人形は昔わたしも持ってたなあ。

hamaningyo_10.jpg
日本人形の歴史コーナーへ。
雛人形や御所人形、五月人形、市松人形、浄瑠璃の人形、人間国宝のオリジナル作品などもあります。
写真はからくり人形のコーナーで、着物を外して内部が見えるようにしてありました。
実際に動くところを見られたらいいのにな。

hamaningyo_11.jpg
突然の文豪ストレイドッグス(笑)。
何だろうと思って中に入ったら、現在、横浜市内の施設や地下鉄でスタンプラリーをやっていて
人形の家はそのうちの一箇所になっているのですね。
坂口安吾さんのスタンプが置いてありました。
他にも映画の予告編が流れていたり複製原画が展示されていたりしましたので
ファンの方はぜひ訪れてみてくだされ、
明らかにSNS映えを意識したスタンディもあったのでな!(笑)

そういえば今日は雛祭りなので~。
hinaokashi2.jpg
菓匠花見さんのおびなめびな。
中味はこし餡と卵餡でおいしかったです☆

hinaokashi1.jpg
金沢和音さんのおびなめびな。
首に花がついてるとマグリットを思い出しますね。


また、今日は金沢文庫にも行きまして運慶展を鑑賞してきたのですが
長くなりますので次回記事にて書きたいと思います。
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Author:ゆさ
猫に熱烈な愛をそそぐ本の蟲
歴史やアートも溺愛中
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