2018-04-25 (Wed)
サン・ジョルディの日も世界の本と著作権デーもセルバンテスの命日も過ぎてしまいましたが
こども読書週間は5月まで続きますので本を読んでおります☆
わたしはもう子どもではないけど子どもの本を読むのは大好きだからこれでいいのだ。
(いや、別に普段から読書週間であってもなくても読んでますけど)

先日、ジョゼ・ジョルジェ・レトリア&アンドレ・レトリア親子の『もしぼくが本だったら』を読んだのですが
「ずっとしまってきた昔の秘密を読者とわかちあう」
「ニューヨークのことも古代ローマのことも知っている」
「うちあけられたすべての秘密をしっかりと守ってみせる」
「ぼくのことを友達と呼ぶ人に夜がふけるまで読まれたい」
「文字と音だけでできた摩天楼になりたい」
「戦争したがる心をいっぺんでうちくだく効果的でやさしい武器になる」
「熱心な読者と一緒なら無人島に行ってもいい」
「図書館になるくらいどこまでも大きくなりたい」
などなど、名言が次々に出てきて楽しい絵本でした。
過去記事にゆさのかんがえた最強のとしょかんについて書きましたけども
そうか建物が本の形をした図書館というのもいいな…(妄想中)。
文字と音、というフレーズを見て、そうだなあ本は目で読むだけではなくオーディオブックもあるしなあ、とか
秘密を守るというフレーズに手帳や日記帳を連想したりとか
本というか冊子について考えたというか、読書っていろいろあるなあと思いました。
無人島の一文は笑ってしまった^^
これきっと、読書好きなら一度は問われる「無人島に1冊だけ本を持って行くとしたら何か?」という
問いに対しての遊び心だと思う。
わたしはあの質問の答えはそのときの体調や気分で毎回変わるけど
本の方から「わたしを無人島へ連れてって」と言われたらその本を連れて行くのもいいかもしれません。
「ボールは友達、こわくないよ!」と某有名サッカー少年は言いましたが
わたしも「本は友達、こわくないよ!」とか言いたい(笑)。
過去記事で一度言ってますけどね)

ほかにも素敵なセリフが書かれていますが、
わたしがとても気に入ったのは最後のページの言葉です。
「『この本がわたしの人生を変えた』と誰かが言うのを聞いてみたい」
本にとっての誇りだろうなあ。
添えられた絵もユーモアにあふれた素敵な絵ばかりなので気になる方はぜひ読んでみてください。


そういえばヨシタケシンスケさんの『あるかしら書店』にも
「とび出す絵本」「とけ出す絵本」「駆け出す絵本」「とびこむ絵本」「ほめ出す絵本」などなど
本が人格を持っているかのような絵本がいっぱい描かれていたな…。
この本はタイトルのとおり、お客さんが書店に来て「〇〇な本はあるかしら?」と質問すると
おじさんの店員さんが「ありますよ!」とお店の奥から出してきてくれる…という
シンプルなコンセプトの絵本ですが
これがまあ想像力たくましいというか、ヨシタケフィールド全開というか、とにかく楽しい。
個人的にいいなあと思ったのは「月光本」。
月明かりに反応してボンヤリ発光するインクで印刷された本、というものだそうですが
明るい満月の夜に月明かりの下でだけ読むことができ、
内容は古今東西の月にまつわる小話や詩を集めたものだそうで
「月光ペン」を使うと書きこみもできるそうです。
なんだか林完次さんの『月の本』みたい。
読書履歴捜査官のページはドラマ仕立てになっていて、刑事ドラマにはお決まりの崖とかで
「あなたは過去に〇〇本を読みましたね!」(たぶん決め台詞)とか言う捜査官に犯人が追いつめられるのですが
普段から利用者の履歴は消して当たり前の職場で働いてるからこいつまじ怖すぎる!
読書履歴から動機はたぶん探れるとは思うけどさ…。(だからこそ履歴は秘密でなければいけない)
他にも、本のお祭は本でできた山車がゴロゴロ行くし文庫犬めっちゃかわいいし
本の降る村にはぜひ行きたいし、お墓に本棚つくるのすごくいいなと思うし
水中図書館はロマンがだだ漏れですが水に沈んだ知識を誰か救出してくれ…
あと読書サポートロボはうちに来てほしい。
最後にサラリーマン風の人が駆け込んできて「〇〇な本ありますか!?」と叫んだところ
おじさんが「あー…そういうのはまだないですね」と答えるのがおもしろかったのですが
「ないですね」じゃなくて「まだ」ないですねとおっしゃるのが希望があっていいなと思う。
(そのサラリーマンがどんな本をリクエストしたのかは読んでのお楽しみにしておきますね)

ヨシタケさんは『りんごかもしれない』を読んだときからただ者ではない作家さんだと思っておりますが
(『りゆうがあります』とか『なつみはなんにでもなれる』とか『ヨチヨチ父』なども好き)
なんというか、読みながら、あるいは読み終えてから妄想が止まらなくなる本を作るのがうまいなと思う。
あるかしら書店も次から次へと様々な本が紹介されますけど(そしてそれらはほとんど非実在なのですけど)
読み終えた瞬間、あるいは読んでいる最中にもわたしだったらこんな本がほしいなあと妄想し始めてしまう。
脳みその色んなところをプニプニと刺激してくるような絵を描く人なんですよね…
しかもツンツンでもグサッでもなくぷにぷにって感じだよね…(^^)。
描きこみすぎず、かといって描き足りないということもなく、絶妙なバランスというか
文章と絵をセットで見ると「この文章にこの絵を添えるのか!」とか
秀逸さをより強く感じる部分があって楽しいです。


あと最近読んだのは、かこさとしさんの『ほんはまっています のぞんでいます』。
本を読まない、読めない、あるいは読みたいけど、でも…という人に向けて
かこさんが「そういうときはこんな方法がありますよ~」と色々語りかけてくる絵本です。
子どもも読めるように全て平仮名で書かれているのですが
最初のページからパンチの効いた問いかけをしてくるのですよ。
「あなたは ほんが すきですか」
「よみたい ほんは ありますか」
で、子どもたちが「本を買うのはお金がかかる」「書店で立ち読みしていると追い出される」と言うと
かこさんが「おかねが なくても、ほんが よめるところが あります。
いろいろなほんが ちゃんと そろっていて、よめるところが あります」
「そこは としょかんです」
きたこれ。
でも、図書館は静かにしなければいけないし騒ぐと注意される、あと飲食禁止でしょ…といわれると
かこさんは「図書館ではお話し会があって、そのときは賑やかにしていい」とか
「本は借りて家に帰って読もう」「読書の休憩にお菓子やジュースを食べられるよ」とアドバイス。
しかも図書館についてだけじゃなく、司書の役割についても説明してくれるのですよ。
「わからないというひとは、としょかんの かかりのひとに きいてごらんなさい。
さがしている ほんが どのほんで、どこにあるかを しんせつに おしえてくれるでしょう」
もう、わたしァ、うれしくて涙が出てきたよ。
でも近くに図書館がないから…と言う子には
「確かに日本の図書館は人口に比べて図書館が少ない」と前置きしたうえで
移動図書館のバスや私設文庫、学校図書館が使えますよとアドバイス。
児童書界隈でこんなに図書館について書いてくれる人、他にしらないっ…!

でも、でも…という子には、かこさんも「わかりました」と、無理強いはしません。
読みたくない人は無理に読むことはない、元気に外で遊んで楽しみましょう、
本が読みたくなったらどうしたらいいか、どこへ行けばいいかはもうすっかりお話しましたから…と。
そして結びの言葉。
「ほんは いつまでも いつまでも まっています」
「あなたが そばにきて ほんを ひろげ なかに かいてあることを よんでくれるのを のぞんでいるのです」
秀逸。
奥付のあとがきはさらにパンチが効いていてダブルパンチ受けた気分になります。秀逸。(2回目)

人に読むことを強制しない本は好きです。友達だもの。お互いにマイペースでいこう。


そういえば先日、小俣麦穂さんの『ピアノをきかせて』を読んでいたら
主人公が谷山浩子の「カイの迷宮」を聴いて雪の女王のストーリーってどんなだっけ…と図書館に行き、
こんな話だったのかとUnlearnして、さらに「赤い靴」や「エンドウ豆の話」などもアンデルセンの話だと知る流れが
図書館の役割を端的に描いていていいなあと思いました。
これを読んで図書館てこういうことができるのか…と知る人が増えたらいいな。
(戦場のメリークリスマスや初音ミクの千本桜なども効果的な場面で引用されている本でした。現代の物語だなあ)
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