FC2ブログ

歴史のタテヨコ。 

2018, 05. 03 (Thu) 23:50

大塚ひかり『女系図でみる驚きの日本史』を読みました。
歴史系ブロガーさんやフォロワーさんたちが割と「おもしろい」とおっしゃっているのを見かけたり
女系図から歴史をみる研究やそれについてまとめた本てあまり見かけなくて珍しいと思いましたので。
読み始めて早速、「平家は滅亡していない」という記述がとびこんできて
アッハイそうですね…ということまでは思ったものの
(滅亡したのはあくまで清盛の直系の子孫というだけで、
清盛は娘がいっぱいいたので藤原氏と結婚して生き残った人たちいるよね、程度の知識しかないけど)、
それが現天皇まで続いているとは知らなかった。
その藤原氏の子孫に南北朝時代の天皇と結婚した女性たちがいたみたいです。そうなのかあ。
あと、紫式部の血筋も何だかんだ現天皇まで続いているらしい…
彼女には一人娘がいて藤原賢子(大弐三位)という名前なのですが
この賢子が高階成章(先祖は高市皇子)と結婚して生まれた為家から6代後の女性が
後鳥羽天皇と結婚して土御門天皇を産んでいるのですね。
もうほんと、これだけでもものすごく楽しくなっちゃってこの先も夢中で読んでしまったよ!
だから歴史を学ぶのはやめられないんだ~。

天皇を女系図でたどる場合、よく見かける一族として有名なのは藤原氏かと思いますが
古代の天皇は渡来人や豪族や蘇我氏の血を引いていることが多かったりするんですね。
(このあたりは倉本一宏『蘇我氏』を読むとすごくよくわかる)
他にも公家や文化人の横のつながりとか、乳母の系図とか、伊勢物語や源氏物語の登場人物、
男色のつながりや手塚治虫『奇子』まで、あらゆる系図が紹介されていて楽しいです。
源氏と平氏の系図もおもしろい、彼らは例のキャットファイトのせいで犬猿の仲みたいなイメージがありますけど
女系図で見ると源頼朝のと結婚した北条政子は平氏だし(北条は名字であって姓ではない)
頼朝の先祖である義家は源氏と平氏のハイブリッドだし(父親が源頼義で母親が平直方の娘)
だから源氏vs平氏というのはあくまで頼朝と清盛一族のことなんだよね。
また、女系図を見慣れてくると気づくことなんですけど
どの女性が生んだかが子の人生を決めたりするというのもこの本では指摘されていまして。
たとえば藤原道長にはたくさんの結婚相手がいて、妻は源倫子、室のひとりに源明子がいるのですが
倫子の産んだ子はとんとん出世したり天皇や皇子と結婚したりしているけど
明子の産んだ子は源氏と結婚したりしていて、明らかに差があるのがエグい…。
栄花物語にはこのことについて明子が不満を持っていたという記述がありますが
実は倫子と明子の子孫は結婚した人たちもいて、そういうのもおもしろいですねェ。
あと、紫式部の孫と清少納言の孫が歌を贈り合っていたというのはびっくりした。。
藤原彰子に仕えていた小馬命婦(清少納言の娘)が、彼女の娘に代わって詠んだ歌
(その色の草とも見えず枯れにしをいかに言ひてか今日はかくべき・後拾遺和歌集)があるのですが
この歌を贈られた相手というのが高階為家、つまり紫式部の孫なんだそうです。
式部と少納言が宮中で顔を合わせたことはたぶんないけど、どこでどう繋がるかわからないものですね。

歴史の授業は昔から大好きでしたし、大学でも女性史の講義は選択したけど
教科書や資料集って結構、政権が誰から誰に移って~みたいな記述が中心ですし
その時代時代に政権を握っているのはほぼ男性で、
女性は志半ばで倒れた男性の意志を継いだ人とか誰それを育てた人とか文化人とかが載ってる程度ですが
よく考えなくてもこの世の男性も女性も全員、女性のお腹から産まれているので
決して歴史上で女性が活躍しなかったわけじゃないんですよね…。
平易な文章でとても読みやすかったし、縦のつながりだけじゃなく同時代の横のつながりもわかって
改めて女系図の重要性とおもしろさを再確認しました。
源氏物語や平家物語を読んだあとに読むとすごく楽しいので、同時の読書をおすすめします。

わたしが最初に女性の系図を意識したのはたぶん、
小説『創竜伝』の中で茉理ちゃんがランバート・クラークに言った「豊臣秀頼よ」からだと思う。
「徳川家光のいとこで母親と一緒に家康に倒されたのは誰か」という問いがその前にあって
クラークは答えられなかったんだけど、
わたしも首をかしげて次のページをめくって「おお~~そういえば」と感心したのでした。
秀頼の母淀の君と、家光の母お江は姉妹なんだよね。
そう考えると、淀君とお江の父浅井長政は織田信長に負けたけど豊臣と徳川両方の系図につながるわけで。
(ちなみに長政の妻は信長の妹の市)

あと、杉本苑子さんの『散華』を読んでいたときに面白かったのが紫式部と平安時代女性作家たちの系図。
ちょっとややこしいですが説明しますと、
・紫式部の母は藤原為信という人の娘
・その為信の兄弟に為雅という人がいて、藤原倫寧の娘と結婚してる
・藤原倫寧には娘が数人いて、うち一人は道綱母(蜻蛉日記作者)
・さらに菅原孝標と結婚した人がいて、孝標女(更級日記作者)を産んでる
・倫寧には息子もいて、うち一人の理能は清原元輔の娘と結婚してる
・その元輔女の姉妹には清少納言がいる
っていうのが最高におもしろかったのでよく覚えています。
あと紫式部と藤原道長の系図を上にたどっていくと藤原冬嗣にたどりつくので
2人は12親等くらいの親戚にあたるとか、
紫式部と彼女の夫藤原宣孝に至っては式部の祖母と宣孝の祖父がきょうだいなので
2人ははとこ同士で結婚しているというのを知ったのもこの本でしたな…。
わたしの説明だとわかりにくいと思うので気になる方はぜひ小説を読んでみてくだされ~。



そういえば先日やっと映画ゼロの執行人を観てきましたが
脚本が相棒の櫻井さんなせいかわりと社会派でした。(ただしコナンなので鬱エンドではない)
コナンの映画って最初から最後までミステリー要素で貫かれているか、
ミステリーはおまけみたいな扱いでアクションまみれかのどちらかが多いんですが、今回は後者だったね。
途中まで素敵なおっさんずラブだったのに後半そうでもなさそうな感じが出てきちゃって
それいらない…とか思った矢先に上戸彩さんの渾身の演技が聴けたのでよしとします←ちょろい
上戸さんすごかったねあれは…ちょっとびっくりするくらい声出てたもんね。
今回はおっちゃんが色々とばっちりくらったせいか、ランネー・チャンの出番はありませんでしたが
夫が捕まっても英理さんがずっと冷静だったのがプロの弁護士って感じで素敵だったし
栗山さんの調査能力がしっかり描かれていたのもよかったなぁ。
あとあの爆発映像に一瞬だけ映っていた安室さんを見逃さなかった哀ちゃんの組織センサーつよい。

で、今回キーマンになってる安室さんですがほぼ爆心地で爆風くらっても生きてるわ
風見さんを呼び出してアイタタなお説教するわ片手で盗聴器握りつぶすわ
モノレールの線路上でRX-7のメーター振り切ってぶっ飛ばすわ(あのときの武者震い顔まじ危険)
肘で飴細工みたいに強化ガラス割るわ、コナンを抱えたまま拳銃でビルのガラスぶち破って突入するわで
ハードなアクションを次々にこなしててとてもかっこよかったんだけど、
2年前に純黒を見てしまっているので
「でも今ここに赤井秀一が現れたらあなたそのポーカーフェイス台無しになるんでしょ…」とか思ってしまって
いまいち集中しきれなかったことを素直に告白します。
安室さんの魅力は赤井さんがいてこそ発揮されると思っているので(赤井さんは単独でもかっこいいけど)。
あ!でも、コナンに恋人いるのって聞かれた後の安室さんの返事は、あれはずるかったな。
(SNSで感想を検索したらあれにやられてすでに何度も執行しに行ってる人たちがいますね^^)
あとエンディングでサンドイッチ差し入れてきたときの笑顔がまぶしい。

そうエンディングの映像に珍しく後日譚が挿入されてた!初めてじゃないかな?だいたいエンディング後だもんね。
ましゃ兄の歌声をバックに草間彌生のカボチャが一瞬だけ映ってたけどロケ地はどこかしら。

あと、さらにどうでもいい余談ですが
映画を見終えて劇場を出た後、駐車場で駐車券を事前精算しようとしたのですが
劇場窓口でチケットを買ったとき3時間無料の手続きをしていただいたから駐車料金ゼロだよなって思ってやめて
思った後につい笑ってしまった。
しばらくゼロという言葉に反応する病に罹患する日々が続きそうです。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント