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大切なことはみーんな子どもたちに教わった。 

2018, 07. 11 (Wed) 23:52

ただいまただいま~!
某所の〆切に無事に間に合いました。後日お知らせいたします。
いい加減にギリギリまで作業がはかどらない自分をどうにかしたい。


ところで…。
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先日、川崎市市民ミュージアムで「かこさとしのひみつ展-だるまちゃんとさがしにいこう」が
始まりましたので行ってきました。
5月に亡くなられたかこさとしさんのお仕事を紹介する展覧会です。

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だるまちゃんとかみなりちゃんの看板!
展示室には複製原画や下絵、スケッチ、画材や遺品などがずらりと並び
かこさんの画業を様々な角度から鑑賞できる内容になっていました。

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展示室の入口に大っきなだるまちゃん!(撮影OKでした)
台の上に乗っていてわたしの肩くらいまでの大きさでした。

そういえばだるまちゃんて人間と比較するとどれくらいの大きさなのかしら、
てんぐちゃんと並んでもあまり身長差はなかったからお子様サイズかもしれない。
たぶん彼らは人間でいうところの未就学児だと思うので
絵本の対象年齢を考えても園児さんたちの平均身長とそう変わらない気がするけどどうなんだろう。

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ちゃんと手足も描いてあるよ。かわいい。
鈴木まもるさんとヨシタケシンスケさんのサインがしてありました。既にいらっしゃったのですな。
(鈴木さんは今度、かこさんが準備していた絵本を引き継いで出版されますね。たのしみ)

展示はかこさんの子ども時代から就職後に出会った川崎セツルメント活動を経て
やがて絵本作家として活躍していくという、かこさんの人生を追う構成になっています。
生まれた頃の写真やお姉様と並んで撮られた写真はとてもかわいらしい。
小学6年生のときに制作した『過去六年間を顧みて』の絵日記は
かこ少年が毎日どんなことをしていたのか、何を考えていたのかが素直なことばと絵でダイレクトに伝わってくるし
当時の尋常小学校についての歴史書としてもものすごくしっかりした資料だと思う。
校庭で忍術を再現したり、綴り方の先生の苗字から石田三成を連想したり、中学受験に一喜一憂したり
そんな中に少しずつ戦争の話題が挟まるからヒヤッとする。
(かこさんは19歳のときに敗戦を迎えています)
絵を描き始めたのは小学2年生のときだそうで、中部の山々や太平洋や富士山を
どうにかして紙の上へうまく表現したいと思ってクレヨンで一生懸命に写し取ろうとしたとか。
ところでこの『過去六年間を顧みて』は最近、偕成社から出版もされて活字でも読めるんですよね。
わたしがツボだったのは成績の話で、6年生のときの成績順にお友達の名前を列挙してあったんですが
学年1位は地主の息子さんで、2番目にかこ少年の名前があって
ここに大人のかこさんが「でも1番だと挨拶とか色々やらされるから2番の方がいいと思っていた。
その頃からセカンド主義になった」とかツッコミを書かれてて笑ってしまった。
お気持ちよくわかります。

戦後にかこさんが川崎で参加していたセツルメント活動についての資料は
子どもたちと一緒に出していた「こどもしんぶん」や新聞を刷っていたガリ版、
子ども会で使われた紙芝居、幻灯機などが展示されていました。
写真もパネルに引き伸ばされていて、みんなで電車ごっこみたいに並んだり紙芝居を演じる様子、
東大演劇部にかこさんが所属していた縁で子どもたちを五月祭に招待したときの写真などがあって
色んなことやってたんだなァとしみじみ。
そんな子どもたちが描いた「かこさとし先生」の絵もあって、たぶんクレヨンで一生懸命描いたんだろうなあ、
ぶっといタッチが強烈で印象深かったです。
また、子どもたちに絵を教えるためにデザイン教室へ通ったり
イラストがきれいなロシア雑誌を集めて勉強もしていたそうです。
かこさん所蔵の雑誌がいくつか展示してありましたが
中にはマトリョーシカが描かれた本もあってだるまちゃんの原型だなァとやっぱりしみじみ。
(だるまちゃんはロシア民話「マトリョーシカちゃん」を読んで思いつかれたとのこと)
かこさんが制作した紙芝居もあって、「おちていたてぶくろ」というタイトルですが
ストーリーがロシア民話の「てぶくろ」そのまんまでした(笑)。
かこさんが描くとこういう絵になるんだなあと思えておもしろかったです。

あと、4年前にかこさんを撮影した映像が上映されていたんですけど
川崎に住んでいたときの場所や紙芝居をやっていたさんかく広場などを訪ねる内容だったんですが
「同じ川崎で活動していた人」として辻惟雄氏が突然出てきて心の底からびっくりしました。えええ~~!!
まさかまさか辻氏とお知り合いとは!
活動時期は被っていなくて、かこさんが抜けた前後に辻氏が入ったみたいですが
当時使っていた紙芝居を見せたりして色々お話されていました。
かこさんが出した紙芝居は1953年に作ったなめくじのお話で
なめくじの背中に次々に建物を建てていくけど最終的なオチは木の葉だったというもの。
この紙芝居を作った理由は戦争で焼けた建物を絵の中によみがえらせたかったのと
日本の建築史を子どもたちに伝えたかったからだそうですが、
肝心の子どもたちはちっとも見てくれなかったらしい。。
でもそんな子どもたちに「彼らは退屈ならどこかへ行っちゃう、嘘がない、おもしろい」ということで
すっかり魅せられてしまったのだそうです。

絵本を出すことになったきっかけは本当に偶然で、
アンデパンダン展に出品した「わっしょいわっしょいのおどり」を使って展覧会案内の絵はがきを作ったところ
当時福音館でアルバイトをしていた内田路子氏がその絵はがきを見かけて
編集長だった松居直氏に紹介したのがきっかけだそうです。
その「わっしょいわっしょいのおどり」の絵が展示されていて
人も動物も鳥も魚も、ど真ん中の櫓を囲んで楽しそうに盆おどりを踊っている絵で
これきっと『わっしょいわっしょいぶんぶんぶん』のルーツなんだろうなあと思った。
「平和ばんざい 月ばんざい」もアンデパンダン展への出品作で
真ん中に大きく美しく描かれた銀色の満月のまわりに
世界各国の民芸品がたくさん描いてあって楽しい☆
どろぼうがっこうのエピソードがおもしろくて、
元々はかこさんが子ども会のために描いた紙芝居が元になっているそうですが
その紙芝居を作った当時のかこさんは仕事が猛烈に忙しい時期で
書きかけの論文の下書きの裏にモノクロでわーっと描いて、申し訳ないと思いつつも子ども会に持って行ったら
予想に反して大ウケで「もういっぺん、もういっぺん」と何度もせがまれたとか。
わかるなあ、楽しいからなあ、あの話は^^
(かこさんの娘さんも、かこさんのお話をなかなか読まなかったそうですが
どろぼうがっこうだけは猛烈におもしろがってくれたらしい)
絵本の原画が、複製でしたけど全部展示してあって
文章は入ってないけど絵を見るとストーリーを思い出しますね…
原画を楽しみながら絵本を読んでいるような気分でした。

『だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパンやさん』は人生で初めて読んだかこさんの絵本だったから
改めて原画を見られてうれしかった☆
だるまどんがだるまちゃんのために色々な団扇や履物や帽子を用意するのとか
カラスたちが色んな形のパンをページいっぱいに作って並べるのとかが
子どもの頃は楽しくて楽しくてワクワクしていたのを思い出します。
パンやさんは下絵もあって、絵と文章をあちこち切り貼りしていて
かこさんの試行錯誤の奮闘が見て取れました。
他にも『おたまじゃくしの101ちゃん』は本当に101匹いるのか数えたりとか
『あかいありとくろいあり』のキャラメルとビスケットがとてもおいしそうだったとか
『にんじんばたけのパピプペポ』は『もぐらとずぼん』みたいだなと思いながら読んでたのとか
絵を見るとどんどん思い出して昔の友人に再会したみたいなポカポカした気持ちになりました。
あと、『どろぼうがっこう』は歌舞伎や講談の登場人物がモデルなんだなというのが
当時はわからなかったけど今はわかりますね。
『かこさとし かがくのほん』とか『かわ』とか『どうぐ』みたいな学習絵本も
今読むとわかることがいっぱいあって、
子どもの頃もうちょっとちゃんと読んでおけばよかったとも思います。
断面図が本当に秀逸!食べ物もみごとですがお茶碗やお鍋、空っぽのお櫃、
ダムにビルに万里の長城まで何でも断面を描いてみせてくれるかこさんの画力に
今更ながらすっかり感心してしまいました。
かこさんは物語の絵本の絵は割と単純化して描く傾向があるので気づきにくいんですが
学習絵本はリアルと単純の間みたいなものすごいバランスで描いていたんだなあ…気づけて良かったです。

藤沢市立図書館の開館30周年に寄せた色紙には
だるまちゃんとカラスのパンやさんの絵とともに「よりうつくしくあれ よりたくましくあれ」という
メッセージがあったし、
『未来のだるまちゃんへ』のサイン本には3/30の日付が入れてありました。
展覧会の準備中に亡くなられたかこさん。
本当にありがとうございました。そしてお疲れさまでした。
お空の上にはかみなりちゃんがいらっしゃるでしょうか、きっとゴロゴロと賑やかでしょうね。

「1950年代川崎で始まったセツルメント活動に当初より関わり、こどもたちから多くを教わったが
本展示会ではそこで誕生した作品をご覧いただくとのこと、感慨無量。」
2018年3月 かこさとし(展覧会入口のメッセージより)


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『未来のだるまちゃんへ』ハードカバーの表紙絵がタペストリーに。わたしも大好きな本です。
かこさんの絵本のキャラクターが大集合しています~ネギを追いかけるあかいありがかわいい。



西日本豪雨のあまりの状況に言葉が出ません…心よりお見舞い申し上げます。
真備図書館や愛媛の各図書館の水没が他人事じゃなさすぎて、もう。。
何もできないのでこちらはせめて普段通り生活して募金します。
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