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2018_08
12
(Sun)23:58

東海道中地獄旅。

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歌舞伎座で八月納涼歌舞伎第二部を観てきました☆
今年もチケットは激闘に激闘を重ねたよ…パトラッシュもう疲れたよ…ゲットできたのが奇跡のようだよ…。
(意訳:戻りチケットがほぼ皆無でたとえ戻ったとしてもタイミングが合わないとゲットできず
戻ったのを確認して電話しても「そこ埋まってます…」と申し訳なさそうな声が返ってくるという。
オペレーターさんにいっぱい迷惑をかけてしまった2018年の夏も既に残暑ですね)

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演目はこちら!
おととし去年に引き続き「東海道中膝栗毛」の3作目と、舞踊「雨乞其角」です。
やじきたは染五郎さんが幸四郎さんになったし今年はどうかなァと思っていたら
Twitterであっさりと今年も猿之助&幸四郎でやりますよ~みたいなノリで公式から情報がきて
「やんのかよ!」って声出して突っ込んでしまった。
幸四郎の名前でバカ騒ぎができるとは…!お偉い人たちの心意気に感謝します。

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木挽町広場も夏の風景。

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広場のお店「はなみち」にあった手描きポップが妖怪仕様でかわいい^^
他にもオバケやお菊さんが猫だったり夏祭りの様子が浴衣を着た猫たちで描かれてて和みます☆
お店の人は猫好きなのかな。

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今日はここから観劇。
全体を見渡せるし花道も近いし、役者さんの顔も見られるしよいとこよい席☆

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鳥屋。
やじきたはおととしはラストに飛んでいき、去年は冒頭で飛んできたので
さあ今年はどっちから来る?どっちからでも驚かないぞ!と気持ちを引き締めておりましたが
幕が上がって降りたらわたしの精神はもはやそんなことはどうでもよくなっておりました。
なぜかというと。

以下↓新作歌舞伎のため盛大なネタばらしになりますのでこれからご観劇の方はご注意ください。
大丈夫な方はクリックで開いてどうぞ☆


客席が暗転して幕が開くのは去年と同じでしたけど、
去年は舞台にスクリーンがどーんと出ていてこれまでのあらすじを紹介してくれましたけど
今年は照明がパッとついたと同時に舞台にあったのは「喜多八葬儀式場」の文字と喜多さんの巨大な遺影と
大鼻寺というお寺のセットと、なぜか男子トイレ・女子トイレ・多目的トイレのドアが3つ。
………は!!?!?!?!?((((゚Д゚;;))))
喜多さんしんじゃったの!!?
遺影の周りには弥次さんをはじめ長屋の住人たちが集まっておいおい泣いていて
中でもやっぱり一番泣いているのは弥次さんで、
「なんでしんじゃったんだあ、おれもしぬ~~~」とかめっちゃ泣いてる。そりゃそうよね。
こっちも突然のことで頭が追いついてませんが(基本的にやじきたは事前情報を入れずに見ることにしている)、
なぜこんなことになったのかを舞台番の竹蔵さんがラップ調で説明してくれるというので
精一杯聞き耳を立てました。竹松くんラップ上手い^^
なんでも大阪の高麗屋三代襲名興業で(さっそくのメタ発言)いつものようにバイトしてたらしいんですが
油地獄の舞台がハネて片付けをしていたら床の油に滑ってスッテン転んで柱に頭をぶつけて
そのままポックリいってしまったみたいです。なんてことだ。
「花火でも死ななかったのにねえ」とおっしゃるおかみさんの言葉に頷くしかない。まじかよ喜多さん。。
弥次さんはお園さんがなぐさめても悲しみにくれて「喜多さぁんおれもしぬよぉ」などと大泣きするばかり、
みんなも「喜多八は生前の行いがああでこうだから地獄行きに決まってるし
あんたも似たようなもんだからどうせ死んだら地獄行きだよ」とか、割とひどい^^;

そんなわけで最初から色々びっくりでしたが、次のびっくりはわずか5分後にやってくるのでした。
猿之助演出は観客を休ませてくれない;;
花道からお寺のご住職(門之助さん)と、釜桐座衛門(中車)と、大岡越前(獅童)と、医師の阿笠(七之助)が
喜多さんの弔問に訪れてくれます。
彼らは去年やおととしのやじきたに出てきた人たちですね~。
彼らがお寺の中へ引っ込むと、次に花道を歩いてきたのは梵太郎と政之助でした!
喜多さんのことを聞いて少年たちも来てくれたので、弥次さんが泣きながら迎え入れます。
と、また誰か花道を歩いてきたのですがそれが油屋お染(七之助)、久松(獅童)、母親(中車)で
えっこのお三方さっきお寺に入って行ったはず…つまり早変わりってことで
客席はわ~っと拍手☆
さらに彼らがお寺の中へ入っていって幾らもしないうちに今度は「将軍家の御成~り~~」という声がして
花道を歩いてくるのは十一代目の家斉(獅童)、御台所(七之助)、水野忠成(中車)でした!
まさかの早変わり三連発!えええ~~~( ゚Д゚)☆
4回目はさすがになかったけど、客席はずっとざわざわして拍手しまくっておりました。
しかも母親役の中車さんがやたら久松の獅童さんにタッチしたり肩にもたれたりしちゃってるから
獅童さんが必死に笑いを堪えてて大変そうだった^^; がんばれ耐えて。

葬儀が終わってお寺から出てきたけど、弥次さんはまだ泣きながらしにたいとか言ってて
「さっきから同じセリフしか言ってない」って少年たちに突っ込まれてる。
何かなぐさめる方法はないかと思案した少年たちは
「喜多さんの極楽行きと供養を祈るためお伊勢参りに行きましょう」と提案します。
弥次さんはお金がないと渋りますが、梵太郎が「コツコツ貯めたお金があります」と懐から財布を出すと
たちまち笑顔になって「親の教育がいいんだなあ~!」とか喜んだので
爆笑する客席^^
3人が花道からはけていくと、舞台の巨大遺影がぐるりと回って死装束の喜多さんが登場!
ワーッと拍手が起こりました☆
よかった、猿之助さん出ないわけじゃなかった…!よかった、よかった。
合わせが左前で頭に三角布つけちゃって、すっかり幽霊のいでたちですよ。本当に亡くなっちゃったのね。
さっきのみんなの話を聞いていたらしく「おれァ地獄に堕ちるのか…」としょんぼりしていると
舞台のトイレのドアが掛軸みたいにするすると持ち上がっていきます。
中は幽霊の絵が描かれた顔はめパネルになっていて、男子トイレには喜多さんの父(獅童)、
女子トイレには母(中車)、多目的トイレには兄(七之助)が
それぞれ顔と手だけ幽霊になって出てきたもんだから客席が爆笑の渦に!
しかもみんな雪が積もりそうな眉毛の太さでしたよ、なんだろうあのギャグ。
喜多さんが心配で成仏できないというご家族の皆さん、
「おまえは四十九日までに大切な人からありがとうと言ってもらえることをしなさい。そうすれば極楽へ行けます。
できなければみんな地獄行きです」というおっかないお言葉を残して消えてしまいます。
ま、待ってー!さらっと大変なことを言って消えるでない。。
しかも消えた後にまた花道から七さんたち3人が
今度は正体不明のお役の衣装を着て現れたもんだからもう何に驚けばいいのかわからなくなったよ。
着替えながら歌舞伎座の廊下を何度も走ったであろうお三方に敬意を。

弥次さんたち一行はお茶屋さんで盗賊の新悟ちゃんに再会しますが
弥次さんはおととしに喜多さんと一緒だったお伊勢参りを思い出して泣くばかり。
実はこのとき、幽霊の喜多さんが一行に追いついて弥次さんの周りをウロウロしているのですが
例によって弥次さんや少年たちにはそれが見えないわけで。
と、ここでまた早変わりが☆
気づいてもらえない喜多さんが店の中へ引っ込みますと
やがて「花魁道中~~」の声がかかって傾城・赤尾太夫の一行が通りかかります。
太夫はもちろん我らが猿之助さん、早変わりお久し振りですね~!
遊女のお衣装はむちゃくちゃ重たいのにお怪我はもう大丈夫なのかしら、お大事にしてほしい。
道中は茶屋の前でいったん止まり、太夫が弥次さんたちに微笑んだものだから
弥次さんは一目ぼれしてポーっとなって少年たちに「鼻の下が伸びてる」と突っ込まれます(笑)。
ここで獅童さんが何かセリフを言おうとしていたのですが
隣の中車さんがずーっと変顔したり獅童さんにちょっかいを出していたので
獅童さん、笑ってしまってまさかのセリフが出て来ない!
猿之助さんの太夫も笑ってたし少年たちもつられてしまってました。こんなことってあるんだなあ。
そこへ七之助さんが「太夫、早くホテル五日月へ行かないと」とか声をかけて
(たぶん獅童さんが言うはずだったセリフを代わりに言ったんだろうな)花魁道中は去っていきました。
七さん頼りにしてます!
獅童さんにとっては絶対に笑ってはいけない納涼歌舞伎2018みたいな19日間になりそう^^;がんばれ。
道中の去り際に「澤瀉屋~!」と叫んだ弥次さんはホテル五日月を目指して元気に歩き出すので
少年たちも仕方なくついていきます。
そこへ早変わりで喜多さん幽霊が再登場します!本当にお見事。
さてどうしようと悩んでいると、お茶屋さんの庭に座っていた犬と猫が「どうしたんだよぅ」と話しかけてきた!
シャベッタアアァァ(゚Д゚;≡;゚Д゚)
「動物には幽霊が見えるし話もできるんだよ」という頼もしいワンコとニャンコは
事情を聞いて喜多さんと一緒に行ってくれることになりました。
あの犬猫やっぱり役割があったんだ(*´︶`*)黒子さんがついていたからもしかしたらと思ったし
お伊勢参りに犬猫が行くのは江戸時代にもあったことだし、色々たのしい。

「ねえ美少年見なかった?染五郎と團子に似てるの。わたしどっちもタイプ!」と叫んで
花道から出てはけていった弘太郎さんの女方さんは
おととしの文春さんみたいに幕間を繋ぐ役割ってことだったんだろうか。
五日月屋(歓迎板に綾人さん御一行様とあった)に着いた弥次さん一行を迎えた番頭さんは
おととしの幽霊騒動から有名になって大繁盛して本日も満室なんですよ~とニコニコおっしゃる。
幽霊祓いのお札をあっちこっちにペタペタと貼ってあります。
弥次さん一行と七之助さんたち怪しい3人組は問題なく入れましたが
追いついた喜多さんは幽霊のためお札でしびれてしまって入れません。。
(ここの猿之助さんのしびれる演技が最高に笑えた)
犬と猫がお札を剥がしてくれて、どうにかこうにか潜入します。
旅館のお座敷では宴会が始まっていて、
やじきた初登場の米吉くん扮する女将が「ゆったりたっぷりの~んびり♪おくつろぎください」とか挨拶してて笑った^^
弥次さんはすっかり出来上がって指一本で座布団をクルクル回したりしててスゲー!
赤尾太夫にメロメロになって触りまくっているのを女将や少年たちに注意されて
「おれがセクハラまがいのことしてるっていうのか」「まがい、ではなくセクハラです」と断言されますが
太夫が「わたしもこの人のこと好き」と言うので弥次さんが調子に乗ってしまって
少年たちは「言うことがコロコロ変わってる」「親の顔が見てみたい」と呆れています。白鷗さんだよ。
見かねた女将がそんなに太夫を独り占めするなら身請けしなさいと言うと
弥次さん「じゃあこの金で太夫を身請けする」少年たち「あっ、僕たちがあげたお金!」
弥次さんは構わず財布を破いて(この時の切り方が封印切の動きだった)
中からお金を出しますが、3両しかない。。
赤尾太夫はそれでいいと言いますが、
そこへ太夫の馴染み客である阿野次郎座衛門が現れて
「おれだって太夫を身請けするつもりだったんだ」とか言い出します。もはや修羅場。
「あなたの顔は二度と見たくないわ」と阿野さんを袖にして部屋にさがる赤尾太夫が強い強い!
他の人たちも別の宴会場へ行ってしまいます。
そこへ例の怪しい3人組が現れ、女将さんと阿野さんに「恨みを晴らしなさい」とそそのかします。
七さんから包丁を受け取った米ちゃんの顔が凶器、じゃない狂気すぎてやばかった。あんな顔できるんだ。

夜。
弥次さんは赤尾太夫とラブラブしています。
そこへ番頭さんが蝋燭を持って通りかかると、女将さんが包丁を持って現れたので
びっくりした番頭さんは蝋燭を落としてしまい、辺りは真っ暗、だんまりの場面に。
しかもたまたま幽霊の喜多さんや怪しい3人組や宿泊客やホテルの従業員まで一斉に集まっていて
近年稀に見る大人数のだんまりとなりました!
さらに赤尾太夫と喜多さんが入れ替わってみせたり、怪しい3人組が吹き替えさんと変わったりして
だんまりでも早変わりを怠らない猿之助さんとお三方すごすぎない???
そんな中から弥次さんと少年たちは何とか逃げ出し、旅をつづけるのでした。

富士川の渡しに辿りついた弥次さんたち。
「あと2人乗れるよー」と叫ぶ船頭さんの声に「待ってくれ、喜多さんと俺が先に」と言いかけて
「喜多さんもういないんだった…」と急にしんみりしちゃう弥次さんが切ないし
「隣にいるけどな」って突っ込む幽霊喜多さんもかわいい。
先に少年たちに行ってもらうことにして、少年たちは「向こう岸で待ってます」と言い船は離れてゆきます。
(この船がハリボテで少年たちを始めお客の皆さんで持ち上げて去っていってた)
喜多さんは怪しい3人組のことを弥次さんに伝えようと身振り手振りでやってみるんですけど
弥次さんにはちっとも聞こえないみたい。
そこへ船がやってきたので2人は乗り込みますが、
犬と猫が乗ろうとすると弥次さんがしっしっと追い払ってしまったので
「大廻りしていくよ~」と2匹は遠回りして向こう岸を目指します。
船の上で富士川を見ながら「喜多さんは今頃三途の川かなあ」などとつぶやく弥次さんに
喜多さんは「隣にいるってば~」とか言ってみますが、やっぱり聞こえない。
そのとき、船が向こう岸へ行かずに同じ場所をグルグル回っていることに気づいた喜多さんが
船頭に「この船はどこへ」と話しかけると「向こう岸に決まってまさ」と返事が返ってくる。
生者に会話が通じるのはおかしいと思った喜多さんが「おまえら誰だ」と問うと
振り返った顔は怪しい3人組で自分たちは地獄からの使者であると正体を明かしましたー!
喜多さんは「弥次さん逃げろ!」と弥次さんを突き飛ばしますが(幽霊も火事場の馬鹿力とかあるのかな?)
時すでに遅し、船は川の底へと沈んでしまいました。あわわわわ。

岸で待っている少年たち、弥次さんが来ないので不安になっていると
犬と猫がワンワンニャンニャンと叫びながら現れます。
「何か訴えてるのはわかるけど我々には言葉がわからない」と政之助がしゅんとすると
梵太郎が「うちに伝わる刀の力を借りればいい」などと言い出して(!?)
刀を抜いて振り下ろすと、なんと犬と猫が人間の姿に!えええ~!!
あの刀…そんなことまでできるのか…( ゚Д゚)ポカン
黒子さんが顔布を外して黒い衣装も引き抜いたら
その下から弘太郎さんと鶴松くんの顔がでてきました。おお、あなたたちでしたか。
弘太郎さんはブチ模様のお着物で頼もしい兄貴みたいな犬、
鶴松くんは三毛模様のお着物でやり手のおねえさんみたいな三毛猫。凝ってるなあ。
弥次さんと喜多さんが地獄に堕とされたと聞いた梵太郎くんは助けに行こうと言い出しますが
その方法が「ここで切腹すればあの世へ行ける」というとんでもないものだったので
政之助くんも犬猫も必死に止めました(汗)。
おととしや去年も切腹ネタありましたけど
梵太郎くんほんとすぐ腹切るとか言うのやめないかな(汗)政之助くんの精神がもたないよ。
犬から「ここは富士の麓だからあの世へ通じる穴があるよ」と聞いた2人は
「アマテラス様お守りください」とだけ祈ってから、その穴へ飛び込みます。
(2匹は地上で待ってる)

閻魔庁。
唐風の建物に浄玻璃の鏡が置かれ、庁舎の周囲には青い炎(赤い炎より温度高いよgkbr)が燃えております。
情景の説明をしてくださる浄瑠璃の皆さんも頭に三角巾をつけている気合の入れよう。
中央に閻魔様(右團次さん)、右に妻の彌美さん(新悟くん)、左に泰山府君(亀蔵さん)が座っていて
彌美さんはピンクのムチを懐から取り出し「きゃ~~亡者の悲鳴たまんない、もっとおやり」とか言ってて
おいおいどこのサディちゃんですか。
閻魔さまの望みで鬼たちによる舞踊が始まるのですが、もう、もう、この群舞がとにかくすごかった…!
みんな日本髪や月代に病鉢巻きと三角巾つけて角を生やし、口には赤や金色の牙を咥えた鬼たちで
演じるのは10~20代の若手さん中心!
菊之丞さんによる振り付けで綺麗な衣装を着た鬼たち(ほとんど女方)が
舞台いっぱいに舞う光景のどこが地獄なのか、天国ではないか!(*´Д`)ノ
やがて群舞が左右に割れてセンターで舞うのは女歌舞鬼による藤娘、
いやあああぁ千之助くん千之助くんかわいいっ綺麗っ美しい!美少年!!
(このとき着ている衣装は猿之助さんが出雲阿国を演じたときのものだそうです)
続いて鷹之資くん玉太郎くんの双舞は2匹の竜が現れたかのような勇壮さですし
赤・青・黄鬼の成駒屋三兄弟は右手にそれぞれのカラーの獅子頭をつけて連獅子風に踊ってくれるし
最後に再び全員で盆踊りから始まる群舞!
若手たちの舞踊、それもこんな大勢の舞をこんなにたっぷり見られる機会なんてそうはないよ~。
なんて贅沢な時間なのかとポーッとしてしまって口開けて見てたから後でめっちゃ喉渇きました。
猿之助さんの心意気マジパない。

そんなすばらしい群舞が目の前で披露されているというのに
彌美さんは退屈らしくてあくびしたりお酒を瓢箪から全部飲んじゃったり閻魔様に聞かれてごまかしたり
スマホ出して閻魔様とピース自撮りしたりと、かなり自由な奥様。
閻魔さまは手拍子したり足でリズム取ったり割と楽しんでいらっしゃって
時々お酒を飲みながら(でっかい真っ赤な盃は○の中に「ま」と書いてあった)囃し立ててました。
泰山府君だけ何もせず、かといって鬼たちに手拍子するとかもなくじーっと座ってた。
再び群舞が割れて中央に登場したのは右近ちゃん演じる小鬼ちゃん☆
歌舞伎座のセンターでパパとお兄さんたちに見守られながら堂々とした舞を披露、かっこいい~!
すると閻魔さまがおもむろに立ち上がり懐から何か出したと思ったらタブレットで
小鬼のダンスをパシャ☆って撮影しちゃった。
しかも1回どころか連続でパシャパシャ撮ってて、ちょ、待って、右團次さんがパパに戻っちゃってるよ(笑)。
わかるけどね!右近ちゃんどちゃくそかわいすぎたからね!!客席は拍手と悲鳴の嵐でした。
(写真はブログにアップしてくださってました→こちら
ちなみに閻魔様と小鬼くんのいでたちはこちらです。かわいい。
あと右團次さん、小鬼だけじゃなく赤鬼も撮ってたみたい→こちら
そんな自由すぎる閻魔庁にやじきたが引っ立てられてきます。縛られちゃって気の毒。
獄卒に連れてこられた弥次さん、友達に会いに来たのだと言いますが
閻魔様が閻魔帳を見たところ喜多さんの名前がないといいます。まだ地上をウロウロしてるからかな。
そこへ司録に連れられて喜多さんがやってきて、もう何度目かの「弥次さん!」と呼びかけますが
弥次さんは生者のためわかりません。
地獄に来ても弥次さんには喜多さんが見えないなんて、この2人いつになったら会えるのだ;;
そこへ花道から「待て待てー」と声がかかり、少年たちがやってきた!
「我こそは美少年の梵太郎」などと名乗ります。どうしたんだ梵太郎。猿之助さん遊びすぎじゃないすか。
(ちなみに染五郎くんは自分で美少年と名乗るのがちょっと恥ずかしいらしい)
そして「その家来、政之助」と梵太郎を守るように前に立つ政之助くんはかっこいい。
生者なのに勝手に地獄へ来たことに閻魔様が怒ってしまい、鬼たちvs少年たち&やじきたのバトルが勃発!
梵太郎は鬼の群れをてきぱきと倒していってかっこいいし、
政之助vs赤鬼はお互いジリジリ距離を詰めたり赤鬼が政之助を術で引っ張ったりしてもはや黒塚だよ、
黒塚のクライマックスを橋之助さん&團子くんがやっている!!
やじきたは何だかんだで攻撃をかわしているうちに何とかなりました。運だけは強い2人^^;

やっとこを振り回してきた小鬼を弥次さんがヒョイと捕まえて
武器を取り上げて殴る蹴るの暴行を加え始めた!
右近ちゃんに何すんのやめろぉ、お巡りさーんここに不届き者が!などと思っていたら
小鬼ちゃんが両手を前に出して「敵といえど子どもを叩くなんて、児童虐待だとは思わぬのか」と
弥次さんにきっぱり抵抗してみせます。そうだそうだ~(*`△´)=3 プンスコ
少年たちもやってきて事情を聞くと「子どもを殴るなんて」と、人じゃないものを見る目で弥次さんを見て
小鬼を助けてあげます。本当に徳の高い少年たち!
そんなところを閻魔様に見つかって罰を受けそうになりますが
小鬼ちゃんが「このお兄さんたちが助けてくれました。それにこのおじちゃんも見た目ほど悪い人じゃない。
現世へ返してあげてください」と閻魔様にお願いしてくれます。
すっかりパパに戻っている右團次さん、じゃない閻魔様は「おまえが言うんじゃ仕方ないなあ~////」と
あっさり許してくれて、これを通って帰りなさいと浄玻璃鏡を貸してくれます。
弥次さん、少年たちの順番で鏡に飛び込んで現世に帰ります。やれやれ。

しかし暗転して幕が上がると、なんとそこには頭から血を流した弥次さんと血がべっとりついた岩穴が!
「なんじゃこりゃー」と松田優作みたいなことを叫びながら弥次さんは痛がっています。痛そう。
後から来た少年たちが「どうしたことか」と犬猫に問うと
鏡に突っ込んだものの出口で岩に頭をぶつけて血まみれになってしまったとのこと。
少年たちが医者を呼びに行き、犬と猫が手当てをしますが弥次さんはすっかり弱ってしまって
「おれ喜多さんのところへ行くのかなあ」なんて言い出す始末。
そこへ鏡の穴から喜多さんが登場。
弥次さんに駆け寄り「弥次さん死んじゃだめだ。おれはあんたがいたから生きてこられたんだ。
おれは全然いい人間じゃなかったし、まだあんたにありがとうって言ってもらってねぇ」と
すがりついておいおい泣き出してしまった。うわ~。
すると。
「…泣くなよ、喜多さん」と、弥次さんがつぶやきます。
喜多さんが「おれが見えるのかい」と問うと「見える」と弥次さんが答えて笑います。うわー!このタイミング!
2人が会えたのはうれしいけど、でも見えるようになったってことは、つまりはそれって。。
「自分もたいした人間じゃなかったけど喜多さんがいたから楽しい人生だった。
一緒にいてくれてありがとう、喜多さん」と
ゆっくりゆっくり語る弥次さんはとにかく優しくてあたたかでした。
ふおおぉぉ何だこれ何だ、やばいやばい観客はものすごい告白シーンを見せられているぞ…!!
そのまま弥次さんはこときれてしまって、喜多さんが絶叫。「弥次さあーーーん!……」
待って待ってさっきまでのギャグと喧騒どこいったの、なんなのこの急展開。
なんだよ~やじきたのくせに泣かせるなんてずるい。。
幸四郎さんと猿之助さんご本人たちの友情にも思えてボロボロ泣けてしまった。やられた。涙。
そして結局2人とも頭ぶつける最期って。生き方もどうしようもないなら死に様まで一緒ではないですか。涙。

と、そこへ風が強く吹いて雲が巻き起こり、
奈落からゴウンゴウンという音とともに巨大金色アマテラス……に乗ったイエス・キリスト(門之助さん)がご登場!
は……???ってリアルに声出てしまったよ、どんな展開だよ。ツッコミが追いつかない!
よく見ると巨大アマテラス様の額には「ただいま出張中」という貼り紙が。
ここでようやくわかったことですが、今回のやじきたの季節は10月だそうで
つまり神無月なのでアマテラス様は出雲大社へ出張しているとのこと。なんじゃ、そりゃあ( ゚Д゚)☆
(笑也さん今月はNARUTOに出てるからね)
というわけでキリストが代わりに2人を天国へ連れて行ってくれることになりました。まじすか。
やたらハイテンションなキリストの両脇に日光天使と月光天使なる少年たちがいたけど
顔は染五郎くんと團子くんで笑ってしまった。お着替えご苦労様です。
そんな天使たちが「まいりましょう」ということで4人での宙乗りタイムとなりました~☆
(天使たちがおもむろにワンピース歌舞伎のタンバリンを取り出したから
てっきり歌舞伎座でファーファータイムかと思ったけどBGMは普通にバッハのハレルヤだった)
さっきは悲しい雰囲気だったけど宙乗りはやっぱり盛り上がって大拍手の劇場内、
空飛ぶ4人が笑顔で手を振ってくれて本当に楽しそうでこちらも自然に笑顔になりました。
ふと舞台に目を向けるとアマテラス像の上でキリストがしょげていてあれってなったけど
4人が鳥屋に消える直前に立ち上がって決めポーズしてて笑った。
門之助さんがやじきたに出るとやたらテンション高いお役ばかりなのなぜ(笑)最高でした。
ブログでは客席から注目されないことを嘆いてらっしゃるけど、わたしは見ていたよ~)

何となくですが今回で本当に終わりじゃないかな…と、4人を見送りながら思いました。
3部作でキリがいいし、やじきたは天国へ行っちゃったし。
彼らがどこへ飛ぼうが飛ぶまいが、飛んでくれたんだからもういいや。満足。ありがとう。万感。

今回は脚本がとてもよくて、去年やおととしに見たも初めての人も楽しいと思うし
とにかく笑かせようとしてくるし、若手さんたちの活躍がすさまじいし
セクハラ・虐待ダメゼッタイな姿勢が貫かれていたし
(ちょっと去年は色々思うところがあったので改善されてよかったです)、
おもしろくてやがて切なき物語、でも最後はやっぱり明るくて
すっきりまとまっていてよかったと思います。
古典や新作歌舞伎からの細かすぎる本歌取りもたくさんあって
わたしが気づいた限りではお染久松、女殺油地獄、勧進帳、伊達の十役、恋飛脚大和往来、
藤娘、連獅子、黒塚、四谷怪談、ワンピースあたりなんですが他にもまだありますかね。
赤尾太夫は高尾太夫だと思うんだよな~元ネタは籠釣瓶あたりでしょうか。
猿之助さんいくつ仕込んだんだか、
自分で見つける楽しみもあるし家族や友達と教え合えば会話も生まれるし、いいことですね。

やじきたは永遠!!


続いての雨乞其角は、歌舞伎として演じられるのは今回が初めてだそう。
役者さんのセリフはなく、連中さんによる語りの力強さと若手さんたちの群舞がすばらしく、
そして中心で踊る扇雀さんの安定感と美しさ。
若手さんたちの活躍が光る第二部とてもよかったです。

2018kabukiza_19.jpg
歌舞伎座3階の菓匠花見さんで買った金魚の和菓子!
縁日で売ってそうな和金が泳いでるっていうのがいいよね。ちっちゃい金魚かわいい。

2018temari.jpg
手毬さんの貝殻。
潮騒っていうか風景が見えて綺麗だ~!手毬さんのお菓子はいつもおしゃれで好きです。
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コメント

おはようございます^^


歌舞伎は、まだ一度も
見たことがありません。

読ませていただくと、
なかなかおもしろそうですね(^^)

2018/08/16 (Thu) 10:03 | 坊主おじさん | 編集 | 返信

Re: おはようございます^^

> 坊主おじさん様

興味がありましたらぜひ行ってみてください、楽しいですよ☆
やじきたは今月いっぱいですが、
歌舞伎座は毎月色んな演目をやっていますよ~。

解説ガイドとかもありますので、気が向きましたらお気軽に^^

2018/08/16 (Thu) 20:32 | ゆさ | 編集 | 返信

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