源氏と音羽屋の御曹子。

歌舞伎座で團菊祭五月大歌舞伎夜の部「絵本牛若丸」を観てきました☆
尾上菊之助さんの長男・和史くんが6代目丑之助を襲名し初舞台を踏むということで
楽しみに行ってきました。
丑之助だから牛若丸を演じられるのだろうか…お父様やおじい様も同じように初舞台を踏んだそうです。

ポスター!かわいらしくも凛々しいお顔の牛若丸^^
手には鬼一法眼から与えられた秘術の巻物を持っています。

幕見席から観劇。
今回は祝幕を見たかったという理由もあります。宮崎駿氏が描いているんです☆
今年の12月に新橋演舞場で風の谷のナウシカ(原作版)が歌舞伎化されるので、そのご縁でしょうね。
(今のところ菊之助さんがナウシカ、七之助さんがクシャナという配役のみ発表されていますが
マッティやみっくんさんも出るらしいですが誰役なんだろ、楽しみ)

宮崎氏の描かれた牛若丸と弁慶。
かわいい~~~弁慶をおちょくってるみたいな牛若丸がめっちゃかわいい(*´︶`*)。
もともと絵本牛若丸には弁慶は登場しないそうなのですが、菊之助さんがこの絵を見て
弁慶の出番を作って演じることになさったそうです。すごいなー!
(初日には鈴木さんがいらっしゃって観劇されたそうです。宮崎さんは千穐楽までにいらっしゃるのかしら)
歌舞伎の御曹子の初舞台をナマで見るのは中村屋以来で
テレビで見たことのある初舞台は尾上左近くんや市川右近くん、坂東亀三郎くんで
みんな本当にしっかりしていてかっこよかったですが(特に左近くんの舞踊は未だに覚えてる…)
お子様の初舞台はいつ見てもドキドキします。。
そして来年には堀越勧玄くんの市川新之助襲名が控えている。。こわい。。見たい。。。
お父さんも團十郎になりますね。おめでとうございます^^
あと寺島眞秀くんもそのうちお名前を襲名するのでしょうか、楽しみ。
祝幕が開いて、舞台に現れたのは中央に浅黄幕、両脇に霞幕。
チョンチョンと前奏が始まりやがて霞幕が外されてお囃子の人々がズラリと登場。
全員、裃をつけて音羽屋の家紋である重ね扇に抱き柏をつけていました。
すると、浅黄幕の前にズラズラっと武装した6人の男たちがご登場。
彦三郎さんやマッティさんたち菊五郎劇団の皆様だったのですが
「鞍馬山の牛若丸が本当に強いのか試してやる」などと物騒なことを言って去っていきます。
向かう先は、鞍馬山。
浅黄幕が切って落とされると背景には鞍馬山の三門と満開の桜!春の設定なのですね。
奈落から菊五郎さん・吉右衛門さんとともに丑之助くんがご登場すると
客席から「音羽屋!」の大向こうとともにワ~~ッと拍手!!
丑之助くん、そんな客席の様子にもまったく身じろぎせずにどっしり腰かけていまして
5歳であの大物感はすごい…牛若丸は拍手ごときで動じないのだね(^◇^)☆
菊五郎さんの吉岡鬼次郎と吉右衛門さんの鬼一法眼によって、
今日は修行を終えた牛若丸が鞍馬山を出て奥州へ旅立つ日であると語られます。
「おともに弁慶をつけます。弁慶、出ておいで~」と鬼次郎さんが呼びかけると
花道から菊之助さんの弁慶がのっしのっしとご登場!
弁慶というと勧進帳の山伏のいでたちが有名ですが、
今回の演目の弁慶は下ろし髪に黒袴をつけた、武家のおともっぽいファッションでした。
「弁慶まかりこしました」と朗々と述べる声が低く低くぶっとい声でびっくりした!
菊之助さんあんな声出るんだ…一瞬海老さんかと思っちゃったよ。
と、ここで親子孫3代の4人が揃いましたので
「じゃあ皆様にもご挨拶を」と、皆さん急にお芝居モードを解かれて
舞台の前方に出てきて深々とお辞儀!
「ああ口上なんだな」とわかっている客席はクスクス笑いが漏れつつも拍手が起こりました^^
最初に菊五郎さんが「音羽屋にとって大切な丑之助を襲名し初舞台を踏みます。
将来は立派な役者になると思います。皆様ご指導・ご鞭撻のほどを」と、
続いて吉右衛門さんが「わたしにとっても孫にあたる丑之助が初舞台です。よろしくご愛顧・ご鞭撻のほどを」と、
菊之助さんが「ゆくゆくは両祖父のような役者になってほしい。何卒よろしくお願いします」と挨拶されて
最後に丑之助くんが菊之助さんに促されながら
大きな声で「どうぞよろしくお願いいたします!」と締めくくりました。おめでとうございます~☆
(菊之助さんがずっと「ご挨拶を」って合図してて大変そうだった…がんばれお父さん)
お芝居に戻ると、「常盤さまの御使いで参りました」と2人の女性が花道から歩いてきます。
時蔵さんと雀右衛門さんですよまた豪華なお使いですね^^;
常盤御前も牛若丸が旅に出るのを心配して、様子を見てくるようにと遣わされたとのこと。
そこへさっきの男たちがわらわらっとやって来て、牛若丸に戦いを挑んでくるのですが
最初は弁慶が牛若丸を守って戦っていたのを、牛若丸が制して
「ちょこざいな。牛若丸の手並みを見よ!」と勇ましく立ち向かってゆきました。
がんばれ、がんばれ牛若丸(5歳)!!
お兄さんたちが1人ずつかかってくるのを最初は素手で難なくいなして「強い牛若丸」という感じなのですが
黒子さんという、歌舞伎お約束の見えざる力を借りて(笑)軽々とジャンプして
お兄さんたちの背中にピョ~~ンと乗ったり、
お兄さんたちに担がれながら両肩に乗ってポーズ決めてみせたり、
黒子さんとお兄さんたち3人がかりで桜の木のところまで連れて行ってもらい枝を1本ポキッと折って
その枝を優雅に振り回しながら華麗に戦ってみせたりします。
両足をバッ!と開いてバ~~ッタリと見得をする姿は力強く決まって大喝采!
あの小さな体でも見得はぐわっと大きく見えるから不思議~。
お兄さんたちもきっちりアクションを合わせてくれるので全然問題なくて
こんなに微笑ましい殺陣シーンがこの世に存在するのかと(笑)めっちゃ笑いました。
そんなわけでボロボロにされた(笑)お兄さんたちですが、
急に態度が改まり跪いて牛若丸に頭を下げると
「実は自分たちは平氏ではなく源氏です。機会をうかがっていたのです」と正体を明かしました!
よかったね味方が増えたよ٩( ᐛ )و
やれめでたしと思いきや、そこへ2人の山法師が頭巾に薙刀という勇ましい姿でご登場。
海老さんと松緑さんだったのですが、何やらケンカしながらここまでやってきたご様子。
どうやら自分たちのどっちが牛若丸の旅のお供をするかでモメているらしくて
お師匠の阿闍梨蓮忍(左團次さん)も困り果てながらやってきました。
2人とも声がデカいから口喧嘩もド派手、「おれだ」「いやおれだ」と両方とも譲らず。おじさんたちかわいい☆
さらに今度は金売り吉次と渋谷金王丸までやって来て「おれたちもお供します!」とか言い出して
牛若丸めっちゃモテ期じゃん!(笑)
見かねた鬼次郎さんが「阿闍梨さまどうしましょう」と声をかけると
「もうみんな一緒に行ったらいいんじゃない?」という鶴の一声で
全員でおともすることになりました!!すごい賑やかな道中になりそうですね(^◇^)。
で、牛若丸は鬼一法眼さんに秘術について書かれた巻物をもらって
「魔王堂で7日間修行してから奥州へ向かいなさい」と言われて旅立つことになりました。
さあ引っ込みです☆
弁慶に連れられて舞台を去り、花道の七三に立ち止まった牛若丸が
激しい附け打ちの伴奏で飛び六方の構えをしたので「えっ六方で引っ込む?えっ???」と思っていたら
花道の途中で「くたびれた…」と立ち止まってしまいました。。
えええええ~~~っ!!最後までしないんだ…さっきめちゃくちゃかっこよかったのに(爆笑)。
しかも「弁慶、おれの馬になれ」とか言い出すものだから弁慶が戸惑っちゃって
「牛若さまそれは…」と勘弁してほしそうに言われても
「おれはいずれ平家の一門を滅ぼす男じゃ(だから大事にしろ)」とか何とか都合のいいことを言って
弁慶に肩車してもらいました!!!
もうこのやりとりの間中ずっと客席は爆笑、わたしも爆笑でした。お腹いたい;;たすけて;;;
音羽屋!の大向こうと万雷の拍手に送られて2人は引っ込んで行きました。すごいな。
丑之助くん、髪を頭の後ろに結った姿がめっちゃ似合ってたし
話し始めるとかわいいのに立ち回りで見得すると綺麗でかっこよくて
最初から最後までずーーーーっとニコニコさせられっぱなしでした。
菊之助さんの弁慶も、台本に弁慶の出番がないなんて信じられないくらいしっくりとハマっていて
これきりではもったいないから「弁慶がいるVer.」としてたびたび上演したらいいと思います。
丑之助くんを見る目が完全にパパ目線で、口上でハラハラしているのが遠目にもわかったし
最後の引っ込みがどう見ても親子で本当に微笑ましい(笑)いや、大変だなあ。。
両おじい様たちもお孫さんを暖かいまなざしで見守っておられたし
他の出演者さんたちも丑之助くんを見る目がやさしくて、なんて幸せなお舞台かと泣きそうになりました(*´ω`*)。
千穐楽まで無事に走り抜けられますように。
そしてナウシカ歌舞伎が今から楽しみすぎてこわい。
菊之助さんのナウシカなんて美しすぎて卒倒するし七之助さんのクシャナ殿下なんてもっと卒倒する。
ユパ様とかセルム様とかどなたがやるのかな、テトは出てくるのかな。
あとみんな言ってるけど王蟲は!市川中車さんがいいです!!よろしく!!!!!(笑)
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