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東博の三国志展に行ってきました☆
「リアル三国志」を合言葉に、後漢から三国の時代について2~3世紀の出土品を中心に紹介する展覧会です。
三国の人々が実際に生きていた当時のものから伝説化・物語化されてゆく後世の創作品などに混じって
川本喜八郎氏の人形、横山光輝氏のマンガ原稿、三國無双の武器まであって
学術からエンタテイメントまで幅広く網羅されていて楽しい内容でした。
ゲームが展示される展覧会は近頃とみに増えていますが、東博もやっとやり始めましたね。

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ちょっと(どころじゃなく)びっくりしたのが全展示品写真撮影OK!!
ついったで情報が流れてきたときマジか、東博が?東博の特別展が!??って3度見くらいしました。
色んな意味で特別な展覧会になってると思います…関係者の皆様に感謝。
わたしは全部じゃなく興味のある展示品だけ撮ってきたけどそれでも200枚以上にはなりましたよ、
以下でご紹介していきます。

展示はいくつかのコーナーに分かれていて、まずは「伝説のなかの三国志」。
記録され、記され、語られていく中で三国の歴史は伝説化されて現代まで伝わっていますが
その様々な文化の形を紹介。
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横山光輝氏の『三国志』漫画原稿がいくつかありました。写真は桃園の誓いの場面。
15年かけて連載された長編漫画の始まりはここからなんですよね。
読んだのずいぶん前なのでほとんど忘れてしまっているな…読み返したい。

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関帝廟壁画(18世紀)。
蜀の関羽はその生き方から、唐の時代には既に神様としての信仰があって
劉備のもとへ行く前には塩を売る仕事をしていたことから民衆には商売の神様としてあがめられ、
関帝廟が各地に作られていますね。(横浜中華街にもあるよね)
写真は関羽が兵書を読んでいる姿を絵にしたもの。

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キービジュアルにもなっている関羽像(15~16世紀)。大きくてかっこいい!
美髭公とも称される関羽、お髭が強調される姿で表現される事例が多いですがこれは割と控えめだそうです。
充分たくわえた風に見えますが…これでお髭控えめなのか…^^;

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孔明出山図(15世紀)。
三顧の礼ののち孔明が山を下りて劉備軍に加わるところを描いています。
基本は水墨で色もそんなになくて、文人画っぽい雰囲気。

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関羽・張飛像(19世紀)。
曹操のもとから戻った関羽に一時は疑いの目を向けるも、その後きちんと謝る張飛。
演義の張飛は猪突猛進キャラですがかわいい部分もあるよね^^

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趙雲像(17~18世紀)。
長坂坡で阿斗(後の劉禅)を抱えて単騎で走り切った故事の彫刻です。
お腹に阿斗様をがっちりホールドしています。風ではためくマントも馬のたてがみも生き生きしてる!

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NHK人形劇三国志の人形があった!川本喜八郎氏の作品です。
写真は曹操・劉備・孫権の3人。こんなに綺麗に保存されているんですね…みんなかっこいいですね。
赤壁後に関羽を見逃す曹操の表情の動きとか、あの人形劇屈指の名シーンだと思ってるんですけど
あれももっかい見たいなあ…。
今回の会場には各人物ゆかりの品や関係品を紹介する冒頭で必ず主要人物の人形が展示されていました。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ。
(追記に紹介した展示品は特に注意書きがない限り1~3世紀の出土品です)
 
 
続いての展示は曹操・劉備・孫権のルーツについて。
彼らがどのような一族のもとで育ったのかを紹介しています。
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玉豚。一級文物(中国の有形文化財のうち一級に指定されるもの)です。
曹操の父親である曹嵩の墓とされる場所から出土したもので、
死後も豚肉が食べられるようにとの願いを込めて副葬品として埋められたものだそう。
曹操は漢王朝の家臣の家系でエリートなんですよね~利発で政治力もあったしね。
三国志演義では悪役っぽく描かれる曹操ですけど、彼にしてみれば劉備の方が逆賊なわけで
自分がそんな風に語られがちな現代を彼はお空の上でどんな風に眺めているだろう。

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玉装剣。
劉備の祖先といわれる劉勝(漢の武帝の異母弟)の銅剣です。
劉備が漢王朝の後継者を自称するのはこのためで、皇帝として即位した国の名前も「漢」にしています。
(劉備というと蜀のイメージですが、これは演義で劉備がそう称したと書かれているためです)

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貨客船。
孫権の一族である孫氏(孫子の子孫とされる)は海上貿易で富を築き、勢力を拡大したそうです。
写真は当時の船の形をしのばせる貴重な史料ですね。

続いて、漢王朝の滅亡と黄巾の乱の時代について。
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獅子。
漢王朝の有力者の墓にあったと伝わる彫刻で、
首すじに「洛陽で作られた獅子」という意味の文字が刻まれています。
お口がくわっとしてかっこいい。

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帯金具。
西王母の髪飾り「勝」をかたどったもので、当時流行したデザインだそうです。

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儀仗俑。
銘文などから、涼州の張将軍という有力者の墓にあったとされるものです。
涼州というと董卓の出身地ですが、将軍と彼はニアミスなどしたかもしれないのだろうか。
(董卓は漢王朝からの黄巾の乱鎮圧の求めに応じて参戦し、勢力を拡大した人物ですな)

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熹平石経。
易経や詩経、論語などを刻んだ石碑ですが、董卓の洛陽焼き打ちでほとんどが失われてしまったそうです。
ああ、もう、董卓ってば。
(でもこういう時壊されましたっていうのも文化財の歴史の一部になるんですよね)

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「天帝使者」印。
黄巾の乱を起こした太平道などの教団が役所の公印を模して使っていたとされるものです。
ああ、もう、イエローターバンズってば。。(英語にするな)

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多層灯。
劉備の生まれ育った涿県の墓から出土したもので、死後の世界を明るく照らすとされています。

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五層穀倉楼。
これが出土した河南省焦作市は、漢王朝最後の皇帝・献帝が帝位を追われたのちに住みついて
余生を過ごした土地だそうです。
彼が目にした建物もこんな風だったかもしれませんね。

続いて、三国時代の戦闘と武器について。
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蛇矛。
三国時代よりも前に作られたとされるもので、青銅器時代の武器だそうです。
なんでこの武器が展示されているかというと、、、

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三國無双の張飛の矛レプリカ!
演義では劉備・関羽とともに黄巾の乱鎮圧に参加した張飛が蛇矛をふるう場面がありますが
実際に彼が蛇矛を持っていたかどうかは謎だそうです。
近藤勇と虎徹みたいなものかな…。

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壁にゲームに出てくるキャラクターの影絵まである。。
三國無双は未プレイですがこういう展示が楽しいっていうのはわかります^^
学問とゲームってこうして並べればいいんだなあ。

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天井を見上げると400本もの矢が飛んで展示室奥の壁につきささっていました。
赤壁の戦の再現で、正史では曹操軍が長江向かいの孫権軍を攻撃したとき、
演義では孔明が孫権軍から矢を10万本ほど奪い取るときの作戦としてこんな光景が見られた様子。

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時代ドラマや映画などの戦闘シーンで無数の矢が一斉に降りかかってくるシーンは何度も見ていますが
いざ目の当たりにしてみて、ああ、こういうことなのかと実感しました。この量の矢の下で生きていられる自信皆無。
視覚化って大事ですね…すごくわかりやすくてゾッとした展示でした。

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ちなみに横山光輝氏の三国志にあるこのシーンの再現ですね。こわっ。

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弩。
呉の元号・制作者・持ち主・使っていた人の名前が書いてありました。
確かに大勢の人間が入り乱れる戦場では、自分の持ち物には名前書いとかないとわからなくなっちゃうもんね。

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弩機。
さっきのクロスボウのような弓をこれに装着して矢を発射します。

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戟。
三国時代のもっともポピュラーな武器で、主に突いたり叩いたり相手をひっかけて倒すなどの使い方がされたようです。
演義でもよく見る武器ですね。

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軍船模型(2015年)。
赤壁の戦いにおいて両軍は楼船を作ったそうで、その参考作品です。
本当にこういう船だったかどうかはともかく、大きな船団が長江を挟んで向かい合ったんだよな…迫力。

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撒菱。
夏侯淵と黄忠が激突した定軍山から大量に出土したものの一部です。

続いて、孔明の南征。
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孔明と孟獲の人形。
孔明人形の額の右側には小さな凹みがあるのですが、
これは劉備が死ぬ話のときに本当に水を浴びせて撮影してカシラの一部が溶けそうになった名残だそうです。
人形劇が本物の水と火を使っていたのは有名な話ですがそういう危険もあったんだな…。
制作現場の熱気まで伝わってくるお人形すごい。

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「孟トウ」印。
孟氏という有力者が存在したことを証明する印鑑です。孟獲の一族の人が使ったんだろうか。

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童子図盤。
呉の朱然(関羽を生け捕りにしたことがある人)の墓から出土したもので
漆で作られており、制作されたのは蜀の地だそうです。

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曹休印。曹休本人のお墓から出土しました。
三国の主要人物の中で唯一これだけが使い主のわかっている印なのだそうです。

そんな曹休も生きた魏の国の文化について。
これでもかと様々な種類の展示品から、魏の国力の大きさが伝わってきました。
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五龍硯。
石で作られた硯で、有力者とみられる人のお墓から出土したもの。

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墨書紙。
紙が残ってるのも驚きなんですが、手紙を再利用した紙というのもびっくり。
紙が貴重だった時代は、やっぱりどこでも再利用しますよね。

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定規(当時の1尺)。
長さが決められていると流通や消費など、経済にもろに影響しますよね…。
きちんと決まってたんだなあ。

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六博盤。
さいころを振ってコマを進めるすごろくのようなゲームに使われたそうです。

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方格規矩鳥文鏡。
六博盤と似たような文様があり、日本で出土する三角縁神獣鏡との共通点も指摘されているようです。

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刀魚文俎。この時代に多く作られたそうです。
まないた・刀・魚というと鴻門の会か…高校の教科書で習いましたなァ。

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北園1号墓壁画模写より、楼閣図。
楼閣にいる人物、左側にはお手玉をしたり倒立する芸人と見物客たちがいて
当時の一般市民の文化も伝わってきます。

続いて、蜀の文化の紹介。
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舞踏俑。お墓に埋められるものです。
とびきりの笑顔で思い切り笑っていて、なんかいいなあ。

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鎮墓俑。
口には牙と蛇のような舌があり、魔除けとしてお墓に埋められたそうです。

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溜池模型。
水田に水を送るための溜池があったことを伝えるもの。
これもお墓からの出土ですが、死後もお米を育てて食べられるように(=くいっぱぐれない)みたいな意味なんだろうか。

続いて、呉の文化の紹介。
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竹簡。
この時代はちょっとしたメモや荷札などに使われていたんだよね。

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俑。
呉の俑は小さいものが多く、写真もそのひとつですが
詩を詠む人や楽器を奏でる人、聴いてる人、書き留めている人など色々いますね!かわいい。

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神亭壺。
呉の時代の焼き物で、建物や人々がぎっしり。どうやって焼いたんだろうこんな複雑な形。

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銅鼓。
祭祀の儀礼などに使われたと考えられています。

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鏡。
魏は神獣鏡が、蜀は三段式神仙鏡が、呉は銅鏡などが出土する例があるそうです。
ちなみに日本では魏の年号がついた鏡が古墳などから出土しているので
当時の日本ともっとも交流が多かったのは魏なのかな…。
(魏誌倭人伝にも書かれている卑弥呼が親魏倭王を賜るのは孔明の死からわずか5年後で
曹操と劉備はもういないけど孫権はまだ生きている時代です)

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三国の貨幣。
お金がなければ消費もできないし経済も回らない。三国とも自国のコインを作っています。

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象形文字の足元注意の表示にちょっと微笑みながら進んでいきますと。

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何やら暗い雰囲気の展示室が。

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こちら、曹操高陵の内部をほぼ原寸大で再現した展示室です!
10年ほど前から発掘調査が行われている曹操のお墓の内部は
展示されていた図によるとまず墓道を通って入口に至り、前室があり、さらに後室があって
その後室が棺のあった部屋だと考えられているとのこと。

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後室の真ん中に展示されていた罐。
最近発見されたもので、白磁とのことですが
白磁の始まりはこれまで6世紀頃(隋の時代)と考えられてきたので
3世紀に作られたお墓から発見されてしまったのでまた研究者が悩まし、いやロマンが生まれたわけですな!
これと同じような史料がどこかから発見されたら白磁の学問はどうなっていくだろう。楽しみです。

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罐の後ろ、このあたりに曹操の棺があったということなんだな…。
1800年前に生きていた人の痕跡がわかってくるの、本当にドキドキします。

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曹操高陵から出土した鼎。土製です。
この頃、鼎は有力者でもない限り副葬品としてお墓に入れることはできなかったようです。

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石牌。
「魏武王」との記述があり、これが出土したことでお墓が曹操高陵だという決め手になったそうです。
ただ、当時これが出土しなくてもお墓の被葬者は曹操だと同定できていたみたいで
ダメ押しになったということですね。
世界中の高貴な人々のお墓の例に漏れず、曹操の高陵も盗掘されているらしいのは
去年BSで放送されたドキュメンタリーシリーズ(蔵さんがナビゲーターしたやつ)で少し見た覚えがありますけど、
骨が残ってなくてこの石牌が残っていたということは
やはり曹操はあまりよい感情を持たれていなかったってことなんだろうか。

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きれいだなあと思った瑪瑙円盤。
あまり出土例がないので、当時はとても貴重な品だったと考えられています。

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画像石。
曹操高陵の墓室に使われていた石です。白虎、佼人、槌をもつ人物が彫られています。

続いては、魏の王室についての展示。まずは曹操の子・曹丕から。
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金製獣文帯金具。
曹丕が欲しがったという廓落帯の先端についている鮮卑頭というものです。
これは曹丕の所持品ではありませんが、こういうものがあったということですな…。
中央に竜のような獣がいて、周りを金と宝石で飾り立てた豪華な金具です。見とれた。

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石牌。
副葬品の名前を記していて、さっきの鮮卑頭なども書かれています。
魏誌倭人伝に出てくる「縑」という名前が刻まれています。

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耳杯。
曹植のお墓から出土したもの。亡くなってもお酒が飲めるようにとの配慮でしょうか。

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水鳥、鶏、犬の模型。
曹植の時代から動物の形ってあまり変わってなさそうですね…。

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揺銭樹。蜀の大きなお墓から出土したものです。
揺銭樹はそのほとんどが蜀の土地で発見されていて、当時の信仰や文化がしのばれます。

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虎形棺座。棺を置くための座です。
呉の有力者とされる人のお墓から出土。何とも愛くるしい顔の虎ちゃんです^^

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筆、書刀。知識人の必需品ですね。
西洋でもペンと時計と髑髏を持っている人物画は知恵の神や文系の人物が描かれることが多いけど
アジアも似たような感じなのでしょうか。

最後に王義之の邸宅と貴族の墓のコーナー。
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なんで急に王義之?って思ったんですけど、
呉を滅ぼした晋王朝の中でも屈指の名門だったのが王氏で、王義之はその子孫なんですね。
写真はその王義之もいた土地で出土した蟬文冠飾で、皇帝や重臣が身につけていたものです。

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「晋平呉天下大平」磚の一部から「太平」の文字。
かつて呉の都だった建業に近いところで発見されたそうです。
「晋が呉を平らげて、天下大平となった」というわけで、三国時代もこのあたりでおしまいです。

ミュージアムショップのグッズも色々あって、横山三国志グッズが群を抜いておもしろかったです(笑)。
「温州蜜柑でございます」パッケージのクッキーもおもしろかったんですけど
「待てあわてるな、これは孔明の罠だ」「ゲーッ孔明!」のクリアファイルとマグネットとか
やたら司馬懿推しだったのがすっごい笑えた。
せっかくの特別展でもネタにされてしまう司馬懿さん、かわいそう。。
「むむむ」「何がむむむだ!」とかもあるかなと思ったけど
横山三国志キャラはむむむと言いすぎているので誰のセリフかわからないから無理だったかな。
赤兎馬のぬいぐるみがあったんですが買ってくればよかったかなァ…!
緑のゼッケンつけて「赤兎馬」って書いてあって超絶かわいかったんですが迷って迷ってやめちゃった…
そのうち弟くんが行く予定なので気持ちが変わったら買ってきてもらおう~。
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ブログ10周年。

かえるの旅路その4。

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