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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


やっぱり空飛ぶ東海道中。

  1. 2019/08/22(木) 23:56:56_
  2. 舞台鑑賞
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
2019kabukiza12.jpg
歌舞伎座で八月納涼歌舞伎第二部を観てきました!
今年もチケットは激戦で、発売と同時に完売してしまい戻りチケットをひたすら待つ日々。
仕事の合間にチェックしてもなかなかタイミングが合わなくて戻ってきても秒で埋まってしまって
「んぐおおおあああぁぁぁ」と頭を抱える毎日でしたよ…今回もほんとよくゲットできたよ…。
「戻ってる!取らなきゃ!」って確保して申込み完了ボタン押してメール来るまでめっちゃ緊張しました…
みんなすごいなぁどうやってチェックしてるんだろう…裏ワザがあるなら教えてくらはい。

2019kabukiza13.jpg
演目はこちら!
3年前2年前去年に引き続き「東海道中膝栗毛」の4作目を鑑賞します。
祝4年目☆
去年で終わりと思われていたやじきたが今年もやると聞いたときはすごくうれしかったし
どうせまたバカ騒ぎをやってくれるんだろうなとワクワクしながら行きました。

気になったのは副題がないこと。
1作目からずっとラスベガスとか謎解きとか再び伊勢参りとか副題があったのに今回はシンプルにタイトルのみ。
あらすじも一切公開されていなかったのも気になりました。何をするつもりなのかな。ワクワク。

2019kabukiza14.jpg
開場まで木挽町広場をウロウロ。
6月に見かけた撮影スポットを探したのですが見つからなくて、あれ?と思っていたら
別の場所でお店になっているのを発見。
実際に使われていると雰囲気が出ていて、楽しい。

2019kabukiza15.jpg
第一部の「闇梅百物語」にちなんで妖怪グッズを販売するイベント「大怪展DE歌舞伎座」が開催中でした。
根付やがま口、ぬいぐるみなど小物が中心で大きさも様々。
可動盆栽は歌舞伎座のお舞台を意識した松の仕様になっていてかわいかった。

2019kabukiza16.jpg
今日はここから観劇。
花道は遠いけどお舞台が近くて通路も近い。楽しみ。

2019kabukiza17.jpg
鳥屋も毎回撮影してしまう。
1作目はラスト、2作目は冒頭、3作目はラストで天使とともに飛んで行ったやじきたが
今回はどんな風に飛んでいくのかも楽しみでした。
こんなに宙乗りが楽しみな演目もなかなかないです。

以下、ネタバレを含む長文感想です↓クリックで開きますのでどうぞ☆
 
 
 
幕が開くと、そこには巨大なスクリーンが。
おお、2作目みたいにあらすじをやってくれるのかな…と思っていたら
映画「ひまわり」の音楽やパッヘルベルのカノンとともに流れ始めたのは「Memories of 東海道中膝栗毛」。

はい???????????(゚∀゚)

客席に笑いが漏れましたがそんなのお構いなしに始まる映像。
ひまわり畑をバックに1~3作目のダイジェスト映像がナレーションとともに走馬灯のように流れます。
(あの女声ナレーションさんはどなたなんだろう…穏やかな口調で聞きやすかったです。気になる)
はあ~こうして見ると本当に色んなことがありましたなあ…などと感慨深く思っていると
「弥次さん喜多さん。YJKT。バイト。社会のゴミ。おじさんたち。
様々に呼ばれてきた2人の旅も夢も、一期の夢だったのかもしれません。
この4年間、あなたたちの活躍が心の支えでした。
弥次さん喜多さん、本当にありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りください」
というナレとともにフェードアウト。えっ、終わっちゃったよ。。
スクリーンがすーっと上に上げられるとそこには透ける幕がかかっていて
「夢」の文字が白抜きで書いてありました。
え?夢??(オチが見えた)

透ける幕が上がると、そこには晴れた青空の下、長屋の屋根の上に寝そべる2人が。
「ふあ~あ、よく寝たなあ」と大あくびして目を覚まして
弥次さんが喜多さんの顔を見て「あれ、喜多さん生きてるのかい」とうれしそうに叫びます。
「何言ってんだよ、生きてるよ」と喜多さんがめんどくさそうに答えると
弥次さんが「よかった~~~~~!!!」と叫んでキスしようとするので
「もうロシア流のあいさつはいいよ!!」と全力で拒否。
客席は爆笑でした!皆さん6月の風雲児たち見てらっしゃった人たちなんだなあ~(´▽`)。
弥次さんがうれしそうなのも無理はない、去年は喜多さんが事故で亡くなったのが悲しくて悲しくて
お伊勢参りに行こうとしたんだもんね。
そしてなんと、これまでの3作は彼らが屋根の上で見た夢というオチになった!!まじかあぁ。
これまでの3作がこんな伏線だったなんて……(゚Д゚)ポカーン
最高で笑い転げましたが去年のわたしの涙を返せよーー!本当に悲しかったんだからな!!(笑)

目が覚めた2人、お伊勢参りへ行く夢を見た気がするので「伊勢に行くか」ということになります。
そこへ弥次さんの妻と借金取りが花道からやって来て2人に「しっかりしろ」「金返せ」などと言ってくるので
2人は屋根の上で番傘をひらりと開いて隠れようとしますが、そこへどこからともなく一陣の風が…。
案の定、傘を開いて持っていた2人の体はふわりと浮き上がって空へ舞い上がります。
「伊勢の神風だ~」とうれしそうな2人。
地上で怒鳴っている人々に「まっぴらごめんねー」と全然反省の色を見せずに
そのままメアリー・ポピンズのように笠にぶら下がって飛んでいきます。
東海道を半分ひとっ飛び!
「楽してお伊勢参りができらあ」と上機嫌に空を飛んでいると、
スッポンからゴウンゴウンという音とともに現れたのは猿田彦。猿弥さんめっちゃ恰幅ある神様(笑)。
「横着は許さん。振り出しにリセット」と、大きな扇子を振って2人を押し戻してしまいます。
「人生に近道はない」のお言葉が、深い。

とある山中にいる鎌川霧蔵(中車さん)、指名手配犯を探しているようです。
ひととおり自己紹介をして「人呼んで、鬼のカマキリ」とかっこよく名乗ります☆
いや、略しただけじゃんね。つまりカマキリ先生だよね(笑)。
(去年まで獅童さんがやっていた大岡越前枠ですね、今年は獅童さん南座行ってるから…)
そこへ籠を担いだ2人が花道からやって来るのですが、最初は誰だかわからなかったのですが
舞台まで来て籠をおろし、頬かむりをとったら染五郎くん&團子くんでした!
エーーーーーッ!!!(;; ゚Д゚)☆
ちょっと待ってお顔めっちゃ茶色いんですけど、ドーラン塗りすぎでは??すごい役作りですな。
雲助のバイトをしながら生活しているらしい2人を見かけて、カマキリ先生が
「見られる顔をしている。親もイケメンではないかな」などとメタ発言を(笑)。
少年たちもカマキリ先生を見つけて「これもご政道のゆがみ」「格差社会だ」などと言いながら
有り金ぜんぶ置いていきな!と挟み撃ちにしますが、カマキリ先生は軽くいなしてしまう!強い!
子どもが犯罪など世も末だと嘆きながらも、少年たちの体格がしっかりしているのを見て
「獅子戸乱武と黒船風珍という悪党を探している。手伝わないか」と誘います。
少年たちはうまく聞き取れなかったのか「トランプ?」「プーチン?」大丈夫かなこれ?????(笑)
そこへ花道から何やら歩いてきたのは、なんと着ぐるみのカマキリ!
「あれはわたしの分身だ」と得意げに紹介するカマキリ先生。鎌霧 with 分身。楽しい。ひたすら楽しい\(^o^)/
少年たちに渡した人相書きを見せてくれるのですが、その顔がやじきたにそっくりで(笑)(2役お疲れさまです)。
「とうとう雲助から足を洗えるな」とやる気満々の少年たちは御褒美をもらったら何をするか考え始めますが
いまいち思いつきません。
「おれたちのやりたいことって、夢ってなんだろう」
「天照さまー!おれたちの夢は何なのか、教えてくださーい!!」
天に向かって叫びます。切ない。切ないよ少年たち。。
思えば1作目からずっと「夢」っていうものがテーマだったような気がします。実は深いやじきた。
するとそこへ、さっき猿田彦に追い返されたやじきたが飛んできた!
ドンガラガッシャーーン!ピーポーピーポー…などと古風なSEに包まれて少年たちの前に姿を見せたやじきた。
「おじさんたち誰?」「軽々しくおじさんて呼ぶなよ」「おじさんじゃなかったら…お父さん?」「楽屋オチがくどいんだよ!」
なにこの応酬(笑)。
「でもこのおじさんたち、よく見ると放っておけない面をしている」と、たいへん心のやさしい少年たち。
人相書きを見せて「おじさんたち、おたずね者みたいですよ」と教えてあげます。
「何ですそりゃ~」と仰天するやじきた。何だか大変なことに巻き込まれたようです。

籠の中から現れたのは泥棒2人、
石川五右衛門のような頭をした彼らは幸四郎さんと猿之助さん!2役なのね。
お互いを「トランプ殿」「プーチン殿」なんて呼びながら悪だくみしています。
どうやらやじきたをカモフラージュに使って陰で悪事を働こうとしている様子。
と、ここから怒濤の早変わりが始まります!
悪人2人が引っ込んだかと思うと、ものの10秒でやじきたが再登場して
中央にやじきた、垣根に少年たち(忠臣蔵5段目?)とか古典パロをやりながら一緒に夜の闇を歩いていますが
そんなだんまりを経てやじきたは悪人とばったり出会ってしまいます。
「あまりに驚いて声も出せまい」などとコテコテのメタ発言(笑)。
吹き替えさんに話しかけちゃうの大好きなのですっごい笑っちゃいました。
悪人たちはやじきたに、自分たちのしていることは世直しだから手を貸すように言って
「伊勢の神にこの刀を奉納しに運んでもらいたい。運び賃は弾むぞ」と言います。
振り向けないので背中で喜ぶやじきたに、近くにあったもうひとつの籠を開けて
中に座っていた生き人形をスパッと切ると、中から小判がじゃらじゃら出てきます。
「頼んだぞ」と言いながら去って行く悪人たちをやじきたが追いかけて一旦茂みの中に入りますが
ものの5秒で出てきて、それがもう幸四郎さんと猿之助さんでした!早いなあ!
「こりゃいい、雲助のバイトよりずっといい」「幸せを運びに行くんだ」と楽しそうにはしゃぐやじきたですが
少年たちは「これからどうしよう」と思案顔。
「心配するな、ロシアに残されたわけじゃない」などと、まだ6月を引きずっている弥次さんですが
「おまえたちの夢はなんだ」と問いかけます。
少年たちは2人とも「「役者にはなってみたいと思っていた」」と答えて客席から笑いが。。
「一緒に行こう、幸せのおすそわけだ」と弥次さんに誘われて少年たちも一緒に伊勢をめざすことになり、
「「おじさんたち、ぬるりと伊勢までめえりやしょ~」」と息ぴったりでした。
さあ、今年も伊勢参りだ!٩( ᐛ )و

場面変わって、芝居小屋。「OKAMIシアター」の文字が煌々と光っています。
「花も恥じらう乙女の水芸」と笑三郎さんのおかめさんが笑顔で水芸を披露しようとしています。
後ろで貝蔵さん(みっくん)が一生懸命、仕掛けを動かしているのですが
水を手から出しますと言ったら足元から出たり、茶碗から出ますと言っても花から出たりと
信じられないようなミスを連発。。
おかめさんも収集がつかなくなって「ミュージックスタート」と言ったら
手から、茶碗から、花から、足元から、とにかくその場の穴という穴から水が噴水のように湧いて出ました。
なんじゃこりゃー!!(爆笑)
その芝居を見ていたらしいやじきたと少年たち、がっかりした様子で小屋を出まして
「見るんじゃなかった」などと言っています。
團子くんが「貝蔵さん、この前のナルトっていう出し物はなかなかよかったのに」などとメタ発言。。
すると、さっきの失敗を責められた貝蔵さんがおかめさんに叱られながら小屋から出てきます。
「おまえなんかクビだ」と言われてしまい、凹む貝蔵さんに
弥次さんは「一緒にお伊勢参りに行かないか」と誘います。
旅は道連れ世は情け、ここで会ったのも何かの縁だから一緒に、ということでした。
「そんじゃお願いしま~す」「早っ!」ケロリとしている貝蔵くん、つっこむ喜多さん。
貝蔵くんの借金は十両あるそうで、弥次さんが払ってくれます。お金持ち!
「おれはずいぶん食うから金十両」などと言ってますがやじきたが「「黙ってろ!」」と一喝。
するとそこへ、花道から七さんがすたすたとやって来て
少年たちを気に入ったらしく、くどきはじめてしまいます。
やじきたは「年下好みか」「保護者の前で」などと不機嫌そう。
適当にタッチしたり話しかけたりして「あばよ~」と去って行きました。やれやれ。
すると、弥次さんがとんでもないことに気が付きます。「財布すられた!」「エッ」
慌てて花道を追いかけていくやじきたの後を、少年たちとみっくんが追います。
その頃、2人を隠れ蓑にして悪事を働いている乱武と風珍は
芝居小屋のおかめさんを斬って財産を奪って逃げます。(これもあっという間の早替りで出てきた)
おかめさん斬られた…!
ここで場面転換のため舞台がくるっと廻るのですが、乱武と風珍が退場した後もおかめさんは倒れたままで
うおぉい誰か運んであげてよ…と思っていた、おかめさん、スッと起き上がり立ち上がった!
「最後までごゆっくり」と微笑んで退場してゆかれました。さすがだ。

旅を続ける一行、箱根の賽の河原にあった小屋で野宿します。
まるでゴジラみたいないびきをかく喜多さん(SEがゴジラの鳴き声だった)のためにみんな眠れなくて
弥次さんが村の人々からわけてもらったおにぎりをみんなで食べています。
「団子もあるよ~」と言われたら「おれは団子はきらいだ!」と叫ぶ團子くん。共食いになっちゃうからかな^^;
やがてみんなの夢の話になり、それぞれが夢を語る中で
みっくんの「あたりまえのしあわせが欲しい。宝くじが当たるとか、ズギューンと恋に落ちるとか」が
かわいくて笑ってしまった。

夜更け。
相変わらずゴジラのいびきが響いているのですが、急にガッガッガッガッ!と引っかかったかと思うと
「あー驚いた、自分のいびきで飛び起きた」などと、喜多さんが小屋から出てきます。
そこへやってきたのは乱武と風珍!
幸四郎さんだけ顔を見せています。風珍はいま喜多さんになってるからね(笑)。
みっくんを助けてしまったのでお金がないと言う喜多さんに乱武は路銀をくれます。
「お金もらったよ、弥次さーん!」と弥次さんを起こしに行こうとする喜多さんに
「起こさなくていいから!」と全力で止める乱武めっちゃ笑える(笑)。
喜多さんが小屋に引っ込んで、幸四郎さんの乱武も草むらにいったん隠れるのですが
すぐに弥次さんになって起きてきました!早変わりすごい!( ゚Д゚)☆
「そういえば自分たちはどんな刀を運んでいるのかなあ」と、預かった刀を何気なく鞘から抜いてみたら
キラキラ~というSEとともに光り輝く刀身が☆
「すごい、キラキラしてる」「ハーブの香りがする」と大騒ぎしていると
また乱武と風珍が姿を見せます。今度は顔を見せているのは風珍で乱武は笠を目深にかぶってます(笑)。
喜多さんを起こしに行こうとする弥次さんと、さっきと同じように「起こさなくていいから!」と止める風珍(笑)。
路銀を渡して「我らを悪党と疑うな」と釘を刺します。
ポーズ決めて去ろうとするときに附け打ちさんがババン!といつものように仕事をすると
「いちいち入れなくていいよ!」って風珍が注意すると
「わかりました」と附けさんがお返事しちゃった!!これもありか。
でも義太夫さんには、急に伴奏が止まったせいか「なんでしゃべらないの!」って怒る。理不尽な演出家。。

騒ぎを聞きつけて喜多さん、少年たち、みっくんが起きてきますが、
この時花道から歩いて出てきたお千代さんが、舞台の左側にいるお地蔵様を見て「キャーッ」と叫んだので
みんなで見ると、なんとお地蔵様の首がとれて転がってしまっています。。
そんなお千代さんの顔を見た貝蔵くん、
「ズッキューン!!」と叫んで胸を押さえてパッタリ倒れてしまいます。恋に落ちたらしい。よかったね夢が叶って(笑)。
が、ここで未だかつて見たことのない衝撃の光景が。

貝蔵くんの、かつらが、取れた。

えええ~~~~~~~~~っ!!!?!??????!?!??!??(((((( ゚Д゚ ;;))))))

ポロって、ポロって、かつら取れちゃったよ!!ちょっと待って~~~~~~~~!!!!!
歌舞伎見始めて6年になりますけど(過去は知らないけど)こんなの一度も見たことないよ!
客席がどよめきや大笑いや叫び声で大変なことになりドッカンドッカン大ウケする中、
役者さんたちがめっちゃ動揺していて次のセリフが出てこない!(そりゃそうだ)
やじきたなんて2人とも俯きぎみで肩で笑っちゃって完全にツボに入っちゃってるみたいでしたよ大丈夫か!!
「お嬢さん一緒に伊勢に行きませんか」と、どうにかこうにかセリフを絞り出した弥次さんに
「でもお地蔵さんを置いていけない…」と迷うお千代さんですが、かつらを被り直した貝蔵くんが
「大丈夫、おれが担いでいきますよ」とお地蔵さんを担ごうとするのですが
お地蔵様が重すぎて尻もちをついちゃうんですが、その反動でなんと、

また、かつらが、取れた。

えええ~~~~~~~~っ!!?!?!?!???!?????????(゚Д゚;≡;゚Д゚)

「「「ワーーーーーーーッ!!」」」と、今度こそ大慌てになった役者さんたちが
幕、幕!と黒子さんに呼びかけてあっという間に幕引き。場面転換へ。

ええっと、ちょっと待って、これアクシデントなの、狙ってるの???
みっくん床山さんときちんと再調整したほうがいいよ????????
(観劇当時にはわかりませんでしたが帰宅してからハッシュタグを検索したら
みっくんのかつらは初日から取れているそうです。
ただ毎日取れているわけではなさそうなので、たぶんこの日って狙ってやってるんだろうけど
それにしてもブラックだ。やじきただから許される演出ですな)

そんなわけでお千代さんも一緒に行くことになったやじきたの道中ですが
箱根から江尻にたどり着く間にも弥次さんが色んな人を拾って連れてきちゃったらしく、
貧乏人やホームレス、派遣切りにあった人、DV被害者、シングルマザー、一発芸人などなど
様々な格好や立場の人々が花道にズラーーーッと並びます。
「みんな揃ってお伊勢参り♪」すごいことになってきた。。
幕が開いて江尻に揃ったみなさん、「幸せになりたいかー!」「なりたーい!!」などとコール&レスポンスしながら
伊勢に向けて進んでいるようです。
弥次さんは「人が増えて路銀が尽きちゃった。バイトしなきゃ」と、お財布をチェックしています。
そこへ花道から2人の青年が走ってきて斬り合いを始めた!
物騒なので話を聞いてみると仇討ちとのことでした。
侍の格好をした熊木くんの仇が振袖姿の猫爪くんだそうで、みんなの前で大暴れするので
弥次さんがおもむろに近くの衝立を引っこ抜いてスパァンと倒してしまいました。えっ!?強い??
「アーーーーーーッ」と絶叫した猫爪くん、「よくもわたしのイケメンに…!」とやり返してこようとするので
喜多さんが「弥次さん、やっておしまいなさい」などとどこかの黄門さまみたいなことを言いますが
今度は弥次さん、あっさり負けてしまいます。。えっ、さっきの強さはどこへ??
そこへ帆下田の親分一味が駆けつけてきて騒動をあっという間に収めて
戸板で運ばれる猫爪くんを見送ってから、帆下田の親分はやじきたに声をかけて
「強いなら力になってほしい」とお願いされます。
というわけでやじきたは親分のところへ、
他の人たちは「お伊勢参りツアーのみなさーん」「ハーイ!」と元気に叫んで、一旦お別れ。

そんな頃、安部川付近では旅芸人の一座が伊勢を目指して歩いていました。
玉之助さんを乗せた車を八大さんが引いて行く大和屋チーム一座になっていましたが
「一谷嫩軍記の遠見の子役を探しているのです」と語るのはどうみてもお七さん。。
今度は一座にくっついて旅をしているんですね。
そんな話を、一番後ろを歩いていた奥の井という老婆が聞いて悲しそうな顔をします。
彼女は仕えていた家の若君と自分の血筋の孫を探しているようで、子役の話を聞いて思い出してしまったのです。
そんな彼女に七さん、元気づけようとしたのか「今年の中村座のチケットをあげましょう」と太っ腹なプレゼント!

鞠子にある帆下田の親分の家「とろろの丁子屋」にやってきたやじきた。
妻のお富さんが出迎えて、3人は中へ入って休みます。
するとそこへ、花道から河内屋与三郎さんという青年が歩いてきて、お店にそっと入ります。
どうやら2人は不倫中のようで、お富さんは「今日は親分がいるから帰って」と言いますが
与三郎さんは「一緒に逃げよう」とあきらめません。
「親分も怪しんでる。もうこれっきり、切れて」とお富さんに言われてしまって
ショックのあまり刀で斬りかかる与三郎さん!
逃げ惑うお富さん、振りかかってくる刀をよけているうちに、お店にあった大きな桶に倒れかかって
桶の中味をバシャーっとぶちまけてしまいます。
ぶちまけられた真っ白な液体は何と、とろろ!とろろ蕎麦のお店だけに。。
さらに2つめ、3つめの桶もぶちまけてしまい舞台の上はとろろまみれに!
逃げるお富さんも追いかける与三郎さんもツルツル滑ってグダグダになってしまって客席は大ウケ。
これ何でしたっけ、どこかで見たことある光景だなと思ったら女殺油地獄ですよね、
油ならぬとろろ地獄ですけどね(笑)。
そこへ親分とやじきたが合流するのですが、やっぱりみんな滑って転んで
騒ぎを聞きつけた清水次郎長の一味もやって来るんですがやっぱり全員滑って転んで
お富さんが「はやく止めて」って言うんだけど「刺そうとしてもすべっちゃうんだよ」と。。
最後に駆けつけてきたのは少年たち、参上!とジャンプしたところ滑らずに着地できた!
役者さんたちも客席もオオ~~~~~ッ!って拍手☆
しかしその後少年たちも滑っては転んで立ち上がっては転んで、みんなまともに動けないし
弥次さんと喜多さんがウォータースライダー(流し蕎麦用?)までやらかし、もう夏芝居全開。
エラヤッチャエラヤッチャ、よいよいよいよい、踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らにゃソンソン♪などなど
BGMもすっかりお祭り騒ぎになっています。鳴物さんGJ!
人数が多いから前後2列になってラインダンスまで始まっちゃって
飛んでくるとろろ飛沫を客席の前列の人たちはビニールで防ぎながらも楽しそうでした。いいな~とろろ浴び。
役者さんたちの足の動きに合わせてシンバルが鳴り響き、ピンクと黄色のスポットライトが劇場を煌びやかに照らし
客席がバカ受けしている間に幕が引かれて幕間となりました。


客席が明るくなって、わたしの後ろに座っていた人が「なんだこれ…」と呟くのが聞こえました。
まったくです!!
冗談でも妄想でもなかったんだよね女殺とろろ地獄…盛大におみ足鑑賞できたの夢じゃないよね…
贔屓の舞台でヌルヌル白濁ローションとろろ地獄が見られるなんて思わないじゃないすか…
わかってますなァ…サンキュー贔屓…やっぱりあなたは最高のエンターティナーだよ…。
ってかとろろ、あれ本物のとろろのなのかローションなのか、
もし本物だったらあの後痒くなるだろうからお風呂でよく洗ってほしい。
あとでハッシュタグ検索したら東銀座TLがみんなとろろ地獄→とろろを欲して食す展開になっていて
わたしとろろ苦手なんですけど何だか食べたくなってきたよ。
苦手なものまで興味をもたせるやじきた、ほんと侮れない。


そんなこんなでまったく休憩した気分になれないまま2幕目開始。
さっきのとろろ騒動で体に34ヶ所もの傷を負ってしまった与三郎さんは
やじきたが藪医者の玄磧さんのところへ連れて行ってあげて手当てしてもらいます。
玄磧さん、「わたし、失敗しないので」(出ると思った)と言っていたくせに
手術を終えた与三郎さんが包帯を取ると見るも無残な造形のお顔に。。
鏡で見て「こ、これが、わたし?」などとお岩さんみたいなセリフをつぶやく与三郎さん(無理もない)、
「歌舞伎界一のイケメンと言われた顔を!どうしてくれる!!」ってマジ切れします。
そりゃそうだ~はーくんのお綺麗な顔を返せコラー!(`Д´)プンスコ
藪医者は逃げてしまって、与三郎さんもお富さんもやじきたも追いかけて
そこへたまたま通りかかった馬飼いが馬を連れていたのでつい乗って行っちゃう弥次さん!

馬に乗って走って走って、弥次さんは吉田宿に着きます。
「ここはどこかなあ」などと困っていると、旅籠の2階から飯盛のお蔦さんが声をかけてきて
「ここは吉田だよ」と教えてくれます。
「エ~そんな遠くまで来ちゃったのか??」と、慌てて戻ろうとする弥次さんをお蔦さんは心配して
「この暑い中走ったら熱中症になっちゃうよ」「でも行かなきゃ」「じゃあ食べ物あげるから持っていきな」
を、紐にくくりつけて食べ物をよこしてくれるのですが、
弥次さんが取ろうとしてもお蔦さんの手に紐がからまってほどけない(笑)。
「はやく離せよ」「引っぱらないでよ」「ここにあまり時間使いたくないんだよ!」とか応酬して
何とか紐をほどいて受け取った弥次さんが立ち去ろうとすると
お蔦さんのいる2階のセット(ハリボテでした)だけ先に大道具さんに片付けられてしまって
お蔦さんが梯子に乗っている状況がまる見えに!
大道具さんが戻ってきて梯子を押して「バイバーイ」と去っていきました。ほんとこんなんばっかだなこの舞台(笑)。
その頃、置いていかれた喜多さんも弥次さんを追いかけていて舞台の右を走っていて
弥次さんは舞台の向かって左を走っていて、背景のセットが動いている状態で
ええと、つまいテレビとかでよくある画面割をイメージしていただけると。。
「早く動かして、走ってるように見えないから」と喜多さんが大道具さんに言ってて笑ってしまった。
そんなこんなで大道具さんががんばる中、2人は再会するために走り続けます。
「見せてもらった夢だから、次は誰かに見せる夢」「足に任せてひと走り」
七五調の素敵な文句。やじきたはたまにいいこと言うから最高なんだよね(*´︶`*)。
そこへなぜか喜多さんの後ろから走ってくる七さん!
勇ましく鉢巻をして袴姿で、2人の間にある境界線をピョ~ンと飛び越え、
「わたしは金栗お三四。兄はいだてんやっております。見てください!」と高らかに宣言したかと思うと
花道でクラウチングスタートをやってダッシュで引っ込んでいきました!
いだてんOPまで流れちゃってすっごーい!素敵なコラボ!!(*゚Д゚*)
(七さんはいだてん第二部で三遊亭圓生役で出演なさる予定ですけどお三四さんも出たらいいのに)

去って行った七さんに「おいあの人境界線超えちゃったよ…ダメだよあれは…」とか突っ込む喜多さん(笑)。
その間も走って走って、ついに2人が同じ画面にやって来て「見附で見つけた!」
江戸人らしくシャレを言いながら見附で再会することができました^^
少年たちもすぐに追いついてほっとしたのもつかの間、
やじきたを乱武と風珍だと思って追いかけていた親分たちも追いついてきていて
少年たちが「おじさんたちは逃げて」とやじきたを逃がしてくれます。
公務執行妨害で捕まってしまう少年たちを助けてくれたのは
花道から「あいや、しばらく!」とやってきたカマキリ先生でした。(着ぐるみカマキリはいませんでした)
「トランプとプーチンは先頃、名古屋で金銀を盗んでいる。やじきたはお尋ね者とは別人だ」と証言してくれます。
親分たちから解放されて「おじさーん!」と泣きつく少年たちの背中をよしよしと撫でてくれて
「背ばかり伸びても、かわいい奴らよのう」と笑顔のカマキリ先生。中車さん完全にお父さんモードだ(笑)。

そんな様子を茂みから見ていた悪人2人。
カマキリ先生にバレたのでプランを変更し、やじきたに変装してこの先をやり過ごそうとします。
「将軍の伊勢参りに地雷火を打ち込んでやる」などと物騒なことを考えているようで
何も知らずに逃げてきたやじきたを茂みの中に連れ込んで殴る蹴るの暴行を加え(バキバキって古風なSEがした)
やじきたの着物を着て変装し、後からついてきた貝蔵くんたちと合流しますが
何せやじきたとは口調も性格も全然違うので「2人とも、まるで別人みたい」と疑われますが
何とかやじきたの口調を真似して先へ進みます。
痛めつけられたやじきたは「痛い~」とぼやきながら茂みから出てきますが
ハーブの刀を取られたことに気づきます。
お伊勢参りの目的のひとつだったのに、と弥次さんはショックを受けて
「ずっとしあわせになりたいって思ってきたけど、みんなをしあわせにしたいということが夢になったんだ」
喜多さんも「信じる心があれば夢はかなうもんだとわかった」と、ここまでの旅を思って悲しそう。
そこへカマキリ先生に助けられた少年たちが追いついてきて
「ここへ来る途中に旅の一座に役者にならないかとスカウトされました」と喜びながら教えてくれます。
さっき七さんが一緒にいた人たちかな?
「夢が叶ってよかったな」と喜ぶやじきた、「親の遺伝子に感謝するんだな」と弥次さんが言えば
「おまえはおじいさんに感謝するんだぞ」と喜多さんも言います。もう何回目のメタ発言だろ、慣れたけど(笑)。
少年たちは一座と一緒に伊勢を目指すことになり、やじきたも刀を取り戻すために伊勢を目指すので
「伊勢で会おう」と言って一旦お別れ。

やじきたが渡し舟に乗ろうとすると、なんと船頭は七さん!
船を出す直前に乗ってきたやじきたを乗せて、そのまま海へ繰り出しますが
やじきたが無一文だと知ると「降りとくれ!」と、無情にも櫂を振り回すので
あわれ2人は海の中へ。。
「…どうしよ、ほんとに落っこっちゃった」とかアホなことを言ってる七さん、
「そういえばカマキリ先生が海中の軍資金を探してるみたいだけど…邪魔にならないといいけど」と呟いて
そのまま舟を漕いでご退場。
場面は変わって青々とした海の底。ドライアイスのスモークやシャボン玉がしゅわしゅわと客席に降り注ぐ中
(手を伸ばしたらシャボン玉にさわれました^^)、
水中のカマキリ先生は酸素ボンベ背負ってぶくぶくやりながら海底の財宝を探しているようです。
エビやタイなどの海の生き物の着ぐるみたちと一緒に踊ったりくるくる回ったりしていると
スッポンから浮き輪をつけた着ぐるみカマキリちゃんが登場!
彼も合流して一緒に海の中を泳ぎ回って、回って、暗転。
えっ、結局なんだったの???(混乱)

場面は海のそのままで、舞台袖にくるりと娘義太夫と三味線が出てきます。
さっき猿田彦だった猿弥さんがかわいらしい義太夫さんになってます。かわいい。
語りの合間(役者が見得してるときとか)にお化粧直しちゃうわお水飲んじゃうわ、
隣の三味線さんが演奏しながら怪訝そうな顔でチラ見していたのがおかしくて笑ってしまった^^
そんな彼が語るのは平家物語の一場面。
花道から白馬に乗った平敦盛と、茶色の馬に乗った熊谷直実が登場、金の扇をバッと開いてひるがえします。
猿弥さんはさっきまでお化粧直してたのと同一人物とは思えないような
ものすごい迫力で義太夫節を語ってくれました。すごいな…!
役者さんのプロフェッショナルぶりを感じるのはこういうときです。どんなこともやってのけてしまう。かっこいい。
すると花道から「しばらく、しばらく、お待ちください」と奥の井さんが走ってきて
舞台の敦盛と直実は「えっ?」と振り向いてお芝居が止まってしまいました。
このとき気づいたんですけど、この敦盛と直実、少年たちでした!キャ~~2人ともかっこいい☆
すると。
「おばあちゃん止めちゃだめだよ」「役者になるのはこの2人の夢だったんだ」
なんと客席の通路にやじきたが降臨!!(^◇^)☆ワーーッとものすごい拍手がおきました!!
喜多さんなんて空いてる席に座ってお客さんと仲良くしちゃってました。いいな~いいな~!
すると2階席の辺りからだったかな、「(奥の井の話を)聞いてやれよ!」ってお客さんの声が飛んできて
やじきたは「それもそうだなあ」と舞台に上がりながら奥の井さんに理由を聞きます。
(あの声お客さんだったのかな、それとも大向こうさんかな、仕込みかな…気になるけどおもしろかったです)
「旅の途中ではぐれてしまった若君さまと孫を探しておりました。ようよう巡りあうことができました」と
感激のあまり泣き出す奥の井さん。
肝心の少年たちは奥の井さんとお別れしたのが幼すぎて覚えてないようです。
どうやって証明しようかと思案した2人、とんでもないことを言い出します。
「そうだ、天照さまを呼んで聞いてみよう!」そ、そんなお隣さんでも呼ぶみたいにカジュアルな。。( ゚Д゚)
徳の高い青少年たちが「天照さま~~お姿をあらわしたまえ~~」と祈りをささげると
奈落からゴウンゴウンという音とともに観音像のような巨大天照像がご登場~~今年もキターーーッ!(゚∀゚)☆
目がぴかぴか光ってる天照像がパカッ!と割れて、中から笑也さん扮する天照さまがお出ましになりました。
「こちらの両人、まことの若君なるぞ」「これよりはお家を再興し、民に寄り添う政を行うように」と
神様からのお墨付きをいただいてしまいました。すごい。
「天照さま、かたじけのう存じます」とお礼を言うと、奥の井さんが
「お家再興は名刀がなければいけません。小さい若君が持っていたはずのものです」と。
少年たちは思い当たらず、考え込んでいたやじきたが「…もしかして、キラキラ!」「ハーブの香り!」と
乱武と風珍に持っていかれてしまった刀のことではないかと言い出します。
そこへ七さんが再び登場、「トランプとプーチンは親方を殺し、弥次さんたちをたぶらかしたのよ」と推理して
「あいつら極悪人かー!」「そのとおり。カマキリのお調べでござんすよ」と、話をまとめました。
あなたは誰?と問われて答えてくれましたが
「あるときは女泥棒、あるときはアスリート、しかしてその実態は七化けのお七!」と決めポーズしたのに
喜多さんが「ちょっと待って、五役しかやってないよ」と水を差しましたが
「一部と三部にも出ておりますので、合わせて七化けです。どうぞよろしく☆」と宣伝しちゃった(笑)。
少年たちは「親方の敵を討って刀を取り戻します」と意気込んで
天照さまが「仇の元へ届けてつかわす」と言ってくれました。
やじきたはそんな少年たちに「こいつらもうお侍様なんだな」と恐縮してしまいますが
「これからは殿様になって、みんながいい夢を見られる世の中にしてくれよな」と励まします。
少年たちも「誰かの夢をかなえようとすると、自分の夢も叶うとわかりました」
「おじさんたちと一緒に旅をしたこと、忘れません」
というわけで、少年たちは悪人たちのもとへ出発!
ここで場面転換のため暗転したんですけど、ちょっとタイミングが早かったみたいで
ブレーカー落ちちゃったって猿之助さんは言ってたけど、ほんとかな。

花道をやって来る貝蔵くんとお千代さん、「みんなの願いは叶ったかなあ」と伊勢への道を歩いていると
なんと貝蔵くんが背負っていたお地蔵様が元通りの姿になっていた!
「天照さまの奇跡だわ。夢がかなった」と喜ぶお千代さんに、貝蔵くんは
「おれの夢はとびきりの美人と一緒になることだよ」「美人?どこにいるの」「いるよ、ここに」
というわけでハッピーエンド!幸せになった2人は花道を戻っていきました。おめでとう~☆

場面変わって海の中、舞台セットにはごうごうと音を立てて水が流れています。今年も本水きたよ!
カマキリ先生に捕まった悪人たちのところへ少年たちが天照さまに導かれてやってきて
悪人たちと戦います!
斬りかかり、よけてまた斬りかかって、ジャンプして、水にダイブして。
あっちこっちから水が噴水のようにピュ~~っと出てきたところで4人揃っての見得でした!
猿之助さんが下から噴出している水を顔にめっちゃ浴びてて息ができてなさそうでした。プロ根性。

悪人退治もすんで、刀も取り戻して、一行は無事に伊勢に着きましたが
弥次さんの女房と借金取りに追いつかれたとわかったので、2人は慌てて隠れます。
五十鈴川にかかる宇治橋の大鳥居の前で、伊勢の町は夏祭りの様相、
与三郎くんも伊勢の医者に治療してもらったおかげで顔が元に戻ったようでした。何より。
スマホで写真撮ってるお富さんかわいかった(笑)。
2人はひらりひらりと踊りだし、貝蔵くんとお千代さんもお地蔵さんを背負ったまま踊り出していて
七さんとカマキリ先生は楽しそうに何かしゃべっていて、みんなそれぞれの伊勢を楽しんでいました。
花道から若君と従者の姿になった少年たちが歩いてきます~ご両人~~かっこいい!!
去年まで当たり前にこのいで立ちだったからやっぱり似合う(*´︶`*)。
おじさんたちを探してるけど隠れてるから出てきてはくれなくて
「大丈夫、目を閉じれば会えるから」と詩人のようなことを言う少年たちでした。教養のある子たちなのだ。

やがて花火があがるということになり、花道に寿猿さんの船頭が動かす花火の船がやってきます。
「さて、そろそろこいつの出番だな。火をつけるぞー!」と朗々と叫ぶ船頭の後ろにある花火の筒から
ひょっこりやじきたが顔を見せます。おや、まあ。
「喜多さん、おれこれ夢で見た覚えがあるよ」「おれもだよ」なんて呑気に言ってるから
導火線に火をつけられてしまい、案の定2人は。

「アーーーーーーッ……」

ポーン!

たーまやー。

というわけで今年も2人の宙乗りが始まりました!!
「喜多さん、おれたちやっぱり飛んでる」ぼやく弥次さん。うんうん、わかってたよ(笑)。
「今まで4度の飛び納め、次はどこへ行こうかねえ」「どこへでも行くさ。喜多さんと一緒なら」
4年間毎年飛び続けた2人の様子は、喜多さんが番傘をひらりと開き、
弥次さんが大車輪のごとくグルグルまわるいつもの飛び方で幕を閉じました。
「長い間ありがとうございました!」のひとことにこちらもお礼を言いたくなりました。
ありがとうございました。お疲れさまでした。
やじきたフォーエヴァー。あなたたちのいる4年間のバカ騒ぎは本当に楽しかったよ。ありがとう。


やじきたは確か、本当なら去年で終わるはずだったということなんですが
染五郎くんが「来年もやりたい」と言っていたみたいだから希望が叶ってよかったですね。
おかげでわたしたちも楽しむことができました^^
1作目から構成をやっている杉原さんが「今年で最後のやじきた」とおっしゃっていたから
たぶん本当に終わりにするつもりなのでしょうけど来年も言ってそうな気がします。某宮崎氏みたいに。
染團コンビが毎年だんだんうまくなっていくのを見るのが楽しかったし
他の出演者も全力でバカをやって笑かしにくるし
何より主役の2人が一番全力でふざけてアホなことやってますから信頼感がパない。
早替りも毎年レベルアップしてて、今回すごい久しぶりにまったくわからないシーンもあって大喜びしちゃった。
4巻セットでBlu-ray出してくださいよ買うから~~~~~ねぇ~~~~~~~!!(じたばた)

しかしよく、まあ、これでもかこれでもかと仕掛けを詰め込んだものですわ(褒め言葉)。
情報量のめちゃくちゃ多い3時間半、目で追いかけるのが精いっぱいで脳みそが追いつかなかった。
相変わらずだいぶとっ散らかってたし終わった後何ひとつ印象に残らなかったので
たぶんこれはそういう舞台なのでしょう、
ストーリーはあってないようなもので、とにかく目の前の出来事を見て笑うのが観客の役割で
今のシーンの意味は?などと考え始めたとたんに置いてきぼりにされかねない。
隅から隅まで笑わせようという気概に満ち満ちていてエネルギーがすごかったですよ、ついていきます猿之助さん。
今年も古典パロと楽屋ネタが満載で笑いまくって拍手しまくり、元ネタたくさん知ってるほど楽しいだろうなぁ!
いくつか気づいたけど全然拾えてない気がします。
チケット取れてよかった。観られて本当によかった!
あ。今回のMVPは間違いなく七さんです。出る度にチャーミングで素敵なオーラを放っていらっしゃった。
1・2・3部観ないと「七化けお七」は制覇できない。こんな構成に誰がした。いやはやすごい!

あとわたしが観劇した日はたまたまですが中日で、役者さんたちにお弁当が配られたそうです→こちら
中日おめでとうございます!あと半月、けがのないようがんばってくだされチーム弥次喜多。

2019kabukiza18.jpg
終演後。
とろろと水をかぶったビニールが前列のあちこちに置かれていました。
水を被るのはよくあることですがとろろを被ることになるとは思わなかったろうなあ、前の席の人たち。

2019kabukiza19.jpg
木挽町広場にあった南座超歌舞伎の看板。
この前京都に行ったときもバスに乗りながら南座の前を通って看板を見ました。
予定がどうしても合わなくて諦めたのですけど、どんなお舞台になっているのかな。
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