ツバメもタカとして生きねばとぶこともかなわぬ世なのだ。

歌舞伎座ギャラリーに行ってきました。なぜかって。

ナウシカのメーヴェが展示されてるからですよ!!
去年の12月に新橋演舞場で上演された新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」にて
実際に使用された小道具ですよ。
ギャラリーのツイートで展示を知って何がなんでも見たくて早朝に電車に飛び乗り、
ギャラリーのオープンと同時に展示室に入ったので誰もいない状態で撮影できました!
最高です。

ほんとにメーヴェだ~~すげ~~~~~!!!(゚Д゚)☆
ちゃんとエンジンに青い光がついてるよ。

上から。
エンジンのアクセスハッチはさすがに省略されてるけども(宙乗り中につまづいたら危ないからね)、
それ以外はほぼパーフェクトにメーヴェのフォルムを再現していると思います。
重さどれくらいあるんだろうな。本物(?)は12kgくらいで人が持てる重さですけども。

今にも回り出しそうな噴射口のデザイン。光球もここから出してましたっけ。

後ろ。
ライフルと杖を収納する穴もちゃんと開いてる。
すごいなあ…!
今にも飛び立ちそうなメーヴェを間近で、展示ガラスとかもなしで見られて幸せいっぱいでした。
しかも写真まで撮れるなんて。
ところどころ塗装が剥げているのが、お舞台で使い込まれた感があってドキドキしたし
きっと本物のメーヴェもナウシカが乗り回しているうちにそうなってるかもしれないから
(映画でも腐海に突っ込むわ乗り捨てるわ、結構、大雑把に扱ってる描写が散見される)、
そういう意味でもすごく本物感がありました。
ギャラリーさん展示してくださってありがとうございます。

歌舞伎座ギャラリーは5年前に訪れているので、特にレポはいたしませんが
前に来たとき三味線が置かれていた壁の一角が役者さんたちのサイン場所になっていました。
ギャラリーでは時々、役者さんのトークショーを行っていますからそのときのサインかな。
というわけで。

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」デイレイビューイング(前編)を見に来ましたよ☆
去年の12月に新橋演舞場で上演された昼の部にあたるシネマ歌舞伎です。
夜の部にあたる後編は来週から上映されますので、この日見たのは前編のみ。
わたしは上演時に夜の部だけ見ていて昼の部は見られなかったので、
せめてシネマで見たいと思って前売り券買いました。

劇場に舞台写真が展示されていた。
見覚えのない様子ばかりだったのでたぶん昼の部(前編)の写真だと思われ。
以下、ネタバレを含む長文レポ&感想です↓クリックで開きますのでどうぞ☆
(原作マンガのネタバレもしているので原作未読の方もご注意ください)
幕開けは定式幕で、真ん中が少しだけヒョイッと持ち上がって裃姿の尾上右近くんが登場。
夜の部がそうだったように「風の谷のナウシカ漫画全7巻を通し狂言として上演いたします」と
今回の企画やストーリーの説明をしてくれます☆
例のタペストリー幕が引かれて、「腐海」「巨神兵」「王蟲」などを字幕で説明してくれて
解説ごとにその場面の絵にスポットが当たるのも夜の部と同じ。
「青き衣の人からシュワの墓所の秘密まで昼夜通しでどうぞご覧ください」と
右近くんが深々と頭を下げて去って行かれました。
客席から大きな拍手。夜の部の種之助くんもすごかったけど右近くんもがんばってたんだなあ、
10分くらいの長い説明セリフを歯切れよく、よどみなく、丁々発止に語るさまは本当にすばらしかったです。
若手さんたちどんどんかっこよくなっていきますね。
タペストリー幕が引かれていき、舞台に現れたのは腐海の景色。
巨大な植物が辺りを覆い、大王ヤンマやヘビケラが客席を飛び交い、胞子が宙を舞っています。
全体を映してくれて、細部をアップで映してくれるのはシネマ歌舞伎ならではですね~。
ど真ん中に王蟲の巨大な抜け殻がありました!あれは…でかいぞ…!!
映画の画面でも大きく見えたから舞台を直接見れたらどんなに存在感があったろう。
久石さんのBGMをバックに紗幕に「風の谷のナウシカ」(鈴木さん筆)とタイトルが表示されて
紗幕が上がると花道からナウシカが登場☆腐海遊びに来たんですね。
王蟲の抜け殻を見つけて、「こんなに大きかったらセラミック刀などの材料にもなる」などと喜んでいると
ちょこちょこっと舞台にキツネリスが出てきます。
テトだ!ユパ様が連れてくるんじゃないんですね。
ここで例の有名なあのシーンですよ、
テトを肩に乗せて「ほら、怖くない」って言ってくれましたよ姫ねえさまが!!!\(^o^)/
噛まれたとき一瞬だけ痛そうな顔をするんだけど、俯いて目を閉じるっていう「歌舞伎の痛そうな顔」になってるのが
ああ、ナウシカ本当に歌舞伎になったんだなあ、と。今更のように。
(ここの表情アップで映してくれたのよかったですね)
テトとあっという間に仲良くなって、一緒に行動することになりました。ここは原作通り。
しかし何で腐海の底をうろちょろしていたんだテト…なんで生きていられたんだ…。
原作や映画だと、ユパ様が羽虫から助けてポシェットに入れていたから
腐海の毒を吸わずに済んだみたいな描写でしたけども…。(尺がないんだ突っ込むな←)
さてさて、背景にいる王蟲の暴走が始まるのかしら、わくわく…などと思っていたら
突然、上空からペジテの船が腐海にドドーーーンと轟音とともに墜落してきた!
エエーーーーーーーーッ( ゚Д゚)ここで来るんですね。
(そんなわけで王蟲の暴走はありませんでした)(光球も蟲笛も使わなかった)(尺がないんだね)
墜落現場にかけつけたナウシカ、船から落ちた何人かが倒れているんですが
瀕死の女性を抱き上げて名前を聞くと「わたしはペジテの王女ラステル」とおっしゃる。
十二単を着たラステル!!( ゚Д゚)☆
ラステルは祖国ペジテがトルメキアに攻め滅ぼされたので逃げてきたことを告げ、
懐から秘石を取り出して「兄のアスベルに渡してほしい」と言います。
そのまま事切れてしまったラステルに「安らかに…」とつぶやくナウシカ、
ラステルたちのお墓を作ってから風の谷に帰ります。
風の谷。
アジアンテイストな民族衣装の人々が客席の通路にたくさん出現して、風の谷の歌を歌って踊って
そのまま舞台に出てきたジル様の部屋へ皆さん上がっていきます。
ユパ様が戻ってきて、ミト爺やジル様が迎えて辺境の状況を報告したりしていました。
「自分には11人子どもがいたけど育ったのはナウシカだけ」「次の族長はナウシカ」と語るジル様は
病鉢巻をしていてもトップの風格がありました。権十郎さんの貫禄すごい。
ババ様は大ババ様ではなく城ババ様と呼ばれていましたね。原作のとおりですね。
青き衣の人の伝説について語ってくれて、うおおついに歌舞伎役者の口から「その物青き衣をまといて」のセリフが!
(京田さんが言ってた義太夫節のセリフ回しがイメージできましたよ。ありがとうございます萬次郎さん)
そこへナウシカが帰ってきて、ペジテがトルメキアに滅ぼされたことを報告していると
風の谷にトルメキアの軍艦が飛んできました!
いやあほんと展開早いな…仕方ないけれども。。
ナウシカが立ちはだかりますが、やってきた装甲兵がラステルの冠をちらつかせているのを見て
「さては彼女の骸をあばいたか。許さん!」と怒って斬りかかって
ユパ様が割って入って「双方動くな!」と身をもって仲裁するのは原作のとおり。
かっこいいーーーーユパ様かっこいい!!!٩( ᐛ )و
「決着をつけてはならん。いずれが倒れても憎しみが連鎖し、盟約で結ばれた者同士が殺し合うことになる」
うおおお原作の名ゼリフをこんなにも低く力強く、マッティさんすごかりし。
そして花道から遅れて颯爽と登場したクシャナ殿下もかっこいいかっこいい!!!
もう夜の部見てたときから思ってたけど、「先程の剣さばき見事であった」とユパ様を讃えるのも
秘石のありかを尋ねられて無言になるナウシカを見てすべてを察したような表情をするのも
じきに土鬼帝国に攻め入るからいにしえの盟約に従い族長は出陣するように、と命じる姿も
も~~~~~何もかもが凛々しくて美しくてかっこいい!!
ナウシカが「わたくしが参ります」と言うと、「明朝雲の上にて待つ」と言い放って花道へ退場していきますが
一瞬だけチラッと振り返ってナウシカを見てから、また颯爽と歩いて退場していってて
その視線を受けるナウシカの表情も映画はアップで映してくれていました。
あれすごいシーンだったな…2人の鮮烈な出会いの印象が伝わってきたよ。
テトを追いかけて城の地下に入っていくユパ様の尺がめっちゃ長くて(笑)。
あんなに取る必要あった!??っていうくらい長かった。いや楽しかったですけども。
ユパ様がテトを「キツネリス」って呼ぶのがちょっと新鮮でした…。
この舞台だと、テトはユパ様がナウシカにあげたわけじゃないから名前を知らないんですね。
で、ここで黒子さん操るテトがなんと客席に降りてきてしまって
その後を追うようにユパ様も客席に(゚∀゚)☆
「わしはこの先へ行ったことがないのだ」「キツネリス、もうよかろう」「待て、待て」とか
逃げるテトを追いかけて客席の通路をウロウロ。
まじか~~~こんなユパ様初めて見る(^◇^)☆
しかもお客さんに話しかけたりしちゃって「ん?人間がおるではないか。そなた、風の谷の者か?
(お客さん首をふる)ほお、違うのか」などなど、アドリブだと思いますがむちゃくちゃ楽しそう。
すごいなあ、こんなことが起きていたんだなあ昼の部。。
するとテト(を動かしている黒子さん)が今度は客席と客席の間に入り込んでしまったので
「おいキツネリス、そこは人の通る場所ではないぞ」と注意するのですが
テトは花道に上りたいですみたいなジェスチャーをして、ユパ様の返答も聞かずに花道へ!
「その道へ上がりたいのか。仕方がないな…」と、ユパ様もテトと同じように客席と客席の間を通って
花道に上がってしまいました!
演舞場は座席と座席の間が歌舞伎座ほど広くないからお客さんの足の前を通るのが大変だったみたいで
途中で衣装だか刀だかがお客さんに当たってしまったらしく、
「いかん、当たってしまった。怪我はないか、大事ないか」って話しかけてるのもすごかったです。
マッティさんと文字通り膝つきあわせた距離にいらっしゃったお客さん楽しかったろうなあ、
一生の思い出になりそうですよね~~いいな~いいな~~~(´▽`)☆
そうしてテトとユパ様がすったもんだしている間に、舞台にはナウシカの地下の部屋が出現していて
きれいな水と土なら腐海の植物も毒を出さないというナウシカの話を聞いて
自分もまた腐海の秘密を探る旅に出てみる、というのもとてもユパ様らしい。
自分の中にある憎しみと怒りがこわい、と泣くナウシカを抱きしめてくれるのも
やっぱり素敵だな、と思いました。ユパ様はいい人だ。
ガンシップで出撃したナウシカとミト。
前席にナウシカ、後席にミトが乗って飛びながらトルメキアの群団についていっています。
すごいなあ、ガンシップがパーフェクトなまでに再現されて舞台に出てるのすごいなあ…!
ミトは「このガンシップはとても速く飛べる」「トルメキアのバカガラスは足が遅い」などとぼやいていますが
ナウシカにたしなめられ、しゅんと黙っちゃうんですけど
「すねた顔をするミト爺もわたしは嫌いではないよ」と声をかけられてちょっとびっくりしてたし、
原作にないセリフなのでわたしもびっくりしました。姫ねえさまこんなこと言うんだ!
そこへ突然、轟音が響いてバカガラスが襲撃され、数隻が墜落していって
ペジテのガンシップの仕業と聞いただけでパイロットがラステルの兄上とわかるナウシカの洞察力よ。
トルメキアの攻撃でペジテのガンシップも墜落してしまうのですが
ここで、「ラステルの兄上を助けなければ。ミト爺、メーヴェを!」とナウシカが指示を出して
ガンシップの中からメーヴェ初登場ーーー!!!
ミトに後をまかせ、メーヴェに乗って右に左に飛び回るナウシカかっこいいです!かっこいいです!!
菊之助さんこのときまだ怪我が治ってなかったと思うんですが
両腕でメーヴェの操縦把をしっかりつかんで飛んでいらっしゃったのすごいと思った…お大事になさってほしい。
腐海に墜落したアスベル、ミノネズミの集団攻撃を受けています。
原作では銃ですけど、歌舞伎だから刀で戦ってるんですね。相手ちっちゃいから戦いにくそう。
ミノネズミがわーーっと襲い掛かってきて、あわや負けちゃう、ってなったときに
ナウシカが花道から走ってきて、持っていた銃を空に向けて空砲をパァン!と放って
さらにアスベルのそばに駆け寄り、「これを使います」と光る玉を出して輝かせます。
光球ここで使った!
ミノネズミを退けて腐海の底へ2人が走っていくと、そこで王蟲に出会います。冒頭の抜け殻の主かな?
「小さきものよ、我らはおまえを昔から知っている。我らは個にして全、全にして個。時空を超えて心を伝えていく。
遠い南の森が救いを求めているので我らは行く。さらば、小さきものよ」
王蟲語りかけてきたーーーーーーでもって、でもって声が、マジで、中車さんだ!!(゚Д゚;≡;゚Д゚)
ナウシカの歌舞伎化が発表された瞬間からファンが待ち望んでいた中車さんの王蟲!!!
声だけとはいえカマキリ先生が王蟲を演じている奇跡と巡り合わせにガチで叫びそうになった、
叫ぶようなシーンじゃないんですけどね(^◇^)☆
このときナウシカは小さい頃の夢を見るんですけど、王蟲の子をとられて泣きじゃくる例のシーンで
子役さん超かわいい…そして気の毒な演技むちゃくちゃ上手い…と思っていたら
十二単のお母さんが登場してめっちゃびっくりしました。
えーーーっ夜の部では虫のたれぎぬ姿だったお母さん…!昼の部では十二単…!!
しかもしゃべる。「仕方がないのですよ」って、虫と一緒に暮らせないことを諭している…。
お母さんのことよく覚えてないって言ってたけど、深層心理のなかでは覚えてるんだなあナウシカ…。
BGMもナウシカ・レクイエムでむちゃくちゃ心が痛かったです。和楽器のレクイエムの響きは切ない。
(宮崎さんは映画のこのシーンの絵コンテに「ああ…小さなナウシカ…」と書き込みを入れてるんだよね)
腐海の底で目覚めたナウシカにアスベルが話しかけてくるんですけど
なにこのアスベル、超爽やか君じゃん…!
メーヴェを見つけて直してくれて、ナウシカが気づいた腐海の秘密の話もきちんと聞いてくれます。
原作だとチコの実長靴いっぱい食べたいとか「きみは不思議なことを考える人だなあ」とか
割とノーテンキな面が強調されてますけども、
舞台のアスベルは原作や映画の無骨さがなくてきれいな少年になってますね^^
ナウシカから妹の死を聞かされて秘石を受け取り、まだ巨神兵のことはしゃべらない。
メーヴェには2人も乗れないから自分は腐海に残ります、というアスベルに
「大丈夫です。乗ってください」と言うナウシカは頼もしいし、
「実はぼくも乗ってみたかったんです!」って言っちゃうアスベルはかわいい。
酸の湖の陣で足組んで座ってるクシャナ殿下かっっっっっっこよすぎか!!ひれ伏したい。
三人の兄たちは土鬼帝国の土地をどんどん侵略しているのに
クシャナ殿下は秘石を得るまで辺境にやられていると部下たちは怒っていて、
クシャナもそれをわかっているので言わせておいています。
そこへクロトワ初登場☆
ヴ王の命令で派遣され、秘石を手に入れるよう命じられたって言ってますけど
もうこの時点でめちゃくちゃ胡散くさい(笑)。(誉めてます)
胡散くささを全身からぷんぷんさせる演技ってどうやるんですか亀蔵さん…。
そこへミトが、腐海に行ってしまったナウシカを探してほしいとクシャナのところに来るのですが
クシャナは「秘石の在り処を言えばナウシカを助けよう」という条件を出します。
ミトはクロトワが聞き耳をたてていることを知ってか知らずか、
「自分は従者にすぎないから姫さまのことは詮索しません。
姫さまを救出してからおふたりで話せばよろしい」ときっぱり言うのかっこよかった^^
それが小気味よかったのか「ガンシップ飛ばしていいよ」って許可を出してくれました。
クシャナ殿下は忠臣がお好き。
その頃のナウシカたちですが、土鬼のマニ族の船に捕まってしまうのですが
ケチャや避難してきた人々と出会って交流します。
トルメキアに国を焼かれて逃げてきたマニ族の人々が乗っている船で、
ケチャは言葉がわかるけど他の人たちとは会話ができなくて
熱心に衣装を差し出すおばあさんの言葉もナウシカはわからない。
「あなたが孫娘に似ているから、衣装をもらってほしいんだって」とケチャが通訳してくれて
ナウシカはお礼を言って受け取ります。(ここではまだピンク色だよね)
対面したマニ僧正から「土鬼軍はクシャナ軍を包囲し、王蟲の幼虫を囮にして群れをよびよせるつもりだ」と聞かされ
ナウシカは自分を説得に行かせてほしいと言いますが、僧正が首を縦に振らないので
アスベルが耳打ちして、2人で僧正を人質にナウシカを引き渡すように説得をします。
すごいなアスベル、原作では状況を悪くするぞって言ってた君が、舞台では率先して行動するんだ!
ナウシカは行くことになったけど、アスベルは残ると言ってて
映画だと「行けナウシカ!」ってバタバタしたお別れになってたけど
原作でも落ち着いて話し合ってお別れしてるんですよね。
でも「二人でメーヴェに乗ったことを忘れません」って言ったのはちょっとびっくりした、
原作では「二人乗りはもうコリゴリだよ」って言ってたから。。
ナウシカに「またお会いしましょう!」みたいにさわやかに別れを告げているし
ほんとに舞台のアスベルは爽やかくんですな!
迎えに来たミトが「姫さまも大人になって…」って言ってて笑ったし、「え?」って言うナウシカにも笑った。
王蟲の子との舞とってもよかった…!
メイキングとかで何度か見てはいたけどフルで見られて本当によかったです。
酸の海で足を怪我してしまったナウシカの前に、黒い獅子頭をつけた子どもがふっと現れて
ナウシカの足をそっとナデナデするのめっちゃかわいくて健気で好き…。
ナウシカが着ていたピンク色の土鬼の衣装が、引き抜きによって青になって
王蟲の血で染まったっていうのがとても歌舞伎らしいというか、歌舞伎だからできる演出だなあと。
あと彼女たちが舞うことによって心を通わせて、王蟲の群れの怒りも鎮まるのが
なんというか、展開に説得力がある感じがしたんですよね。
歌舞伎で演じられる舞踊は気持ちや心情を表現するための方法なので
ナウシカと王蟲がわかりあえたというのがものすごく伝わってきたし、
王蟲は個体同士が繋がっているからそれを理解することができる設定も最大限に活かされていて
あのシーンはとても感動しました。
王蟲たちの怒りが静まって触手で金色に染まっていく様子を、舞台では糸と布で表現していて
キラキラ光る布と糸が舞台いっぱいに広がっていて綺麗だった!
ああ~~~演舞場でナマで見たかったです、金色に染まる舞台を。
マニ僧正がケチャに目の代わりをしてもらいながら「その者青き衣をまといて金色の野に…」の言い伝えをつぶやくところも
彼が目撃者になったという圧倒的な説得力がすごかったです。
漫画と舞台、異なるメディアでもそれぞれの得意分野がぴったりマッチするとこんなにうまくハマるんだ、
ビジュアル化ってすごいなあ…すばらしいシーンでした。
ユパ様が土鬼帝国の酒場で虫使いたちにお酒を届けて追跡するくだりが
原作よりも膨らませてあっておもしろかったです。
も~~~~ユパ様どこへ行っても立ってても座っててもかっこいい、
あんなかっこいいお客さんだったらまたお店に来てほしいよね…ユパ様もう来られないけど…(TmT)。
王蟲を培養している施設が結構、リアルに再現されている…水槽に王蟲入ってる…ボコボコいっててこわ…。
僧侶たちが会議をしていますが、マニ僧正だけは王蟲を戦争に使うことに反対していて
「そんなことをすれば王蟲は怒って世界を滅ぼしてしまう」と言うと
「王蟲を神聖視するのは皇帝が否定した古の邪教の教えだ。マニ族は反逆するのか」と会議は紛糾。
そこまで聞いていたユパ様は現場に乗り込んで、水槽を破壊しようとしますが
そこへ「ぼくも一緒に戦います」って、僧正さまの後ろでマニ族に化けていたアスベルも合流!
ここで本水来ました~~~~~っ(゚∀゚)☆
ユパ様が水道管を斬りつけて水がこぼれて、アスベルが反対側の水道管を斬ってやっぱり水が降り注いで
培養水槽がぶっ壊れて舞台に水がバッシャバッシャバッシャバッシャあふれて
虫使いたちが花道からどどっと出てきて大立ち回りが始まります。
ユパ様ちゃんと二刀流だし、アスベルも大きな刀を振り回して戦って
虫使いたちを次々に水槽に落っことしていくのでそのたびに大きな水しぶきがあがるし
(負けた人たちも派手に落っこちていくのだ)、
2人も虫使いたちもどんどん濡れていくので舞台で暴れ回るたびに着物から髪からしずくが飛んでくるし
これ前列のお客さんたち楽しかったろうなあ☆
アスベルが階段でかがんだとき、えっどうしたの?って思いましたけど
その上をユパ様が腕をクロスするユパ飛びでぴょ~~~んと飛びこえて着地して見得やって
わ~~~って画面から拍手が起きてた!
マッティさんのポテンシャルすごかりし、ユパ飛びやってくれたのうれしすぎる!!
虫使いをあらかた倒してその場から逃げだした2人、花道にやってきて
最後にバク転する虫使いを倒して刀を持ったまま六方で引っ込んでいきました。
ユパ様とアスベルのダブル六方!!大立ち回りの後の引っ込みが六方かよ~~~まさに歌舞伎。
2人ともかっこよすぎて映画館でも拍手起きたよ!
ミラルパ、みっくんのミラルパここでスッポンから出てきました!
王蟲が押し寄せてくる大海嘯で世界が滅びるから王蟲を使ってはならない、と叫ぶ僧正さまを
ミラルパは攻撃しますが、
僧正さまは攻撃を防ぎながらマニ族の人々に語りかけます。
「我らを青き清浄の地へ導く鳥の人があらわれたからつらくても耐えなさい、その者の名は明かせない」
「行け、友よ!」と叫んで、アスベル、ケチャ、ユパ様たちを逃がします。
その場に残って虫使いたちの一斉射撃を受けた僧正さまは奈落に沈んでいってしまいました…ああ、僧正さま…!
鳥の人の話を聞いたミラルパはナウシカの居場所を突き止めようとして、生霊になって飛ぶんですが
白い衣装から銀色の衣装にぶっかえりました!なるほど~。
闇の中を飛んでいくのも激しい舞踊の表現になっていて、
みっくんの舞はきびきびしててかっこいいんだよなあ、隈取も青くて明らかに悪役なのにかっこいい。
(いやミラルパはかっこいい色悪ですけどね)
ミラルパの追跡に気づいたナウシカ、跳ねのけようとしてうまくいかなかったのですが
そこへ奈落から再び僧正さまがせり上がってきて、ミラルパの念力を弾き返してくれました!
生前よりモフモフのお衣装になったマニ僧正さま…表情のアップ映してくれましたけど汗びっしょりで
熱演が伝わってきましたよ…又五郎さんはすごいなあ。
ミラルパが粘菌兵器を使ってでも戦争をするとチャルカさんに言うシーンや
ナウシカがクシャナの軍に合流して一緒に南へ向かうシーン、
アスベルが秘石を捨てた場所は言えないとユパ様に言うシーン。
この3つが舞台の上で同時に演じられていて、これも舞台ならではの演出ですな…。
まるきり別々の場所で多くの人々による物語が進行していく『ナウシカ』の世界の層の厚さを
舞台で思い出させてもらいました。すごい。
その頃クシャナ殿下は土鬼帝国に取り残されている第三軍(殿下の部下たち)を救うため、
南へ向かっているのですが
クロトワが第三皇子の密偵だと気づいていたクシャナはクロトワに銃を向けて
「兄たちはわたしを抹殺するために罠をしかけたな」と見抜きます。
そこでクロトワが「バレちまったら仕方ない、おれはしっぽを出しちゃうぜえ」って言うものだから
客席が大笑い^^
しかも七五調の語りでこれまでのいきさつを語ってくれちゃうし
自分のことを「いにしえのジバングでいやぁ義経をさし出す梶原景時」って例えちゃうから
お客さんたちの笑いが止まらない!(笑)
これまでに舞踊も本水もあったし、昼の部も歌舞伎要素が色々とあったんだなあ。
「皇子たちは褒美を約束してくれたが、俺は平民の出だから秘密を知った以上は生かしてはもらえないし
成功させたとしても殺される。どっちに転んでも命はない。なら俺を使ってみませんか」と
寝返りを申し出ます。
個人的に原作のクロトワの真骨頂はここだと思っているのですが
まさ白浪にひっかけてくるとは思いませんでした。演出おもしろすぎるよおおぉぉおお(^◇^)♪
クロトワに弁天小僧パロやらせようとか誰が考えたんだろ~~頭良すぎますね、
クロトワのイメージにぴったりだよ。。
今回の作戦がヴ王直々の命令とクロトワから聞いて、ぐっと表情が固まるクシャナ殿下…
でもすぐに不敵に笑って「からみあう双頭の蛇の紋章のように親子で殺し合うことが逃れられない、
それほど王位にしがみつくなら血まみれの我が手でひきむしってくれる!」のセリフを
あのクシャナ殿下が言ってくれたの本当に…やばい…!!
実はあまりにクシャナ様がかっこよすぎて、上映中ずっと頭がパーンしてて
彼女のセリフほとんど覚えてないんですが、ここだけは鮮明にセリフも声色も思い出せるんですよ、
中村七之助という人は本当にすごい。
一体全体あのお体のどっからあんな声出してるのか…劇場をビリビリ震わせていたと思う。
攻城砲で攻撃されようとしている第三軍を助けるためにクシャナが作戦を提示して
「この戦いは祖国への第一歩と思え。犬死や蛮勇は無用、みな生き延びよ」と部下たちに振る舞うのも
かっこよすぎて「ハイ!!」って従いそうになりました。わたしが。(おまえではない)
ナウシカが土鬼の捕虜たちは戦闘員ではないから解放してほしいと言いにきたとき
クシャナは支度中で鎧のうしろを「留めてくれ」って言ってナウシカがそうしてあげるんですが
原作にあるこのシーンも菊之助さんと七之助さんがやってくれたのうれしかったし
「断ったらどうする」「土鬼軍に加わり、あなたと戦います」「小気味良い答えだ」のやりとりも
すごく2人らしくて大好きだし
「願いを聞いてほしければおまえも一緒に手を汚せ。戦友の頼みなら聞いてやる」とかももうほんと…!
七さんのクシャナ殿下なぜこんなすばらしいの。知ってる。12月から。
夜明けの奇襲のシーンは攻城砲を攻撃して第三軍と合流するクシャナたちが中心になっていて
ナウシカがカイに乗って花道を引っ込んだというくだりはカットされていましたね。
クシャナが勝利した際にはすでにナウシカはカイに乗って前線を突破してきた後で
花道からカイとともにふらふらになりながら登場してきて
カイは舞台の上でバッタリ倒れてしまいました…ああ、カイ…!
(馬にとってもナウシカは守りがいのある人だった、という原作の兵隊さんのセリフが好きなのです)
戦いが終わって、ナウシカは王蟲が向かったという南の森へ向かうことにして
メーヴェに乗って宙乗りします☆
舞台で手を振りながら見送ってくれる人々の中に、ひときわ大きく手を振るミト爺かわいい!
というわけで前編(昼の部)でした!
コミックス3冊分を本当にここまでよくまとめたなあと思います。(夜の部は4冊分)
ちゃんと必要なシーンを舞台化してくれていて、ファンとしては感謝しかないです。
そしてこの昼の部からあの夜の部に繋がっていくのかと思うと感慨深い…。
後編は来週から上映されますがやっぱり見に行こうかなあ。
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