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各方面からおすすめされていた映画『プロメア』をDVDで見ました。
さすがTRIGGER&中島かずき、情報量が多くて頭がパンクしそうですよ。
まさか堺雅人氏がロボットに乗るアニメが見られるとは!
特に後半はずっと大声で叫びまくってて大変そうでした。あと主演の松山さんと早乙女さんも。
というか脚本家とのコンビが、これ「ふたがしら」ですよね(笑)。
堺さんも新感線で早乙女さんと一緒に中島さんの舞台に出ていらっしゃるから
俳優さんみなさんにご縁があるんですね。
ご本人たちで実写化待ったなし、いやマジでできそうですよ!できると思います。
松ケンさんや早乙女さんはそのままで大丈夫だもん…堺さんはちょっと、いやだいぶ鍛えないとだけど。
(なんて考えてたら堺さんがインタビューで似たようなことをおっしゃっていた→こちら

とにかく映像がすごいというのをあちこちで聴いていましたし、予告編やCM見てても確かにすごくて
いざ本編を見たら想像以上にものすごかったです。
舞台となる街プロメポリスの構築(背景にでほぎゃらりーが参加している!)、
音速のようなアクション、炎のゆらめき、メカやロボのきらめき、イメージの引用など
とにかく「アニメーションをやる」みたいな、絵を動かすことにひたすら重点が置かれている感じでした。
常に画面のどこかで何かが動いていて、静止した絵がほとんどなくて
あれっ今何かいた?って一時停止して確認したりする作業の連続。
世界では大きくても小さくても必ず何かが動いている、的な意志をひしひしと感じるというか…。
○の表現があまりなくて△や□が多用されていたのは幾何学的な世界観だと説得力を持たせるためなのかな、
こんな表現があるんだなあと思いました。
ずっと「スゲー」「やべー!」「スッゲー!!」って言ってました。全編通して口開けて見てた気がする。
原画の主線がカラフルなのであまり原画っぽくなくて、手描きというよりCGで動かしてる感があって
キャラクターは自由に動き回っているし、カメラの動きもドローンのように縦横無尽で
(船から撃って出ようとするクレイをカメラがぐあ~~って回り込むカットでうおおおってなった)、
こりゃスタッフの皆さん大変だったろうなあ…。
背景もきれいで、プロメポリスの街をはじめレストランの様子とかモービルの内部とか
ガロが頭を冷やしに行く氷の山とかバーニッシュたちが隠れていた火山近くの砂地とか
空気のカチっと冷えた雰囲気とか、強い日差しも感じられるような背景だったと思います。
デザインチックな背景で気温が感じられる画面、見事だ。

グレンラガンやキルラキルがそうだったように、ストーリーは歌舞伎や特撮のように王道で
でも先が読める気持ちよさというか、「やっぱりこうなった!」的なおもしろさがありました。
というか主人公にやたら歌舞伎の演出がつけられてますよね、見得とか七五調セリフとかツケとか…
中島さん歌舞伎も書いてるしね。
キャラクターやロボの名乗りでアルファベットとカタカナと止め絵が必ず出るって、どんだけ歌舞伎好きなんすか(笑)。
メガマックスもグレンラガンみたいな変形するし、ガロの丁々発止な決めゼリフも迫力あって
「で、出た~!中島節!」って突っ込まずにはいられなかった。
(セリフあまりに長くてリオに「おまえは何を言っているんだ」って突っ込まれちゃうのすごく好き)
クライマックスにガロがドリルでメインエンジンに突っ込むシーンはグレンラガンそのものでしたな、
良くも悪くも出世作だからなああれは…。
そんな中島作品でたぶん、歴代で一番バカって言われまくっているガロくんは
活動時に服脱いじゃうのなんでだろうな、
君が憧れている極東の火消しは法被着て火事場で纏振ってたんだぞ(^ω^)。
(カミナさんに似てると思ったらやっぱりそうで、今石さんもインタビューで「僕の主人公はだいたいああなる」って言ってた)
教養はないけど人一倍素直で目立ちたがり屋、火消しとしてまっすぐに生きる信念もあり、
そのための体力もきちんと持ってるから普段から鍛えてそう。
「バーニッシュも飯を食うのか」って言って、それが違うと知ると「悪かった」と謝れるのに
「我慢できれば普通の人間と一緒だろ」って、思ったことをすぐ口にしてしまうドストレートさ。
ただ、リオにクレイの話を聞いて最初は否定しても、ちゃんと疑って勲章を返しに行ってるので(捕まっちゃうけど)
目の前で見たもの聞いたことをそのまま受け止める性格なんだろうなあ。
レスキューの仲間たちも個性的すぎて大好きです。
みんな別方向を向いたオタクですが背中を預けあっている信頼感が見て取れるというか。
明るいアイナもクールなレミーも、マイペースなルチアも豪快なバリスもかっこいい。
「整備しといたよ。隊長の命令でね」っていうセリフはルチアさんの頼もしさが爆発してますが
隊長のかっこよさも伝わってくるいいセリフだなと思います。
信じてくれる仲間たち!
というか新谷さんどこかで聞いたことある声だと思ったら蛇崩さんじゃないですか…!
というか声優陣がいつものメンバーすぎますよね。吉野さん稲田さん小清水さん柚木さん檜山さん小西さん。
…そういえばガロが好んで使う纏は纏流子ちゃんの名前に通じるのか…。
小清水さんは今回はあまり暴れ回らないお役でしたね、
妹のスカイミスに飛び乗ったおねえさまかっこよかったです。
中島さんの書く姉妹キャラはお互いに向き合った時の絆が最強なのだよな。キルラキルの姉妹も好きー!

バーニッシュフレアの表現がとても美しくて、紫とピンクと青と黄色が入り混じった炎が
バーニッシュさんたちの手から出るたびに興奮しておりました。きれいだった。うむ。
炎というとどうしても「何かを燃やす」ものとして描かれがちですが
この映画は化学の現象としてのフレアを表現しているというか…それに色をつけているというか…。
(バーニッシュの炎が三角で表現されているのに対して
レスキューの人々が使う氷の武器は四角く表現されているんですね)
圧巻だと思ったのはリオが龍のかたちをした炎になってプロメポリスを襲撃してくる一連のシーンですが
ビル群の間に舞う龍の美しさと破壊の限りをつくす激しさがもう、何というか言葉になりませんでした。
あのシーンはすごかった。
アメコミチックな画面のなかに東洋の龍がいるというちぐはぐさと
炎は確かに揺らめいているのに硬質というか、ガラスのようにキラキラと尖ってもいて
リオの気持ちがそのまま龍のかたちをとっているように思えてどうしようもなく泣けてしまった。
泣きながら破壊してるんだよね。仲間を不当に奪われた怒りと悲しみの龍なんだよね。
バーニッシュの発火が先天的なものか後天的なものか、劇中では言及されないけど
最初のバーニッシュが現れてから30年経過しているのならたぶんリオたちは先天的な世代で
生まれてからずっと本能と戦いながら生きてきて、それを理解されることなく
ガロが前半で言ったように炎を出すな=「普通の人間」になれと言われ続けてきたわけで。
リオがいつマッドのリーダーになったのかわからないけど(リオ編にあるらしいけど見てない)、
きっと彼は仲間のことも自分のことも守りながら生きてきて
そんな仲間たちをひどい目に遭わされたのだから怒って当然ですよ…。
(ゲーラとメイスに逃がしてもらうときに「おまえたち!」って叫んだセリフ聞いて
某新幹線ロボの運転士を思い出しちゃったのは内緒です)
「むやみに殺さないのが誇りじゃなかったのか」ってガロに言われて我に返った姿を見て
ああ~~~どこまで冷静なの!って頭を抱えそうになりました。
暴走してるようでしてないんですよ。自分が何をしてるかわかってるんだよ彼は…なんて、しんどい。
人の名前は一度聞けば覚えるし、刑務所から仲間を助け出すときも周到に計画用意してるっぽいし
デウス・X・マキナをリオデガロンに作り変えるシーンも、ガロに頼まれて纏を作るシーンも
まあ炎をポキって折って剣を作れたりする子なのでわかるっちゃわかりますが
一度しか見たことないはずの纏をパーフェクトに再現しちゃうあたり、
本当に頭のいい子なのだなあと思います。
対クレイ戦で「あえてよけなかったみたいだがどういう作戦だ」ってあくまで作戦があると思ってるリオと
「やせ我慢!やせ我慢だ!」って何も考えてないガロの対比ほんとにおもしろい。
火の元用心パンチとかマッチ一本火事の元キックとか、どこまでお江戸好きなんだガロ。。
リオデガロンのときはちょっとクレイに押され気味で奥ゆかしい感じでしたがどんどん押し返していって
(炎と氷に貫かれて止まるロボ2体のカットなんすかあれめちゃめちゃ絵になってた)、
クレイの告白を経てリオがガロを守って、ガロがリオに火をつけて
かつて燃やすのを我慢しろと言ったガロの「燃やせ!」のセリフにリオがうなずき、
ガロデリオンになったら2人とも完全に着火してるから燃え上がっちゃってまあ、まあ、
しかも腕組んで仁王立ち、トップをねらえから変わらないガイナ立ちキター!
物事が巨大化して宇宙規模の事態になるのは中島作品文法ですが、
プロメアは太陽系を燃やして終わったけどたぶん尺があったら宇宙の果てまで燃やした可能性もあるよな、
銀河をぶん投げるラスボスと戦ったグレンラガンみたいにさ…。
ラストでプロメアが燃え尽きてリオたちが力を失う描写はフルバを思い出しました…。
リオの表情がさみしそうだった。

クレイの影の努力を思うと泣けてきます。
バーニッシュであることを隠して、ガロを助けた英雄になり街の権力者までのぼりつめて
地球のマグマが爆発しそうになるのを止める手立てを考えて、無理とわかったら船を作って
彼が選んだ人類1万人だけを乗せて他の星へ移住するという、ノアの箱舟のような計画をたてて
滅殺開墾ビームとか瞬砕パイルドライバーとか、移住先の星を開拓するための機能を搭載したロボに乗る。
(つまり戦闘用ロボではないんだよね…ガロくんが勝手にクレイザーXって名前つけてましたけど)
その機能をリオデガロンにぶつける際に人々は地下シェルターにいることを「当然だろう」とする。
「もっと燃やせ」という体の奥底の本能を必死で抑え込んで抑え込んで生きている。
ねえなんでこんな泣けるキャラなの??。゚(゚´ω`゚)゚。
ラスボスが実はとんでもない事情を抱えている設定ほんと、中島さん好きだよねえ…。
「おれは助けるぜ、リオも地球もあんたも」ってガロに言われたときどんな気持ちだったかな、
ラストで燃え尽きた姿を見てちょっと心配になってしまいました。
「炎上したら消してやるし火の粉からも守る」ってガロがリオに言ったけど、
そしてその信念にはクレイも含まれるだろうけど
街の復興もバーニッシュの尊厳回復もとてつもなく長い道のりになりそうだよな…。
(中島さんて社会問題をぶっこむ割には主人公の熱さで押しきって後は宙ぶらりんてことがよくある気がする)
あとフリーズフォースのヴァルカンおじさんがアーマースーツから転げ落ちたとき、
一瞬、ヴァルカンの首が落ちたのかと思って超絶びっくりしてたら彼の体がスーツに乗ってるだけだったっていうオチに
すさまじく驚いてしまいました。小さいおじさんだったのか。。
待って、ヴァルカンがこうってことはじゃあ、部下たちも…??ってなったけど考えないことにしました、
考えたらたぶん眠れなくなる。


タイトルのプロメアもだけど、プロメポリスとかプロメテックエンジンとか
あれらの用語は全部プロメテウスに通じるのでしょうか。
ゼウスが人類から取り上げた火を人類に分け与えたために
怒ったゼウスに鎖で繋がれてハゲタカに体をつつかれちゃう神様で
(彼が不死身で、体が治るとまた次の日につつかれて傷だらけになるっていうのもバーニッシュに通じる気がする)
3万年後にヘラクレスが通りかかって助けてくれるまでずっと大変な目に遭ってるんですよね。
(そしてこのとき不死から解放されて冥界に行ったのがヘラクレスの師であるケイロンさんですな)
そういえばプロメテウス(promētheus)の意味のひとつは先見の明を持つ人というものだそうですが
クレイの名字であるフォーサイト(Foreshigt)も先見という意味だそうですね。
彼もプロメアの声を聞いた人だしなあ…なんだかまた泣けてきました。
ちなみにガロの名字ティモス(thymos)とリオの名字フォーティア(fotia)は
それぞれギリシャ語で「気概」と「炎」という意味だそうですね。
で、プロメス博士がたぶんゼウスなんだよな…デウス(Deus・ラテン語)はゼウス(Zeus・ギリシャ語)のことだと思うし。

あと3回はちゃんと観よう。
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桜花さきにけらしな。

窓辺にて。

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