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2021_01
23
(Sat)23:51

博物館に初もうでその8(3)。

前回記事の続き。
東博「博物館に初もうで」、今回は平成館の特集展示をご紹介します。

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平成館ガイダンスルーム(考古展示室の前)に展示されている「首里城正殿」1/10模型。
表慶館で開催中の特別展「日本のたてもの」展の一部で、特別展は別料金が必要ですが
これだけは平成館に展示されていて本館料金で鑑賞できます。
(特別展も行きたかったけど時間がなかった)

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正面。どっしりとしてとても存在感があります。
首里城正殿は戦前に解体修理が行われ、太平洋戦争で焼失しています。
この模型は解体修理に参加した知念朝栄という大工さんが戦後の1953年に製作したもの。

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屋根にいる龍がかっこいい。
日本の建築における鴟尾やしゃちほこや鬼瓦みたいなものでしょうか。

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1年ちょっと前の火災の被害についてもパネルで報告されていました。
あの日の朝はスマホの目覚ましを止めて布団の中でTwitterを開けたらTLが首里城のニュース一色で
慌てて飛び起きてテレビのニュースをつけたら凄まじい映像が流れていて二度びっくりしたのだった。
建物が半分以上焼けて文化財も数百点が確認できない状況なんだよな…。
耐火倉庫の中にあったものは焼けずに済んだみたいだけども。

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復興スケジュール。
正殿の着工は来年、完成は2025年以降を目途にしているみたいです。
現地では一日も早い復興をめざしてがんばっている人々がたくさんいらっしゃると思いますが
感染症もあるので無理のない計画でいってほしい…応援しています。

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ガイダンスルームの隣にある企画展示室では「世界と出会った江戸美術」を鑑賞。
江戸時代、海外からやってきた美術品や影響を受けて制作された美術を紹介しています。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ。


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「南蛮屏風」(江戸時代)。
「友信」の落款が押されているので狩野友信の作と伝わるそうです。
戦国時代~江戸時代初期には日本と西洋の交流を描いた南蛮図が流行していて
こちらもそのひとつでしょうか。

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「桔梗蝶楓鹿蒔絵螺鈿聖龕」(安土桃山時代)。
キリスト教の聖画などを納めるためのもので、蒔絵と螺鈿の装飾がとても美しくて見とれてしまった。
内部の聖画は聖ステファノの殉教で、石打ちの刑に処せられている様子が羽モザイクで表現されています。
元々の表現なのか経年劣化なのかわかりませんが
ステファノの顔にある黒いスジが涙に見えるような気もする。

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「IHS七宝繋蒔絵螺鈿書見台」(安土桃山時代)。
イエズス会をあらわすIHSの文字と十字架と三本釘が螺鈿と蒔絵で表現されています。
仕組みはわかりませんが折りたたむこともできるみたい。
この上に聖書とか乗せて読むのかな…とても綺麗なので緊張しそう。

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「花樹鳥獣蒔絵螺鈿櫃」(江戸時代)。
東南アジアから輸入された鮫皮(実はエイの皮)で制作されたもので
東インド会社を通してヨーロッパへ輸出していたそうです。

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「マリア観音像」(明~清時代)。
中国の徳化窯で制作されたもので、長崎奉行所の旧蔵品とのこと。
長崎の浦上村の隠れキリシタンの惣領だった吉蔵という人の持ち物で
代々惣領を務める人間が先祖から受け継いでいたものだそう。
(吉蔵さんは1856年に取り調べを受けて牢屋で獄死しています)
徳化窯は16世紀頃からヨーロッパへ向けてこうした磁器製の仏像を大量に輸出しているので
これもそのひとつではないかとのこと。
(ヨーロッパから日本に持ち込まれたからマリアと見なされたとか、そんな感じか)

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「板踏絵」にされたロザリオの聖母と無原罪の聖母(江戸時代)。
板にはめこまれたメダイは聖ドミニコとマリアで、
ドミニコ会やフランシスコ会の宣教師がもたらしたものと考えられています。
とても精巧に作られていて、これ踏めって言われても踏めないよなあ…信者じゃなくても無理です。

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重要文化財「悲しみの聖母(親指のマリア)」(17世紀後半)。
これを持っていたのはジョヴァンニ・シドッティというイタリア人宣教師で
日本のキリスト教弾圧を知って屋久島に上陸、長崎から江戸に送られて新井白石に尋問されたそうです。
彼はそのまま江戸に幽閉されてイタリアには帰れなかったらしい…なんということ…。
十字架にかけられたイエスの足元に立つ姿がモデルとされるこのマリアは
青いベールに包まれていてとても綺麗です。

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コルネリス・ドッツゾーンによる「南洋鍼路図」(1598年)。
オランダ製の航海図で、アジアからニューギニア、南方大陸までを記しています。
江戸城の紅葉山文庫の旧蔵品だそうです。
日本は左上の方に近畿・四国・九州地方のみが描かれていました。(ドゥラード型というらしい)
まだこの頃は東日本や北海道は存在を知られていなかったんだろうか。

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安田雷洲「草花図扇面」(19世紀)。
雷洲は銅版画を得意とした人で、この絵にもエッチングの影響がみられます。
南画を描く人たちの間ではすでに江戸時代からエッチングを試みる人たちはいて(司馬江漢とか)
彼もそのひとりだったのかな。

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フランツ・シーボルトの持ち物だった「外科道具差」。
通訳の吉雄権之助(吉雄耕牛の子だ)を通じて医師の五十嵐家に伝来したそうです。
赤い革製のケースにはDr. von Sieboldと金字で書いてありました。本物だあ。

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エンゲルベルト・ケンペル「日本誌(英語版)」(1728年)。
オランダから日本にやってきた医師ケンペルが日本についての調査研究をまとめたものです。
挿絵は江戸城で徳川綱吉に謁見する場面ですが、
このとき彼は御簾の奥にいた大奥の女性たちから質問攻めにあったあげく
なぜか「歌え」と乞われてラブソングを歌ったらしいです。エンターティナーだなあ。

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「フリーメイソン螺鈿箱」(19世紀)。
フリーメイソンに関する意匠を螺鈿でちりばめた箱で、実際に関係者が使っていたかは不明。

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「トレビの泉図蒔絵プラーク」(18世紀)。
江戸時代後期に日本で制作されたもので、オランダ人からの注文品。
職人はたぶん日本の人だろうけど何を見て作ったのかしら、写真はまだないから絵葉書とかかなあ。

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「花鳥螺鈿薬瓶箱」(19世紀)。
赤絵の薬瓶には有田焼の久富昌保の商標とされる「蔵春亭造」の銘がついているそうです。
装飾がとても美しいので飾って楽しむものでしょうね…医者の仕事道具とかではなさそう。

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「博物館魚譜」第6帖よりメアヂの絵。開成所画学局の公務として高橋由一が描いたもの。
1864年(幕末)の発行で、落款に「写真」とあるので写真を参考に描かれたものですね。
この頃には写真を記録用として使う風潮がすでにあったということですな。

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ジュゼッペ・カスティリオーネほか「準回両部平定得勝図」(18世紀)。
乾隆帝がジュンガルとカイキョウ(現在のウイグル自治区)を征服した戦争の様子で
西洋人画家が描いた下絵をフランスに送って銅版画を制作したそうです。
18世紀の中国における西洋との交流を示す資料として貴重なもの。


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そうそう。
本館1階に、去年のきもの展で見た冬木小袖(尾形光琳デザイン)の複製が展示されていまして
修復のための寄付(100円以上)をすると着物の柄をプリントした折り紙が1枚もらえるとのことで。

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寄付をしてもらってきました。
折り方の紙もついてくるのでスムーズに折れましたよ。

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できた!柄がちゃんと見えててかわいい。

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ちょっとしたインテリアにもなりそうなデザイン。
なかなかお出かけもできませんので、こうした楽しみでおうち時間を過ごしたいと思います。
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C.O.M.M.E.N.T

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