博物館でお花見をその2。

我が家の桜が今年も満開になりました☆
人間の世界は何やかんやありますが、桜がいつも通りであることにホッとします。
やっぱり花を見ると気持ちが和む。

青空を背景に撮るのが一番好きです。

真っ白だ~!

桜のお花見をするときは自然に上を向くので、気を付けないと首が痛くなったりしますが
普段仕事や家事をしていると下ばかり見ているのでたまには上を見るのもいいと思う。
桜がきれいなうちは上を向いて歩こう。
先日、東博本館の「博物館でお花見を」を見に行ってきたのですが、
上野もちょうど桜の時期でしたのでお花見ができました。

最近、上野公園へ行くときは上野駅(激込み)を使わずに鶯谷駅(ガラガラ)で降りて
東博まで歩いていくのですが、
鶯谷駅のすぐ目の前にある忍岡中学校の桜が満開になっていました。
春休みに満開だと、入学式までには散ってしまいそう。最近はそういう気候ですね。

上野公園は人が多すぎたので諦めて、今年は東博の中でお花見することにしました。
(東博は入館料がかかるためか、ほとんど人がいませんでした)
写真は平成館の前にある桜です。満開☆

こちらは平成館と本館の間にある桜。

くるりと振り返ると桜ごしに表慶館の屋根。
桜は和風建築にも洋風建築にも似合いますね。

旧因州池田屋敷表門(黒門)が久し振りに開いていました。
門の向こうには上野公園の桜。

法隆寺宝物館の周りには桜の木がたくさんあります。水の上に落ちる花びら。
たぶん今頃は花筏ができているだろうなあ。

東博の本館は相変わらず人がいません。
感染症とか、チケットが日時指定の予約制とか、去年から入館料が値上がりしたせいとか理由は色々あると思う。
今は仕方がないしその方が安心して鑑賞できますが、それにしても少ない。。
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

天狗草紙から東寺・醍醐寺巻(13世紀)(部分)。
鎌倉時代の京都や奈良の僧侶たちを天狗にたとえて彼らの驕慢を風刺した絵巻だそうで、
結末は天狗たちの発心・成仏が描かれているようです。
場面は醍醐寺清瀧会(桜会)で、稚児たちが桜の下で舞を舞っています。

雀の発心(16世紀)(部分)。
御伽草子にある、子どもを蛇に食べられてしまったスズメの小藤太が出家して念仏三昧の日々を送る話で
絵巻にはハヤブサ、鶯、鶴、日雀など多くの鳥が登場します。
場面は、小藤太が清水寺を参詣するところ。季節は春なのか、桜が満開です。

重要文化財「経平大弐家歌合」伝藤原俊忠筆(12世紀)。
大宰大弐だった藤原経平の邸宅で1086年3月19日に開かれた歌合の記録。判者は息子の通俊。
春駒や桜、郭公、水鶏など春の題名が見えます。

枝垂桜蒔絵棗(17世紀)。
京都で作られていた量産品です。ナツメの実に形が似ているため棗と呼ばれます。
作者は不明で、当時はこうした無名の職人たちによる嵯峨棗が多く制作されたそうです。

2階のバルコニーから見えた東博庭園の桜。
上野のお山とビルの間からこんもりと頭を出していました。

狩野晴川院養信「源氏物語図屛風」。
描かれているのは絵合・胡蝶の場面で、春の屏風ですね。
全体的に明るい色彩で仕上げられていて、画面の色んなところに桜が咲いて華やかでした。

打出がちらりと。
桜の花と御簾と着物の相性って抜群ですな。

伝土佐光則「源氏物語図屛風」。
若菜上の場面で、夕霧や柏木たちが庭で蹴鞠をしていたときに
猫が御簾から出て御簾があがってしまい女三宮の姿がちらりと見えています。
桜の花は満開。

色絵桜透文手鉢(18世紀)。
京焼の小清水で、桜の花の形をした透かしが入っているのも美しいですが
持ち手の部分がきれいにからみあっているのもすごい。
青と緑と白という色彩バランスもすばらしいなと。

酒井抱一「流水四季草花図屏風」。
川の流れが左右で繋がっているので同じ場所を描いているのだろうけど
草花は四季おりおりのものがデザインちっくに配置されている。

池大雅による一行書 「花開万国春」。
典拠は唐の禅僧・臨済義玄『臨済録』の一節と考えられているようですがはっきりしていないみたい。
絵も奔放なら文字も奔放、大雅の性格がよく出ていると思う。

鈴木春信「桜下駕篭美人」。
桜の木の下に駕篭をとめて煙草に火をつける女性の姿ですが
駕篭の奥にさりげなくツツジと山吹も見えます。

喜多川歌麿「吉原仲之町」。
見世の2階から、メインストリートの仲之町通りに植えられた桜でお花見をする遊女たち。
仕事を忘れて楽しんでいるような様子です。
桜の下でもお花見が開催されていそうですが、そっちにいる人たちはお仕事してるかもしれない。

歌川広重「名所江戸百景 上野清水堂不忍池」。
清水観音堂の月の松と桜の花の饗宴です。
上野公園が混んでなければ清水堂の桜も見に行きたかったけど今年はやめました。

振袖「藍鼠縮緬地源氏香模様」(19世紀)。
地味めな色合いの友禅染で源氏香と四季の植物の模様が入っています。
男の子が着用していたのではないかとのこと。

塩見政誠「比良山蒔絵硯箱」(重要文化財)(部分)。
比良の山は桜の名所として短歌にもよく詠まれていますし源氏物語でも言及されています。
新古今集の「花さそふ比良の山風ふきにけり漕ぎゆく舟のあと見ゆるまで」(後鳥羽院宮内卿)を
モチーフに制作されていて、箱の蓋にその情景が蒔絵で表現されているのですが
それよりも舟の形をした文鎮(?)が見事すぎて釘付けになってしまった。

加納夏雄「月に桜花図鐔」。
雲がかかる朧月に桜の一枝。なんだかドラマが始まりそうなデザイン☆

飯島光峨「花下躍鯉」。
満月をバックに桜の花をめがけて、鯉がジャンプをする様子。
パシャッ!とか水音が聞こえてきそうですが、音に気付いて池を見てもきっと鯉は水中に戻ってしまっていそう。

春の庭園解放が行われていましたので、1階から外へ出てみました。
庭園は整備中なので一部通行できない場所がありましたが、景色はじゅうぶん楽しめました。

池の上に枝が伸びている桜。水面は花筏になっていました。

庭園で一番大きな桜の木を見上げる。散り始めで風が吹くと桜吹雪が見られました。
風が吹いて鳥の声がして桜が散るだけのシンプルな空間。ボーっと過ごしてしまいました。
春があわただしく過ぎていく。。
スポンサーサイト
テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 ジャンル : 学問・文化・芸術
カレンダー
プロフィール
FC2カウンター
「小倉百人一首」
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
- 2023/09 (4)
- 2023/08 (5)
- 2023/07 (5)
- 2023/06 (4)
- 2023/05 (4)
- 2023/04 (5)
- 2023/03 (4)
- 2023/02 (4)
- 2023/01 (5)
- 2022/12 (5)
- 2022/11 (4)
- 2022/10 (5)
- 2022/09 (4)
- 2022/08 (4)
- 2022/07 (6)
- 2022/06 (4)
- 2022/05 (4)
- 2022/04 (5)
- 2022/03 (4)
- 2022/02 (4)
- 2022/01 (5)
- 2021/12 (4)
- 2021/11 (4)
- 2021/10 (6)
- 2021/09 (5)
- 2021/08 (4)
- 2021/07 (6)
- 2021/06 (4)
- 2021/05 (5)
- 2021/04 (4)
- 2021/03 (5)
- 2021/02 (4)
- 2021/01 (5)
- 2020/12 (4)
- 2020/11 (4)
- 2020/10 (5)
- 2020/09 (4)
- 2020/08 (5)
- 2020/07 (5)
- 2020/06 (4)
- 2020/05 (5)
- 2020/04 (4)
- 2020/03 (8)
- 2020/02 (7)
- 2020/01 (8)
- 2019/12 (7)
- 2019/11 (8)
- 2019/10 (7)
- 2019/09 (7)
- 2019/08 (7)
- 2019/07 (8)
- 2019/06 (8)
- 2019/05 (7)
- 2019/04 (6)
- 2019/03 (7)
- 2019/02 (6)
- 2019/01 (7)
- 2018/12 (7)
- 2018/11 (7)
- 2018/10 (8)
- 2018/09 (7)
- 2018/08 (8)
- 2018/07 (7)
- 2018/06 (7)
- 2018/05 (7)
- 2018/04 (8)
- 2018/03 (7)
- 2018/02 (7)
- 2018/01 (8)
- 2017/12 (7)
- 2017/11 (8)
- 2017/10 (7)
- 2017/09 (7)
- 2017/08 (7)
- 2017/07 (6)
- 2017/06 (7)
- 2017/05 (8)
- 2017/04 (7)
- 2017/03 (8)
- 2017/02 (7)
- 2017/01 (8)
- 2016/12 (8)
- 2016/11 (7)
- 2016/10 (8)
- 2016/09 (7)
- 2016/08 (7)
- 2016/07 (8)
- 2016/06 (7)
- 2016/05 (8)
- 2016/04 (7)
- 2016/03 (8)
- 2016/02 (7)
- 2016/01 (8)
- 2015/12 (7)
- 2015/11 (8)
- 2015/10 (7)
- 2015/09 (7)
- 2015/08 (8)
- 2015/07 (7)
- 2015/06 (8)
- 2015/05 (7)
- 2015/04 (7)
- 2015/03 (8)
- 2015/02 (7)
- 2015/01 (8)
- 2014/12 (8)
- 2014/11 (7)
- 2014/10 (8)
- 2014/09 (7)
- 2014/08 (8)
- 2014/07 (8)
- 2014/06 (8)
- 2014/05 (7)
- 2014/04 (8)
- 2014/03 (8)
- 2014/02 (7)
- 2014/01 (8)
- 2013/12 (9)
- 2013/11 (7)
- 2013/10 (7)
- 2013/09 (8)
- 2013/08 (7)
- 2013/07 (9)
- 2013/06 (10)
- 2013/05 (11)
- 2013/04 (10)
- 2013/03 (10)
- 2013/02 (8)
- 2013/01 (11)
- 2012/12 (10)
- 2012/11 (10)
- 2012/10 (10)
- 2012/09 (10)
- 2012/08 (10)
- 2012/07 (14)
- 2012/06 (15)
- 2012/05 (15)
- 2012/04 (15)
- 2012/03 (15)
- 2012/02 (15)
- 2012/01 (15)
- 2011/12 (14)
- 2011/11 (14)
- 2011/10 (15)
- 2011/09 (15)
- 2011/08 (15)
- 2011/07 (15)
- 2011/06 (15)
- 2011/05 (16)
- 2011/04 (16)
- 2011/03 (15)
- 2011/02 (15)
- 2011/01 (16)
- 2010/12 (16)
- 2010/11 (18)
- 2010/10 (17)
- 2010/09 (18)
- 2010/08 (18)
- 2010/07 (19)
- 2010/06 (18)
- 2010/05 (20)
- 2010/04 (18)
- 2010/03 (16)
- 2010/02 (17)
- 2010/01 (17)
- 2009/12 (16)
- 2009/11 (16)
- 2009/10 (17)
- 2009/09 (16)
- 2009/08 (17)
- 2009/07 (5)
リンク
検索フォーム
最新コメント
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム
QRコード
