博物館に初もうでその9。

今年もミュージアム始めは東博です☆ 干支の寅にちなむ特集展示を見てきました。
平日だったのであまり人はいませんでしたが、念のためチケットは予約していったし
いつも以上に人と距離を取ることを心掛けて行きました。
あと鶯谷駅から東博まで歩くルートにすっかり慣れてしまって、特に用事がなければ
上野駅に戻さなくてもいい気がしてきました…上野いつも混んでるし。(エキナカがあるからね)

白虎文軒丸瓦(1世紀)。
新の王莽が曾祖父をまつる廟を建てたとき、東西南北の門に
それぞれ青龍・白虎・朱雀・玄武の瓦をつけていて、その廟ゆかりの瓦と推定されているそうです。
虎が口を開けて駆けるこのポーズは古代中国のものに多く見かけるデザイン。

錞于(前5~前3世紀)(部分)。
青銅の鼓楽器で、この虎ちゃんは蓋の部分にいます。この下に甕や壺のような形をした筒型の胴があります。
虎ちゃんのお腹に縄や布を通して吊るし、胴を叩くか、共鳴具のようにして使ったと推測されています。
叩くとどんな音がするんだろう。こもったような響きになるのかな。

白釉鉄絵虎形枕(12~13世紀)。
虎は魔除けの意味があるとかで、磁州窯の枕によく見られるモチーフだそうです。
お顔がかわいらしいのと、背中の鳥の模様がおしゃれです。
いつも思うんですけどこういう枕って固くないのかな…布を敷いたりするんだろうか。

玉虫厨子左側面台座画(模本)(19世紀)。
原品は法隆寺にある国宝(飛鳥時代)で、描かれているのは捨身飼虎図。
出典は金光明経にある、薩埵王子(釈迦の前世)が飢えた虎の母子に体を与えるという物語です。
線がきれいでとても色鮮やか。

仏涅槃図(部分)(14世紀)。
たくさんの人々と動物たちが釈迦の入滅を悼んでいて、虎の姿もあります。
虎の下に描かれている白黒ちゃんは猫ですね☆

十二神将図像(模本)(19~20世紀)。
原本は1227年のもの。寅神の足元に7頭の虎がいます。
白描は線を楽しむものだと思うのですが、同時に線の美しさにもホレボレする。
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

岩佐又兵衛「老子龍虎図」(17世紀)。
元々は龍虎と人物が描かれた屏風の一部分のようです。
東博所蔵分を揃って見るのはたぶん初めてです!龍だけだったら見たことあったんですけど。

曽我直庵「龍虎図屏風」(17世紀)。
曽我蕭白がこの人に私淑しているという説もありますが定かではありません。
虎も龍もまさに天と地の王者のような風格で描かれていてかっこいいです。
(どんなに角度を変えて撮っても手前の展示ケースの光が入ってしまう^^;)

火事羽織紺木綿地刺子龍虎模様(19世紀)。
町火消が現場で着用するもので、水を吸いやすい木綿で作られています。
水にちなむ模様が好まれたそうで、雷雲とともに龍虎が描かれています。
虎がちょっとモフモフぎみでかわいい。

橋本雅邦「龍虎図」下絵(1899年頃)。
画家が毎日動物園に通って虎を観察し、完成した龍虎図はパリ万博に出品されたとのこと。
このレベルで下絵…!と震えてしまいます。本物はどんな迫力なのかな、見てみたい。

狩野探幽「飛禽走獣図巻」より「走獣巻」(17世紀)。
身近な草花や鳥獣を描いた図巻で、虎と龍の部分が展示されていました。
スケッチのようにざっくりしていますが、龍虎ともに躍動感があり生き生きしているのはさすがの探幽。

「藤原国重」銘「龍虎柄鏡」(18世紀)。
柄鏡は室町時代からさかんに作られるようになり、柄は吉祥模様などが好まれたそうですが
龍虎もたいへん好まれたそうです。
松竹梅に波にハマグリ、おめでたい模様に囲まれた龍虎です。

中国・景徳鎮窯「青花虎文皿」(17世紀)。
茶の湯の懐石の器として使われたらしい組み物の小皿です。
模様は虎だそうですがトラ猫にしか見えない。。かわいい☆

朝鮮国王李倧・仁祖「朝鮮国王国書」別幅(部分)(1643年)。
徳川家光と朝鮮国王との間で交わされた国書の、贈答品目録のリストで
馬や鷹や麻布や朝鮮人参に混じって虎皮があります。
何に使ったんだろう…飾っておくのか、絨毯みたいに敷くのかな。

朝鮮通信使行列図(18~19世紀)。
朝鮮国王から日本の将軍へ国書を持ってくる使節団の一行を描いています。
代表の正使が乗る輿に虎皮が敷いてありました。やっぱり敷物なのかな。

博物館写生図(虎皮)(19世紀)。
筆者は不明でざっくりした描き方ですが妙な立体感を感じる。
鼻先から尾まで八尺五寸(約2m50cm)とのこと。でかい!

博物館写生図(虎頭)(19世紀)。
虎の頭蓋骨の写生で、幕府の奥医師だった堀本一甫の蔵品だったそうです。どうやって手に入れたのかな。
かなり精巧なので、絵に描いた人は本物を見たのではないかと。

博物局編「博物館獣譜」(19世紀)。
帝国博物館の天産部が情報整理のために編纂したもので、
元々は江戸時代の博物図にあったものが解体されて貼りこまれたそうな。
原本は1861年にアメリカからやってきた虎を写生したとのこと。

諸獣図(19世紀)。
何種類もの獣を並べて描いた図巻で、リスやうさぎなどの小動物から象などの大型まで揃っています。
猫のところに「花猫」「ミケ子」と書いてあり詳細は不明ですが、かわいい猫さんです。

柴田是真「漆絵画帖」より虎の部分(19世紀)。
虎が狩りをする様子を描いたもので、毛並みがなびいて地面も動きを感じる筆のタッチがすばらしいです。
険しい顔の虎もかっこいい。

円山応挙「虎図」(1765年頃)。
ばばーん!というSEが聞こえてきそうな、ドヤ顔でこちらを睨む虎めちゃくちゃかっこいい!
水墨画なので体毛の色は黄色なのか白なのか、想像しながら見るのも楽しいです。

陣羽織「白呉絽服連地虎模様」描絵(19世紀)。
着用するものではなく飾って鑑賞用にしたのではないかと。
毛が逆立って震える表現、猫が威嚇するときの顔だなと思いました。唸り声が聞こえてきそう。

牡丹虎蒔絵硯箱(18世紀)。
牡丹の花のそばで夫婦の虎が仲良さそうに寄り添う姿がかわいらしく表現されています。
硯の上にも虎がものすごい笑顔で表現されている。

底裏線刻銘「朝睦作」柳虎牙彫印籠(19世紀)。
印籠には様々なデザインがあり、干支をテーマにしたものも好まれたようです。
このデザインは顔が大きいせいか、虎というより猫に見える。

虎に豊干禅師水滴(18~19世紀)。
墨をする際にそそぐ水を入れる器で、江戸時代には多くのデザインで作られたそうです。
中国の画題で虎とセットでよく描かれる豊干禅師、虎も寄り添っていて仲良さそうです。

紋章(胸背)(19世紀)。
朝鮮時代の官服の胸と背中につけられたもので、虎の模様は武官がつけたそうです。
色彩が豊かだ~!刺繍でここまで表現できるのすごいと思う。

彦根更紗「黄地花卉豹文様更紗」(18世紀)。
彦根藩井伊家に伝来したインドの更紗で、赤い色は茜から染め出していると考えられるそうです。
これは虎ではなく豹のようですが、赤でこんな表現もできるのだなあと勉強になる。

龍鳳虎蝠七宝如意(部分)(19世紀)。
清時代のもので、龍と鳳凰と虎の絵が3カ所に描かれています。
単純化されてデザインちっくな虎ちゃんかわいいです。鳳凰と龍もこんな感じです。
あと、いつものように本館の展示も見てきたのですが
長くなりますので次回記事にて書きます☆
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