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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


博物館に初もうでその9(2)。

  1. 2022/01/15(土) 23:57:13_
  2. 文化・美術
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前回記事の続き。
東博「博物館に初もうで」寅年特集の後は本館の展示も見てきました。

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聖徳太子立像(13世紀)。
日本の仏教発展の歴史上で大きな役割を果たした聖徳太子はしばしば子どもの姿で表現されます。
赤い袴姿で2歳のときに「南無仏」と唱えたとされる伝説にちなみ南無仏太子と呼ばれるそうです。
今年は太子の没後1400年にあたりますね。

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十王像から「閻魔王」(15世紀)。
1月の初閻魔にちなむ展示ですかね。(1月16日と7月16日は閻魔様の縁日)
ヒンドゥー教のYamaが中国に取り入れられ道教と融合して十王のひとりになり、
日本では地蔵菩薩の化身としても信仰されています。

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酒呑童子図扇面(16~17世紀)。
全36面のうち1~12面が展示されていて、これは4面。源頼光が天皇から酒呑童子討伐を命じられる場面です。
展示は頼光たちが八幡・住吉・熊野の神から兜と毒酒を受け取る場面で終わっていて
肝心の鬼退治の場面は展示されていませんでした。残念!

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一重口水指・銘「柴庵」(16~17世紀)。
重要文化財の信楽焼。ひび割れは元々あるのか後世に割れてしまったのか…。
かなり口の広い水指ですがどんな花を生けたのかな。

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足利義輝「龍虎梅竹」(16世紀)。
花押から義輝が将軍になる前の作品と推測されています。彼は能書家でもありました。
墨をたっぷり使ってかすれてないしめちゃくちゃバランスよくて勢いもある。

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小袖「白練緯地松皮菱竹模様」(16~17世紀)。
背中に三つ葉葵文がついてます。鷺流狂言師の鷺仁右衛門宗玄が徳川家康から拝領したと伝わります。
権力者の前で役者が演じるために前もって制作され、拝領した役者はその場で舞う文化がありました。
大胆に切られた紫と白い竹の対比がおもしろい。

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夜着「紺綸子地鳳凰唐草模様」(18~19世紀)。
旧久留米藩藩士の家に伝来したもの。
友禅染による鳳凰模様は『諸国御ひいなかた』(1686年刊)などに用例があるそうです。
昔は眠っている間によくないものが近寄ると考えられていたため、
夜着には吉祥模様がつけられたそうです。
綿が入っているのか、裾がモコモコ。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆
 
 
 
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蒔絵歌かるた(18世紀)。
札は全部で120枚。藤原定家『藤川百首』から引用された60首の歌が上の句・下の句に分けられています。
丸いかるたっておしゃれだなあ。

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投扇興具(18世紀)。
投扇興は江戸時代後半に流行した、蝶の形をした的に扇を投げて落とす遊びで
的が落ちたときの美しさなどから優劣を競います。
的も扇も雅な模様がデザインされることが多いとか。

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狩野栄川院典信「龍虎図屏風」(18世紀)。
空を飛ぶ龍と竹林にいる虎。どちらも目がぎょろりとしておっかない、でもかわいい。

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白隠「布袋図」(18世紀)。
お髭かと思ったらお腹なんですね(笑)おへそで「寿」の点を書いてる。

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佐藤一斎「篆書百福寿」(1778年)。
「七歳書」とあるので7歳の少年が書いたことがわかります。手習いかなあ。
篆書はデザイン性の高いフォントなので絵を写すような感覚かもしれない。

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貫名菘翁「いろは屏風」(1860年)。
少年の次は高齢者、83歳の書です。幕末の三筆で大師流を習得した人だそうです。
空海のファンということだからか、いろは歌をでかでかと揮毫しています。

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摺箔「白地七宝繫模様」(18世紀)。
子方(子役)が着用するもので、摺箔で七宝模様が表現されています。
能の衣裳は小袖が多いですが、これは未成年役の着物なので振袖に仕立てられています。

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袱紗「紺繻子地長寿三老模様」(19世紀)。
長寿三老(東方朔・浦島太郎・三浦大介)が刺繍されています。めちゃくちゃ立体的。
鶴亀や桃が表現されているのでおめでたい模様です。

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窪俊満「七草」(1795年)。
蔦屋から出版された『歳旦狂歌集』におさめられた絵のひとつ。
春の七草にちなむ柄の着物や帯を身に付けている女性たちです。

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庄司明幹「龍虎」(1992年)。
高円宮根付コレクションから。複雑にからみあった龍虎が大バトルをしています。

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針谷絹代「地球儀」(1995年)。
高円宮根付コレクションから。帯に挟んで落ちないようにする緒締も地球儀の形です。
青くキラキラしていてきれい。

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琵琶・銘「大虎」(13世紀)。
漆工室に珍しく琵琶が出ていた!しかも鎌倉時代!
アニメ平家物語や大河ドラマ鎌倉殿の13人など源平時代を題材にした映像作品が今年は放送されますが
琵琶法師はどのような形で出てくるのかな。
銘が大虎ですが胴には特に虎の絵などは描かれていませんでした。
かなり大きな琵琶なのでその大きさからの命名か、音が虎の吠え声みたいに大きいのかしら。

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伝小川破笠「古墨意匠硯箱」(18世紀)。
箱の蓋に古い墨の形をした模様が浮き出していておもしろいな~と思いました。
小川破笠は号を笠翁といって、墨に描かれた2文字はそれです。

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初代飯塚桃葉「雲龍蒔絵笛筒」(18世紀)。
龍笛や高麗笛などを納める筒です。截金や蒔絵で雲龍文を表現していて美しいです。

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針口天秤(分銅添)(18~19世紀)。
隣の小判の展示もおもしろかったんですがこういう道具に弱い、商家の両替用の天秤です。
天秤皿や分銅に極印(精度を保証するもの)が打たれている公的な天秤なので
実際にこれを使って両替などが行われたのだと思う。

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中国・徳化窯による「白磁観音像」(17世紀)。
キリスト教が禁じられていた江戸時代において聖母像として信仰された可能性が指摘されているとか。

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北海道アイヌの背負縄、脚絆、カンジキ。樺太ウィルタの靴や手袋など(19世紀)。
手前の背負縄は過去に「運ぶ」展でも見たやつ、額に引っ掛けて籠を背負って運ぶときのもの。
カンジキや脚絆、マキリや弓矢を見てるとアシㇼパさんを思い出してしまう、アシㇼパさん~!

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菩薩立像(13世紀)。
重要文化財で、おそらく制作時のものと思われる色彩もわずかに残っています。
玉眼で、唇の中にも水晶が使われていました。


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鶯谷の小野照崎神社さんでお正月御朱印をいただきました。
獅子舞と門松でキラキラしています。今年が少しでもよい年でありますように。
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