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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


ゼロになるからだ充たされてゆけ。

  1. 2022/07/10(日) 02:15:41_
  2. 舞台鑑賞
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
舞台『千と千尋の神隠し』を見ました。
御園座で行われた大千穐楽がライブとアーカイブで配信されましたので☆
3月の帝国劇場に始まって各地を回り名古屋で終わるというスケジュールが発表されたとき
行けるならどこか行きたかったけどやっぱりまだ劇場に行くのはためらわれるな…と思ってやめたので
配信していただいて本当に有難かったです。
大千穐楽の1週間前に出演者の新型コロナ感染が確認されたため、
公演が1週間中止になったのでこれはもう千穐楽まで中止かなと思ってたんですが
キャストを一部変更して上演されることになったそうです。現場大混乱だったろうな…。

ghiblichihiro3.jpg
舞台を見てから過去にお取り寄せしたプログラムと『熱風』2022年4月号を読むと
解消度がぐっと上がっておもしろい。

映画と舞台でどんな風に違うんだろうと思ってわくわくしていたのですが
始まりの車のシーンで車が出てこなかったのがもう、おおっそうくるか…てびっくりしたし
千尋とお父さんとお母さんが観客にずっと背中向けてお芝居してるのが新鮮でした。
千尋はたまに花束持って立ち上がったり客席に向けてセリフ言ったりしてましたが
運転中のお父さんは全然顔をこっちに向けませんでした。運転中だからね。
橋本環奈さんの千尋、イメージより声がちょっと高めなんですが舞台ではのびのびと動いていて
千尋が元気になったらこういう感じかなあと^^
あと聞いててやっぱり、セリフがはっきりくっきりだなあと…。
映画だとささやき声のセリフとかもあるんですけど、舞台はほぼ大声になってましたね。
役者さんたちマイクつけてましたけどウィスパーボイスだと2階席まで声が届かないもんね。
あと本当に、本っっっ当に、セリフが原作の映画に忠実で一字一句まったく変えられてなくて
(場面転換のために必要な部分のセリフが一言ふたこと足されたりしてたけど)
そこもファンとしてはうれしかったですね。
あとね!音楽!音楽が久石譲氏のオリジナルをアレンジした生演奏でした。それもよかった。

タイトルが映像で出るんですが、表示されたあとに文字が散って「千」の字が割れて白い鳥居になって
それを知らずにくぐった車が赤いトンネルにたどり着く演出ドキドキした…。
なるほどこうやってわかりやすくするんだな、と。
猿石が2つに増えてるしなんかくるくる回るし顔の部分から演者さんの顔がひょっこり出てるし
千尋が目が合ってドキッてしてるのとか、なるほどな~って。
トンネルを通って不思議の町を歩いていくのは黒子さんがセットをあちこち動かして移動してる感を出してるし
お店のお料理食べちゃうお父さんとお母さんの食べ方も映画の作画をそのまんま再現してて
そこまでやる!?って声出ちゃったし
油屋の下をプラレールみたいな電車が走って遠近感出してたりとか
ああなるほどなあ~~立体化おもしれえ!!ってなってたしずっと言ってた。
そして橋の上で例の謎の魔法をかけるハク様登場!かっこよかった美しかった☆
龍のうろこは手元でふって吹くのと照明でヒラヒラ~って散らばる効果がされてて
あとびっくりしちゃったのがハク踊ったんですよ!魔法をかけるときにクルクル回ったり手を動かして
ハク様のダンス!!!って刮目して見ちゃった(☆o☆)
他にもハクは千尋を導くときやただ歩いてるときだけでも踊るような動きが多くてなんでだ?て思ってたら
ハク役の三浦宏規さんはバレエ経験者だそうで…そりゃ美しいわけです。
豚になったお父さんとお母さんもなんかわけわからんことしゃべったりして
豚がしゃべった…!ってびっくりしてるのもつかの間、
黒い人たちがお父さんとお母さんだけでなく千尋のことも追いかけるので逃げるっていう流れになってて
「これは夢だ消えろ」って怖がる千尋が透けるところは半透明のベールをかぶってて
いや~なるほどなあ…舞台だとセリフだけじゃ説得力ないから視覚的にこう見せるのか…と。
ハクが来て助けてくれて(ベールがしゅっと抜かれる)棒で飛ぶ湯バードにフフッてなった^^
ハクが千尋を引っ張って走るシーンは映画だとあちこちのドアを開けて油屋まで走るんですけど
舞台のあちこちに出現するドア(黒子さんたちが持ってる)の間を2人が走り回る表現になってました。
宮崎アニメ高速Follow多いからな…立体にするのは大変だなあ。

油屋の玄関のシーンが賑やかで、映画に出ていたあのおねえ様この男たちが立ってて
うわ~~映画の人たちがそのまんまいる!って興奮してしまった。。
イメージアルバムの神々さまの歌をダンスつきで歌ってくださった~すげーミュージカルみたい☆
青ガエルちゃんはパペットでしたがおばたのおにいさんすごい!我修院さんに声めっちゃ似てた。
ハクが千尋にここで生きていくためにアドバイスをするシーン、
いやちょっとハク様は千尋の手を握りすぎじゃないですかね。顔も近いし(笑)。
例の外階段、あんなに長い階段はさすがにセットで作れないだろうとは思ってましたが
思いのほか短くて、はしごを使って高低差を表現したりしてて、ああなるほどなって。
あと電車いちいち走らせるの細かい。。(映画でもここのカットで走ってるけど)

釜爺が!歌った!!(今日一びっくり)
上條恒彦氏のイメージアルバムの歌を歌いながら仕事してましたわよ…ええ…しゅごいな…!
釜爺が歌うイメージは持ってなかったのでびっくりです。
橋本さとしさんめちゃくちゃいい声ですね。菅原文太氏とは違ってとても元気な釜爺でした。
6本の腕は4人の黒子さんが動かしていたので実質釜爺は5人1役なんですね。
腕を長く伸ばして箪笥の引き出しからやばそうなものを取り出すシーンもありましたよ。
千尋に見せた6本腕のグッドラックが強烈でした。映画だと1本なのに!サービスサービス。
ススワタリたちは床に引いた糸にくっつけられていて、竈の中に黒子さんがいて引っ張られていく表現になっていて
リンさんがコンペイトウをまくシーンもススワタリたちがわらわら寄ってきててかわいかったです。
リンさん…すごくやさしいというか愛情のある演技でしたね。
映画だとサバサバしつつもやさしい姉御的な感じですけど、舞台のリンさんは一貫して愛があった。
妃海風さん初めて拝見したのですがすごく品がある方だなと思いました。美しいリンさんをありがとう。
油屋を移動しながら上階をめざすリンさんと千尋を助けてくれたおしらさま、
背丈が…千尋とあまり変わらない…まあ仕方ないですね…。
着ぐるみが割とお疲れ気味というかボロボロっぽかったのが気になりました。長期公演だったしなあ。

ドアノブと湯婆婆に服を引っ張られるシーン、どうやるのかと思ってたら
ドアの一部からドアノブの仮面をつけた顔がついと出てきて
「ノックもしないのかい」(夏木さんの声に合わせて口パクしてる)って言いましたね。
千尋のTシャツも出っ張りがついて(たぶんつっかえ棒か何か入れるんだと思う)
ドアがどんどん開いていく奥に向かって走る、みたいになってました。
夏木さんの湯婆婆めっちゃ湯婆婆だったーーーーー!!!!!
いや20年前から本人だよって感じですが、ちゃんとあの髪型とあのファッションと真っ赤なマニキュアと指輪、
そして何より声が!ほんと湯婆婆で感動しました。また会えたよすごい…!
舞台なのでセリフが張ってる違いはあれどあとは全部いつもの湯婆婆(何それ)で
(インタビューで、アフレコと違って動きがつくとセリフも演技も大きくしたくなるみたいなことをおっしゃってた)
すげえ…ありがとうございました…みたいな気持ちになりました。
怒るとでかい顔が寄木造みたいなパペットでドーン!と出てきてそれもびっくりした、
夏木さんの声でしゃべってるパペット湯婆婆はなかなか強烈でしたよ。
あとこの映画の核といってもいい名前を奪うシーンは
荻野千尋の文字をパペットにして黒子さんたちがそれぞれ持って、ひとつひとつ消えていく演出になってましたね。
契約書の上で手を動かすだけだと伝わりにくいしね。
あと頭(カシラ)たち。頭と両手に人形を嵌めてお1人でやってましたね…パペットじゃないんだね。
夜にどこかへ出かけていく湯婆婆が夏木さんからパペットに変身するのも
マントをバサー!からの変身であまりにもスムーズで感心してしまいました。

真夜中に部屋で寝ていた千尋をわざわざ起こして
「橋のところへおいで」って語りかけるハクにじわってしまったんですけど(視覚を優先したんだな…)
はしごを登って帰るハクにもじわりました。彼にそんなイメージは持ってなかったので。
お父さんとお母さん豚、頭に豚のぬいぐるみをかぶっていて体は人間のままなのですね。
ハクが千尋に服を返したりおにぎり出したりするシーンですが懐からではなく虚空に手を伸ばして
さっと目の前に出すんですね…「いま手品しました?」って感じでおもしろかったです。
映画では橋のところで別れた千尋をハクが見送るんですが舞台では千尋がハクを見送っていて、
すたすた歩いていたハクが油屋の前で急にまた踊り出して
えっハク様…?て思ってたらクルクルって回って奥に消えていって
そこから龍が飛び出してきたのでうわあって声が出ちゃいました!
このシーン10回くらい巻き戻して見てしまったよ~~あまりにも鮮やかだったので!
龍→ハクになるシーンは映画でもあったけどハク→龍はなかったからやってくれてうれしかったです☆
歌舞伎の龍みたいに黒子さんの棒でヒラヒラしながら飛んで行ったハクを見送って千尋が油屋に入って
釜爺のところで寝てしまいますけど、
映画では腕を伸ばして座布団かけてましたけど舞台では千尋のそばまで来て座布団かけてましたね。
あとね…橋にやってきたカオナシが突然踊り始めたのもえっ!てなったけど
確か中の人はダンサー(しかもWキャスト2人とも)だったなと思ってほおぉ~~って声が出ました。
いや、ひとつひとつの動きがめっちゃやばかった…語彙がなくて申し訳ないんだけど
最初はカオナシがダンスするわけないって戸惑っちゃったんですが
見てるうちにいやこれカオナシだな、カオナシが動いてるんだ!って思わされちゃう説得力。
飛んだり跳ねたりな派手な動きではなくあくまで「カオナシが踊ったらこうなる」的な、
パントマイムに近い動きなんですけどあれ何かジャンルあるんですかね。ダンス詳しくないのでわからない…。
BGMもすごいなんかしっとりしててよかったです、カオナシのバラード。

飛んで帰ってきた湯婆婆がパペットから夏木さんに戻る演出も実に鮮やかでした。

雑巾がけも踊りながらやる湯屋の人たち!
(というか千尋に対する人くさいヘイトが映画よりやたら多めに出てくるんですがあれは一体…)
(縁側で千尋に「ここ開けときますね」って言われて踊りながら入ってくるカオナシが斬新すぎた)
大湯もきちんとセットとして再現されててびっくりするレベルで
お湯が出るときはスモークみたいな霧とザーーッていうSEで表現されてました。
「番台ってなに」「マジかよ…行きゃわかる」ってセリフ足されてて千尋が番台に行ってからも
カオナシがゆらりと出てきて札をぱらぱらって降らせるのドキドキしちゃったよね。
番台と電話する湯婆婆がささやき声じゃないのは舞台だからでしょうけど
夏木さんが手でしゃれこうべをカタカタ動かしながらしゃべってておもしろかったです。
そうだよね夏木さんが動かさないと動かないよね…^^
オクサレ様がちょっと想像以上にオクサレ様で巨大でした…あれはやばい。
お迎えする前に千尋に指示を出そうとして「いいかい?オウェ」って吐き気が出ちゃう湯婆婆のあれは
アドリブなんでしょうか台本にあるのでしょうか、夏木さんの演技が生々しくて笑っちゃったんですけど。。
オクサレ様の手をとってご案内する千尋まじかよがんばれ!ってなったし
歌舞伎の引き抜きみたいにシュッ!て腐る朝飯すごい、
じわじわ腐った映画よりも一瞬で腐った舞台の方がオクサレ様の威力が視覚的にも強い気がします。
釜爺からの大量のお湯のおごりはビニールとSEで表現されてて
湯婆婆がぐちゃぐちゃのまま投げたロープが一瞬で人々の手にわたり綱引き準備になったの手品みたいですごかったし
「引けやー!」っていう湯婆婆の叫びは映画より音量でかくて劇場中に響き渡ってました。
夏木さんすごいな…どっから声出てるんや…???
そーれそーれって綱引きも役者さんたちの演技とがんがん響き渡る劇伴と
舞台に満ち満ちるスモークと踊るビニールですごい迫力だったし
「善哉!」と湯船から巨大な河の神のパペット顔がゆら~~りと出現した後に
あっはっはと呵々大笑しながら白い蛇体が飛び立っていって
たぶんテグスとか引いてあるのかな、客席の天井に飛び出していきお客さんの頭上を一回りしてから
舞台の大扉からお帰りになっていきました。なるほどすごいなー!
やんや~!って油屋の人たち全員でダンスが始まったのも楽しかった☆
縁側で千尋とリンさんが海を眺めるシーンで電車のレールが光ってるのも街のあかりが見えるのも綺麗でした。
おねえさんたちが沼の底のBGMで歌っているのびっくりした、歌詞がついてる!

カオナシが青ガエルをパクってやっちゃう演出、黒いベールの下に取り込まれちゃう感じでしたね。
お大臣踊りの再現がだいぶ派手で、兄役さんちゃんと踊ってましたね!
兄役と湯女をパクってやるときのカオナシのでっかい口、
黒子さんたちが持つ形で再現されててちょっと引きました。あまりにもでかい。
ハク龍が大けがして帰ってくるところ、歌舞伎みたいに棒で黒子さんが動かしてたんですけど
踊るように棒をあやつって動いていて龍の速さが表現されていて美しかったです。
この舞台は踊りの表現がよく使われますなあ。
銭婆の式神、かなり大きくて千尋の肩に引っ掛けるタイプの小道具だったんですが
あれよくきちんとくっついてますな、走ってるときに落っこちないかヒヤヒヤしました。
ハクを助けるために外のパイプの上を走るシーンもどうやるのかと思っていたら
割と地上に近い部分にパイプがセットされてそこを走ってましたが
あれはたぶん、ここは高いところにあるパイプだと思ってください的な…そんな感じだったんだろうか。
式神が窓の鍵を開けるところも窓の奥から黒子さんがさっと出てきて千尋の肩の式神をとって
ひらりと鍵を開けた瞬間さっと身を窓から離して千尋が室内に転がり込むようになってて
タイミングばっちりですごかったです。
坊はてっきり頭も体も被り物でやるのかと思ってたんですが
実際は体だけ着ぐるみみたいな感じで顔だけ小さくてふえっ?ってなったし割と早口でしたね…。
でも声がでかいから「こんな手すぐ折っちゃうぞ」の迫力がすごかったです。
4人の黒子さんたちが動かすハク龍、暴れまくって血を流しておる。。
奈落から銭婆が出てきて坊をネズミに、湯バードをハエドリにするシーンも
役者さんとパペットが絶妙に入れ違いになっててお見事でした。
千尋とハクが奈落に落下するイメージ、あれきちんと見てないと穴に落ちたってわかりにくい気がして
千尋が一瞬だけ水の記憶を呼び覚ます表現もSEと照明で表現されてましたが
ちょっと映画見てない人にはわかりにくかったかもしれないな…。
宮崎アニメは上下移動もあるから大変だ。

釜爺渾身の「えんがちょーーーーー!!!」大声でした、すごかった。。
千尋ががんばって虫を踏みつぶしたあと、なんと2人でイエーイ!てハイタッチしてたんですが
釜爺の手は6本あるので千尋が6回ハイタッチする羽目になってておもしろかったです。
ニガダンゴをハク龍に飲ませて人の姿に戻ったハク、役者さんが奥から転がってくるのシュールだったし
寝ているハクの頭をなでなでする釜爺やさしかったなあ。
えんがちょ遊びをする坊ネズミやススワタリに「静かにせんか!病人がいるんだぞ」ってセリフが足されてて
銭婆のところに行きたいっていう千尋のために電車の切符を持ってくるところで笑いが起きてました。
リンさんがたらい船を出すって言ったときも「グッドアイディア」ってサムズアップしたりして
橋本さんの釜爺かなりお茶目キャラですな^^
ハクが目を覚ましたとき「いいなあ、愛の力だなあ」って釜爺がしみじみ言うセリフで映画は場面が切り替わるけど
舞台は少し続いててハクが「愛…」とかつぶやいててふええ!?ってなってしまった、
ハク様、愛とか言うんだ…そうか…(しみじみ)。
「ハク、養生するんじゃ」って釜爺がもう一度寝かしつけて、そこで場面転換でした。

カオナシ大暴れ、あれも映画では上下移動のシーンですが
(湯婆婆は攻撃したけどかめはめ波を使うことはなかったしヘドバーバの出現も回避された)、
階段を下りたりはしごを使ったり人ごみをよけたりしながら降りていく表現になってましたね。
ちゃんと坊ネズミもハエドリもついてきてて
橋本さんかなり足が速かったんですが黒子さんたちもがんばってついていってました。
リンさんと千尋がたらい船に乗って移動するシーンでカオナシがやってきますが
足だけで背泳ぎしながら泳いでついていくるのおもしろかったし中の人の身体能力に感心してしまった、
もはやリンボーダンスで移動するカオナシでしたよ!あんな動きどうやってやるの意味わからん…!?
電車は3両ではなく1両で、みんなで乗るんですがここでもカオナシはかわいい、
映画だとじっと座ってるだけですけど舞台では小刻みに動いて何かしら見てたりするんですよね。
このシーンは千尋もカオナシも終始無言で、尺をたっぷり取っていてゆったりしていました。
映画でも静かでゆったり、切なくなるようなシーンですが舞台でもそうなっててよかったです。

カオナシが置いていった金が一瞬で土くれになるのは
さっきのオクサレ様で腐った朝飯みたいに引き抜きで土くれになる演出でしたね。
坊がいないとわかった湯婆婆が狂乱するシーンは前半にもあった寄木造のパペットが好演して
カーテンの中から巨大な湯婆婆の顔が出てきて夏木さんの大声が轟いておりましたよ。
夏木さんは映画でもすごい声量だったけど舞台だと劇場中にビンビンに響いて
これ劇場で体験したかったなあ…と思いました。音が全身にびりびり響くのって心地いいんですよね。

沼の底で降りた千尋たちを迎えに来たカンテラさん、役者さんが黒子の衣装でしたが
バレリーナのようにクルクル回ったりステップ踏んだりしてのご登場ですごくかわいかった☆
踊るカンテラ…よい…!(新しい沼の予感)
銭婆の家に着くとそこにはあっという間に着替えた夏木さんが!(笑)
千尋が虫を踏みつぶしたことに対して呵々大笑するのも映画みたいに軽やかで
いやほんと…夏木さんの演技の振り幅とんでもねえなって思います。
ハエドリはパペットなので糸車の上に止まれるけどさすがに坊ネズミがホイールを走るのはできないので
糸車の横に立ってクルクル回す動作をしてました。かわいい。
銭婆がくれた髪留めが水色だったんですが映画では紫だったよね、
紫は舞台だとわかりにくいからより目立つ水色に変更されたのでしょうか。
迎えに来たハク龍に乗って帰るシーンは千尋もハクもムキムキの黒子さんたちに支えられてて
これ黒子さんたちもだけど千尋役もハク役もかなり体力が要求されますね…ハードな舞台だ。
ハクが名前を思い出した後、映画では2人は空を飛んで油屋まで帰りますけど
舞台では手をしっかりつないで歩いて帰ってきました。
並べられた豚の中からお父さんとお母さんを見つける儀式に成功して
ぽんっと音がして花吹雪とともに散る契約書と「やんや~」と踊ってくれる油屋の人々☆
千尋とハクの別れのシーンは「きっと」「きっとよ」「きっと」にたっぷり間をとっていました…
あれお2人のタイミングで演技できてるのかな。
トンネルを出た千尋が髪飾りをほどいてトンネルを振り返ると
トンネルの中央にハクが現れて「ふっ」と龍のうろこを吹いたら入口が消えてしまってええー!ってなった、
あらまあこれは…考えたことなかったな…もう行き来できないのかなあ。
ハク様どうやって帰ってくるの、そのときはまたトンネルが開くの?そうであってほしい。


あとこの日は大千穐楽だったので(?)カーテンコールが1時間もありました!!
カテコ1時間とか聞いたことない!(笑)
兄役の大澄賢也さんが挨拶され進行役をつとめられて、
まず油屋のセットの2階がウィ~ンて開いて、何だろうと思ったら
そこに演奏担当の皆さんがいらっしゃって手を振ってました。油屋の2階で生演奏してたんですね~!
続いてシングルキャストの皆さま25人が客席に挨拶、
油屋の人々として出演しながら場面転換に黒子にパペットなど舞台上のすべてを動かしていたそうです。
本日までの102回公演をやりきったとのこと本当にお疲れ様でした。
大澄さんが「油屋を支えるのは大変なんですけど、今日は3人いないんです」と残念そうにおっしゃられて
シングルキャスト代表としておばたのおにいさんが挨拶されて、
「この舞台は色んなジャンルの人たちがいて、
稽古の段階でもう無理だよって思ったことたくさんあって、でもできちゃったのがすごくて
トライできてよかった」って、途中から涙ぐみながらお話されました。
続いてWキャストの皆さま、まずは釜爺の橋本さとしさんからお話ということでしたが
いきなり「どうも、ぴよりんです」って挨拶されて会場が爆笑。。
「そういうプリンがあるんです!名古屋の!」っておっしゃってて、笑いを取ろうとしたみたいでした。
大丈夫です知ってますよ、今年で誕生11年目の名古屋スイーツですよね知ってますよ!!(ガチ勢)
続いてリン役の妃海さん。「わたしもう昨日からさみしくてさみしくてたまらないんですよ。
幸せをもらって出会いをもらいました。本当に楽しくて幸せでした」
近くに立ってたカオナシ役の菅原さんが既に泣き出してしまっているのを見て
「よかった同じく感受性豊かな仲間がいて」って、ちょっとほっとされたようでした^^
今回のカオナシ役の辻本さん、「宮崎さんの作品で最初に見たのはナウシカ、パンダ、コナンで
作品にあこがれていて、彼といつか話したいなあと思ってたんですけど、
この作品の舞台化の条件が宮崎さん本人は見に行かないことだったと聞いて
なんて天邪鬼なんだ…と思ったけどそこが好きです。
僕は踊る方が楽なんで、ダンスのテクニックでこの作品に出られてうれしいし
その人の人生の一部になればいいなあと。僕の人生の一部になりました」
続いてカオナシ役の菅原さん。今回出られなかったシングルキャスト3人のパートを埋めるために
本日の舞台では黒子として走り回っていたそうです。
もうコメント前からボロボロ泣いてらっしゃって「いや、幻だったのかなって…。
ずっと夢の世界でした。たくさん学ばせてもらいました。ほんとに、この作品すげえ。
最後に大きい声だしてもいいですか、愛してるー!!」って絶叫。会場から拍手が起こりました。
ハク役の三浦さん、「このカンパニーへのリスペクトがつきません」と言ったとたん泣き出してしまわれて
「ハク様!」「ハク様ー!」「がんばれー」って舞台と会場から声援が☆
(おばたのおにいさんが率先して青ガエルの声で「ハク様」って言っててみんなそれに続いてた)
「支えあって笑いあって、全員でこの舞台を作りました。幸せでした」って、やっぱり泣きながらおっしゃいました。
と、ここで、Wキャストの醍醐虎汰朗さん(ハク役)と田口トモロヲさん(釜爺役)が舞台上にご登場。
醍醐さん「客席から見ていて、めちゃくちゃよかったです。みんながキラキラしててかっこよかった」
田口さん「たどり着きましたね。お疲れさまでした。おめでとう。
全員でゴールできなかったけど、無念なメンバーもいるけどお客様が見てくださって演劇ができることが本当に幸せ。
幸せなチーム、幸せな公演だったと思います」とコメントされて、
出られなかった朴さん(湯婆婆役)と咲妃さん(リン役)が配信で見ているから拍手を送ろう!ということで
キャストと客席で拍手しました。
続いて夏木さん。「今日は見ていただいてよかったです。ありがとうございました。
今日は1本つけるからねって気分です(笑)。
あまりわたし泣いたことないんですけど、すばらしいメンバーと一緒にいて心が洗われて
こうして大千穐楽が迎えられて、皆様本当にありがとうございました。
見ていただけない日々は稽古をしてました。
ジョンがキャストを変えてやるなんてクレイジーだって言ってたけど、メンバーが神様に見えました。
20年前に湯婆婆を演じて、20年後にまたこうして実現するとは夢にも思いませんでした。
あれから20年も経って…疲れるわけだなと思っております(笑)。
生きていればいいことがある。もしこの舞台が続けばわたしも元気でまた参加したいと思います」
続いて演出のジョン・ケアードさんと今井麻緒子さんがご登場。
今井さん「初日を開けるにも今日も、並々ならぬ努力をしてくれた人たちがいます。
4年前にジブリへ来て舞台の許可をもらったことや、今日出られなかったみんなの顔も浮かんできて
スタッフの顔も浮かんできて、神々の話ですけど、何百という人々の精神が宿っています。ありがとうございました」
ジョンさん「すばらしい昼公演でした。このカンパニーが好きです。すばらしい人たちの集まりです。
すごい困難の中で稽古しました。本当に誇りに思います。愛してます。終わっても心でつながってますね永久に。
ここにいない人たちへ。宮崎駿さん、インスピレーションを与えてくれました。
鈴木敏夫さん、勇気を与えてもらいました。
すべてのクリエイティブチーム。2人の演出助手。彼らがいなかったら成り立ちませんでした。
ちなみに今日の舞台を補うために彼らは舞台に立っていました」と、舞台袖を手で示されて
そこへ演出助手と思われるお2人が油屋の住人の格好で舞台袖に少しだけ出て
ぺこりと頭を下げて下がっていかれました。お疲れ様でした!
そしてここで、大千穐楽に出演予定だった上白石萌音さん(千尋役)から手紙の朗読がありました。
「お客様、カンパニーのみなさんへ。大千穐楽おめでとうございます。
今すぐそこに行きたくてたまりません。いま配信を見守っているキャストもそうだと思います。
まさに神隠しにあっていたような気分の7か月で、千尋として走って宝物をたくさんいただきました。
最後まで挑みつづけた最強のスタッフ、キャストの皆さま、相棒でいてくれた環奈ちゃん、ありがとう。
お別れは千尋のようにさっぱりいきます。みんなありがとう、お世話になりました」
客席から拍手。キャストさんたちも涙ぐんでいらっしゃって、
なのにジョンさんが「サンキュー、萌音。そして、萌音ちゃんが泣かせた後は環奈さんが笑わせてくれるはずです」と
環奈さんに無茶振りを(笑)。
環奈さん「この条件で笑わせられるかー!」って言いなさったんですけど座長らしく気を取り直してきちんと挨拶されました。
「皆さま、本日は大千穐楽公演にお越しいただきありがとうございます。
ちゃんと今日しゃべろうと思ってたのに萌音ちゃんからの言葉があると思わなくて。。
3月帝国劇場から各地を回り御園座で、
始まる前は長い道のりだと思ってたのに本当にあっという間で毎日幸せな気持ちでした。
大きく2つ財産を得ました。お客様から拍手や反応、ご意見ご感想によって
舞台を始める前から学ぶことがあって、すごく新鮮な気持ち。役者としてすごくいい経験になりました。
カンパニーのみんな。初めての舞台、稽古初日、自己紹介をして、
毎日ともに戦い抜いてきてたくさん話し合い悩んだり笑いあって。
ゼロから1を目指すのはこんなに大変なんだと。つらいこともあったけど楽しく幸せな毎日でした。
今日の舞台に立てなかったメンバーや萌音ちゃんにもたくさん支えてもらいました。
萌音ちゃんの代演と決まった時に「たくさん背負わせてしまうね、ありがとう」って言ってくれたけど
前に博多座で萌音ちゃんが私の代演をやってくれたときも助けてもらったし
最後の最後まで助けてもらいました。萌音ちゃん本当にありがとう。
今日は普段やってない役をやっていた人たちもみんな完璧に仕上げてきててかっこいい!
最高のメンバーが周りにいてくれて、さみしいしまだやりたいって気持ちはあるけど
幕を閉じるということで、もしかしたら再演あるかもしれないけど
そのときはまた見ていてだけたらと思います。本当にありがとうございました」
深々と頭を下げる環奈さんとキャストの皆様に、会場に割れんばかりの拍手があふれて
キャストが手を振りながら退場、これで本当に幕切れとなりました。お疲れ様でした!


終始「うん」「ああ」「なるほど」「こうするのか」「こんなことできるんだ!」「おもしろーい」とか、とか
映画を思い浮かべながら見てしまったので純粋に舞台として楽しめたかどうかわからないし
演出が割と映画を見てる人向けというか、これ大丈夫かな映画知らない人いま何が起きてるかわかるかな?って
戸惑うところもあったんですけど、
でもやっぱり見られてよかったと思うし実現してくれた関係者の皆様に感謝したいし配信ありがとうの気持ちです。
やっぱり舞台っていいなあ!
遠くて見に行けないとか、事情で行けないけど後で見られるとか、別に現地じゃなくていいからとか
この状況でオンラインやアーカイブ視聴という選択肢が普及したことだけは本当にいいことなのですが
その場で安心して楽しめる環境に早く戻ってほしいです…劇場に行きたい。
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テーマ : 演劇    ジャンル : 学問・文化・芸術

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ゆさ

Author:ゆさ
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歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
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