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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。

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重忠の面影残す館跡。

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嵐山史跡の博物館に行ってきました。
鎌倉時代に畠山重忠が住んでいたといわれる菅谷館跡(国指定史跡)に建っている博物館です。
自動ドアを入ったとたんにこの垂れ幕がバーンと下がっていて「撮影スポット!!」て書いてあったので
「おお、そうなんですね」という流れで撮りました。
歌川豊国が歌舞伎の壇浦兜軍記の場面を三枚組で描いたもので、中央の人物が畠山重忠。
(たぶんこの演目は重忠よりも主役の景清よりも左の女性の方が有名ですよな…阿古屋。
琴・三味線・胡弓の3つの楽器を演奏できなくてはならないという難役で、
今この役ができるのは坂東玉三郎さんくらいしかいないといわれてる)

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大河ドラマのパネルもありました~。

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博物館は比企郡嵐山町にあるので武蔵武士の畠山重忠や比企氏の人々、
源義仲と義高親子、足立遠元など武蔵にゆかりのある人々が紹介されていました。
畠山重忠…中川大志くんかっこよかったですね。
青木さんの義仲も染五郎くんの義高もかっこよかった。ありがとうございました。
比企氏は色々たくらみまくってましたが草笛光子さまの尼様が最強すぎたので良し。

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企画展「武蔵武士と源氏」を鑑賞します。
鎌倉時代の比企地域について人物と出土品から紹介する展覧会です。

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入口にいる畠山重忠ロボット。
このロボ、何年か前に来たときはおじさんの声で動いてしゃべってくれたのですが
最近は壊れてしまったらしく動いてはくれないのですが、、、

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企画展の間は嵐山町出身の声優・杉田智和氏の声でしゃべります!しゅごいよー!!
せっかくだしもう通年でしゃべってもらったらいいのに。。
(代表作の紹介に銀魂、ハチクロ、ワンピなどは書いてあったけど
シンカリオンのホクトさんは書かれてなかったですね…割と最近のビッグタイトルだと思うんだけどな^^;)

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正面に立つと「我こそは!姓は畠山、名を重忠と申す!」っていきなり自己紹介してくれます。
結構、大きな声でビビリます。。
展覧会の紹介や武蔵武士についてのお話や、現在開催中のスタンプラリーのお話などしてくれました。
武士っぽい渋いお声が聴けますのでファンの人よかったら聞きにいってみてねー!
(録音は禁止だよ)

以下、長いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

 
 
(館内の撮影は個人利用のみということなので接写の画像は載せません。
雰囲気をお楽しみください)

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1180年9月に畠山重忠が源頼朝のもとに参陣したときの様子を再現したお人形。
このとき重忠が持って行った白旗は高祖父の秩父武綱が源義家から譲られたものを意識したそうで
代々源氏の家臣であるというしるし。
このとき重忠は鎌倉入りの先陣になっています。

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源頼朝がいた頃の鎌倉時代の紹介。
頼朝袖判下文と将軍家政所下文(ともに原資料1192年・複製)や
平泉や鎌倉で出土した壺や食器類が展示されていました。
このあたりで出土する青白磁の瓶はなぜか戦国時代の館跡でも出土例があるそうで
鎌倉時代の東国武士たちの価値観が引き継がれていたのではないかとのこと。

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平泉で出土した壺や高台、かわらけ。
柳之御所遺跡ではかわらけが大量に出土していて、宴会が行われていたことがわかります。
京都の形を取り入れたものですが、同じ形のものが秩父でも出土していることから
秩父と京都のかかわりも見えてきます。
(秩父には確か牧があって都に馬を献上したりもしてるので、その影響もあるのかな)
あと河越館の出土品もあって、やっぱり同じかわらけが出土しているのだそうです。

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畠山重忠についてのコーナー。
(この隣に羽石光志の畠山重忠鵯越の絵がどーんと掛かっているのですが撮影禁止ーうにゃ~!)
奥州合戦のとき、頼朝が重忠に対して命令を出した平盛時書状(1189年・複製)や
重忠が武蔵御嶽神社に奉納したと伝わる太刀「宝寿」の写し(1982年)や畠山神社に奉納したとされる鐙、
吾妻鏡で重忠の記述があるページなどが紹介されていました。
1205年6月19日に菅谷館を出陣するところも紹介されておった…うおお~~ん。
参考資料の銅拍子もよかったですね。文武両道なのだよねえ~。
重忠の烏帽子子である大串次郎ゆかりの白磁四耳壺もありました。

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地域の出土品から畠山氏を紹介。
先祖の秩父氏は秩父地域の開発が終わると、嵐山町の辺りの開発をすすめたようで
重忠の父の時代に男衾の畠山に来て畠山氏を名乗ったそうです。
(秩父氏は桓武天皇の曾孫の高望王の系譜で姓は平氏)
秩父氏本拠地だった平沢寺のかわらけや、大蔵合戦を記した吾妻鏡、
鎌形八幡神社に奉納された安元2(1176)年の銘がある懸仏などが展示されていました。
鬼鎮神社も畠山氏が創建したと伝わっているそう。

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鎌倉武士のいでたち。
大鎧に用いた白星兜鉢、陸奥国の馬場都々古別神社赤絲威鎧残闕(源義家奉納?)、
川島町の正福寺所蔵の舌長鐙などが展示されていました。
太刀をおさめたとされる鮫皮鞘(13世紀)もありましたが、鮫ではなくエイの皮が使われているそうな。
比企能員の娘婿だった中山氏が住んでいたとされる川島町の堂地遺跡から出土した短刀もありました。

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畠山重忠が武蔵御嶽神社に奉納したと伝わる赤絲威大鎧(模造)。
大将クラスの武士が騎射戦で着用するもので、後世の鎧に比べて大柄なため大鎧といいます。
鎌倉時代の戦は騎馬が基本で弓と太刀で戦いますが、戦国時代は徒歩で槍と鉄砲が多く、
幕末は市街戦が多いので日本刀が大活躍するんだよね。
鎧とともに武器も変わっていく。

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源頼朝や弟の範頼、安達盛長、比企一族について。
都幾川の慈光寺に頼朝が願状を出したことや盛長が1179年に鐘を奉納したこと、
範頼の子が吉見氏を名乗ったことなどが紹介されていました。
頼朝が伊豆に流罪となったのちに武蔵国比企郡を請所とした比企氏は頼朝を支援し続け、
鎌倉入りを果たした頼朝は比企尼を鎌倉に呼び寄せ、能員を重用。
能員の子の時員が父の菩提を弔うために観音再興を志願した高坂の岩殿山正法寺の紹介や
同じく能員の子の能本と浄蓮寺(東秩父村)の関連を記した過去帳(1603年)などがありました。
東松山の大谷地区にある扇谷山宗悟寺には比企氏が乳父をつとめた頼家のものという位牌が伝わっているとのこと。

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安達盛長の居宅跡と伝わる放光寺(鴻巣市)にある盛長坐像がありました。
盛長がこの地を治めていた確証はないそうですが、新編武蔵国風土記の記述や
周辺に比企氏の勢力があったこと(盛長の妻は比企氏)などから、盛長説があるそうです。

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北村西望の畠山重忠像(1981年)。
作者が武蔵御嶽神社に巨大重忠像を奉納した際に制作されたミニチュアだそうです。

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博物館の郭にいる重忠像がなぜかパネルに。。
隣には像を建設中だった頃の職人さんたちが並んだ写真がありました。
像の内部も見えて貴重だ。

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二ノ郭土塁の上にある重忠像(1929年・嵐山町文化財)。
儒学者の小柳通義により地元有志の協力で建てられたそうです。
冠題百字碑文なる顕彰碑も建てる力の入れよう、本当にファンだったんだなあ。

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午後の博物館。
菅谷の近辺は縄文時代からの遺跡が点在し、中世には鎌倉街道が敷かれ武士の往来がさかんでした。
菅谷館は複数の郭が土塁と堀に囲まれている平城で敷地は約13万㎡ほどあり、
戦国時代までは増改築がされていたようです。
現在は建物の跡や井戸はすべて地下に埋まっています。
発掘調査もまだ途中っぽいので重忠ゆかりの場所ということしかわかってないから
面影残すっていう表現の埼玉郷土かるたの文字札はすごくいいと思う。
(今回の記事タイトルは郷土かるたからとっています)

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企画展のエピローグがあった。
博物館が過去に行った中世の石造遺物調査で撮影された写真の中から
重忠や武蔵武士ゆかりのものが紹介されていました。

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比企のタイムカプセル21より「武蔵武士と比企」。
秩父平氏や畠山氏、武蔵七党(横山党、猪俣党、児玉党、野与党、村山党、丹党、私市党)の紹介がありました。
比企地域では吉見の大串氏が横山党に、嵐山町の大蔵氏が野与党に、
東松山の高坂氏と小川町の竹沢氏が児玉党に属しているとのこと。
彼らの存在は館跡や地域の記録や寺院の奉納物などによって断片的に知られています。
武蔵武士についてはまだちゃんと調べたことがないので、そのうち時間つくって調べてみたい。
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