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2023.01/28 [Sat]
博物館に初もうでその10。

東博の「博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年」に行ってきました。
これ本館地下のお手洗い前に並んでたポスターなんですが全部今回のポスターです(笑)。
こんなにいっぱいデザイン作っちゃって楽しかったろうなあ。

博物館に初もうでは、いつもは本館2階の特別展示室で開催されますが
今回は珍しく平成館1階の企画展示室でした。
今年は卯年ですのでうさぎに関する作品が展示されています。

博物局編『博物館獣譜』(19世紀)。
東博の前身である博物局によって編纂された獣類の画集で、その中からうさぎを展示。
解説文には漢名と和名のほか色や特徴も書かれています。
このうさぎはRabbitじゃなくてHareの方かな、色的に。

伊万里の染付水葵に兎図大皿(19世紀)。
うさぎの輪郭がレリーフのように盛り上がっていますので
使うためじゃなく飾るためのお皿かもしれません。

藍釉兎(中国・8世紀)。
唐の時代に焼かれたもので、貴族の墳墓の副葬品だそうです。
何だかうさぎというよりパグみたいな造型ですが、昔のうさぎってこんな顔だったんだろうか。
(これはこれでかわいい)
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

玉兎搗薬文磚(朝鮮・楽浪郡関係遺物・1~3世紀)。
お墓に使われていた磚(レンガ)の一部分で、うさぎが杵と臼で不老長寿の薬を作る様子が象られています。
うさぎの体には模様がありますな。

玉虫厨子背面台座画(模本)の一部分(19世紀)。
原品は法隆寺所蔵(飛鳥時代)の玉虫厨子の須弥座背面に描かれた須弥山世界図の模写です。
月輪中にうさぎが描かれています。

十二天像(月天)(15世紀)の一部分。
月輪の中にうさぎがいます。
月天は脇侍がうさぎを手にすることが多く、うさぎとの縁が古くから見られるそうです。

波兎蒔絵旅櫛笥(17世紀)。
化粧道具を入れる箱で、月のうさぎが波の上を走るという伝説にちなんだデザインです。
うさぎの耳がめちゃくちゃ長くて躍動感を感じる。

金茶糸素懸威波頭形兜(17世紀)。
波とうさぎを意匠にした変わり兜です。うさぎの耳を模した脇立がかわいい。
うさぎは動きが素早いうえに多産であることから武将たちにも好まれたそうです。
この兜をつけた武将を想像するとちょっとかわいい。

火事装束 紺麻地波兎雨龍模様(19世紀)。
武家の女性用の火事装束で、麻の単衣なので夏用とのこと。
仕事柄水に関する模様が好まれたそうで、こちらも波にうさぎ模様がつけられています。

耳長兎水滴(18~19世紀)。
うさぎの水滴は江戸時代によく作られたそうです。
耳が長いのは、耳を使って海の上を飛ぶという波乗りうさぎのイメージとのこと。

染付兎形皿(19世紀)。
底面に御深井の丸印があるので御深井焼(名古屋城内の窯)のひとつと考えられています。

白玉兎合子(中国・18~19世紀)。
うさぎが走る姿を象っています。
兎走鳥飛という四字熟語があって、早く過ぎ去る時間をうさぎの走りに例えているそうで
そのイメージもあるかも。
中国の伝説では月のうさぎは不老長寿の薬を作っているので、長寿の寓意でもあるとか。

染付吹墨亭兎図皿(17世紀)。
伊万里の染付中皿で、朝鮮半島の白磁を手本としています。
呉須を器面に吹き付ける吹墨という技法が使われていて、輪郭がちょっとふわふわして見えます。

兎蒔絵印籠(19世紀)。
秋の野原にいる金銀のうさぎが空を見上げていまして、裏返すと三日月になっているそうです。

月宮八稜鏡(中国・8世紀)。
不老長寿の薬をつくるうさぎと、周りにヒキガエル(月の象徴)がいます。

仏涅槃図(14世紀)の一部分。
人々と動物たちが釈迦の入滅を悲しんでいます。うさぎは下の方にいました。

呂文英「売玩郎図」(中国・16世紀)の一部分。
行商人である売玩郎と遊びに来た子どもたちを描いています。
うさぎは籠の中にいました。震えているようにも見えます。

広寒宮螺鈿合子(中国・14世紀)。
蓋に描かれているのは広寒宮(月にあるという宮殿)で、嫦娥と羿を中心に人々が暮らしています。
中央でうさぎが不老長寿の薬をつくり、ヒキガエルが雲気を吐いています。

伝永田友治作「豆兎蒔絵螺鈿硯箱」(19世紀)。
蓋の裏側にうさぎが隠れています。

山尾侶之「海士玉採図石菖鉢」(1873年)。
石菖を生ける鉢で、4つの脚はうさぎが支えています。

金地花兎文様金襴 花兎金襴(中国・15~16世紀)。
金糸を織り込んだ金襴で、ちょこんと振り向くうさぎが表現されています。
なんだかドット絵みたいでかわいい。

青花唐子文鉢(中国・景徳鎮窯)(1522~66年)。
子どもたちがうさぎと遊ぶ様子が表現されています。
当時の中国では官窯から民窯に委託が行われていたために
このような親しみやすい柄になっている例が多いようです。

葛飾北斎「大黒様に白兎」(1819年)。
因幡の白兎を題材にした作品で、大国主と白うさぎの出会いを描いています。

柳々居辰斎「卯の春」(1819年)。
空摺ときめ出しでうさぎが立体的に表現されています。

蓮池堂「吉例 兎の年礼噺」(1872年)。
新年のあいさつを交わすうさぎとニワトリです。
この2匹は向かい干支なのでお互いにお守りになりますね。
(酉年だった泉鏡花がうさぎグッズを大量に持っていましたが、あれもその俗説の影響です)

市河米庵編『米庵蔵筆譜』(1834年)。
書家である市河米庵が収蔵した中国製の筆の図録で、
うさぎの毛を用いた筆は上等とされていました。

黒釉兎毫斑碗(中国・建窯)(12~13世紀)。
釉の上に現れた細い毛のような模様がうさぎの毛に見えることから中国では兎毫蓋といい、
日本では穀物の穂に見立てて禾目天目と呼ぶそうです。
他にも本館展示など見てきたのですが、長くなりますので次回記事以降に書きます☆
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