猫・本・歴史・アートなど、その日見たもの考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。
泥棒じゃありません、借りぐらしです。
2010年08月01日 (日) | 編集 |
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↑こんなシーンはありません…あったら素敵だなと思って描いてみただけ(笑)。

追記から『借りぐらしのアリエッティ』感想ですー。
先日2回目を見て、試写会のときよりは落ち着きましたし(今読むとごっつ恥ずかしいなこの文章…)、
現美でやってる展覧会にも行ったのでそろそろ書いてもいいかなと(^ ^;)。
(展覧会感想も後日書きます)

異常に長いうえ、大いにネタバレしていますので、お時間のない方や未見の方はご注意ください。
大丈夫という方はいってみよー。↓



まず総括。
面白かった!!!そして切なかった!!!!

これに尽きる。

全体的にすごく静かであたたかな映画でした。
本当に「小人のアリエッティと人間の翔君との出逢いそして別れ」だけでした。

「ぼくはあの年の夏、母の育った屋敷で一週間だけ過ごした」
↑映画冒頭の翔君のモノローグ。伏線です。
見終わった後で「ああそうだったのか!」と思った…。

翔君が大叔母さんの運転する車でお屋敷へやって来るところから始まりますが、
このお庭が本当に素敵!!男鹿さんは緑の背景を描かせると抜群にうまいなぁ~。
100年前のイギリスっぽくて、多少手を入れた形跡はあるんだけど雑然としていて
人間は少しだけお世話をして、あとは自然の伸びるままに任せているという感じ。
なのに、お屋敷に入ると一気に日本的な内装だったのも笑えました。。。
和洋折衷というか、玄関と台所は和風で食堂と翔君のお部屋は洋風だった。

クロック家(←アリエッティの名字)の内部も凝っていた。
ボタンやペンキャップやボビンをうまく使ってます。ちゃんと水道とか電気とかあるんだなー。
お母さんの淹れたお茶が飲みたいです。ポットから出るお茶が、小人目線で細かい!
お父さんの作業部屋に置いてあった木工用ボンド、小人の力で蓋が開くんだろうか(汗)。
(あのボンドすぐ固まるから、夏休みの工作のたびに力任せに開けていた覚えがある)
アリエッティの部屋は二木さんが描いたのかしらって思うくらい植物がいっぱいで素敵だった(笑)。
いい匂いがしそうだなー。

苦労して借りに行く様子とかも細かく描かれていてどきどき。
豆電球ライトとか、釘の足場とか、ホチキス針のはしごとか、釣り糸か何かで作った滑車とか、
ものすごい工夫の嵐。お父さんあれ全部一人で作ったんだろうか…。
そして戸棚から人間の台所へわっと出たときの空間音がリアルだった…底冷えがする感じ。
当たり前だけど戸棚もコップもお鍋も角砂糖の小瓶も巨大ですな。
両面テープでテーブルをよじ登っていくお父さんに拍手。

そして…アリエッティが翔君に見られるシーンが唐突にきてビックリでした!!
翔君、ばっちり見てましたよね(笑)。
「怖がらないで」って言われてもあなたのその目は怖いですからっ!!(笑)
というかアリエッティ、映画冒頭でいきなりローリエの葉の下で翔君に目撃されたので
「えっもう見られちゃうの!?」とか思いましたし(笑)。
彼女はわりと庭に出たり、蔦の葉を登って翔君のお部屋に行ったりしていて、
結構、活動的な女の子だなという感じがしました。
(頭の洗濯ばさみがえらくかわいかったので映画館のグッズコーナーで買ってしまったvvv)
お母さんのために遠い場所までローリエの葉をとってくるやさしさもあるし、
スピラーの弓矢に興味を持って面白がるところもある、本当に普通の女の子ですね。
翔君は逆に静かな男の子なんだろうかと思っていたら、アリエッティをカラスから助けてくれたり
ちょっと意地悪を言ったりと、子どもとお年頃の境目にいるような感じ。
でも、心臓に爆弾を抱えているのにアリエッティのために走る姿はとても良かった。
誰かのために身を省みず走れるようになっただけでも大成長だわ。君なら手術がんばれるよー。

お父さんのポッドはとにかくかっこよかった。背中で語るオヤジですね(笑)。
「おまえは家族を危険にさらしている」と言われたとき、思わずうなずいてしまった。
同時に、これ子どもの頃に見ていたらアリエッティの立場で考えるんだろうな…とも思えた。
お母さんのホミリーはどこにでもいるおばさんといった感じですね。
大竹しのぶさんが本当にいい演技をしていたなぁ~面白かったvvv
スピラーは本来、原作シリーズ2冊目からの登場人物なので
どうやって出すのか想像つかなかったんですが、途中でいきなり出てきてビックリした(汗)。
ジムシィに似てると思っていたらエンディングでカンちゃんに変貌しました。。。
大改造劇的ビフォーアフター…フジタツ、結構ハマっていましたね。かわいかったです。
spiler2.jpg※クリックで大きくなります
↑上は映画Ver.で、下はわたしが原作を読んでいたときにイメージしていたスピラー。
何となくロビンフッドっぽい感じがしていたのです。

猫のニーヤがとにかくかわいいぃぃ~~たまらんかったvvv
ラストでアリエッティが鼻を撫でたとき「ネコバスサイズ!!」と思いました(笑)。
床下の虫さんたちもコミカルな動かし方で良かった。
米林さんは虫が苦手なのでああいう描き方になったんだとか。わーい気が合いそう(笑)。
ダンゴムシを見て王蟲を思い出したのはわたしだけでしょうか。。。

貞子さんは少女のまま年を取った人という感じがしました。
あの人だけ小人たちを見てないんだよなぁ…ちらっとでいいから見せてあげたかった。
ハルさん…こっ、怖かったあぁぁ!!!(((((´Д`;;|||)))))ガタガタブルブル
何年か前のジブリ映画で同じ名前の主人公がいましたが全然違ったよ。
試写会に一緒に行った妹も「樹木希林がマジぱねぇ」とか言ってたし。美輪さん並の存在感…。
単に小人をご主人に見て欲しかっただけなんだろうけど、小人からすれば迷惑千万な話。。
でも、現実にはこういうタイプの人って結構いるんだろうなとも思う。だから、憎めません。

お庭でアリエッティと翔君が話すシーン、アリエッティがコペルニクス的転回を体験する様が生々しかった。
原作の男の子もかなり残酷にしゃべっていましたけど、翔君の場合は自分の病気のことがあるから
余計にシビアで残酷な言い方だったな…。
原作ではアリエッティと男の子が出会った直後にあの話題が出てアリエッティが仰天するんですが、
映画は2人が少しずつ近づき始めた頃合いだったから「何でここで?」とも思いました。
まあでも、最初に出会ったときアリエッティがすぐに帰っちゃったから(あれは無理もない)
あそこ以外でやれる場面がなかったのかもなぁとも思えるんですが…。
(そういえば西岡さんがブログで言っていたけど、翔君がお庭で読んでいた文庫本は
『神曲』の原書だそうですね…。イタリア語ですが何か?)

arisho3.jpg   arisho4.jpg※クリックで大きくなります
後半でアリエッティと翔君が力を合わせてホミリーさんを助けに行く一連のシーンが
もうドキドキして大好きで大好きで!!!
何せアリエッティがあの大きさで「人間に見られてはいけない」存在ですし、
翔君は翔君で、あの体調のくせして走ったり顔しかめたりするものだから
初見のときは「倒れないで~でも急いで~」とハラハラして息をするのが大変だった(汗)。
ピアスでカーテンを登るアリエッティに拍手。
ジブリのスタッフはああいう動きを描かせると本当に一流だなぁとつくづく思う。

ラストは切なかったなー。
翔君が「アリエッティ!」と叫んで、アリエッティがはっとしたところでぐっときて
洗濯ばさみを渡して「守ってくれて嬉しかった」というシーンで涙腺決壊。。。
ジブリ映画でこんなに切ないの初めてですよー。(T□T)どばーっ
何年か前に原作シリーズを読んだので、クロック家の今後は全然心配していないんですけど
(ラストでクロック家が野に出るのは原作2冊目ですし、川を下るのは3冊目のお話だ)
翔君のことは気になりましたね。
でも冒頭で「ぼくはあの年の夏~」というモノローグがありますから
あれが希望になっているんだなぁーと思いました。回顧映画ですよみたいな。
ただ、アリエッティと翔君が今後会えるかというと、それは全くわからないので
そういう切なさはハンパなかったです。。。
『千と千尋の神隠し』のラストで千尋とハクが別れたときは
ほんの少しのお別れっぽい感じがしていたのですが、
(2人がわりとしっかり再会の約束をしていたということもあったので)
アリエッティと翔君はどうかなぁ…原作でも別れてそれきりだしなぁ…。
でも、エンディングの後は不思議と暗い気持ちにならないのです。
2人はもう会えないかもしれないのに、未来は何とかなるって感じがした。希望があった。
朝日の中のお別れシーンだったせいか、本当にそうでした。

ネット上で「アリエッティにドールハウスに住んで翔君と一緒に暮らして欲しかった」という感想を
よく見かけるのですけど、実は試写会直後にわたしと妹が真っ先に交わした会話が
「ドールハウスに住まなくて良かったねー住んじゃったら夢物語だもんねー」でした。
もしそうなったら、翔君がドールハウスの台所を置いてクロック家に迷惑をかけたとか、
ハルさんが「蝶を捕まえて大人に見て欲しがる子どもの心理」でホミリーさんを捕まえるとか、
人間と小人のサイズ違いゆえに生じるズレを一生懸命描いてきたのに
一気にダメになってしまうではありませんか。
米林さんもあのドールハウスは「大量消費文明への皮肉」とおっしゃっています。
あそこに小人たちが住むことはないし、ドールハウスも受け入れることはない、
彼らはペットではなく、小さいけれど自立したひとりの人間として描いたのですと。
たぶん、ドールハウスに住むということは人間に人形感覚で見られることを
小人が承知するということなのかもしれません。
現実の絶滅危惧動物のように保護されて生きる道もあるのかもしれないけれど、
それよりもきちんと自分たちの力で物を借りたり作ったりしながら
生活する小人たちの方がリアリティがあるし、
人には見えないけれど、この世界のどこかにそうして生きている"何か"がいるというのは
トトロがそうであるように人間にとっても救いがあるんじゃないでしょうか。

と、こんなことを書いてしまいましたが、映画の見方は十人十色、
小人が人間と普通に暮らせる日常があってもいいとは、もちろん思います。
ただあくまでクロック家は床下で、翔君は床上でそれぞれ暮らして
時々庭でアリエッティを見かけた翔君が「おはよう、何してるの」って声をかけるとかね。
でも世の中には色んな人がいるから、一筋縄ではいかないだろうなー。
翔君だって最初は何も知りませんでしたから、親切心から床下の台所を
ドールハウスのと取り替えたりしてクロック家をめちゃめちゃにしたわけです。
あの後アリエッティに怒られて、「ごめん」と謝ってからは
小人の生活をきちんと尊重してくれた感じがしましたけど。
arisho2.jpg※クリックで大きくなります

そういえば音が本当にリアルだったなぁ。
クロック家の天井が剥がされる轟音はどうやって録ったんだろう…?ものすごく怖かった。
他にも床下や草の中を歩く音や、翔君の肩に乗ったアリエッティが受ける風の音が
小人のサイズだとどう聞こえるのかが、きちんと再現されていたと思います。
アリエッティがクッキーを叩く音はダンボールだそうですね…どんな発想やねん。

セシル・コルベルさんの音楽も素敵でした。
セシルさん、よくぞジブリにCDを送ってくれました。それも、手書きの手紙つきで。
そうでなかったら鈴木さんは聴かなかったかもしれませんyo。

米林さんは本当によくやったと思います。
観る前は「原作はしっかり作られているけど、映画はどうかなぁ」と思っていましたが
はっきり言って予想以上でした!
(ストーリーは大幅に変更されているので、もはや原作:メアリー・ノートンではなく
原案:メアリー・ノートンとなっていますがこの際目を瞑ろう)
ご本人はアニメーターに戻りたいとおっしゃっているようだけど、戻ってもいいから
いつかまた新作を作って欲しいと思える監督さんでした。お疲れさまでしたー!

最後に。
うちは通気口つきの床下がある一軒家です。
それなりの広さの庭と、カマドウマとダンゴムシとバッタとイニシャルGと
野ネズミと野狸と飼い猫と人間(←これ最重要ですね)がいます。
クロック家の皆さん、気が向いたらいつでもどうぞ。。。

あっΣ(゚□゚)でも、角砂糖がないや!スティックシュガーじゃだめですか…?
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コメント
この記事へのコメント
あれ?
なんか、書いたのに。
もう一度挑戦だ。

テンプレ変わったのね。とても夏らしくていいね、爽やかだわ。

アリエッティはスゴかったんだね。
まだ、見てないから残念だなぁ。

お互いが別れたとしても、理解ある別れって、いいと思う。
なんかいいじゃない。
この空の下にアリエッティがいる。
それも幸せだと思う。

見にいくぞーー。

もしも、二重投稿になっていたら、最初のは削除して下さいね。
2010/08/01(日) 18:55:12 | URL | ぴゆう #-[ 編集]
Re: タイトルなし
> ぴゆう様

すみません、何が起こったのでしょう…??
コメント2コとも表示されていましたが、1コ目はおっしゃる通りにしました~。
お手数をおかけしたみたいで、ごめんなさいです。

テンプレ変えました。緑が気に入ったのです(笑)。まだまだ暑い日が続きますけどねー。

あわわわ、こんなもりっと盛った感想読んでくださってありがとうございます!!
しかもまだ観ていらっしゃらないご様子…いいんですか???かなりのネタバレでしたが…(汗)。
とにかく、わたしは本当に良かったと思いました。おすすめですvvv

そうですねーどこにいるかわからなくても、
どこかにアリエッティがいるんだと思うと何だか幸せになれますね。
お別れってさびしいけど、お互いの旅立ちでもあるんですよね!

コメント、ありがとうございます☆
2010/08/01(日) 19:27:42 | URL | ゆさ #-[ 編集]
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