花札の11月にいる人。
すっかり忘れていたのですが、11月といえば小野道風ですね~(´∀`)。
花札の11月の二十文札に、雨と柳とカエルと一緒に描かれているあの方です。
(柳に飛びついたカエルを見て発奮したというエピソードは後世の創作らしいですが、
そぼふる雨の中で傘を差して、カエルに声援をおくる青年の姿を想像すると
何とも言えず微笑ましくて(*^ ^*)自然とやさしい心地がしてくるのですけれど)
道風さんが書家としてスタートを切ったのは30歳くらいのときで、
政治に使われる公文書とか、内裏の屏風や額に飾る文字を書いていたそうですね。
過去に展覧会で道風さんの字を何度か見たのですけれど、
ほとんどが公文書だったので、楷書で書かれたものを多く見たような気がします。
書としても充分完成されていて「習字のお手本になりそうな字だ」と思った覚えがあるな…。
同じ「三蹟」の藤原佐理の書の自由さ(笑)とは全然違って
きちんと読む人のことを考えて、読みやすい字と配列で書かれている印象を受けました。
(余談ですが、漫画家の佐野絵里子さんはこの2人のエピソードを
『たまゆら童子 梅の淡雪』の中でとても微笑ましく描いていらっしゃいます^ ^)
逆に私的な文書や、飾ることを目的とした書は、とても美しい草書で書かれていたような。
もともと道風さんは小さい頃から草書が得意で、「王羲之のよう」と言われていたとか。
(あの時代、草書の聖と謳われた王羲之の書はたいへん人気があり、
彼に例えられるというのは人としても書家としても破格の賞賛なのであります)
ただ、これは別に道風さんだけが特別にうまかったわけではなくて
小野一家の中には字のうまい人がたくさんいたみたいです。
おじいちゃんの篁さんと、篁さんの従弟の恒柯くんは隷書がうまかった人たちです。
道風さんの従弟の美材くんも、確か草書や行書をよくして皇室に気に入られていたような。
また、小野家ではありませんが、篁さんの弟子だった紀夏井は「楷書の聖」と言われました。
そんな環境の中で育った道風さんの字が美しいのは、さもありなん、と納得してしまいますね。
(もちろん彼自身の努力の成果もありますけれど)
で、そんな道風さんを含む小野一家への恋心が昔から止まらないわけですが。。。
この一族は、「歴史上有名な○○さんの隣にいる人たち」というイメージが強いですね。
厩戸皇子の隣に小野妹子、坂上田村麻呂の隣に小野永見、
嵯峨天皇の隣に小野岑守と小野篁、菅原道真の隣に小野葛絃、
醍醐天皇の隣に小野道風…という感じかな。
昔から、教科書に登場しにくい人物というカテゴリに強烈に惹かれます。
社会の中間から、あるいは下から、どんな風に世界を見ていたのか、聞けるものなら聞いてみたい。
※クリックで大きくなります
鈴木春信の周辺事情その20。19はこちら。
春さんの役者絵と見立絵が売り出されました。
お見世を見に行きたいと言う春さんに、付き合わされる先生の図。
春信「あ、買ってね、買ってね」
石燕「心配すんなよ、売れっから」
何気に友人の腕を信用している先生でした。
この頃の浮世絵は、墨一色の墨摺絵、藍色で輪郭線を引いた水絵、
赤や緑など二~三色を使って摺られた紅摺絵が中心でした。
画面すべてに色がつく多色摺版画の登場は、もう少し後のことです。
(こっそりつぶやき)
今週の『新週刊マンガ日本史』の阿倍仲麻呂マンガを読んでいたら
真備が、真成の例のことについて仲麻呂に知らせる場面を見た時に
とっさに本を閉じて天井を仰いでしまい、しばらく読み進められなくなりました。
やばい。わたしまだ全然立ち直れてなかった。
まぁくん、ごめんなさい。わたしはあなたをちゃんと描ききることができたでしょうか。
ごめんなさい。
花札の11月の二十文札に、雨と柳とカエルと一緒に描かれているあの方です。
(柳に飛びついたカエルを見て発奮したというエピソードは後世の創作らしいですが、
そぼふる雨の中で傘を差して、カエルに声援をおくる青年の姿を想像すると
何とも言えず微笑ましくて(*^ ^*)自然とやさしい心地がしてくるのですけれど)
道風さんが書家としてスタートを切ったのは30歳くらいのときで、
政治に使われる公文書とか、内裏の屏風や額に飾る文字を書いていたそうですね。
過去に展覧会で道風さんの字を何度か見たのですけれど、
ほとんどが公文書だったので、楷書で書かれたものを多く見たような気がします。
書としても充分完成されていて「習字のお手本になりそうな字だ」と思った覚えがあるな…。
同じ「三蹟」の藤原佐理の書の自由さ(笑)とは全然違って
きちんと読む人のことを考えて、読みやすい字と配列で書かれている印象を受けました。
(余談ですが、漫画家の佐野絵里子さんはこの2人のエピソードを
『たまゆら童子 梅の淡雪』の中でとても微笑ましく描いていらっしゃいます^ ^)
逆に私的な文書や、飾ることを目的とした書は、とても美しい草書で書かれていたような。
もともと道風さんは小さい頃から草書が得意で、「王羲之のよう」と言われていたとか。
(あの時代、草書の聖と謳われた王羲之の書はたいへん人気があり、
彼に例えられるというのは人としても書家としても破格の賞賛なのであります)
ただ、これは別に道風さんだけが特別にうまかったわけではなくて
小野一家の中には字のうまい人がたくさんいたみたいです。
おじいちゃんの篁さんと、篁さんの従弟の恒柯くんは隷書がうまかった人たちです。
道風さんの従弟の美材くんも、確か草書や行書をよくして皇室に気に入られていたような。
また、小野家ではありませんが、篁さんの弟子だった紀夏井は「楷書の聖」と言われました。
そんな環境の中で育った道風さんの字が美しいのは、さもありなん、と納得してしまいますね。
(もちろん彼自身の努力の成果もありますけれど)
で、そんな道風さんを含む小野一家への恋心が昔から止まらないわけですが。。。
この一族は、「歴史上有名な○○さんの隣にいる人たち」というイメージが強いですね。
厩戸皇子の隣に小野妹子、坂上田村麻呂の隣に小野永見、
嵯峨天皇の隣に小野岑守と小野篁、菅原道真の隣に小野葛絃、
醍醐天皇の隣に小野道風…という感じかな。
昔から、教科書に登場しにくい人物というカテゴリに強烈に惹かれます。
社会の中間から、あるいは下から、どんな風に世界を見ていたのか、聞けるものなら聞いてみたい。

鈴木春信の周辺事情その20。19はこちら。
春さんの役者絵と見立絵が売り出されました。
お見世を見に行きたいと言う春さんに、付き合わされる先生の図。
春信「あ、買ってね、買ってね」
石燕「心配すんなよ、売れっから」
何気に友人の腕を信用している先生でした。
この頃の浮世絵は、墨一色の墨摺絵、藍色で輪郭線を引いた水絵、
赤や緑など二~三色を使って摺られた紅摺絵が中心でした。
画面すべてに色がつく多色摺版画の登場は、もう少し後のことです。
(こっそりつぶやき)
今週の『新週刊マンガ日本史』の阿倍仲麻呂マンガを読んでいたら
真備が、真成の例のことについて仲麻呂に知らせる場面を見た時に
とっさに本を閉じて天井を仰いでしまい、しばらく読み進められなくなりました。
やばい。わたしまだ全然立ち直れてなかった。
まぁくん、ごめんなさい。わたしはあなたをちゃんと描ききることができたでしょうか。
ごめんなさい。
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- 2010/11/26(金) 18:50:20 |
- URL |
- 仙咲ヒスイ
- [ 編集 ]
花札ですか!
私は昨日から覚え始めました。
十一月のあの人は、小野道風という方なんですね。
花札一枚一枚にもエピソードがあるとは……!
奥が深いですね。
お邪魔しました。
ではでは。
- 2010/11/26(金) 22:38:20 |
- URL |
- ぴゆう
- [ 編集 ]
イメージが悪いけど、絵柄が本当にきれい。
昔っぽいのがたまらなくいい。
小野家って一大勢力だったのね。
春さん、かわいいねぇ。
先生もナンダカンダと付いてきてくれる。
いい図だね。
Re: タイトルなし
- 2010/11/27(土) 22:39:56 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
花札を覚え始めていらっしゃるのですね!
わたしも以前に、面白くて覚えました(笑)。
パソコンでこいこいをやったり、家族でリアルにやったりして楽しんでいます。
十一月の人が小野道風と知ったのは、わたしもつい最近です。
他の札にも色々いわれがありますよ~。
調べてみるといいかもしれません。とっても楽しいですvvv
Re: タイトルなし
- 2010/11/27(土) 22:44:11 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
わたしも花札、大好きです~。
日本画っぽい絵柄がたまらんですねvvv
見ているだけで飽きないです。
小野家には、大臣などの要職に就いた人はいないのですが
大臣クラスの人たちの側で、色々手助けをしていたポジションの人たちが多いです。
偉い人が存在するには、その偉い人を支える人がいたわけで、
そういう立場の人たちに最近は惹かれてやみません。
> 春さん、かわいいねぇ。
わーい、ありがとうございます☆
先生も文句言いつつ一緒に来てくれるあたり、春さんに甘いですね(笑)。
春さんの方が年下だからかもしれません。
Re: タイトルなし
- 2010/11/28(日) 22:44:42 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
> 月見酒と花見酒が流れる上
え、何ですかそれ??そんなルールがあるんだ…。
わたしは道風の札に思い入れがあるので、4光も5光もありなルールにして遊びます。
もったいないですからね。
花札は大勢でやると盛り上がりますよね~(^▽^)。
管理人のみ閲覧できます
- 2010/11/28(日) 22:52:13 |
- |
- [ 編集 ]
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