fc2ブログ
  • 2023_09
  • <<
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • >>
  • 2023_11

ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


I pray for a safe voyage。。。

  1. 2011/08/06(土) 22:53:38_
  2. ジブリ
  3. _ tb:0
  4. _ comment:2
時期的にそろそろ書いておきたいなぁと思ったので(そうしないと記憶もヤバそうなので)、
7月の3連休に観た映画『コクリコ坂から』の感想を書いてみることにします。

背景はコクリコの花。※クリックで大きくなります
↑海ちゃん~。
コクリコ荘で着ていたピンクのカーディガン姿が
とてもかわいかったので描いてみました♪
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*

以下ネタバレしているうえ、異様に長いですので
お時間のない方や未見の方はご注意ください。↓
(拍手お返事は次回にさせていただきます。もう少しお待ちください…)
 
 
 
いやー楽しかった!面白かった!!
素敵な青春映画だなぁと思いました。
『アリエッティ』がそうだったように、わくわくドキドキ感はないのですけど
見終えた後にじわーっと心に沁みてきて、ただただ涙が出る感じ。
切ないとか心が洗われるとか、そういうわけでもないような…むぅ、うまく言えない。

最初に『コクリコ坂から』の内容を知ったときは
『横浜を舞台に少年少女の恋愛を描く映画』と聞いたので、
「なんじゃその『耳をすませば』の横浜版っぽい映画は」と
失礼ながら思っていたのですけども。。。
実際に見たら、確かにそういう要素(食事シーンの細やかさとか、ボーイミーツガールとか、
軍ネタとか、他人の作品を引用したり参考にしたりすることにあまり抵抗がないっぽいところなどは
駿氏らしい脚本だなぁと思ったりした)も盛り込みつつ
でもきっちり吾朗氏の世界観で作られていたのがとても良かったです。
あと、何せジブリだから、原作を大幅に変更して「ほぼ原作」みたいにした内容かと思っていたら
結構、原作を踏襲したストーリーになっていたのもちょっと意外でした。
(むしろ「ほぼ原作」だったのは今作よりも前作だったような ^ ^;)

日常生活がとても丁寧に描かれていて良かったです。そこは何せジブリですから(*^ ^*)☆
映画の始まりが朝の食卓のシーンで、
ご飯とお味噌汁とハムエッグとレタスの朝食を海ちゃんが手際よく作るのですが
ものすごくおいしそうでした!
場面挿入歌の「朝ごはんの歌」は、映画を観る前に『コクリコ坂から歌集』で何度か聴いていて
そのたびに朝ごはんが食べたくなっていたのですが、
(お昼ごはんでも夕ごはんでもなく朝ごはんである点がポイント)
アニメーションを観ながら一緒にあの曲を聴くと、なおさら食べたくなって
朝ごはん食べてから観に行ったのにお腹がすいてくるような気がした。

『ラピュタ』では空から少女が降ってきましたけども
今回は少年が学校の屋上から降ってくるのですね(^ ^;)。
池に落下した俊くんのもとへ駆け寄って、
思わず手を差し出してしまう海ちゃんがかわいかった。
(ジブリの鈴木さんがよく言う、「宮崎駿の映画の少年少女は出会った瞬間に相思相愛」
というパターンがしっかり踏襲されているなぁと思った)

海ちゃんも俊くんも、キキやシータみたいな不思議な力を持つ子たちではないんだけど
お互いを信頼する力があったなぁと思います。
学校帰りの「悪いな、助かる」「うん、さよなら」「ありがとうメル」っていう会話の
さりげない感じがすごく好きだ~。
(海ちゃんはフランス語で海を意味するラ・メールからとって普段はメルと呼ばれています)

2人一緒に自転車に乗るシーンで思わず『耳をすませば』を連想したり、
商店街で俊くんがコロッケおごってくれたり、
徳丸社長がカルチェを見聞している真っ最中に
大勢の中から2人きりで堂々と抜け出して海沿いを疾走したりと
(水沼くんが「人生上の重大事が発生しました」と社長に説明するくだりがおかしくて笑えた)
「うわ~青春炸裂!」なシーンが多かったのも楽しかったです。
あと、港に停泊している立花さんの船にたどり着いた2人が
タグボートから船に飛び移るシーンで、
俊くんが先に飛び乗って、後から海ちゃんが飛んで俊くんが抱きとめるのですが
あれきっと『ゲド戦記』の後半で、アレンとテルーがクモの城でやっていたことを
意識しているんじゃないかなぁと勝手に思っていたりする。
吾朗氏はああいうシーンがお好きな人なのかもしれない。

常に俊くんの隣にいて行動を共にしている水沼くん(眼鏡男子ですよ)の
立ち振る舞いがいちいちかっこ良かったです。
カルチェの件を徳丸社長にアポなし直談判しに行ったシーンで、
秘書さんに「社長は忙しいんです」と言われても
「はい、あらかじめお願いしてはお会いしていただけないと思って押しかけました」って
ぬけぬけと言いきっていて、それが単なるええかっこしではなく
あの年頃の青年特有の冷静さが感じられるというか、頼もしさがあった。
一度決断したらノンストップなあたりは俊くんとそっくりでした。だからいつも一緒にいるのかな。
(ところでCVの風間俊介くんは、岡田くん演じる俊くんと名前が一字違いなので
水沼くんが俊くんの名前を呼ぶシーンは何となくこそばゆい感じがしてしまう)

それから、海ちゃんの友達の女の子(実家が左官屋さんの子)が
カルチェの壁に鮮やかな手つきでしっくいを塗るシーンがあって
「うおーかっこいいなあぁ!」と思いました。
あれは良かった。うむ。
もう一人の友達で、お昼にアンパン食べてた子が歌う「紺色のうねりが」の歌い出しのソロが
初々しさと少しの緊張感があって素敵だった♪
(CVの手嶌葵ちゃんは、今回は自分から出演させて欲しいとオファーを出したそうな)

余談ですが、あの歌の歌詞、何となく古い校歌や寮歌みたいな雰囲気だなぁと思っていたら
「宮沢賢治が母校の学生たちに宛てた『生徒諸君に寄せる』という詩が基になっている」と
MOEの特集記事に書いてあって納得しました。
(さっきググって詩の全文と賢治のノートの記述を見てきたのですが、
生前は数学や農業や自然について学校と自宅畑で熱心に教えていた賢治の
知識の深さと自然への畏怖と生真面目な人柄が感じられて、
何とも彼らしい詩だなぁと思います。
そういえば賢治の生年と没年はどちらも大きな天災が発生した年じゃなかったっけ)

あと、コクリコ荘の下宿人である絵描きの広小路さんのマイペースさに
めちゃくちゃ共感していました。
描きたいときに描いて、一段落したら寝て、また起きて描き始める。わかるわ。
絵ってああいうペースで描きたいよねぇ。。。
「ダメだ。夜描いたから色が出てない」って言ってた描きかけの絵が
エンディングのラストでしっかり完成していたのも良かったです。
(ウンベルト・ボッチョーニの画風が参考になっているのだそうな)
俊くんのお父さんも好き~。背中で語るオヤジでした☆
映画のラストで、海ちゃんを見つめる俊くんに対してパチッとウインクしたのがかわいかったvvv
CVの大森さんがいい仕事をしすぎていると思う。

時代背景は1963年ですが、いわゆる「この時代にはこういうことがあった」とか
そういうのを全面的に出しているわけではなく、
時代背景を特に知らない人もちゃんと観られて
時代を知る人が見ると色々なものが発見できるタイプの映画になっていたのも良かったです。
建物や機械や家具から、学校の休み時間や家族がテレビを見るといった
何気ないシーンに至るまで、
ここぞとばかりに「当時の質感」「当時交わされていたであろう会話」が再現されているあたりは
いかにも「全力で再現してやるぞ!」みたいな制作側の気合いをひしひしと感じた。

カルチェラタンは見た瞬間にジブリ美術館を連想したのですけれど、
映画を観た後に買った『コクリコ坂からビジュアルガイド』にあった吾朗氏へのインタビューで
「白い鬚の人(←笑)が、ここに吹き抜けがあるとか階段があるとか言いに来て
ジブリ美術館みたいだなと思いつつ受け入れて、自分も好き勝手に描いて
美術部にまわしたらそっちでも描き加えてくれて、どんどん過剰になった」という
内容のことが書いてあって、いかにもジブリらしくて大笑いしました。
白い鬚の人も、何だかんだで自分が託したシナリオがどうなっていくのか
気になってたまらなかったのかもしれないとか考えると、もう微笑ましくて仕方ない。

海ちゃんが旗を揚げる理由については、事情が事情であるにも関わらず
そんなに時間を割いて描かれてはいませんでしたけども、
かえってそこが良かったのかなとも思いました。
重いエピソードを重く描くのってそんなに難しくないような気がしますが
短時間でさらりと触れているようで、実はとても重要なことが描き込まれているというのは
ぽつぽつとお話を作っている身としては結構憧れる表現方法だったりします。
海ちゃんが両親の夢を見るシーンは、ああこの子、ものすごく気を張っていたんだな…というのが
たった数分間でじわじわと伝わってきました。
『となりのトトロ』で、サツキがメイとケンカした後におばあちゃんになぐさめられるシーンを
一瞬だけ思い出した。
(ところで海ちゃんのお父さんが言う「大きくなったなぁ」の台詞は
もう本当に色んな思いがこもっている感じがして、聞いた途端に涙腺決壊した)

そんなこんなですっかり満足して映画館を出て
近くのミスドでブルーベリーケーキとテディパンを食べて車で帰ったのですが、
国道沿いのカーステやファミレスの旗が強風に激しくはためいているのが
気になって気になって
(確か台風が接近していた日で、その影響で風が結構強かったのです)
つい目で追ってしまう「航海の安全を祈る病」がわたしの脳内で発動していた。


本当はもっとたくさん好きな箇所があるのですが、
これだけでもあまりに長くなってしまったのでそろそろ止めておきます。
上映が終わってしまうまでに、あと1回くらいは映画館で観ておきたいなぁと思っている。
スポンサーサイト



テーマ : スタジオジブリ    ジャンル : 映画

<<君よ知るや東の国。 | BLOG TOP | いただきましたー!!>>

comment

  1. 2011/08/08(月) 19:37:51 |
  2. URL |
  3. ヘンリー田嶋
  4. [ 編集 ]
こんばんは、
うわあっ!とってもかわいいです(>▽<)!!
でもまだ未見で、コミケ終わってから見ようと思うので続きの文章すっとばしてコメさせて頂いちゃいました!本当にすみません(><;)
でもイラストが素敵なのをお伝えしたかったので・・・、映画観終わったら改めて追記分の記事を拝見させて頂きます(^^;)

Re: タイトルなし

  1. 2011/08/08(月) 23:58:49 |
  2. URL |
  3. ゆさ
  4. [ 編集 ]
> ヘンリー田嶋様

ありがとうございます~☆
ジブリの女の子ってかわいく描くの難しいので…嬉しいですvvv

そんなとんでもない、お忙しい中コメントくださってありがとうございました。
記事は逃げませんので、お時間のあるときにどうぞ~。

コクリコはすごく素敵な映画ですよ~もしご覧になられましたら
語り合いたいです(^▽^)♪
 
 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback




カレンダー

09 | 2023/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

プロフィール

ゆさ

Author:ゆさ
猫に熱烈な愛をそそぐ本の蟲
歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
*twitterにも出没なう。→こちら

初めての方はブログご案内をどうぞ。
当ブログはリンクフリーです(宗教、アダルトサイトは×)。
文章や画像の加工、無断転載は禁止。
版権元の企業や団体とは一切関係ありません。

All Rights Reserved.
No reproduction or republication without written permission.
This blog is written only in Japanese.



にほんブログ村 イラストブログ オリジナルイラストへ
にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ


☆気が向いたらクリックお願いします

FC2カウンター

キリ番踏んだ方、報告いただければイラストのリクエストを受け付けます☆詳細はブログご案内をどうぞ。

「小倉百人一首」

問い合わせ先

月別アーカイブ

検索フォーム

« 2023 10  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード