月のころはさらなり。
中秋の名月ですね~(人*´∀`*)☆
しかも今夜は満月!!
暦の関係上、旧暦八月十五日は必ずしも満月になるとは限りませんが
今年は6年ぶりに中秋の名月が満月になったのだそうです。わーい(*^▽^*)
高すぎず低すぎず、夜空のちょうどいい位置に出てきてくれるこの時期の月は
本当に見応えがあります。
(鎌倉時代あたりに卜部さん家の兼好さんが「月はくまなきを見るものかは」と言っていますが、
このくまなき月のイベントが大好きなゆさは、普段は兼好さんの意見に大賛成しているくせに
「ええと、今日はそんなカタイこと言いっこなしで(笑顔)」とか言いたくなったりもする)
(あと、あの日からまだ半年とか信じられぬ。もう3年くらい経った気がしてる……)
あと、そろそろ秋の虫が鳴き始める頃だなぁと思って
月を見がてら外へ出てみたら、
鈴虫やこおろぎやきりぎりすの声がすでに草むらのあちこちから聞こえていました。
(清少納言が聞いたらキャッキャしそうだなぁ)
日中はまだ暑い日が続きますが、朝晩はやっと涼しくなってきましたね。
このまま秋にならないかなー。
太陽よりも、星よりも、花よりも、昔の人々が歌に詠み込んできたのが月ですね。
勅撰集だけに限ってもいいですが、『万葉集』『古今和歌集』『新古今和歌集』のどれを見ても
月を詠み込んだ歌は太陽や星を詠んだ歌に比べて突出して多く見られます。
(ちなみに『小倉百人一首』には月を詠んだ歌が11首入っている)
歌だけではなく、物語とか、詩とか、俳句とか、絵画とか、童話とか、写真とか
先人の残した月関連の作品を探していると、あまりの量に目が回り出してしまう。
中にはこんな作品を残した人もいます↓
「あかあかや あかあかあかや あかあかや あかあかあかや あかあかや月」明恵高弁
「月月に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月」詠人不知
よっぽど感動したんだなあ。。。
あと、これは特に十五夜と関係ない話ではありますがふと思い出したことを。
「満月」といえば藤原道長の望月歌を思い出す人が多いのではないかと思いますけども。
(子の威子が中宮になった日の饗宴で詠んだというアレです)
実はこの歌は、道長自身が書き残したものではなくて
当時大納言だった藤原実資の日記『小右記』に書き残されたものだったりします。
この席での道長さんはたいへんご機嫌だったらしく、
「今から歌を詠むからオマエさん返歌してよ」とか何とか実資にムチャ振りをして
即興で詠んだのが望月の歌だったそうな。
歌そのものは自信たっぷりでカッコイイのにシチュエーションを知ってしまうと
道長が何ともおちゃめな人に思えてくる。
(ちなみに実資は「すばらしい歌で返歌のしようもありません」とさりげなくかわしている)
また、これも余談になりますけども。
藤原実資は若い頃から「酒は飲んでも飲まれるな」を地でいく男だったようで、
右大将だった頃に道長主催の宴会に呼ばれた時は、お酒をちびちび飲みつつ柱下に寄りかかって
女房たちのかさねの色を観察しているような人だったそうです。
「酔っぱらってるのかなと思って話しかけたら、結構しゃんとしていらして
祝歌を詠まされるのが面倒だったらしいけど、さらりと詠んで済まされた」という内容の文章が
『紫式部日記』に載っていました。
自分では書き残さなかったことを、他の人に書き残されてしまって
自分のあれやこれやが現代まで露呈してしまう、日記魔でメモ魔な平安時代人。
あ~、かわいすぎる。
本日のお絵かき↓
※クリックで大きくなります
塙保己一。本日が命日なので描きたくなりました。
武蔵国児玉郡(現埼玉県本庄市)出身の国学者。ちなみに2011年は彼の没後190年にあたります。
幼い頃に目が見えなくなりましたが、物覚えがよく、国文学の勉強がとても好きで
様々な文献や史料や伝記や系図を調べ上げ、本にまとめて出版していました。
(ヘレン・ケラーは来日時に保己一の研究を管理している温故学会を訪ねているそうな)
菅原道真と『源氏物語』を超尊敬していたらしい。
私事ですが、保己一の編纂した『群書類従』にある小野氏系図には大変お世話になっています(笑)。
彼の小野篁評は色々とぶっとんでいるので、読んでいてとても楽しいです。
篁さんのこと好きなんじゃないかしらと思ってしまう(*^ ^*)。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
しかも今夜は満月!!
暦の関係上、旧暦八月十五日は必ずしも満月になるとは限りませんが
今年は6年ぶりに中秋の名月が満月になったのだそうです。わーい(*^▽^*)
高すぎず低すぎず、夜空のちょうどいい位置に出てきてくれるこの時期の月は
本当に見応えがあります。
(鎌倉時代あたりに卜部さん家の兼好さんが「月はくまなきを見るものかは」と言っていますが、
このくまなき月のイベントが大好きなゆさは、普段は兼好さんの意見に大賛成しているくせに
「ええと、今日はそんなカタイこと言いっこなしで(笑顔)」とか言いたくなったりもする)
(あと、あの日からまだ半年とか信じられぬ。もう3年くらい経った気がしてる……)
あと、そろそろ秋の虫が鳴き始める頃だなぁと思って
月を見がてら外へ出てみたら、
鈴虫やこおろぎやきりぎりすの声がすでに草むらのあちこちから聞こえていました。
(清少納言が聞いたらキャッキャしそうだなぁ)
日中はまだ暑い日が続きますが、朝晩はやっと涼しくなってきましたね。
このまま秋にならないかなー。
太陽よりも、星よりも、花よりも、昔の人々が歌に詠み込んできたのが月ですね。
勅撰集だけに限ってもいいですが、『万葉集』『古今和歌集』『新古今和歌集』のどれを見ても
月を詠み込んだ歌は太陽や星を詠んだ歌に比べて突出して多く見られます。
(ちなみに『小倉百人一首』には月を詠んだ歌が11首入っている)
歌だけではなく、物語とか、詩とか、俳句とか、絵画とか、童話とか、写真とか
先人の残した月関連の作品を探していると、あまりの量に目が回り出してしまう。
中にはこんな作品を残した人もいます↓
「あかあかや あかあかあかや あかあかや あかあかあかや あかあかや月」明恵高弁
「月月に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月」詠人不知
よっぽど感動したんだなあ。。。
あと、これは特に十五夜と関係ない話ではありますがふと思い出したことを。
「満月」といえば藤原道長の望月歌を思い出す人が多いのではないかと思いますけども。
(子の威子が中宮になった日の饗宴で詠んだというアレです)
実はこの歌は、道長自身が書き残したものではなくて
当時大納言だった藤原実資の日記『小右記』に書き残されたものだったりします。
この席での道長さんはたいへんご機嫌だったらしく、
「今から歌を詠むからオマエさん返歌してよ」とか何とか実資にムチャ振りをして
即興で詠んだのが望月の歌だったそうな。
歌そのものは自信たっぷりでカッコイイのにシチュエーションを知ってしまうと
道長が何ともおちゃめな人に思えてくる。
(ちなみに実資は「すばらしい歌で返歌のしようもありません」とさりげなくかわしている)
また、これも余談になりますけども。
藤原実資は若い頃から「酒は飲んでも飲まれるな」を地でいく男だったようで、
右大将だった頃に道長主催の宴会に呼ばれた時は、お酒をちびちび飲みつつ柱下に寄りかかって
女房たちのかさねの色を観察しているような人だったそうです。
「酔っぱらってるのかなと思って話しかけたら、結構しゃんとしていらして
祝歌を詠まされるのが面倒だったらしいけど、さらりと詠んで済まされた」という内容の文章が
『紫式部日記』に載っていました。
自分では書き残さなかったことを、他の人に書き残されてしまって
自分のあれやこれやが現代まで露呈してしまう、日記魔でメモ魔な平安時代人。
あ~、かわいすぎる。
本日のお絵かき↓

塙保己一。本日が命日なので描きたくなりました。
武蔵国児玉郡(現埼玉県本庄市)出身の国学者。ちなみに2011年は彼の没後190年にあたります。
幼い頃に目が見えなくなりましたが、物覚えがよく、国文学の勉強がとても好きで
様々な文献や史料や伝記や系図を調べ上げ、本にまとめて出版していました。
(ヘレン・ケラーは来日時に保己一の研究を管理している温故学会を訪ねているそうな)
菅原道真と『源氏物語』を超尊敬していたらしい。
私事ですが、保己一の編纂した『群書類従』にある小野氏系図には大変お世話になっています(笑)。
彼の小野篁評は色々とぶっとんでいるので、読んでいてとても楽しいです。
篁さんのこと好きなんじゃないかしらと思ってしまう(*^ ^*)。
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Re: タイトルなし
- 2011/09/15(木) 00:59:20 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
月光は日光と違ってほんわかやさしいですから、
月光浴をしていると包み込まれるような気分になりますよね(^ ^)☆
昔の人もこんな気分で月を眺めて、いろいろ感じていたのかなーと。
(日光は日光でお天道様と呼ばれて大切にされてきていますが、
人が月に抱く想いって太陽への想いとはちょっと異なる気がしています)
昔の人も夜型なところがあったみたいですから、
月や星を眺めている時間は結構長かったんじゃないかな…とも思ってます。
勅撰集が編まれた時代の人たちが、月を眺める姿を妄想するのが好きです。
特に満月の夜は明るく感じていたんだろうなぁ…。
現代のわたしたちでも明るく感じますものね。
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