夏の杜へ行く。
先日、実況中継EDO展を観に行った後、時間に余裕があったので池袋へ行って
映画『蛍火の杜へ』を観てきました☆
もともと原作のファンでして、しかもアニメ『夏目友人帳』の大森貴弘氏が監督だから
丁寧な作りの上質なアニメーションなのだろうなー(´▽`)とわくわくして観に行ったら
ほんとに監督やスタッフの細やかな心遣いが随所に見える作品で
とても良かったです♪
単館上映のためか日中のチケットが完売していて、夕方に何とか観ることができました。
以下、ネタバレを大量に含む感想です↓よろしければクリックでどうぞ~。
作中の季節が夏なのですが、その夏の描き方に渾身の力が込められています~☆
強い陽射しとか強烈に鳴くセミの声とか
猛烈な気温の中でも涼しげな沼とか、木々の葉っぱのこすれる音とか
(木の葉が夏の風に揺すられる音って、春の音とも秋の音とも違う独特な音色だと思ってる)
夏を描くことに妥協しないところはさすがに『夏目』のスタッフだなぁと思った。。。
いかにも日本らしい、暑くて湿気の多い夏で
でもいつの間にか終わってしまうというか、ちょっと切ない夏、という雰囲気も素敵でした。
監督も映画パンフレットのインタビューで「もう一つの主人公は"夏"」とおっしゃっているし。
冒頭は蛍がぽかすか殴られているシーンが原作に比べて多かったような気が(^ ^;)。
と思って原作を読み返してみたら原作でも結構殴られていて笑ってしまいました。。
本で読むのと映画で見るのとは、やっぱり印象が少し違うかなあ。
殴るときの「ぽかっ」という音も、映画館で聞くと臨場感があるし。
緑川作品では誰かが誰かをぽかすか殴るのは愛情表現だったりするので
別に違和感があるという訳でもないのですけれど。
(ええと、こう書くといかにも物騒な話と思われてしまうかもですが、全然そんなことはなく
むしろどつき漫才というか、じゃれあっているという雰囲気の「ぽかすか」なので
すごく微笑ましいのです(*^ ^*)。
あ、でも夏目とニャンコ先生の場合はガチでやり合ってることが多いかもな…)
蛍とギンが仲良くなっていく過程もとても丁寧で、急がずゆっくり過ぎずで良かったです。
がんばって2時間にしようとか変に肩肘張ったりせずに
原作の長さに合わせて作ったっぽいのが功を奏したのかもですな。
(この映画は40分程の小品です)
蛍が画面の中をくるくる動き回るのがいとしくてたまらんです。ぎゅ~~ってしたい。
ギンと、板きれや布紐を介して手を繋ぐ様が美しいやら切ないやら。。
「何があってもわたしに触らないでね」ってギンに言ったのは、たぶん蛍の本音なのだろうけど
少しだけ別の本音(触れたいという思い)も混じっているから
あのセリフはすごく心に響くのだよな…。
というか、このお話は登場人物の心の動きが、鮮やかすぎるくらい手に見て取れるなぁと思います。
ギンに「飛びつけばいい。本望だ」って言われとき、蛍は無言だったけど
何を思ったのかは刻銘に伝わってきますし、ね。
ギンも最初は、小さな蛍に振り回されている感があるので
走った後で息を切らせてしまったりとか、割とヘタレっぽい部分もありましたけど
蛍が成長とともに落ち着いてくるのに従って彼も落ち着いていくのが
原作を読んでいたときもいいなぁ~と思っていて、映画でもいいなぁ~って思いました。
(ギンが膝を曲げて座るときの独特なポーズがすごく好きだ)
後半の、妖怪たちのお祭シーンで「デートなんですネー」と言ったときの口調が
何だかおちゃめさんっぽくて素敵でした(^ ^)声優さんいい仕事してる…。
ラストでギンが消えるシーンは彼を包む緑の光が本当に美しく、
申し分のない素晴らしい出来だったと思います。
原作読んで知っているラストのはずなのに涙腺決壊して、化粧落ちまくりでした。
うあーこれは泣きます。。。
「来い蛍」って言ったギンは、何というか、「ものすごく嬉しい!!」っていうのではなく
最後まで淡々とした笑顔と声で蛍を呼ぶんだけど、かえってそれがすごくギンらしくて
あぁ彼の喜びの表現って穏やかだなぁと思いました。
蛍も子どもの頃とは違って成長していますから、
ギンに「飛びつく」のではなく「抱きしめる」子になっていて
最後にギンの着物を抱えて立つ姿がとても大人っぽく見えた。
(これがもし子どもの頃の蛍だったら、ギンを失って号泣していたのかもしれない)
ギンを取り巻く妖怪さんたちもキュートです~。
川越のヤナみたいな、霧っぽい一つ目さんにときめいてしまいました。
ふわふわして柔らかそうな感じ…と思っていたら狐に戻ってしまってあれぇと思ったけど(^ ^;)。
ブナの手の妖怪さんはヌルリとした存在感がぞくっとしていいです。
ギンが赤ちゃんの自分を回想するシーンで、妖怪たちが赤ちゃんギンをあやすときの小道具が
ギンが普段からつけている狐面だった、という映画独自の設定は
意外といえば意外でしたが、面白かったです。
妖怪たちがギンを子どものように大切にする理由に説得力が生まれたなぁと思いました。
エンディングに流れる、おおたか静流さんのしっとりした歌がまたよいですな~(^ ^)♪
『夏目』といい『蛍火』といい、大森氏の選曲のセンスは絶妙だと思う。
全体的に爽やかで切ない感じの、清涼飲料水みたいな映画でした☆
DVD出たら買うよ!!
映画『蛍火の杜へ』を観てきました☆
もともと原作のファンでして、しかもアニメ『夏目友人帳』の大森貴弘氏が監督だから
丁寧な作りの上質なアニメーションなのだろうなー(´▽`)とわくわくして観に行ったら
ほんとに監督やスタッフの細やかな心遣いが随所に見える作品で
とても良かったです♪
単館上映のためか日中のチケットが完売していて、夕方に何とか観ることができました。
以下、ネタバレを大量に含む感想です↓よろしければクリックでどうぞ~。
作中の季節が夏なのですが、その夏の描き方に渾身の力が込められています~☆
強い陽射しとか強烈に鳴くセミの声とか
猛烈な気温の中でも涼しげな沼とか、木々の葉っぱのこすれる音とか
(木の葉が夏の風に揺すられる音って、春の音とも秋の音とも違う独特な音色だと思ってる)
夏を描くことに妥協しないところはさすがに『夏目』のスタッフだなぁと思った。。。
いかにも日本らしい、暑くて湿気の多い夏で
でもいつの間にか終わってしまうというか、ちょっと切ない夏、という雰囲気も素敵でした。
監督も映画パンフレットのインタビューで「もう一つの主人公は"夏"」とおっしゃっているし。
冒頭は蛍がぽかすか殴られているシーンが原作に比べて多かったような気が(^ ^;)。
と思って原作を読み返してみたら原作でも結構殴られていて笑ってしまいました。。
本で読むのと映画で見るのとは、やっぱり印象が少し違うかなあ。
殴るときの「ぽかっ」という音も、映画館で聞くと臨場感があるし。
緑川作品では誰かが誰かをぽかすか殴るのは愛情表現だったりするので
別に違和感があるという訳でもないのですけれど。
(ええと、こう書くといかにも物騒な話と思われてしまうかもですが、全然そんなことはなく
むしろどつき漫才というか、じゃれあっているという雰囲気の「ぽかすか」なので
すごく微笑ましいのです(*^ ^*)。
あ、でも夏目とニャンコ先生の場合はガチでやり合ってることが多いかもな…)
蛍とギンが仲良くなっていく過程もとても丁寧で、急がずゆっくり過ぎずで良かったです。
がんばって2時間にしようとか変に肩肘張ったりせずに
原作の長さに合わせて作ったっぽいのが功を奏したのかもですな。
(この映画は40分程の小品です)
蛍が画面の中をくるくる動き回るのがいとしくてたまらんです。ぎゅ~~ってしたい。
ギンと、板きれや布紐を介して手を繋ぐ様が美しいやら切ないやら。。
「何があってもわたしに触らないでね」ってギンに言ったのは、たぶん蛍の本音なのだろうけど
少しだけ別の本音(触れたいという思い)も混じっているから
あのセリフはすごく心に響くのだよな…。
というか、このお話は登場人物の心の動きが、鮮やかすぎるくらい手に見て取れるなぁと思います。
ギンに「飛びつけばいい。本望だ」って言われとき、蛍は無言だったけど
何を思ったのかは刻銘に伝わってきますし、ね。
ギンも最初は、小さな蛍に振り回されている感があるので
走った後で息を切らせてしまったりとか、割とヘタレっぽい部分もありましたけど
蛍が成長とともに落ち着いてくるのに従って彼も落ち着いていくのが
原作を読んでいたときもいいなぁ~と思っていて、映画でもいいなぁ~って思いました。
(ギンが膝を曲げて座るときの独特なポーズがすごく好きだ)
後半の、妖怪たちのお祭シーンで「デートなんですネー」と言ったときの口調が
何だかおちゃめさんっぽくて素敵でした(^ ^)声優さんいい仕事してる…。
ラストでギンが消えるシーンは彼を包む緑の光が本当に美しく、
申し分のない素晴らしい出来だったと思います。
原作読んで知っているラストのはずなのに涙腺決壊して、化粧落ちまくりでした。
うあーこれは泣きます。。。
「来い蛍」って言ったギンは、何というか、「ものすごく嬉しい!!」っていうのではなく
最後まで淡々とした笑顔と声で蛍を呼ぶんだけど、かえってそれがすごくギンらしくて
あぁ彼の喜びの表現って穏やかだなぁと思いました。
蛍も子どもの頃とは違って成長していますから、
ギンに「飛びつく」のではなく「抱きしめる」子になっていて
最後にギンの着物を抱えて立つ姿がとても大人っぽく見えた。
(これがもし子どもの頃の蛍だったら、ギンを失って号泣していたのかもしれない)
ギンを取り巻く妖怪さんたちもキュートです~。
川越のヤナみたいな、霧っぽい一つ目さんにときめいてしまいました。
ふわふわして柔らかそうな感じ…と思っていたら狐に戻ってしまってあれぇと思ったけど(^ ^;)。
ブナの手の妖怪さんはヌルリとした存在感がぞくっとしていいです。
ギンが赤ちゃんの自分を回想するシーンで、妖怪たちが赤ちゃんギンをあやすときの小道具が
ギンが普段からつけている狐面だった、という映画独自の設定は
意外といえば意外でしたが、面白かったです。
妖怪たちがギンを子どものように大切にする理由に説得力が生まれたなぁと思いました。
エンディングに流れる、おおたか静流さんのしっとりした歌がまたよいですな~(^ ^)♪
『夏目』といい『蛍火』といい、大森氏の選曲のセンスは絶妙だと思う。
全体的に爽やかで切ない感じの、清涼飲料水みたいな映画でした☆
DVD出たら買うよ!!
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お早うございます。 会社から命からがら帰ってまいりました…。というのも、スクーターがバースト起こしてしまいまして、死にかけました(>_<)。バイク屋さんが開く迄時間があるので、またも書き込みさせて頂きます
ね…。(しつこくて済みません…)
私は蛍火の杜という作品を全く知らないので
(夏目も見ろと友人に勧められているのですが…)感想は書けないのですが、ゆささんの文章はイメージが湧きやすくて好きです♡ どうしてそんなにコトバが上手なのですか?コトバの表現の上手い方が、とても羨ましいです。 そして疑問に思います…。 いつ寝てるんですか?? 2~3日に一度ブログを書いて、しかもこんなに長い文章を考えて打つのだって時間がかかりますよね!? 書き込み書くのでさえ1時間強かかる私にはとても信じられないです、ムリです! ゆささんって一体……(-_-;)
ね…。(しつこくて済みません…)
私は蛍火の杜という作品を全く知らないので
(夏目も見ろと友人に勧められているのですが…)感想は書けないのですが、ゆささんの文章はイメージが湧きやすくて好きです♡ どうしてそんなにコトバが上手なのですか?コトバの表現の上手い方が、とても羨ましいです。 そして疑問に思います…。 いつ寝てるんですか?? 2~3日に一度ブログを書いて、しかもこんなに長い文章を考えて打つのだって時間がかかりますよね!? 書き込み書くのでさえ1時間強かかる私にはとても信じられないです、ムリです! ゆささんって一体……(-_-;)
Re: タイトルなし
- 2011/09/23(金) 23:26:06 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
だ、大丈夫でしたか~~!?
おけがありませんか??来てくださるのは嬉しいですが、あの、くれぐれも無理なさらないでくださいね~。
『蛍火の杜へ』も『夏目』も素敵なマンガですよ(^ ^)。おすすめです。
機会がありましたらチェックしてみてください☆
> コトバの表現
……(゚Д゚)ポカーン……。
ひゃ~~そんな、嬉しいです光栄でございますっうひゃー!!
え、いつ寝てると言われましても、夜は寝てますよ??(^ ^;)
生まれてこのかた徹夜というものをしたことがないです。
ってか、したら次の日は使い物にならない子デス…。
えーと、そうですね。わたし、文章を書くのにすごく時間がかかります。。。
ブログ書くときもああでこうでと考えて打つので、更新がいつも深夜になるし(笑)。
パッとまとめてパッと打てる人にものすごく憧れます~。
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