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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


オリエンタル・ライブラリー。

  1. 2011/11/27(日) 23:51:39_
  2. 文化・美術
  3. _ tb:0
  4. _ comment:8
ぴかぴかの文蔵☆
すでにリニューアルオープンから1ヶ月経ってしまったということに気づいて、
昨日大慌てで東洋文庫ミュージアムに行ってきました。

四角四面な外観から文庫っぽさが醸し出されていて、入る前からテンションアップアップ!
内容も期待を裏切らない、すばらしいものでした。とにかく、とにかく楽しかった…!

↓以下、長いので収納しています。クリックで開閉しますのでどうぞ~♪ヽ(*´w`*)ノ
 
 
 
館内はフラッシュを焚かなければ基本的に写真撮影OKなので、
いっぱい撮ってきてしまいました☆ほくほく。

明るい館内。
入ってすぐの部屋、オリエントホール。
到着がお昼過ぎだったので、真上からの陽光が館内いっぱいに溢れていました。
展示ケース内には『ロビンソン・クルーソー漂流記』『国富論』『千一夜物語』『ラーマヤーナ』
『水滸伝』『新井白石遺書』など、様々な言語で書かれた古書がズラーーッと並んでいます☆
そのほとんどが100~400年以上前の本で、初版もいくつかありました。
古びた装丁や黄ばんだページや一昔前の写植デザインが、書物が経てきた歳月を感じさせて
何だかとてもしみじみとした気持ちになりました。
『東インド航海記』のキャプションに「さまよわないオランダ人」って書いてあって笑った。
『ルバイヤート』の四行詩が、文字が本に対して斜めに書かれていて面白いです。
写植は英語の筆記体に近い感じかな…いやペルシア語だから読めないけど(笑)。
ジョン万次郎のアメリカ滞在聞き書き集『難船人帰朝記事』は
アルファベット26文字を紹介するページが開かれていたのですが、
下にカタカナで「エイ」「ビイ」などとルビがふってありました。
これを読んで「ほうこれがイングリッシュというものか」とか考えた人もいたのかな…わくわく。

読んじゃうよ。
階段下にあった地球儀と本たち。別名「ご自由にお読みください」コーナーです♪
ここにも様々な言語の本や雑誌が並べられていました。
明恵の歌の論集があったので読んでみたら、四角い字ばかりで面白かったです。
巻物もあって「えっこれ読んでいいの…!?」と思って紐解いたら複製でした…。
うんそうだよね。
それにしても巻物をスルスル広げていくときのわくわく感って一体どう表現したらいいんだろう。

本の壁!
モリソン文庫~☆
写真の中の人と比べて見ていただくとこの本棚の大きさがある程度わかるかと思いますが、
壁の三方が、天井まで、ぜ~~んぶ本棚です!圧巻です!!
ふおおぉぉハーンの書簡とかアジアの鳥図鑑とか金魚の絵本とか
光悦が無駄に本気出してプロデュースしたらしい『徒然草』とかいっぱいある~~~!
いやもう、この光景を前にして一体何を言えばいいのマジですごすぎます。
この本棚の前に立ちたくてここに来たと言っても過言ではないので
万感の思いを込めて見上げてきましたとも…!
たまらんです。満足です。おかあさんわたし生きてて良かった。
全世界の本好き、というか「古書が好き」「本棚が好き」「背表紙が好き」「本の装丁が好き」
「書庫の暗さが好き」な人は今すぐここに集合っ!!

背表紙の文字が全然読めないけど幸せだからいいの。
本棚の前を歩きながら、何となくアレクサンドリア図書館っぽいなぁと思っていたら
このミュージアムの設計者はかの図書館を見学したことのある人だそうで、
しかも東洋文庫はかの図書館と協定を結んでいるのだそうな。
なるほど納得…。

世界一有名なマルコって聖人よりもこの人だろうか…。
各国語で書かれた『東方見聞録』コレクション。
「すべて東方見聞録です」という注意書が無駄にツボでした(笑)。
そうかー世界中の人があの本を読んでいたのだな…。
イタリアとかフランスの版がやっぱりオシャレです。装丁家のデザインセンスを感じる。

続いて北斎の「諸国滝廻り」の錦絵がありました。複製とオリジナルがいくつか。
浮世絵の展示は、保存状態を考慮し短期間で入れ替わるそうで、
これからもかなりの数の浮世絵が展示される予定だとか。うわーこまめにチェックしとこ!
あと、司馬遷の『史記』もありました。
東洋文庫が所蔵しているのは平安時代後期の写本で、国宝に指定されています☆
展示されていたのは「秦本紀」で、春秋戦国時代を経て秦の政が「始皇帝」を名乗るところが
記されています。
ちなみにこの写本の冒頭には何故か「高山寺」の印が押してあります。
これってつまり、時期的に明恵が読んでいてもおかしくないのか…そうなのか…!?
それから、ジョージ・チネリーが描いたマカオの風景画がとてもステキでした。
山間部や港などののどかな風景が淡い水彩で描かれています。
絵の中の空気がやさしい~(*´∀`*)。

入った瞬間思わず「わあ!」って声出た。
回顧の道。洞窟とか鍾乳洞に入り込んだみたいな気分になれます。
展示ケースの中は「甲骨卜辞片」「百万塔陀羅尼」などの、大昔の漢字が記されたものたち。
床のクレバスエフェクトを歩くときにいちいち落っこちそうな錯覚に陥ります。
なんか吸い込まれそう。

きらぴか装丁。
ディスカバリールームにあったマリー・アントワネット所蔵の「イエズス会士書簡集」。
真っ赤な表紙にブルボン家のユリがデザインされていました。
そして下の展示ケースには、旅行トランクのように巨大な聖書が!
ルターがドイツ語に翻訳して出版したものだそうです。金の留め具までついててスゴイ豪華。
あと、個人的にびっくりしたのが『日本の花束』。
カルディンという人が日本の宣教について書いた本なのですが、挿絵が高山右近でした!
キャプションに1646年の出版と書いてあったけど、右近いつ描いてたんだろ…日本を出た後かな。

くるりと回れ右をすると、中国の歴史展示がありまして、
アヘン戦争にてネメシス号(すごい名前…)が中国船を砲撃する図が真っ先に目に入ってきました。
歴史の資料集などにも載っている、「アヘン戦争といえばこれ」という絵ですな。
結構大きいですが、画家のダンカンは実際にあの戦争を目撃したわけではなく、
後から聞いて想像して描いた絵だということです。
あと、今年が辛亥革命から100年ということで、孫文に関する企画展示もありました。
それから『解体新書』と『ターヘルアナトミア』も展示されていたのですが、
この2書について解説したミニ映像に出てきた玄白や良沢が、ものすごくコミカルで
男子高校生みたいなノリになっていたのがおかしかったです(笑)。
原書の絵解きをしつつ、わかるところから翻訳していったというエピソードは
確か『蘭学事始』にあったと思うけど、そうかぁこんなノリだったとしたら萌えるな。
そして小田野直武の名前が出てきたのがめっちゃ嬉しかったー☆

明るい☆
ミュージアムを出てレストランへ続く道。
アジアの人たちの名言が原語で刻まれたパネルが並んでいます。

右と左どっちから読むんだっけ。
ペルシア語で書かれた「知は力なり」の文字。

ミュージアムレストラン「オリエントカフェ」では遅めのランチをいただきました。
本日のカレーも、デザートのオレンジシャーベットも超おいしかった☆
座ったのがカウンター席だったのですが、側に大きな地球儀があったので
ついいじってしまった。。。

お腹がいっぱいになった後はミュージアムショップでお買い物です。
いやもう、まったく、美術館や博物館でのお買い物ってどうしてこんなに楽しいんだろ…!
『東京人』の東洋文庫特集号と、ベトナムのチャイ族の人たちの手作りブックカバーが
かわいくて気に入ったので買いました。
なぜか大英博物館のグッズもあって、ロゼッタストーンマグカップをあやうく買いそうになった。
オリジナルデザインのマウスパッドを買おうかどうしようか迷って結局買わなかったのですが
やっぱり買ってくれば良かったかなぁ。黒一色のスタイリッシュないいデザインでしたので。

あ、そうそう、東洋文庫とNIIが公開している「遷画」でも遊んできました☆
シルクロードに関する絵画や仏像などの画像データを好きに選んで「ツアー」を作って
スライドショーみたいにまとめて見られるようにできるシステムです。
ゆさが作ったのはこれ→「oriental patterns
入口のカウンターで絵はがきとして印刷していただきました。ステキ来館記念☆
画像ツアーはサイト「遷画」で、誰でも作ることができます。興味ある方はどうぞ。
結構ハマリますよ(^∀^)。

本と本棚に浸れるミュージアム、なかなかの穴場だと思うので、
興味のある方はぜひ行ってみてください。そんなに広くないし、のんびりできますよ♪

シーボルト・ガルテンにあったロゴ。



読書なう。
帰りに池袋に寄ったら、西武の入口でサンタとトナカイが絵本を読んでいました。
眼鏡をかけているのがポイントですね。
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comment

  1. 2011/11/28(月) 17:53:01 |
  2. URL |
  3. なぎ
  4. [ 編集 ]
今日はゆささん……。
…今回のブログは、読んではいけないものを読んでしまった気がする……。
図書館とか古本屋って、私にとって鬼門なんですよ………。
もーっっっ!見たら行きたくなる!入り浸りたくなる!買いたくなるじゃないですかぁぁぁぁぁっっ!!
本の虫ではないですけど、歴史物や美術書とか、特に古文書なんてもうバカみたいに貪り読むわ、買っちまうわで散財するから努めて
行かないようにしているのにぃぃぃっ(T_T)
行きたくても我慢して国会図書館と公文書館と史料編纂室だけで落ち着かせていたのにっ、もーっっゆささんってば、ツボ(っていうか秘孔)グッサリ突き刺し過ぎですよーっ(~_~;)
あああああ、もー行きたくてたまらないっ! イヤっ、行ったらまた万札が飛ぶーっ《゚Д゚》 落ち着けワタシーっっっ!!
ゆささんのブログには「誘惑」という名の妖精が潜んでいる……キケンだわ………(-_-;)

Re: タイトルなし

  1. 2011/11/28(月) 23:27:47 |
  2. URL |
  3. ゆさ
  4. [ 編集 ]
> なぎ様

図書館や本屋さんって楽しいですよね☆
わたしも行く時は覚悟して行かないと、あっという間に数時間が経ったり
いっぱい買ったりしてしまいます。鬼門です…!(笑)
東洋文庫は本好きにはたまらない場所だと思います。時間がありましたら行ってみてくださいね。

古文書には悠久の時間が感じられますよね(*^ ^*)。
老賢者の側にいるような安心感があると思います。はぁ~たまりません☆

ブラボー

  1. 2011/11/29(火) 22:04:47 |
  2. URL |
  3. はなさかすーさん
  4. [ 編集 ]
ゆささん、こんばんは^^

東洋文庫ミュージアム、すごいですねー。
新名所、これは楽しめそうです。あのー、遷画で遊んじゃいました。
結構面白いですね。ところで、何処にあるのでしょうか?
他の方にも紹介したくなります^^

Re: ブラボー

  1. 2011/11/30(水) 00:53:21 |
  2. URL |
  3. ゆさ
  4. [ 編集 ]
> はなさかすーさん様

すごいですよー!!何というか、力の入れ方とお金の使い方がすごいです(笑)。。
ぜひぜひ行ってみてください☆

遷画、遊んじゃいますよね!
色んな画像を見てるだけで楽しいです(*^∀^*)。
ミュージアムのエントランスにお願いすると、ツアーを絵はがきに無料で印刷してくれますよ。

東洋文庫は駒込にあります。六義園のすぐ側ですので駅から歩いて4~5分かな。
館内は広くて、比較的ゆったり見られます。
カフェのごはんも美味しいです~☆

  1. 2011/11/30(水) 10:42:45 |
  2. URL |
  3. 綾瀬
  4. [ 編集 ]
しまった。。にわかに日本に帰りたくなってしまいました。
ホームシックはないんですが(ないんかいっ!)、本だけは、日本語の本だけは恋しいっ!
帰国したら訪れねばっ!

Re: タイトルなし

  1. 2011/11/30(水) 23:24:42 |
  2. URL |
  3. ゆさ
  4. [ 編集 ]
> 綾瀬様

滞在先が楽しいなら何よりではありませんか(^ ^)。
それだけ、そちらはすばらしい国なのでしょうね…!行ってみたいっ☆

東洋文庫めちゃめちゃ楽しいですよー♪
静かだし、館内きれいだし、何より本がいっぱいあるし!
本が好きな人ならきっと楽しめると思いますvvv戻られたらぜひぜひ☆

  1. 2011/12/01(木) 07:52:38 |
  2. URL |
  3. ふぐ
  4. [ 編集 ]
記事のレパートリーが広くてビックリしましたf^_^;

東インド航海記がツボにはまりました(笑) 原書に「さまよわないオランダ人(ここ笑う所)」とか書いてそうです。ワーグナーも困っちゃいますね。

高山右近は追放される前、放浪してそうに見えて前田利長に仕えてたりするので、日本を出た後でしょうね。しかし挿し絵も描いてたとは驚きました…(-.-;)

Re: タイトルなし

  1. 2011/12/02(金) 01:11:32 |
  2. URL |
  3. ゆさ
  4. [ 編集 ]
> ふぐ様

いえとんでもないです~~(^ ^;)
好きなものがありすぎて節操なしなのです…(笑)。

> さまよわないオランダ人
笑えましたvvv
ミュージアムの人たちの自由なはっちゃけっぷりが清々しいです(笑)。
ワーグナーがお墓の中でのたうち回りそうですね。

右近の挿絵はわたしもびっくりでした~。
まさかこんなところで彼に会えるとは思いませんでした。
結構うまく描かれてますよ☆
 
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