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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


コトバダイブとアートダイブ。

  1. 2012/01/22(日) 23:45:47_
  2. 一般書
  3. _ tb:0
  4. _ comment:6
三浦しをんさんの『舟を編む』を読んで、
おととしの国民読書年スローガンみたいにコトバダイブしたくなったゆさです、こんばんは。
この本はわたしの周囲でも読んでいる人が何人かいて、なかなか評判も良かったので
とても楽しみだったのですが、
いざ読み始めると、少しずつ読むつもりだったのに結局一気に読んでしまいました。はあぁあ。
(*´▽`*)=3

『大渡海』というタイトルの辞書を編集する出版社の人たちの悲喜交々を書いた小説で、
仕事でわくわくしたり、びっくりしたり、トラブってあたふたしたりする日常が
テンポの良い文章で綴られています。
登場人物それぞれの辞書に対する思いがみんなバラバラで面白くてたまらん。
編集や執筆者、監修、広報、装幀など、それぞれの立場から見た辞書づくりの仕事や思いが
多角的な視点で書かれているのも好感が持てました。
仕事の途中で意見がぶつかったり、文句を言い合ったりしても
「基本的にはみんないい仕事をしたい」というコンセプトなのも良いです。
装幀を手がける赤シャツさん(not坊っちゃん登場人物)が
馬締さんに装幀デザインを見せる場面であっと思って本を閉じてほわああぁぁってなった。
こういう演出好きです。『はてしない物語』みたい…!!
『舟を編む』というタイトルもいいなぁと思いました。
辞書を舟にたとえて、言葉を集めて、編んでいくというのがステキです。
(そういえば編集という文字は「集めて、編む」と書くのですな)
そしてトラさんとトラオさんにはぜひともうちに来ていただきたいものだ。


あと『乙女の日本史』シリーズの第3弾『乙女の美術史』も
ぼちぼち読み始めています。
冒頭の興福寺阿修羅像の章から、いきなり「お父さんは心配性」ネタを引っ張ってきていて
最初からノンストップ解説なのは変わってないのねって思えて
何だかホッとしました。。。
(ぶっとんだ例え話をしながら冷静に歴史を紹介する、というコンセプトが
このシリーズ本のいいところだと思う)
仏像にセクシュアリティがあるのかないのか的な記述に関しては、
長年わたしが仏像に対して感じていたことを言葉にしていただいたというか、
仏像って性別がどうとかじゃなく、両性具有とか性を超越したとかいう存在でもなくて
はじめからそういうことからフリーな存在なのだ…というのをunlearnさせてもらった感じです。
(明らかに性を意識して作られたものは、また別としてね)
仏像の頭身について書かれた部分で、仏像の理想の頭身数が七頭身であることについて
ウルトラマンをデザインした成田亨氏の言葉が紹介されていて、ちょっとびっくりした。。
成田氏は「七頭身が人間の体で一番美しいプロポーション」とおっしゃっていて、
それは日本のほとんどの仏像にあてはまるのだそうな。
ウルトラマンの顔が能面とアルカイック・スマイルを合わせて作られているというのも
「あーなるほど!」とか思えたりしました。

絵師たちのぶっとんだ紹介も面白いです~☆
雪舟のおじさんの俗っぽさを、こんなにあられもなく書いてしまっていいのだろうか…(^ ^;)。
(いや研究者の人たちには周知の事実だろうから、いいのかもしれないんだけど)
琳派の人たちのイラストがとりあえずすごいです。おかっぱの俵屋宗達に萌えた。
彼らの絵を「パソコンで作成したファイルのような滑らかなクールさ」と表現しているのは
言い得て妙だなぁと思いましたが、
光琳の風神雷神と、それを模写した抱一の風神雷神の差を
『アルプスの少女ハイジ』と『低燃費少女ハイジ』に例えているのって
世界中を探してもこの本しかないように思います(笑)。なにこれ。いや、笑ったけどさ。
そして、菱川師宣と鈴木春信が萌え絵師と表記されている本はいくつも見てきましたけれど
この本も例外ではないようです(笑)。
いやー改めて見ると日本の絵師ってレジェンドだらけだ…。

あと運慶・快慶の章が面白かったです。
彼らの仏像を「美青年としての仏様」と言いきっているのは「うん確かに」と同意してしまった。
東大寺南大門の金剛力士像はコワモテのマッチョマンですが、文句なしに美しいと思う。
両目が水晶でできていることも影響しているかもしれません。
というか、東大寺に収められている運慶たちの作品は
色んな意味で(大きいとかマッチョだとか、そういうのも含めて)
ものすごいエネルギーが込められているような気がします。
その理由がきっと、この本にも書かれていた南都焼き討ちなんだろうな…。
「平重衡が父の清盛に命じられて奈良を焼いたとき、興福寺にいた運慶と快慶は
奈良の町も興福寺も東大寺も大仏も焼けてしまう大被害を目の前で見ているはず」との記述を見て
平家物語の奈良炎上の章にある「春日の大明神いかなる事をかおぼしけん」の記述を
一瞬だけ思い出した。

そして非常にどうでもいいことですが、
人が平家物語を読んでいる隣で「ひらや物語(ひらや:平家の訓読み)また読んでんの」とか何とか
ちゃち入れてくるのやめれ我が父よ。
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テーマ : 読んだ本の紹介    ジャンル : 本・雑誌

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comment

  1. 2012/01/23(月) 23:15:08 |
  2. URL |
  3. 花舞小枝の春
  4. [ 編集 ]
こんばんはです・v・
『舟を編む』……ふふ、ほんとそんな感じですねーーー*^^*

『乙女の日本史』おもしろそうですね!!
そんな感じのものだったのですか……今度チェックしてみます♪
仏像好きの友人にも紹介してみます^^

Re: タイトルなし

  1. 2012/01/24(火) 00:03:06 |
  2. URL |
  3. ゆさ
  4. [ 編集 ]
> 春様

こんばんは♪

> 『舟を編む』
ご同意ありがとうございます~☆
いい本ですよね!
一気に読んでしまいましたが、読み終わるのがもったいないくらい楽しかったです。
もう1回読み返したいと思ってます(^w^)v

> 『乙女の日本史』
ちょっと癖のある本ですが、ぶっとび具合がすごくていっそ清々しいです(笑)。
電車の中では読まないことをおすすめします。
仏像好きのお友達がいらっしゃるのですかーーそれはぜひ紹介して差し上げてください♪
色んな意味で仏像を見る目が変わります(笑)。

  1. 2012/01/24(火) 13:39:40 |
  2. URL |
  3. 水聖
  4. [ 編集 ]
ゆささんのブログで、いろいろと今まで知らなかった世界を知ることが出来てとても楽しいです。
「読んでみたい!」と思わせる書評です。
まさか仏像とウルトラマンに共通点があるなんて(゚д゚)!
今度変身シーン出てきたら思わず拝んでしまいそうです(^=^;

乙女

  1. 2012/01/24(火) 19:12:00 |
  2. URL |
  3. はなさかすーさん
  4. [ 編集 ]
ゆささん、こんばんは^^

ゆささんの読書量もすごいですが、古き日本をこよなく愛していることが窺えます。

「乙女」なんていう言葉も懐かしい響きがありますね。
東寺の帝釈天は、イケメンとして人気があるようです。
運慶も快慶もいい仕事をしましたよね。イメージと技。

お父さんのこと微笑んでしまいました。
ゆささん、まだ乙女でしょ?

Re: タイトルなし

  1. 2012/01/24(火) 23:59:40 |
  2. URL |
  3. ゆさ
  4. [ 編集 ]
> 水聖様

ぎゃん!!ありがとうございます。
いつも好き勝手なことしか書いてないのに(^ ^;)、読みたいと思っていただけたなら本望です。

> 仏像とウルトラマンに共通点
すごいですよね!
読んでたらいきなり「ウルトラマンをデザインした成田亨が~」とか出てくるんですもん、びっくりどころじゃないです(笑)。
どこにどんな繋がりがあるか、わからないものですね。。。

成田氏はウルトラマンを、見る角度や陰影によって様々な表情を表すようにデザインしたそうです。
今度見るときはその辺りを意識して見てみようかなぁと思います~(*^ ^*)

Re: 乙女

  1. 2012/01/25(水) 00:04:38 |
  2. URL |
  3. ゆさ
  4. [ 編集 ]
> はなさかすーさん様

ありがとうございます~☆
読書は電車の中とかでしています。暇なので(笑)。
洋書も好きですが、つい手に取ってしまうのは和書ですね。。

> 東寺の帝釈天
ですね!
去年の「空海と密教美術展」で、帝釈天像の周囲にいた女子大生たちが
「イケメンだよね」「イケメンだよね」とか言いまくってて
すごいモテモテっぷりでした♪

> 運慶快慶
歴史を彼らの視点で見るとまた面白いだろうなぁと思います。

うちの父は何かとちゃち入れるのが好きな人だったりします。
勤め先の小学校でも子どもたちをからかって遊んでるらしいです。大人げない大人です(笑)。
 
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