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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


光のとおり道。

  1. 2012/06/11(月) 23:35:01_
  2. 徒然写真
  3. _ tb:0
  4. _ comment:2
近所の川に蛍狩りに行っています。
今年の6月は雨が多くて涼しい日が続いているので、去年よりちょっと少ないのですけど
それでも20匹くらい飛んでいてホッとしました。
手を伸ばしたら指先にとまってくれてかわいかった☆
発光部分が触れるとほんのり温かいです。「蛍火」とはよく言ったものだなーと思う。
英語だとFireflyといいますが、こちらも火の連想なのですねぇ。面白いです。

月と蛍。
天気のいい日に撮ったものですが、今になってみるとものすごく
「夏は夜。月のころはさらなり。闇もなを、ほたるの多くとびちがひたる。又、ただ一二などほのかにうちひかりて行くもをかし」(『枕草子』一段)
みたいな世界だったなという気がする。

ふよふよ。
2日前。この日は風もないのに高く飛んでいました。数も多くて明るかった。


今日。なんかミカヅキモみたいな航跡が撮れました。
運がいいときは日本列島みたいなのが撮れたりするんだけど。

もっと気温が上がるとたくさん飛ぶようになるのですが、今年はこんなもんかなぁ。
来年も楽しみです。


杉本苑子さんの『散華』で、紫式部こと小市と姉の大市が暗闇の部屋に蛍をパッと放って
乱れ髪の幽霊のふりをした大市の姿を浮かび上がらせて
夜な夜な忍んできた藤原宣孝をからかう場面がありますけど、
あれは源氏物語を読んだ人ならニヤリとするんじゃないかと(笑)。
源氏が蛍を使って玉鬘の姿を照らし出す場面のパロディですね。
本編の印象的なシーンをあえて姉妹の遊びのシーンに持ってくるあたりは
杉本さんのユーモアセンスが光っているなぁと思う。
(実際に物語を書き始めた式部が「あっあのエピ使えるんじゃね」って思い出したりもしてるし)

昔の人の、あかりに対する思いのハンパなさが好きです。
太陽が沈んだあとの闇夜をどう楽しむか。
月に星に蝋燭に蛍。とにかく何かを見つけて楽しんで、天気が悪くて楽しめないなら寝ちゃう、
そんな潔さが好きです。


「蛍この星を舞い上がれ 遠く近く照らして踊れ その一瞬が永遠だと 貴方は教えてくれたひと」
(鬼束ちひろ『蛍』)
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テーマ : 生き物の写真    ジャンル : 写真

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comment

NoTitle

  1. 2012/06/13(水) 11:01:54 |
  2. URL |
  3. TOM-F
  4. [ 編集 ]
素敵な記事ですね。

私も最近、とある場所で蛍を見てきました。
そこは田舎で、ほんとうに真っ暗ななかに、蛍が飛び交っていて、月並みな表現だけれど幻想的な光景でした。

同じ蛍を扱っていても、枕草子はインテリジェンスを、源氏物語はロマンティシズム(&ちょこっとエロティシズム)を感じますね。

でも、蛍は、やはり「儚さ」かなぁ。

「突然舞い上がる 風の篝火が 二人の物語に 静かに幕を引く ふりしきる雪の様な 蛍・蛍・蛍…」(さだまさし・『風の篝火』

Re: NoTitle

  1. 2012/06/14(木) 01:38:53 |
  2. URL |
  3. ゆさ
  4. [ 編集 ]
> TOM-F様

ありがとうございます☆

蛍は真っ暗な中で見るのがいいですよね。
光が弱くてやさしいから、周囲が明るいと全然見えないし。

古典の中で蛍を見つけるのも楽しい作業です。
文学だけじゃなくて歌集とか詩集にもいますよ!

命の長さを思うと本当に儚い生き物ですよね…。
 
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