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太陽のいちばん長い日。

2012.06.21 23:52|絵本・児童書

ハウル(映画版)を落書き。毎年、夏至が来ると彼のことを思い出します。

「一万日」とつぶやくのが、聞こえました。「ちょうど夏至になる」
「夏至がなんですって?」ソフィーは聞いてみました。
「その日は僕が生まれてから一万日目なんだよ、お節介さん」

(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『魔法使いハウルと火の悪魔』 p.158)

原作では最終決戦が夏至祭の日(ハウルの誕生日)なのですが、
映画だと特にあの戦争がいつのことなのか明確にされていなかったように思います。
秘密の庭にたくさん花が咲いていたから、暖かい季節だとは思うのですけども。
ハウルがちょっぴり魔法で助けているって言ってたから、そうとも限らないのかもしれないけど。
それにしても映画の空中散歩のシーンは問答無用でドキドキしてしまいます☆
青い空と風と浮遊感がたまらない。
ハウルが鳥になったり魔法を使ったりするときにただならぬ気配のある顔になるのも好きです。

あと、夏至と聞いて思い出すのはシェークスピアの『真夏の夜の夢』ですな。
(ワルプルギスの夜は夏至祭の日なのだそうな)
トーベ・ヤンソンの『ムーミン谷の夏まつり』も夏至祭がテーマですね。

あとは『精霊の守り人』かな。
ニュンガロイムの卵が孵るのがちょうど夏至だと、本編に書いてありますね。
卵が孵ることによって世界に及ぼされる影響のことを考えれば、
確かに春よりも盛夏よりも夏至が妥当な時期なんだろう。
(雷が大地に落ちる=大地と結婚すると稲穂が実るという言い伝えにも通じるものがあるような。
昔々は、稲穂が実るということは何か人知を越えた力がはたらいていると思われていたのかもな…)
作中でタンダが歌う、ナージ飛べ飛べ海まで飛べば、の、わらべ歌のような響きの歌が好きです。
アニメで再現されたときは、いかにも長く長く歌い継がれてきたような、深みのある歌になっていて
とても感動しました。
歌いやすいメロディでもあったし。

ナージの歌って最初からああいう歌だったんだろうか…。
歌詞の内容から考えても、ヤクーの誰かが作詞作曲したというよりは
いつの間にか歌われるようになってだんだんああいう歌詞とメロディになっていったんじゃないか。
歌詞も、やはり歌という形にする以上は
あらゆる言葉や要素を削ぎ落として口になじみやすい詞にしていく必要があったんじゃないか。
何にしても、基本的にどんな物事も口伝えで伝えていくヤクーにとっては
ああいう歌にするのが最良の方法だったのでしょう。
長い祝詞や文句も、暗記するだけじゃなくて謡や歌にするとスルリと覚えられたりするしなー。
CLAMPの『CLOVER』でもスウが(正確にはウィザードのおばあちゃんが)
「人は死んだら忘れられていくけど歌はずっと覚えて歌ってもらえる」と言っていましたっけ。

そして、あの歌は夏至祭に起こることのヒントを雄弁に語っているわけだけど、
お祭りが行われるのが100年に1度であるためか
歌の意味をリアルに理解して歌う人が100年の間に少しずついなくなっていくわけで。
それを考えると、伝えるって本当に難しいことだなと思います。
たつみや章さんの『裔を継ぐ者』でも、サザレヒコがあらわれるまでは
ポイシュマやワカヒコたちのことを語れる人が絶滅寸前だったしねぇ。
(そして何かを語るためには語る対象に対しての深い理解が必要だ)

昔語りや古典や資料を読むときに、
書いた人や語った人の心理や思いを汲み取ることの何と難解なことかといつも思います。
曲には作曲家の思いが込もっているんだよとオクレール先生に諭されるのだめのような気分になる。
いや、だからこそ惹かれてやまないのだけれど。
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テーマ:児童書
ジャンル:本・雑誌

コメント

NoTitle

こんばんは、春です。

も~~~ぅゆささんのブログは、誘惑がいっぱいですね。
守り人シリーズまた読み返したくなってしまったではないですか!

上橋さんの作品を読むキッカケになったのは
(『東のエデン』からの)『精霊の守り人』アニメだったので、
アニメのお話しも記事で語られていて、懐かしく、嬉しくなりました*^^*

ハウルは原作読んだ事ないのですが、
ダメハウルがあんまりダメじゃないけどちょっとダメなハウルに変わって行く様子がドキドキでした……。
そして木村拓哉の声はぴったりだったと思います。笑

今日もステキ記事ありがとうございました*^^*

Re: NoTitle

> 春様

> 守り人シリーズ
実はわたしも、記事を書く前にパラ読みしたのですが、
うっかりそのままガチ読みしそうになってしまいました(笑)。。
あのシリーズはページを開いたらおしまいですね…!引力のある本だと思いますf(^ ^;)

守り人アニメ、すごく良かったですよねぇ☆
アクションシーンもかっこよくて、日常シーンもじんわりきて、画面のクオリティも高くて見るのが毎回楽しみでした。
ナージの唄は印象深いメロディだったので覚えやすくて、たまに鼻歌が出てしまいます♪
民謡好きだー。

> ダメハウルがあんまりダメじゃないけどちょっとダメなハウルに変わって行く様子
おわああぁぁな、なんて的確な!!
そうそう、なんか、かっこいいんだけど全編通してダメさ加減が見え隠れしていて
そこがまた良かったです(笑)。
木村さんの声も違和感なくて、登場シーンで初めて聞いたとき鳥肌立ちました。。
ハウルが映画の中盤(引越しの日だったかな)で大笑いするシーンがすごく気持ちよさそうだったなー、とか(*´∀`*)。

原作のハウルは映画とちょっと違うところもあって面白いですよ(^ ^)機会がありましたらぜひぜひ☆

ああもう、春さんと児童書トークしてると楽しくて止まらないです~。
コメントありがとうございました☆
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ゆさ

Author:ゆさ
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