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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


古代ロマンとデニムとゼリーの旅。

  1. 2012/07/31(火) 23:13:16_
  2. 旅行
  3. _ tb:0
  4. _ comment:2
出雲出雲!!
日曜に京都日帰り弾丸ツアーに行って来ました!
目的は京都国立博物館で開催中の「大出雲展」と、国際会館で行われたシンポジウムです。
写真は、京博入口にあった展覧会の看板。気合いの入った大きさでありました。


以下、写真が多いのでたたんであります。↓
クリックで開閉しますのでよろしかったらどうぞ~☆
 
 
 
運良く予定より1本早い新幹線に乗れたので、9時前には京都駅へ着弾。
バスで京都国立博物館に行きました。
しかし着いてみたら、開館前だというのに長蛇の列!
すでに30度を超える気温とクマゼミの声が響きわたる中、30分近く並んで待って
招待券を持っていたので開館と同時に中に入れましたが、
それでものんびり見ていたら後からどんどん人が入ってきて入口付近が混雑していました。
開催2日目で日曜という相乗効果だろうか。

展覧会の内容は、おおまかに分類すると出雲の土地から出土した考古資料を中心に
古事記を始めとする神話に関する展示、
出雲の歴史や風俗に関する展示といった感じです。
『古事記』(南北朝時代写本・国宝)とか『日本書紀』(国立公文書館蔵)とか
『古事記伝』再稿(赤すげぇ入ってる)とか「本居宣長書状」(字すげぇうまい)とか
古事記周辺の文献もいくつかあってわくわくしました。
太安万侶墓誌に会えたのは嬉しかったなー(*^∀^*)☆
とっても小さい墓誌だった…いやしかし実際に見ると感慨深い。
スサノヲとクシナダヒメを描いた油絵や錦絵もありまして、
どれもスサノヲのかっこ良さが追求されていました。さながらスーパーヒーローのようだった。
出品目録を見たら月岡芳年の錦絵がありましたがこれは後期展示だとか。むぅ。

そして出雲といえば埴輪や青銅器や勾玉の多さでも知られていますが
今回展示にもどっさりありましたよー。
古墳から出土した男性の埴輪が、椅子に座っている状態のもので形もきちんと残っていて
デザイン的にもかなり珍しいものだとか。
この人を見ると当時の服装とか髪型とかが、結構細かくわかるようになっています。
よくここまで残ってくれましたねって肩たたきたくなった。
勾玉は瑪瑙や翡翠が中心でしたが水晶もちらほら。
日光に透かしてみたくなりました。
銅戈と一緒に並んでいた硬玉勾玉はヒスイ。この緑色の綺麗さは際だっていたと思う。
キャプションに江戸時代とありましたからだいぶ最近のものですね。
流水文の銅鐸に描かれた水の模様が、現代の風呂敷などに使われる模様とほとんど同じでした。
水は昔からこんな風に描かれてきたようです。

どーん☆
古代の出雲大社復元模型1/10スケール。こちらは撮影可能です。
島根県立松江工業高校建築科の生徒さんたちが、10年ほど前に制作したものだそうです。
現在、島根県にある出雲大社(江戸時代中期建立)は24mですが
平安時代の大社は48mほどの高さがあり、
さらに遡るともっと高く作られていた時代があったのだとか。
まったく…出雲大社といい、法隆寺といい、万里の長城といい、ピラミッドといい、
モンサンミッシェルといい、コロッセオといい、パルテノン神殿といい…(溜息)。
間違っても古代の人々をヘタレ呼ばわりしてはいけないと思った。

実はこれと同じものがもう一つありまして、数年前に古代出雲歴史博物館で見てきましたが
それよりも大きいように感じました。
(が、さっき出雲歴博の図録を見たらどっちも同じ1/10スケールと書いてありました。あれー)

どーん☆その2。
少し近づいてみました。
傍らに映りこんだ鑑賞者と比べると、
1/10スケールとはいえかなりの大きさであることがご理解いただけるかと。

もしもし…。
小さな人がいました。
実際はわたしたちと同じスケールなので、つまりこれはわたしたちということですが
そう考えると当時の大社の大きさが身にしみます。もはやアリエッティの気分。

杉3本。
宇豆柱。
鎌倉時代に大社を支えていた柱で、2000年に大社境内から発掘され重要文化財に指定されています。
こちらも以前に出雲歴博のロビーで拝見したので、ひさびさの再会でした。
ああ相変わらず何て雄々しいお姿…☆
3本の杉の木を合わせて1本の柱にしているというものです。
1本なら折れてしまうかもだけど3本ならたやすくは折れないだろうというやつだろうか。
3本の矢ならぬ3本の柱。
(出雲は戦国時代に尼子氏や毛利氏が守護を務めていた土地です)

この柱の隣には勝男木(昔の大社の屋根にわたされていた太木)がありました。
こちらもひさびさの再会☆

他にも、名前や部署名入りの土器を見て、持ち物に名前を書く古代人を想像したりとか
青木遺跡神社のミニチュア模型に木簡を捨てる人々が再現されているのを見て
「待ってて…数千年後に必ず掘り起こすから」って気分になったりとか
牛頭天王坐像に祇園祭を思ったりとか
摩多羅神坐像は大黒天と同一視されることもあるそうで、ああだから笑顔なのかなって思ったりとか
その隣の八幡神坐像がめずらしく俗形であることにビックリしたりとか、
舞楽図屏風に音楽を見たりとか
狩野探幽の柿本人麻呂像のグレーの濃淡が完全に探幽!って感じで萌えたりとか
土佐光起の三十六歌仙図額にため息出たりとか、
色々とロマンだらけの充実した展覧会でありました。
この大出雲展は秋に東博に巡回するのですが、そちらは京博よりも小規模になるそうなので
どうしても京博で見たくてえいやっと思い切ったのですが
本当に来て良かったー。
夏は京都が、秋は東京が「神在月」になるのですなぁ。いいですなぁ(*´▽`*)。

あ。帰りにミュージアムショップに寄って奈良博だよりの最新号を見たとき、
奈良博で7月半ばまでやっていた古事記展に、
今回の出雲展にも出品されている「本居宣長自画自賛像」があったことを知って
ああだから古事記展の会期こんなに短かったのねって思った。
(いやたぶんもっと大人の事情とかあるんだろうけどね ^ ^;)

本当はズボンのお店…。
バスで京都駅に戻って、駅近くにある「京都デニム」のお店に行きました。
去年の夏に妹ちゃんが、ここでパンキッシュなブタちゃんを買ってきたのを見て
「ぎゃー!めちゃくちゃ欲しい!!」と思って行った。。

にへら♪
で、連れて帰ってきたでにぐまベビーちゃん。
携帯につけようか鞄につけようか迷っているところです。どうしようかなぁ。

この子の他にも色んな色の子がいて、デニムそっちのけで目移りしていたら
店員のおにいさんが「まだ奥にいますよ」とおっしゃって数匹連れてきてくださって
その中にこの子がいてキュンときたのでお持ち帰り決定。
パンキッシュなお顔にシックな和風模様がミスマッチでめんこいです。ふっふー。

おから・湯葉・揚げ出し豆腐。
京都駅に戻ってお昼ごはん。
「豆腐づくしのお膳」の文句にときめいたので注文。たいへんおいしくいただきました。

izumo6.jpg
国際会館アネックスホール。シンポジウムの会場です。
どことなく大阪のアイセルシュラホールを連想するような気がしなくもないデザイン。

シンポジウムは上田正昭氏の基調講演および、
4人のパネリストによるディスカッションというプログラムでした。
一応、シンポのタイトルは「ヤマト王権と出雲」だったのですが、
上田氏が基調講演で「中央史観はけしからん」「山陰は決して裏日本ではない」
「『口遊』に出雲大社は雲太とあり、風土記に"大社"とあるのは出雲と熊野しかない」
「出雲の青銅器の発掘は日本一であり、まだまだ埋まっているはず」
「卑弥呼が使節を送るときに持たせた鏡が島根や兵庫から出ている」
「渤海使節は北つ海(日本海)を通り隠岐や出雲に上陸していた。出雲は国の表玄関」
「因幡の白ウサギの記述があるのは古事記だけ。日本書紀にも風土記にもない」
など、など、もはや講演ではなく演説のように出雲への愛を語りまくり、
すっかり"出雲からヤマトを見る"以外の視点はありえない雰囲気にしてしまいました(^ ^;)。
そんな上田氏は御年85歳!(爆)老いてますます盛んなご様子です。かっこいいなー。

続いてのディスカッションはコーディネーターである渡邊あゆみ氏の
「上田先生はまさに現代の稗田阿礼!」のひとことで大爆笑のうちに開幕。
佐藤信氏・辰巳和弘氏・久保智康氏・竹下景子氏の4名が思い思いの考えを述べます。
論題ごとに1分くらいの映像を見て、
辰巳氏が考古学の視点から現在の発掘調査でわかっている古代出雲の状況を述べて
それを佐藤氏が文学史から文献をひっぱりだしてきて裏付けをして
久保氏が仏教と神社の関わりについて話を広げるという感じで、
色々な面から出雲について話していただき、非常に勉強になりました。
古代の大社が大きかったのはより神に近づいて言葉を聴くためだったとか
大社が壊れるたびに作り直したのは
「大社をそこに置いておかなければならない」とみんなが思っていたからだとか、
現在東大寺にある仏像には出雲から献上された玉が使われているとか
6~7世紀の仏教の時代に出雲にはほとんどお寺の話がないけど
9世紀あたりから山寺が増えてきて、その理由は山林修行だとか
どんどん話が膨らんでサラダボウル状態に。
さすがに研究者の方々なので出雲マンセーという感じではなかったですが、
古代史の中でわりと突出した地域として出雲をとらえていらっしゃるな…という気はしました。
大学の先生の話を聞いていると、考えをどうまとめて言葉にしたらいいかの勉強にもなるので
そういう観点からもすごく面白かったです。
古代へのロマンは尽きることなく、あっという間に時間が過ぎていきました。
パネリストの先生たちも名残惜しそうでした。たぶんもっともっとしゃべりたかったんだろうな。
わたしももっともっと聞いていたかった。

soware.jpg
国際会館から地下鉄で京都駅へ戻るとき、
途中下車して四条河原町へ行って、交差点近くの喫茶ソワレに寄りました。

soware2.jpg
ゼリーヨーグルト。
少し前に雑誌でお店とこのメニューを見てどうしても来たかったので、
念願が叶って嬉しかったです。
飲むヨーグルトに5色のゼリーが入っているもの。見た目も涼やかでとても美味でありました。
お店のシックな雰囲気も素敵だったし、また行きたいです。今度は別のメニュー食べるんだ!

そんなこんなで京都駅に戻って伊右衛門と宇治茶を買って、新幹線で帰りました。
日帰りのためバタバタした日程でしたが、行って良かった!楽しかった☆
次回京都に行くときはせめて1泊したいです。


出雲いろいろ。
戦利品。
ブックカバーをどの本につけようか模索中です。
古代史の本につけたいんだけどあまり持ってないしなぁ。
勉強がてら買ってみるのもいいかもしんない(-w-)。
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テーマ : 京都    ジャンル : 旅行

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comment

NoTitle

  1. 2012/08/01(水) 17:03:16 |
  2. URL |
  3. 八少女 夕
  4. [ 編集 ]
おはようございます。

わあ〜、いいなあ。京都と出雲、一粒で二度美味しい日帰り旅行ですね。

昔の人、クレーンもトラックもヘリコプターもなかった時代の人々の、カミへの畏敬心と情熱にはいつも心動かされます。
私、上代も大好きなんですが、実は巨石大好き人間でもありまして、メンヒルとかあるよって表示見ちゃうと素通りできません。(笑)
それに、そういう世界に対する熱い想いを持つ人たちと出会えるのも素敵な事ですよね。

素晴らしい旅だったようで、とてもうらやましい。昨年行った出雲への想いがむくむくしてきたので、これから秘蔵の仁多米開封して、友だちの送ってくれた鰻を食べる事にします。

また来ます。

Re: NoTitle

  1. 2012/08/02(木) 21:39:20 |
  2. URL |
  3. ゆさ
  4. [ 編集 ]
> 八少女様

京都にいながら出雲を満喫してきてしまいました~☆
暑かったですそして楽しかったですv(*^∀^*)v

宇豆柱を見ていると、ほんとにどうやってこんな大っきな木を切って運んで3本組みにしてその上に建物乗っけたんだろうと、何がなんだかわからなくなります。
当時の建築技術って現代人には思いもつかない方法で構築されていたりして勉強になることばかりです。
> 巨石
おおぉお、わ、わかりますとも…!(悶)
ミニチュアのロマンも計り知れないですが、ビッグのロマンもテンション上がります。
メンヒル、いいですね…!ブルターニュのとか、気になってます(☆w☆)

> 仁多米開封して、鰻
いいなあぁ!!そういえば今年まだ鰻食べてないです~食べたいっ!ぎぶみースタミナ!

ありがとうございますっどうぞ、またいらしてください☆
 
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歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
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