どんな時代に生まれるかは決められぬ。与えられた時代にどう対処するかじゃ。
ごはん食べたり、31に行ったり、お茶したりしてすごく楽しい時間でした。
春さんもシャチさんも綺麗でお話がうまくて、とってもオシャレな方々でしたっ><
3人とも上橋菜穂子さんのファンで、
『獣の奏者』文庫3・4巻発売記念に集まって語り尽くそう!となったのですが
他の本のこととか学生時代のこととか、話がどんどん膨らんで
気がつくと時間が過ぎていてえっもうこんな夜遅いのって感じだった。
何かわたし色々ボケててポカって、ほとんどあけすけなことばっかしゃべった気もするけど(^ ^;)
もっともっとしゃべっていたかったです。
春さんシャチさん、楽しくて濃密で幸せな時間を、本当にありがとうございました!!
で、今日は先日買った『獣の奏者』文庫を読んでおりました。
3・4巻を一気読みして、1・2巻をパラ読みするつもりでめくったら結局全部読んでしまった。
休日オワター。
世界を構築する力に長けている作家さんはたくさんいらっしゃいますけども
上橋さんの物語世界のつくり方は独特で隙がなく、知識と経験と愛に満ちていて素敵です。
決して生きやすい世界とは言えないし、厳しい部分もあるんだけど
読み出すとストンと入り込めてしまう。
たとえば「闘蛇編」のジョウンの生活は牧歌的で憧憬がありますが、
ジョウンは夏の嵐も冬の寒さも蜂の生態も知ったうえであの山に棲んでいるわけで、
上橋さんがそういう部分を隠さずさらけ出して書いているから、
読み手は上橋さんの世界の優しさと厳しさを同時に感じ取ることができる…みたいな。
それにしても久し振りに読むと、覚えている部分と忘れている部分があって
懐かしさ半分、新鮮さ半分みたいな気持ちで読んでいました。
王獣のたくましい描写に鳥肌が立ったり、イアルのかっこよさに戦慄したり
真摯に国のことを考えるセィミヤに、作品は違えどチャグムを重ねたり
常にエリンを心にかけるエサル師に上橋さんを見たり。
「いやね、口がまわらなかっただけよ」のセリフが好きです。ニヤリとしてしまう。
ジェシがものすごいおしゃべりであることも久々に読んで思い出して笑いました。
ってか、入舎ノ試しが(笑)すごすぎる(笑)両親はあんなに寡黙なのにね。
そしてユーヤン~。もうだめだ彼女が好きすぎてたまらんです。カザルムの癒し系。
4冊全部を読み終えて一番印象に残っているのが
『王獣編』でやむを得ずリランに向けて音無し笛を吹いたエリンが
翌日に檻の中で唸るリランに向けて「唸るのをやめなければ、吹くわよ」と言うところだな…。
それまで一度も笛を吹かず、他人にも吹かせなかったエリンが
「吹く」と言い切ったことにものすごく驚いたのと、
同時に、昨日までのエリンとリランには決して戻れないことも
エリンがその言葉をどんな思いで口にしたのかも
そうすると決めたとしてもエリンはリランの側を絶対に離れないであろうことも伝わってきて
安心もしたし不安にもなったし、
なんか本当に溜息しかつけないです。すごい一言。
『獣の奏者』には素敵な人たちがたくさん出てきますし、
印象深いシーンもセリフもたくさんあるのですが
あのときのエリンの一言の重さと切なさがわたしの中ではダントツです。
『風の谷のナウシカ』原作本の「燕が鷹とならなければ生きることがかなわない世の中」
ではないですが、
あのときのエリンも一連の出来事がなければ、まだまだ学びたい盛りの燕だったんだろうなと。
エリンがリランのために大けがをして涙を見せるシーンでは
(すでに教師として学童たちに教える年齢になっているにも関わらず)
あのときの彼女は年齢よりもかなり幼く見えましたし、
「そうだエリンは燕だったんだ」というのを感じてものすごく切なくなる。
その後のストーリーは何度も読んでいるし、物語のラストも知っているのに
あのシーンを読むたびにエリンには本当に幸せになって欲しいと思ってしまいます。
あと、上橋さんの作品によく見られるテーマとして
「物事をいかに伝えていくか」「伝えられなかった場合どうするか」が挙げられますけれども。
『精霊の守り人』は100年前の夏至祭を、『獣の奏者』は王獣規範誕生のきっかけを
探って探って何とか形にして再現していく人々の様子が綴られますが
『獣の奏者』はそこから一歩進んで、ラーザで起きたことが次世代に向けて語られていくのが
何だかリョザの未来が垣間見えてくるようで拡がりを感じます。
たぶん当事者たちは生きている限り伝えようとしていくだろうけど
2代先3代先、さらにずっと先の未来に、当事者たちが伝えたかった風に伝わっていくかどうかは
また別問題なんだろうな…。
遠い未来にどんな人たちがいるかにもよるでしょうしね。
獣の奏者外伝『刹那』の感想は以前にこちらに書いたので今回は割愛。
あちらも早く文庫にならないかなぁ。

「貫之1111首」歌合編その6。5はこちら。
朱雀院の歌合に向けて、特訓中の貫之と一子です。
一子「ほらっ、まだ3日目でしょ。しっかりしてよ。♪おみなえし~」
貫之「うー」
一子「ほらぁ!ひねってでも出さなきゃ出てこないわよ」
貫之「うえー」
アイディアを出力しすぎて、もはや逆さまに振っても何も出てこない貫之。
インプットが必要です(^ ^;)。