よい按配。

とらや赤坂本店の虎屋文庫にて開催中の
「お宝満載!吉田コレクション 蘇る江戸~明治の和菓子の世界展」に行ってきました!
こじんまりしたギャラリーですが猛烈に楽しすぎてウロウロしまくった。いやー良かった。
今まで行かなかった自分を叱りたいくらい良質な展示でした。
しかも無料って、これで無料って(大事なことなので2回言いました)、太っ腹すぎるだろー!
お菓子の研究家である吉田隆一氏が所蔵する約3,000点の菓子資料の中から
錦絵、製菓道具、レシピや製法を紹介した版本、菓子のパッケージ袋、引札(広告チラシ)などが
選りすぐって展示されています。
錦絵は、さすがにお菓子が主役になった絵はなく、
「人々の生活のどこかにお菓子が描かれている」というパターンが多いですね。
目黒不動尊の餅花、浅草寺の雷おこし、吉原の甘露梅、東海道の飴の餅や名物饅頭、
水飴や月見団子、かりんとう、うぐいす餅、木村屋のあんぱん、はしかの時に食べる軽焼きなどが
人々とともに描かれています。
雷様のおこし売りの絵が良かったなぁ。
1865年に浅草寺の雷門が焼けてしまい、その復興支援のため売り出されたという
なかなかハードな背景を持つ錦絵なのですが、
雷様自ら屋台に立って雷おこしを売る姿を描いていて、何ともほのぼのとした雰囲気で
これは道端で見かけたら「おひとつくださいな」って言っちゃうよなーと思った。
ここの展示の最大の特徴が、昔のレシピ本から再現したお菓子が展示されているところですね☆
餅花、桜餅、雷おこし、切り餅、砂糖菓子など、よりどりみどりでしたよ~。
ふおおおお生菓子ふつくしいっ綺麗っかわいいっ…!!(お菓子絶賛リスペクト中)
「ふ」の字尽くしの宝船の再現に一番テンションあがりました☆
富士山や筆や船など、「ふ」で始まる文字の焼き印が押されたお餅やお饅頭が
宝船にもっさり積まれているのです。
有卦(陰陽道において幸運が続く7年間のこと)に入った人には
ふの字がつく物やお菓子を贈る習慣から、たびたびこういう豪華な物が作られたそうです。
もうなんなの、この宝船の無駄にワクワク楽しいウフフ感はなんなの!
生じゃなくてサンプルでいいからうちに飾りたい!!とか
モダモダしながら3回くらい見てきました。だってほんとにかわいかったんだ…☆
職人さんのお菓子の木型制作風景を紹介するビデオコーナーにも釘付。
ふおおおお職人さん職人さんすばらしいっ…!!(職人さん絶賛リスペクト中)
お菓子の木型には丈夫で割れにくい桜の木を使うそうな。
わたしが見た映像ではこの道50年の大ベテランさんがご登場し、
あっという間に桜形の木型を彫り上げてしまわれました。
その型に菓子職人さんが材料をつめこむと、何とも美しいお菓子が出来上がってしまうんだ…!
お2人ともテライケメンでした超萌える。
(江戸時代、錦絵を描く絵師は腕のいい彫師と組みたがったと聞くけど
それはきっと菓子職人も同じで、いい木型職人と組みたかったんじゃないかな…。
おれはあいつが作る型しか使わねぇよとか。なんだそれ超萌える←爆)
木型もたくさん展示されていて、種類は、江戸時代の頃から現代までずらり。
300年くらい前に彫られた鶴亀の砂糖菓子の木型が、
未だに美しすぎる鶴亀菓子を創り上げる件。鳥肌が立ちました。写メ撮りたかった。
(展示室内は撮影禁止)
あと、わたし、月見団子って団子をひとつひとつピラミッド型に
積み上げるものだとばかり思っていたのですが、
ピラミッド型をした月見団子用の木型がばーんと展示してあってちょっと衝撃を受けました。。
わあーなんだあ、なんか、すごいや(笑)。
井籠(お菓子の行商に使われた箱)の展示もあって、どれも年季が入っていましたね。
木戸がついていたり化粧箱みたいだったり、種類も豊富です。
名前や家紋が入っているなど、外から見て一発でどこの店の籠かわかるようになっていたな…。
調理器具もありました。カステラを焼く鍋とか。
カステラは幕末にはすでに製法が輸入されていますね~。
(坂本龍馬が海援隊のメンバーと一緒にカステラを作って食べたという記録を
確か誰かが書き残していたはず)
レシピ本ってこの頃からきっちり図入りで発行されているのですね…。
材料とか分量とか、かなり細かく載っている本が多いです。
お菓子は分量を間違えるとおいしくなくなるといいますが、
やっぱり昔もそうだったのかな。
茶をたしなむ人用のお菓子百科辞書とか、お子様用の豆レシピ本なんてのもあったそうな。
後者はゼリーとかケーキとか載ってるよ…。
さすがに文明開化華やかなりし頃の出版となるとモダンですねえ。

赤坂本店の地下にあるカフェ「虎屋菓寮」でいただいた虎屋饅頭と煎茶です~。
もっちりもちもちの皮に、ほくほくの粒あん入り。美味でありました。
もっちりはジャスティス。

せっかく本店に行ったので季節のお菓子も買ってきました♪
亥の子餅と、紅葉焼と、展覧会限定和菓子である招福袋&宝来袋。
招福袋と宝来袋は、↑に書いたふの字尽くしの宝船をイメージしているそうです。
亥の子餅は、亥の月亥の日亥の刻にお餅を食べると病気をしないという
古代中国の言い伝えが元になっているお菓子です。(ちなみにあさってがその日だ)
紅葉焼は見てのとおり秋の紅葉。
どれももっちりもちもち柔らかいお餅三昧で、たいへん美味でありました。
もっちりはジャスティス。
あと、お店でいただいたお菓子の解説ペーパーに
「亥の子餅は『源氏物語』葵の巻にも登場します」と書いてあって、
そういえば電車で移動しながら読んでいた『和菓子のアン』にもそう書いてあったな…と
ふと思い出しました。
ブロともの春さんがすすめてくださったのですが、ふくふくとやさしい本です。
デパ地下の和菓子屋さんでバイトする女の子が主人公で、
お菓子の特徴や謂われなどもちょこちょこ出てきて楽しい。
大切に受け継がれてきたお菓子には歴史や物語があるんだよねぇーいいよねぇ(*´∀`*)。
売り場の人々が面白すぎます。立花さんかわいいわ…桜井さんかっこいいわ…!
何気にすごいのが1階の五月さん。『舟を編む』の赤シャツさんばりの、2ページの存在感。
(実は今文字を打とうとしてとっさに五月さんの名前が出て来ず、
「ええと…あの3分のお方は」とつぶやいたのは秘密です)
それから、是枝裕和監督のドラマ「ゴーイングマイホーム」を毎週観てるんですが
あれに出てきた洋菓子メーカーの社長さん(as笹野高史氏)が
和菓子をこっそり食べてるシーンがなかったっけ…。
ああいう遊び心が笹野さんや是枝監督の良いところですね。
(そして同じくドラマに出てくる常田富士男氏(『まんが日本昔ばなし』のお爺さんや
『ラピュタ』のポム爺を演じていた人)が気になってつい目で追ってしまう)
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- 2012/11/21(水) 11:34:19 |
- URL |
- TOM-F
- [ 編集 ]
うわ~、お、おいしそう。
お饅頭も季節のお菓子も、見てるだけでしあわせです。食べられたら、もっとしあわせだなぁ。
もっちり系、大好きです。
そういえば、近くのデパ地下に、とらやさんあったなぁ。
あれ、あれれ、なんかそっちの方角から強烈な引力を感じる……。
Re: タイトルなし
- 2012/11/22(木) 22:37:20 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
食べちゃいました(笑)。
見た目もお味も最高でございました~☆
日本にいらした時はぜひ♪
取り乱すのわかりますよ!
手の込んだお菓子は和洋問わず美しいですよね(*^ ^*)。
Re: タイトルなし
- 2012/11/22(木) 22:40:38 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
お好きですか♪
和菓子はどれも、綺麗でおいしそうですよね~。
そうそう、やさしい味がして幸せになれますよね。
> もっちり系
わたしもです!!和菓子のもっちりは神!!
> デパ地下に、とらやさん
なんですと…!
それは行くべきですね!お菓子が待ってますね!いいなあぁ☆
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