独眼竜と平泉文化の旅その2。
前回記事の続き。仙台と平泉への一人旅、2日目です☆
今回は平泉の観光と、春の藤原まつりの模様をお届けします。
(実はお祭があるとは知らずに行ったのですが^ ^ 何だか得した気分です)
平泉に行く前日、つまり旅行1日目で仙台市内をほぼ回りきってしまったので
夜のホテルであまちゃん見ながら明日どこ行こうかなーと地図をめくっていたら
平泉が意外と近いんじゃないか…と気がつきまして。
乗換案内で調べてみたら仙台から2時間弱で行けることがわかって
「なんだ、うちからビッグサイト行くような距離じゃん!よっしゃ平泉、行こう~」ってなって
急遽行くことにしました(笑)。
しかしあれですね…「平泉が近い」ってロマンのある言葉の響きですね…最高ですね…( ̄▽ ̄)ニヤリ
仙台の皆さまは2時間で平泉に行ける距離に住まわれているのか、はああ。

そんなわけで翌朝。ホテルで朝食をいただいて、今日も元気に歩く準備は万端。
パンとチキンカレーがおいしかったです!ごちそうさまでした。
仙台駅でお土産をたらふく買い込んでから、東北本線に揺られてしゅっぱ~つ。
仙台さようなら、また来ますね。

一ノ関駅に到着!臨時列車に乗っていざ平泉へ。
思えばこのとき気づくべきだったな…何で「臨時」列車だったのかってことに…。
(平泉駅に着くまで本当に気がつかなかったのです^ ^;)
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開閉しますのでどうぞ☆
(拍手お返事は次回記事でまとめてさせていただきます。もうしばらくお待ちくださいm(_ _)m)

平泉駅に到着!
ホームへ降りたとたん、こんな光景が目にとびこんできました。
えっなにこれ、GWとはいえ飾りすぎじゃない?なんでこんな人多いの?と面食らう暇もなく、
後ろから人の波に押されてあれよあれよと駅の外へ。

外にも人がわらわらと。
さすがに何かあるなあという気がして、駅の観光案内所でチラシをもらって初めて
平泉では毎年春と秋に「藤原まつり」が行われていることを知りました。
郷土芸能や寺社の祭礼などで町中が賑わうそうです。
特に春のお祭は、「源義経公東下り行列」があることで有名だとか。
源頼朝に追われた源義経が平泉にたどり着き、藤原秀衡に迎えられたという情景を再現したものです。
藤原秀衡・義経・北の方など、馬や牛車に乗った人々が武者や待女たちを従えて、
毛越寺から中尊寺まで長い行列を作ります。
義経には毎年、若手の俳優さんが選ばれるそうで、今年は平岡祐太くんでした。
(去年は溝端淳平くんだったそうな)
で、わたしが訪れた5月3日はちょうどお祭3日目で、義経の行列がある日だったわけです。
うおお、ラッキー♪

駅から歩いて毛越寺にやって来ると、本堂の前にはすでに行列を待つ人だかりが。
ロープが張られて、警備員さんやテレビ局の人たちもたくさんいました。
えらいとこに来ちゃった。。
ちなみにこの本堂は、20年ほど前に建てられた割と新しいものです。

行列が来るまでは少し時間があったので、境内を散策することに。
写真は毛越寺宝物館です。
テレビや研究書などでよく見た、藤原三代図が展示されていました。毛越寺が所蔵してたのかー。
ずっと見たかったので嬉しかったですね☆

松尾芭蕉の句碑。
「夏草や 兵どもが 夢の跡」の句を、新渡戸稲造が英訳・揮毫したものです。
平泉をはじめ、奥州は「おくのほそ道」の舞台でもありますね。

ぼんやり大泉ヶ池を眺めていると。

笛太鼓の音楽とともに行列キター!まずは武将さんたちです。
兜とか鎧とか重たそう。かなり本格的です。
京都の時代祭にも引けを取らないんじゃなかろうか。

お稚児さんたち!めんこい!もえ!

侍女さんたちもいますよ。
壺装束ですね。お出かけスタイルですね。きれいだなあ☆

境内が人と馬でいっぱいに(笑)。
馬が、たぶん地元の馬なんでしょうけど、とにかく大柄なので余計に混雑して見えました。
昔々は東北の馬が重宝されたそうです…わかる…この馬は欲しいよ…仕事できそう…かっこいい…。

義経が乗る白馬。まだ誰も乗っていませんでした。
この後、毛越寺の大泉ヶ池で行われる「義経公ねぎらいの場再現」
(平泉に来た義経を藤原秀衡が迎え入れた様子を再現した儀式)にて登場した義経(平岡くん)が
この馬に乗って午後の行列に参加することになります。
…が、スケジュール的に再現の場を見学する時間がないので(泣)、
大泉ヶ池を一周して先を急ぐことにしました。
(まあ運が良ければどこかでまた平岡くんを見られるだろう!と開き直っての行動でしたが
まさかこの2時間後にナマ平岡くんを見られることになるとは思ってもいませんでした。
運が良かったとしか思えない)

開山堂。
毛越寺を開山した慈覚大師円仁をまつるお堂です。

遣水。
毎年5月下旬に曲水の宴が行われる場所です。一度見てみたいなあ。

州浜にある出島と池中立石。
立石は震災で少し傾いたそうですが、その後の工事で元に戻っているそうです。

町内巡回バス「るんるん」に乗って中尊寺へ移動します~。

バスを降りて少し歩いて、月見坂に来ました!中尊寺の表参道です。
坂の両脇の植樹は伊達藩によるものだそうですよ。
この月見坂の傾斜がもうすごい。。
数年前にここを旅行した父親から「すげぇ坂だから覚悟が必要だよ」と聞いてはいたのですが
ちょっと想像以上でした(;´∀`)。
ほとんど山登りなのですが、舗装されてるからまだ良かったのかな。
昨日の筋肉痛も残っていましたけど、ここまで来たら登るしかないと思って登山開始。
月見坂沿いには社やお堂がたくさんありますので、いくつかご紹介していきます。

弁慶堂。義経と弁慶の木像が安置されています。
扉が開いているので2体とも見られます。弁慶像はあの立ち往生の姿でした。壮絶。
そういえば、月見坂のふもとには弁慶のお墓とされる碑も立っていますね。

西行の歌碑のある休憩所でひとやすみ。
写真はその東展望台から見えた風景です。だいぶ登って来たなー。

やっと本堂!大きいです。
ご本尊は阿弥陀如来で、両脇には灯籠があります。「不滅の法灯」。
最澄がともして以来消えたことがない火で、比叡山延暦寺から分けられたものだそうです。
(そういえば非常に余談になりますけれども。
「伝統」という言葉はもともと「伝燈」と書いたという話を聞いたことがあります。
伝燈は読んで字のごとく燈して伝えるの意で、
最澄がともした延暦寺の炎が絶えず伝えられていくことが語源になっているそうです。
伝統と表記されるようになったのは江戸時代が終わってかららしいですが、
火をともしつづけるには油が必要なわけで
だからこそ油を断やすことを「油断」と呼ぶわけですが、
「伝統」だと本来の意味はわからないですねぇ)

さらに坂を登って、ようやく金色堂に着きました。
月見坂のふもとから歩くこと30分。少し汗もかいていました。でも着いた。良かった。
金色堂は奥の覆堂の中にありました。
この金色堂だけが、創建当時の頃から残っている唯一の建物だそうです。
藤原三代や義経が見たであろう建物と同じものを見ているとか…!胸熱。
これだから文化財訪問はやめられないんだよねー。
見る前まではガイドブックなどで少し勉強して、
本尊や金具や蒔絵や螺鈿など、いろいろ細かく見てくるぞ!とか意気込んでいたのに
いざ実物を目の前にしたら思った以上の金色っぷりに圧倒されて
最初のうちは全然細かく観察できずにボケーっと眺めるだけでした。。
今まで見てきたどの金品よりも金でした。本当にすごかった。
リンゴの花並木にて「マシュー、マシュー、マシュー!」としか叫べなかった
アン・シャーリーのような気分でしたね。
堂内の装飾はすみずみまで螺鈿と蒔絵におおわれていて壮観だし、
本尊の阿弥陀如来は観音菩薩と勢至菩薩、左右に地蔵菩薩、前列に持国天と増長天という
スーパー布陣だったよ。こんな配列みたことない!
しかもこの堂内に藤原三代ご本人たちが安置されているとか。アツイ…!
金色堂の側には讃衡蔵(宝物館)があって、仏像や藤原氏の副葬品などが見られますが
いつだったかぶらぶら美術館で見た!金字宝塔曼荼羅図が!あった!
お経の文字で宝塔の絵が描いてあるというアレですよ!!
すごい細かすぎる…こんなの奉納されたら仏様もコロッといっちゃうよ…。
藤原さんたちは本気で浄土を作ろうとしていたんだ。本気だったんだ。すごい。

金色堂の側に立っている松尾芭蕉像。
「五月雨の 降残してや 光堂」ですね~。

芭蕉像の隣には旧覆堂が。
かつては金色堂がこの建物の中に納められ、風雨から守られていたそうです。
長年のおつとめ、お疲れさまでした…ゆるゆると余生をお過ごしくださいね。

中尊寺の中にある、白山神社の能舞台。現在も能の行事で使われているそうですよ~。
鏡板には大きな老松が描かれていました。

これ個人的に胸熱でした!中尊寺特設消防隊!
こういうところはさすがですね。
そういえばルーヴル美術館にも専門の消防隊があったよね。
ライブラリーやミュージアムなど、資料の保存を目的とする施設はやっぱり火事が一番怖いのです。
自衛って大事。

本堂に戻ってくると、軽快な笛太鼓の音色とともにこんな催しが。

月見坂を下りて、中尊寺駐車場の前に来ました。じぇじぇ!
…で、ここから本来ならバスに乗って平泉駅へ戻るはずだったのですけど、
これから東下り行列が中尊寺へやってくるとのことで交通規制が行われ、バスが走らないとのこと!
中尊寺から平泉駅へは歩いて行けなくもないですが、それでも結構な距離があるし
帰りの新幹線に間に合わなかったら困るし…。
あれこれ考えたあげく、月見坂ふもとの観光案内所の人に尋ねたら
「タクシーなら迂回ルートで、駅の近くまで走れますよ」とのこと!
うおおおやったあ!
職員さんが呼んでくれたタクシーに天の助けとばかりに飛び乗ったら、運転手さんが
「今の時間なら、ちょうど武者行列が駅を通過するところですよ。間に合わせるから見ていらっしゃい」
との頼もしいお言葉が!うおおお運転手さんまじイケメン…!!

そのお言葉どおり、あっという間に駅前通りに送り届けてもらったところ
今まさに行列がやってきていました!わーっ♪
写真は藤原秀衡さんの牛車です。

平岡祐太くん(義経役)キター☆
うわー本物!白い馬に白い衣装!着物の模様が豪華!顔ちっさ!爽やか!!

色んな方向に手を振ってくれて、そのたびに黄色い歓声があちこちから挙がる平泉駅前(笑)。
あと、一瞬でしたがピースもしてくれました☆ 撮れなかったけど。
「いい天気ですねぇ」とか観客に普通に話しかけていて、
「あなたが来たからよ!」とかお返事している方もいらっしゃいました。会話いいなー!

弁慶ほか僧兵の御一行。いかめしい装備に高下駄。歩くの大変だろうなあ。
長刀を構える姿が様になっています。

義経の北の方の牛車。ちらりと見えましたが美人さんです!

侍女さんたち。笠を取りかつぎを被った姿です。
風になびくかつぎが美しや。

信号で行列が止まるとたまにこんな光景も。
こういう人たちによってお祭が支えられているのですね(^ ^)。

金売り吉次ほか山伏御一行。
駿河次郎や伊勢三郎ほか、山伏に変装した義経の従者たちも混じっています。

女性の武将さんも!

行っちゃったー…。中尊寺へ向かうのですね。
総勢93名の大行列でした。壮観でした。
前日たまたま平泉へ来るのを思いついて、たまたま遭遇したのでびっくり度も加わって
本当に楽しい時間を過ごせました。
1車線道路で中央分離帯もないので、至近距離で見られたのがすごく良かったです。
衣装とか髪型とか、止まっている牛車も観察できたし…。
旅行でイベントに遭遇するのはよくあることですが、行列に当たったのは初めてですね(笑)。
お祭はこの前後も行われているので、機会があればほかの催しも見てみたいです。
行列を見送った後は、観光案内の職員さんとタクシーの運転手さんに大感謝しながら
電車に乗って一ノ関駅へ向かいました。

一ノ関駅の新幹線改札にあった金色堂の模型。
お祭の風景のようです。
そんなわけで最後はちょっとバタバタしましたが、
この後は新幹線に乗って駅弁をいただきながら帰りました!
途中行き当たりばったりの旅行でしたけど、充実した2日間でとても楽しかったです。
東北はまだまだ行きたいところがたくさんあるよーまた行きます!
今回は平泉の観光と、春の藤原まつりの模様をお届けします。
(実はお祭があるとは知らずに行ったのですが^ ^ 何だか得した気分です)
平泉に行く前日、つまり旅行1日目で仙台市内をほぼ回りきってしまったので
夜のホテルであまちゃん見ながら明日どこ行こうかなーと地図をめくっていたら
平泉が意外と近いんじゃないか…と気がつきまして。
乗換案内で調べてみたら仙台から2時間弱で行けることがわかって
「なんだ、うちからビッグサイト行くような距離じゃん!よっしゃ平泉、行こう~」ってなって
急遽行くことにしました(笑)。
しかしあれですね…「平泉が近い」ってロマンのある言葉の響きですね…最高ですね…( ̄▽ ̄)ニヤリ
仙台の皆さまは2時間で平泉に行ける距離に住まわれているのか、はああ。

そんなわけで翌朝。ホテルで朝食をいただいて、今日も元気に歩く準備は万端。
パンとチキンカレーがおいしかったです!ごちそうさまでした。
仙台駅でお土産をたらふく買い込んでから、東北本線に揺られてしゅっぱ~つ。
仙台さようなら、また来ますね。

一ノ関駅に到着!臨時列車に乗っていざ平泉へ。
思えばこのとき気づくべきだったな…何で「臨時」列車だったのかってことに…。
(平泉駅に着くまで本当に気がつかなかったのです^ ^;)
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開閉しますのでどうぞ☆
(拍手お返事は次回記事でまとめてさせていただきます。もうしばらくお待ちくださいm(_ _)m)

平泉駅に到着!
ホームへ降りたとたん、こんな光景が目にとびこんできました。
えっなにこれ、GWとはいえ飾りすぎじゃない?なんでこんな人多いの?と面食らう暇もなく、
後ろから人の波に押されてあれよあれよと駅の外へ。

外にも人がわらわらと。
さすがに何かあるなあという気がして、駅の観光案内所でチラシをもらって初めて
平泉では毎年春と秋に「藤原まつり」が行われていることを知りました。
郷土芸能や寺社の祭礼などで町中が賑わうそうです。
特に春のお祭は、「源義経公東下り行列」があることで有名だとか。
源頼朝に追われた源義経が平泉にたどり着き、藤原秀衡に迎えられたという情景を再現したものです。
藤原秀衡・義経・北の方など、馬や牛車に乗った人々が武者や待女たちを従えて、
毛越寺から中尊寺まで長い行列を作ります。
義経には毎年、若手の俳優さんが選ばれるそうで、今年は平岡祐太くんでした。
(去年は溝端淳平くんだったそうな)
で、わたしが訪れた5月3日はちょうどお祭3日目で、義経の行列がある日だったわけです。
うおお、ラッキー♪

駅から歩いて毛越寺にやって来ると、本堂の前にはすでに行列を待つ人だかりが。
ロープが張られて、警備員さんやテレビ局の人たちもたくさんいました。
えらいとこに来ちゃった。。
ちなみにこの本堂は、20年ほど前に建てられた割と新しいものです。

行列が来るまでは少し時間があったので、境内を散策することに。
写真は毛越寺宝物館です。
テレビや研究書などでよく見た、藤原三代図が展示されていました。毛越寺が所蔵してたのかー。
ずっと見たかったので嬉しかったですね☆

松尾芭蕉の句碑。
「夏草や 兵どもが 夢の跡」の句を、新渡戸稲造が英訳・揮毫したものです。
平泉をはじめ、奥州は「おくのほそ道」の舞台でもありますね。

ぼんやり大泉ヶ池を眺めていると。

笛太鼓の音楽とともに行列キター!まずは武将さんたちです。
兜とか鎧とか重たそう。かなり本格的です。
京都の時代祭にも引けを取らないんじゃなかろうか。

お稚児さんたち!めんこい!もえ!

侍女さんたちもいますよ。
壺装束ですね。お出かけスタイルですね。きれいだなあ☆

境内が人と馬でいっぱいに(笑)。
馬が、たぶん地元の馬なんでしょうけど、とにかく大柄なので余計に混雑して見えました。
昔々は東北の馬が重宝されたそうです…わかる…この馬は欲しいよ…仕事できそう…かっこいい…。

義経が乗る白馬。まだ誰も乗っていませんでした。
この後、毛越寺の大泉ヶ池で行われる「義経公ねぎらいの場再現」
(平泉に来た義経を藤原秀衡が迎え入れた様子を再現した儀式)にて登場した義経(平岡くん)が
この馬に乗って午後の行列に参加することになります。
…が、スケジュール的に再現の場を見学する時間がないので(泣)、
大泉ヶ池を一周して先を急ぐことにしました。
(まあ運が良ければどこかでまた平岡くんを見られるだろう!と開き直っての行動でしたが
まさかこの2時間後にナマ平岡くんを見られることになるとは思ってもいませんでした。
運が良かったとしか思えない)

開山堂。
毛越寺を開山した慈覚大師円仁をまつるお堂です。

遣水。
毎年5月下旬に曲水の宴が行われる場所です。一度見てみたいなあ。

州浜にある出島と池中立石。
立石は震災で少し傾いたそうですが、その後の工事で元に戻っているそうです。

町内巡回バス「るんるん」に乗って中尊寺へ移動します~。

バスを降りて少し歩いて、月見坂に来ました!中尊寺の表参道です。
坂の両脇の植樹は伊達藩によるものだそうですよ。
この月見坂の傾斜がもうすごい。。
数年前にここを旅行した父親から「すげぇ坂だから覚悟が必要だよ」と聞いてはいたのですが
ちょっと想像以上でした(;´∀`)。
ほとんど山登りなのですが、舗装されてるからまだ良かったのかな。
昨日の筋肉痛も残っていましたけど、ここまで来たら登るしかないと思って登山開始。
月見坂沿いには社やお堂がたくさんありますので、いくつかご紹介していきます。

弁慶堂。義経と弁慶の木像が安置されています。
扉が開いているので2体とも見られます。弁慶像はあの立ち往生の姿でした。壮絶。
そういえば、月見坂のふもとには弁慶のお墓とされる碑も立っていますね。

西行の歌碑のある休憩所でひとやすみ。
写真はその東展望台から見えた風景です。だいぶ登って来たなー。

やっと本堂!大きいです。
ご本尊は阿弥陀如来で、両脇には灯籠があります。「不滅の法灯」。
最澄がともして以来消えたことがない火で、比叡山延暦寺から分けられたものだそうです。
(そういえば非常に余談になりますけれども。
「伝統」という言葉はもともと「伝燈」と書いたという話を聞いたことがあります。
伝燈は読んで字のごとく燈して伝えるの意で、
最澄がともした延暦寺の炎が絶えず伝えられていくことが語源になっているそうです。
伝統と表記されるようになったのは江戸時代が終わってかららしいですが、
火をともしつづけるには油が必要なわけで
だからこそ油を断やすことを「油断」と呼ぶわけですが、
「伝統」だと本来の意味はわからないですねぇ)

さらに坂を登って、ようやく金色堂に着きました。
月見坂のふもとから歩くこと30分。少し汗もかいていました。でも着いた。良かった。
金色堂は奥の覆堂の中にありました。
この金色堂だけが、創建当時の頃から残っている唯一の建物だそうです。
藤原三代や義経が見たであろう建物と同じものを見ているとか…!胸熱。
これだから文化財訪問はやめられないんだよねー。
見る前まではガイドブックなどで少し勉強して、
本尊や金具や蒔絵や螺鈿など、いろいろ細かく見てくるぞ!とか意気込んでいたのに
いざ実物を目の前にしたら思った以上の金色っぷりに圧倒されて
最初のうちは全然細かく観察できずにボケーっと眺めるだけでした。。
今まで見てきたどの金品よりも金でした。本当にすごかった。
リンゴの花並木にて「マシュー、マシュー、マシュー!」としか叫べなかった
アン・シャーリーのような気分でしたね。
堂内の装飾はすみずみまで螺鈿と蒔絵におおわれていて壮観だし、
本尊の阿弥陀如来は観音菩薩と勢至菩薩、左右に地蔵菩薩、前列に持国天と増長天という
スーパー布陣だったよ。こんな配列みたことない!
しかもこの堂内に藤原三代ご本人たちが安置されているとか。アツイ…!
金色堂の側には讃衡蔵(宝物館)があって、仏像や藤原氏の副葬品などが見られますが
いつだったかぶらぶら美術館で見た!金字宝塔曼荼羅図が!あった!
お経の文字で宝塔の絵が描いてあるというアレですよ!!
すごい細かすぎる…こんなの奉納されたら仏様もコロッといっちゃうよ…。
藤原さんたちは本気で浄土を作ろうとしていたんだ。本気だったんだ。すごい。

金色堂の側に立っている松尾芭蕉像。
「五月雨の 降残してや 光堂」ですね~。

芭蕉像の隣には旧覆堂が。
かつては金色堂がこの建物の中に納められ、風雨から守られていたそうです。
長年のおつとめ、お疲れさまでした…ゆるゆると余生をお過ごしくださいね。

中尊寺の中にある、白山神社の能舞台。現在も能の行事で使われているそうですよ~。
鏡板には大きな老松が描かれていました。

これ個人的に胸熱でした!中尊寺特設消防隊!
こういうところはさすがですね。
そういえばルーヴル美術館にも専門の消防隊があったよね。
ライブラリーやミュージアムなど、資料の保存を目的とする施設はやっぱり火事が一番怖いのです。
自衛って大事。

本堂に戻ってくると、軽快な笛太鼓の音色とともにこんな催しが。

月見坂を下りて、中尊寺駐車場の前に来ました。じぇじぇ!
…で、ここから本来ならバスに乗って平泉駅へ戻るはずだったのですけど、
これから東下り行列が中尊寺へやってくるとのことで交通規制が行われ、バスが走らないとのこと!
中尊寺から平泉駅へは歩いて行けなくもないですが、それでも結構な距離があるし
帰りの新幹線に間に合わなかったら困るし…。
あれこれ考えたあげく、月見坂ふもとの観光案内所の人に尋ねたら
「タクシーなら迂回ルートで、駅の近くまで走れますよ」とのこと!
うおおおやったあ!
職員さんが呼んでくれたタクシーに天の助けとばかりに飛び乗ったら、運転手さんが
「今の時間なら、ちょうど武者行列が駅を通過するところですよ。間に合わせるから見ていらっしゃい」
との頼もしいお言葉が!うおおお運転手さんまじイケメン…!!

そのお言葉どおり、あっという間に駅前通りに送り届けてもらったところ
今まさに行列がやってきていました!わーっ♪
写真は藤原秀衡さんの牛車です。

平岡祐太くん(義経役)キター☆
うわー本物!白い馬に白い衣装!着物の模様が豪華!顔ちっさ!爽やか!!

色んな方向に手を振ってくれて、そのたびに黄色い歓声があちこちから挙がる平泉駅前(笑)。
あと、一瞬でしたがピースもしてくれました☆ 撮れなかったけど。
「いい天気ですねぇ」とか観客に普通に話しかけていて、
「あなたが来たからよ!」とかお返事している方もいらっしゃいました。会話いいなー!

弁慶ほか僧兵の御一行。いかめしい装備に高下駄。歩くの大変だろうなあ。
長刀を構える姿が様になっています。

義経の北の方の牛車。ちらりと見えましたが美人さんです!

侍女さんたち。笠を取りかつぎを被った姿です。
風になびくかつぎが美しや。

信号で行列が止まるとたまにこんな光景も。
こういう人たちによってお祭が支えられているのですね(^ ^)。

金売り吉次ほか山伏御一行。
駿河次郎や伊勢三郎ほか、山伏に変装した義経の従者たちも混じっています。

女性の武将さんも!

行っちゃったー…。中尊寺へ向かうのですね。
総勢93名の大行列でした。壮観でした。
前日たまたま平泉へ来るのを思いついて、たまたま遭遇したのでびっくり度も加わって
本当に楽しい時間を過ごせました。
1車線道路で中央分離帯もないので、至近距離で見られたのがすごく良かったです。
衣装とか髪型とか、止まっている牛車も観察できたし…。
旅行でイベントに遭遇するのはよくあることですが、行列に当たったのは初めてですね(笑)。
お祭はこの前後も行われているので、機会があればほかの催しも見てみたいです。
行列を見送った後は、観光案内の職員さんとタクシーの運転手さんに大感謝しながら
電車に乗って一ノ関駅へ向かいました。

一ノ関駅の新幹線改札にあった金色堂の模型。
お祭の風景のようです。
そんなわけで最後はちょっとバタバタしましたが、
この後は新幹線に乗って駅弁をいただきながら帰りました!
途中行き当たりばったりの旅行でしたけど、充実した2日間でとても楽しかったです。
東北はまだまだ行きたいところがたくさんあるよーまた行きます!
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- 2013/05/08(水) 11:00:07 |
- URL |
- TOM-F
- [ 編集 ]
お祭に遭遇するなんて、運がいいですね。ゆささんの紀行は、ライブ感があって楽しいです。
私はもう何年も前になりますが、無量光院跡、高舘義経堂、中尊寺、毛越寺を回りました。
ちょうど夏草が青々とする頃で、空いていたのでゆっくりと見学することができました。
雄大な北上川の流れと、束稲山の眺めが印象に残っています。古戦場で有名な衣川が、予想外にしょぼい小川だったのにはがっかりしましたけど(笑)
金色堂を見たときに呆然とするっていうの、すごくわかります。私もそうでした。建築物というよりでっかい細工物か工芸品って感じで、なにか、この世のものとは思えないような色気と迫力に圧倒されました。あの堂内は、きっと今も極楽浄土に繋がってますね。
ゆささんの記事を読んでいたら、また東北に行きたくなってきました。
むむう、GiveMe休暇&旅費。
Re: タイトルなし
- 2013/05/10(金) 21:28:22 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
平泉楽しかったです!お祭もすごく良かったし(*´ω`*)
> ライブ感
「たったいま、起こっている」目線で書いてますので、そう感じていただけると嬉しいです~。
> 無量光院跡、高舘義経堂、中尊寺、毛越寺
夏草や~の頃に回られたのですね(´∀`)いいなあ。
わたし、今回は北上川も束稲山も衣川も行けなかったので、次は行きたいです。
衣川はがっかりスポットですか(笑)たのしみだなあ。
> 金色堂
呆然としますよね。
なにこれ、こんな建物みたことない!ってあっけにとられました。
そうそう、工芸品みたいでしたね…あんな工芸品も見たことないですけど…。
東北は見るとこいっぱいあって回り切れませんねぇ。
次はどこ行こう~(´з`)
No title
- 2013/05/11(土) 00:08:43 |
- URL |
- 遠野秀一
- [ 編集 ]
私も東北、特に岩手に旅行行きたいです。
大宮から東北新幹線も出てて、アクセスもいいですし、
宿も結構安い割に美味い物は食えますし。
蝦夷をまとめていたアテルイ。
アテルイを討伐した坂上田村麻呂。
平泉を栄えさせた奥州藤原氏。
奥州藤原氏を頼った源義経。
義経を庇ったとして奥州藤原氏を滅ぼした源頼朝。
坂上田村麻呂の子孫、戦国大名の田村氏。
田村氏の娘、愛姫を嫁にしたのは独眼竜政宗。
そして、滅びた奥州藤原氏のために一句詠む松尾芭蕉。
くわっ、歴史は繋がっている! 歴史を追ってみたいです。
あと、冷麺、ジャージャー麺、わんこそば。食いたいです。
仙台行って牛タン食べたい。あっ、前沢牛も食べたい。
そういえば、さんまはやっぱり東北ですかね。
Re: No title
- 2013/05/11(土) 01:42:49 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
東北、岩手、いいですねえ♪
大宮から行けるっていうのがいいですよね。アクセスしやすいし。
わたしはまだ、岩手は2回しか行ってないんですけど
まだまだ行きたい場所&食べたいものがたくさんあります。
> 蝦夷をまとめていたアテルイ~
繋がってますね…( ˘ω˘ )。
ひとつの土地を訪れると色んな人の名残があって、
こんなにもたくさんの人が駆け抜けていったのだなあと感慨深くなります…。
くわっ( ゚Д゚)
わんこそばは以前、花巻でチャレンジしようとして諦めました(笑)次はいつ行けるかなあ。
仙台の牛タン、おいしかったのでぜひ。
サンマも人気ですね。お刺身がおいしいそうですよ。
お土産屋さんでサンマの佃煮を見ました。試食したらおいしかったです☆
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