Le vent se leve, il faut tenter de vivre。。。
アルス画房のイラストコンペが無事終了しました~。
見てくださった方々、応援してくださった方々、ありがとうございました☆
ところで、そろそろ観に行った方もいらっしゃる頃かと思いますので、
映画『風立ちぬ』の感想を書いてみることにします。
わたしは公開初日に観て、先週2回目を観て、3回目行こうかな~と考えているところです。
『魔女の宅急便』『紅の豚』『千と千尋の神隠し』の3作がジブリ映画の中で特に大好きなんだけど
この3作に迫るくらいの出来栄えだったと思う。
今日のお絵かき↓
※クリックで大きくなります
二郎さんと本庄さん。
この2人の掛け合い好きだー。良きライバル、良き仕事仲間、良き戦友。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
以下、異様に長い感想&盛大にネタバレしていますので、未見の方はご注意ください。
大丈夫な方はクリックでどうぞ~↓
事前情報は映画館にあった企画チラシと4分間予告と、たまに放送されていた特集番組と
あと知っていたのは試写会で賛否両論だったことくらいでしたが、
さてどんなもんかと見てみたら、いやあすごかった。すごすぎて言葉にできなかった。
空と風と飛行機と人々の映画だ。『風の谷のナウシカ』以来の風とともにある人の映画だ。ガチで。
初日はエンディングの後明るくなってもボーっとしちゃって、
やっと立って劇場ロビーへヨロヨロと出て椅子を探して座りましたが
空や風の美しさ、飛行機、震災、戦争、恋愛、仕事、夢を追うことの二面性など、頭の中がぐちゃぐちゃで
動けなくてしばらくじっとしていました。
周りの音がまともに聞こえるようになるまで30分くらいかかった…。
こんなに気持ちが高揚したのは『千と千尋』初見以来です。
あの日も五感の全部を刺激されまくって頭がいっぱいでフラフラしながら劇場を出たっけな…。
帰宅して、これまで録りためた『風立ちぬ』の特集番組を見まくったら少し落ち着きました。
笑コラのアルパートさんの歌アフレコ和む。
全編にわたってごうごうと風が吹いているのがとにかくすごいインパクトでした。
空がきれいで雲がモクモクたちこめて、そこに吹き荒れる風。強く、強い、本当に、そんな風。
2時間6分と言わずもっとずっと観ていたかった。
二郎さんが図書館の本の火を上着で消しながら、夢の中のカプローニさんに
「はい!大風が吹いています!」って言ってたけど
まさにあの風を描きまくった映画だな。
夢と現実の交錯がね…二郎さんのイメージが風や飛行機になって空を舞ったり、
それに本庄さんや黒川さんや労働者たちが共感してワーッてなったり。
現実がふと夢想につながるのが印象的でした。
昔のクラシック映画のように展開がスピーディーで、文学的で行間読む力が要る映画なので
お子様たちは退屈しちゃうかもな…。
はっきり大人向けでしたね。
宮崎さんがここまで大人向けにしたのって初めてかもしれない。
『紅の豚』も大人が主人公だけど、あれとも違う大人っぽさだった。
ハウルが公開されたときに木村拓哉氏が宮崎さんを「白髪の少年」と表現していて、
二郎役の庵野さんが今回「少し大人に近づいた映画。20代の映画だ」と言っているので
少年期は脱したのかもしれませんが、それにしても。
(そういえばメディアでは、庵野さんはナウシカの巨神兵の人ということで紹介されていますが
トルメキアの大型船軍団をアスベルがガンシップで攻撃してくるシーンも庵野さん画ですよ)
二郎さんの第一印象は「草壁タツオさん似だなあ」でしたが(主に帽子とメガネのせい)、
よくも悪くも飛行機大好き青年でしたね。
小学生から英語の辞書片手にカプローニさんの記事を読み、弱い者いじめのガキ大将を投げ飛ばし、
上司からの宿題さっさと終わらせて好きに設計しちゃうとかなんという理系男子。ハイスペックもえ。
ユンカース社の小型旅客機に「美しい」って言うのと、
本庄さんの偵察機をみて「ああ、これは飛ぶ、風が立ってる」って言うのが好きだー。
でもメガネ外した寝顔はちょっと童顔。
仕事しながら本庄さんと青春してて、妄想するあまり人の話聞いてなかったりと天然も入ってて
菜穂子さんと再会してからますます生き生きしてていとしい。
空を舞う七試や九試を追う真剣なまなざし。キラキラしたまなざし。
この人絶対飛行機を作りたかったんだよ…戦闘機じゃないよ…戦闘機しか作れない環境だったけどさ…。
サバ定食を最後までひっぱってて笑えた。
サバの骨の飛行機いいね、箸でつまんだ骨から生まれる飛行機。小さな飛行機。はあぁ。
喀血した菜穂子さんのもとへ二郎さんが駆けつけるときの、
汽車に飛び乗って仕事を続けるんだけどたまらず涙があふれて図面にぽたぽた落ちてて
わたしも涙が出ました。
ラストで菜穂子さんに「ありがとう、ありがとう」ってつぶやきながら泣いててやっぱり涙が出た。
よいメガネ君でした。
九試単戦の自主研究会、とても楽しそうで和気あいあいとして好きなシーンですが、
(二郎さんが「ちょっと重くなるんだ。機関銃を乗せなければ何とかなる」ってケロッと言うのが好き)
あれ、堀越二郎氏が著書の中で回想されていますね。
「私は、さっそくチームのおもだったメンバーを集めて、
当時の世界の航空界の情勢や、日本のおかれた立場などを話しあい、
私の抱いていた具体的な構想やアイデアを述べた。
活発に意見を交換する技師たちもみな楽しそうであり、笑い声が絶えなかった」
(堀越二郎『零戦』角川ソフィア文庫 p.34)
あと二郎さんが「牛がいるね」「牛がいないね」ってやたら牛に注目してたけど(笑)、
あれも堀越さんの回想どおりです。
当時の日本では、完成した飛行機を牛車に積んで2日かけて飛行場に運んでいた。
一方、同時代のヨーロッパでは工場に隣接していない飛行場はひとつもなかった、と。
(映画でも本庄さんが同じこと言ってる)
菜穂子さんはきれいな人だった(*´∀`*)。
震災のときは二郎さんのトランク抱えて勇ましく歩いて、女中さんの一大事にもひるまず走って
(実家の人が女中さんを迎えに行くとき両親に止められてたね、きっと一緒に行きたかったんだと思う)、
絵を描く横顔がきりっとしてて、紙飛行機とばすの楽しそうで
病気だってわかっても治りたくて、でも二郎さんと一緒にいたくて必死になってた。
加代ちゃんとすぐ仲良しになったっていうのも嬉しかったなあ、どんな話をしたのかな。
ラストで黒川邸から山の病院に帰っていくけど、
あれたぶん、いつかは帰るって山を下りたときから考えていたんだと思います。
最初は「一目会えたらすぐ帰るつもりだった」わけだから。
演じた瀧本美織ちゃんがパンフレットで
「生きようともがく感じではなく、与えられた時間を精一杯生きているイメージで」と
宮崎さんに言われたそうで、そうだなあ、そんな感じでした。天使。
本庄さんかっこよすぎやべえええぇぇええ!!
誰に一番夢中になったって本庄さんですよまったくもう。
職業人できびきびして、早口で、一瞬で物事をとらえて、早く海外の技術に追いつきたくて
ユンカースかぶれを自覚してて、友達が発明した部品を使うのは友達が使ってからっていう礼節も持ってる。
二郎さんが赴任してきたときのウィンクパチンと、「ありがたいが今は使わん」のドアップやばかった。
なにあのイケメン。けしからんもっとやれ。
(演じた西島さんも「頭の切れる気持ちがいい人」と言ってる)
二郎さんのサバ定食にツッコミ入れるけど野暮なことしないし、おまえちょっと寝ろって体調気遣うし
二郎さんの買ってきたシベリア食べてるし、二郎さんが淹れた紅茶飲んでるし、
セリフがほぼ「おい二郎」で始まるし、すぐタバコ切らして要求するし、
ドイツ出張で啖呵切るし、興奮しすぎて「頭が煮えちまいそうだ」って散歩するし。
風貌から、『紅の豚』におけるフェラーリンのような存在かと思っていたら
ものすごく熱いスピリットの持ち主だったね…!
ダメだ本庄さん好きすぎて墜落する。
二郎さんも一緒に仕事するの楽しいみたいで、設計主任になったとき「スタッフに本庄を」って言うし。
(上司にダメって言われちゃうんだけど)
わたしは男の友情とか大好物ですが、ちょっと二郎さんと本庄さん深すぎた。
Twitter見てたら薄い本準備してる人いたね。夏コミ間に合うといいね。
史実の本庄季郎氏は、堀越二郎氏と同じ三菱の社員で設計者です。
一式陸上攻撃機などが有名かな。りっこーりっこー。
黒川さんの走ってるときの揺れる髪。かわいい。
ピッコロおやじみたいに背が小さくて、二郎さんに自転車運転させて自分が後ろに乗るのかわいい。
丸まってる紙にもぐりながら新人の仕事ぶりをつい観察しちゃうのは
宮崎さん本人の行動なんじゃないのって思う。かわいい。
結婚式の仲人ぶり良かったなあ、噛んじゃうところとかもう。
しっかり者の奥さまが好きです。
突然東京へ行きたい人がいても最善の方法をパッと提示できて、頭のいい人なんだなあ。
設計課長の服部さん、いい人なんだか悪い人なんだか。
「会社は全力できみを守る。きみが役に立つうちはな」って猛烈かっこいい。職業人間。
(史実の服部氏もやっぱり堀越二郎氏の上司です)
加代ちゃんかわいい。俺の妹がこんなに可愛いわけがない。
小さい頃はにい兄に構って欲しくて、大きくなったらにい兄に説教しちゃうかっこいい妹。
震災の後二郎さんを訪ねてきて、キッと振り向いたおかっぱの髪が揺れるのがただ者じゃないなって。
とても凛々しい人です。
二郎さんのいない間に、菜穂子さんとどんな会話を交わしたのかな…。
「わたし菜穂子さん大好き。とてもいい人」の言葉から、楽しげに談笑する2人が目に浮かびますね。
カストルプさんはたぶん、『魔の山』のハンス・カストルプがモデルかと思いますが
風立ちぬ原画展で見た宮崎さんのイメージボードではヨハン・カストルプと書いてありましたな。
劇中でも「ここは魔の山、みんなよくなる」って嬉しそうだった。
山盛りクレソン大好物とかかわいい。
テニスでもしてたのか、短パン姿のカットがかわいい。
二郎さんと菜穂子さんがラブラブしてるのをカフェで見ていたりして役得だなあと( ̄▽ ̄)。
歌のシーンは、風間杜夫氏のサポートのおかげであんまし音痴に聴こえなかったよ♪
「日本破裂する。ドイツも破裂する」「ドイツはまた戦争をしますか」「そう、止めなければ」のくだりで
なんとなく『三四郎』冒頭の広田先生と三四郎の会話を思い出した。
「しかしこれからは日本もだんだん発展するでしょう」「亡びるね」の会話ね。
カプローニおじさん。
偵察戦闘機「Ghibli」を設計したカプローニおじさん。
二郎さんの行く先々に現れるフェアリーのような人。メフィストフェレスだけどフェアリー。
飛行機が大好きで、飛行機の夢にとりつかれている自分を自覚しているので
非常に危うい位置に立ってる気もするな…。
「戦争が終わったらこいつを作るんだ」と巨大な旅客機を出現させるくだりは
カプローニさんの人生が透けて見えて泣けた。
イタリアの設計者も戦闘機しか作れなかった時代だもんなあ。
大型機のテスト飛行に失敗してカメラぶっ壊しちゃうシーンが笑えます。
こういう「無駄に元気でパラノイアで暴走しがちなおじさん」(そしてかなりの確率で髭を生やしている)
って、宮崎さんの作品では割とよく出てくるタイプですね。
たぶん宮崎さん自身なんだろうと思います。
(そして髭が意外とかわいい)
いかんみんな好きすぎてやばい。
登場人物で苦手な人が1人もいない映画もやっぱり千と千尋以来です…。
人間をそのまま描いている気がします。この映画に限らないけど。ジブリの場合は。
しかし西島秀俊氏と野村萬斎氏と風間杜夫氏めっちゃいい声ですね…。
瀧本美織ちゃんはとても素敵でした。庵野さんは聞いているうちに慣れた。
作画監督が高坂希太郎氏だから、二郎さんや菜穂子さんのデザインがヒョロ長でしたね。
高坂氏は『耳をすませば』の聖司くんとか『茄子』のペペみたいな、
すらりとした人物を見事なまでにすらりと描くんだよね。きれいな線でね。惚れます。
飛行機の音を人の声でやっているのは事前情報で知っていましたが
注意して聞いてみると確かに人の声に聴こえます。
ジブリ美術館の『やどさがし』のタモリさんの声と違って、加工してあるからわかりにくいけど。
シュコシュコ、カチッ、ポコポコポコポコ、ブーーーーン。面白い。
久石譲氏の音楽も良かったよー。
二郎さんとカプローニさんの夢は壮大で、会社や飛行テストの曲は明るく元気がよく、
軽井沢と菜穂子さんの曲は繊細で美しくて涙が出そうだった。
主題歌も耳に残ります…初めて観た時は1週間くらい脳内をグルグル回っていた。ひこう~きぐ~も~。
夢と現実で様々な飛行機が出てくるのも『紅の豚』以来じゃないかな。
わたしは全然詳しくないので機種とかまるでわかりませんけども、
アヒルの子の七試、白鳥になった九試、そしてラストの零戦は文句なしにかっこいいです。
戦闘機であることも忘れて見とれて、あわてて戦闘機であることを思い出したりした。
服部さんが二郎さんの設計を見て「きれいな線を引くな」って言ってるけど
その設計がみごとに具現化された飛行機なのかなって。
風立ちぬ原画展で、飛行機は全部のカットで同じようには描けない、その画面でらしくあればいいと
宮崎さんの指示があって相変わらずだなって思った。
本物を描くより本物らしく描く方を重視なさるよね…そこがいいんだけど。
あと、やっぱり詳しくないですが鳳翔とか長門とか出てるので
艦これやってる人たちも観ると楽しいと思う。
小物がいちいち効果的です。
メガネ、帽子、シャツ、タバコ、トランク、詩集、シベリア、天上大風、手紙、パラソル、
菜穂子さんのキャンバス、二郎さんが折った紙飛行機。
紙飛行機をゴムで飛ばすのかわいい。
一番印象的だったのは計算尺。細かく数字が描きこまれて、計算以外にも役に立ってかっこいい。
二郎さんは応用のきく人だなーと思いました。
もし彼が現代にいたらPCもスマホもタブレットも使いこなすんだろう。
あと、二郎さんと本庄さんが泊まっていたドイツのホテルの部屋に「死の島」の絵がありましたね。
アルノルト・ベックリンがサン・ミケーレ島をモデルに描いたあれです。
風立ちぬの絵コンテにも「ベックリンのニセモノ」って宮崎さんの書きこみがあるし(笑)。
(確かヒトラーもベックリン持ってたよね…モロトフと会談した部屋の壁に死の島がかかってるとか、
そういう写真を中野京子さんか誰かの著書で見た覚えが)
戦争や震災の描写はあえて避けられていて、
主人公や周囲の人々の、生きることや前に進んでいくことに重点が置かれていましたね。
キャラクターの誰も戦争はいやって言ってなくても、観てるこちら側が怖さをひしひし感じられるというか。
二郎さん(たち)の情熱は結果として悲劇を生む手助けをしてしまうけど
そこは匂わせる形で終わっていて、問いかけというか、こちら(鑑賞者)が考えることみたいになってた。
戦争を描くなら政治を描けって言う声もあるのかもしれませんが、
今回は会社員が主人公だしね。
国や軍隊がどうなってるかとか報道されてない世の中だろうし
一般人の仕事や家庭生活ってだいたいあんなもんだと思う。
(宮崎さんも戦争映画やパニック映画にはしたくないと言っていた)
そもそも舞台が1920~30年代という時点でもえるよね!
地球の反対側ではポルコ・ロッソが赤い飛行艇で飛んでるはずだから…。
なんか涙腺ゆるくなってきた。
ちょっと無理だなって思ったのは、
二郎さんが寝ている菜穂子さんの隣でタバコを吸うシーンがあって
菜穂子さんは「いいよ」って言うんだけど吸わないで欲しかったです。
あと何がつらいって、震災時に二郎さんが菜穂子さんと別れて東大に駆けつけたとき
大学図書館が炎をあげて燃えていたことだよね…。
史実ですが、本や図書館が燃えてしまう映像は本当にたまらない。
あの日は土曜日で図書館に司書がいなくて、たまたまいた職員たちだけで運び出した本もあるけど
蔵書はほとんど燃えてしまって
江戸時代からの古典・古書・漢籍がスッカラカンになってしまったんだよね。
もうマジで泣けた…他人事でもないし。
(芥川龍之介はこのことについて『婦人公論』の震災特集のエッセイで厳しく批判しています)
ついでに言いますと、震災後の東大図書館の復興にあたっては多くの援助が寄せられています。
国内からは徳川家や渡辺家、森鴎外など多くの家・人から寄贈があったそうな。
海外からは、図書復興援助の決議を国際連盟が採択してくれて欧米から多額の寄付があり、
図書館の建物はロックフェラー財団が、漢籍は中国がいっぱい贈ってくれたらしい。
泣けるわー。
映画では描かれていませんが、こんなこともあったよということで。ミニ知識。
とりあえず10年は生きてみることにした。
あと、風立ちぬが始まる前に『かぐや姫の物語』の新しい予告編も見ました。
姫が重ね着した着物をばんばん脱ぎ捨てながら大路を全力疾走してましたね。小林古径の清姫みたいに。
高畑さんはかぐや姫をどうするつもりなんだろう、wktk。
見てくださった方々、応援してくださった方々、ありがとうございました☆
ところで、そろそろ観に行った方もいらっしゃる頃かと思いますので、
映画『風立ちぬ』の感想を書いてみることにします。
わたしは公開初日に観て、先週2回目を観て、3回目行こうかな~と考えているところです。
『魔女の宅急便』『紅の豚』『千と千尋の神隠し』の3作がジブリ映画の中で特に大好きなんだけど
この3作に迫るくらいの出来栄えだったと思う。
今日のお絵かき↓

二郎さんと本庄さん。
この2人の掛け合い好きだー。良きライバル、良き仕事仲間、良き戦友。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
以下、異様に長い感想&盛大にネタバレしていますので、未見の方はご注意ください。
大丈夫な方はクリックでどうぞ~↓
事前情報は映画館にあった企画チラシと4分間予告と、たまに放送されていた特集番組と
あと知っていたのは試写会で賛否両論だったことくらいでしたが、
さてどんなもんかと見てみたら、いやあすごかった。すごすぎて言葉にできなかった。
空と風と飛行機と人々の映画だ。『風の谷のナウシカ』以来の風とともにある人の映画だ。ガチで。
初日はエンディングの後明るくなってもボーっとしちゃって、
やっと立って劇場ロビーへヨロヨロと出て椅子を探して座りましたが
空や風の美しさ、飛行機、震災、戦争、恋愛、仕事、夢を追うことの二面性など、頭の中がぐちゃぐちゃで
動けなくてしばらくじっとしていました。
周りの音がまともに聞こえるようになるまで30分くらいかかった…。
こんなに気持ちが高揚したのは『千と千尋』初見以来です。
あの日も五感の全部を刺激されまくって頭がいっぱいでフラフラしながら劇場を出たっけな…。
帰宅して、これまで録りためた『風立ちぬ』の特集番組を見まくったら少し落ち着きました。
笑コラのアルパートさんの歌アフレコ和む。
全編にわたってごうごうと風が吹いているのがとにかくすごいインパクトでした。
空がきれいで雲がモクモクたちこめて、そこに吹き荒れる風。強く、強い、本当に、そんな風。
2時間6分と言わずもっとずっと観ていたかった。
二郎さんが図書館の本の火を上着で消しながら、夢の中のカプローニさんに
「はい!大風が吹いています!」って言ってたけど
まさにあの風を描きまくった映画だな。
夢と現実の交錯がね…二郎さんのイメージが風や飛行機になって空を舞ったり、
それに本庄さんや黒川さんや労働者たちが共感してワーッてなったり。
現実がふと夢想につながるのが印象的でした。
昔のクラシック映画のように展開がスピーディーで、文学的で行間読む力が要る映画なので
お子様たちは退屈しちゃうかもな…。
はっきり大人向けでしたね。
宮崎さんがここまで大人向けにしたのって初めてかもしれない。
『紅の豚』も大人が主人公だけど、あれとも違う大人っぽさだった。
ハウルが公開されたときに木村拓哉氏が宮崎さんを「白髪の少年」と表現していて、
二郎役の庵野さんが今回「少し大人に近づいた映画。20代の映画だ」と言っているので
少年期は脱したのかもしれませんが、それにしても。
(そういえばメディアでは、庵野さんはナウシカの巨神兵の人ということで紹介されていますが
トルメキアの大型船軍団をアスベルがガンシップで攻撃してくるシーンも庵野さん画ですよ)
二郎さんの第一印象は「草壁タツオさん似だなあ」でしたが(主に帽子とメガネのせい)、
よくも悪くも飛行機大好き青年でしたね。
小学生から英語の辞書片手にカプローニさんの記事を読み、弱い者いじめのガキ大将を投げ飛ばし、
上司からの宿題さっさと終わらせて好きに設計しちゃうとかなんという理系男子。ハイスペックもえ。
ユンカース社の小型旅客機に「美しい」って言うのと、
本庄さんの偵察機をみて「ああ、これは飛ぶ、風が立ってる」って言うのが好きだー。
でもメガネ外した寝顔はちょっと童顔。
仕事しながら本庄さんと青春してて、妄想するあまり人の話聞いてなかったりと天然も入ってて
菜穂子さんと再会してからますます生き生きしてていとしい。
空を舞う七試や九試を追う真剣なまなざし。キラキラしたまなざし。
この人絶対飛行機を作りたかったんだよ…戦闘機じゃないよ…戦闘機しか作れない環境だったけどさ…。
サバ定食を最後までひっぱってて笑えた。
サバの骨の飛行機いいね、箸でつまんだ骨から生まれる飛行機。小さな飛行機。はあぁ。
喀血した菜穂子さんのもとへ二郎さんが駆けつけるときの、
汽車に飛び乗って仕事を続けるんだけどたまらず涙があふれて図面にぽたぽた落ちてて
わたしも涙が出ました。
ラストで菜穂子さんに「ありがとう、ありがとう」ってつぶやきながら泣いててやっぱり涙が出た。
よいメガネ君でした。
九試単戦の自主研究会、とても楽しそうで和気あいあいとして好きなシーンですが、
(二郎さんが「ちょっと重くなるんだ。機関銃を乗せなければ何とかなる」ってケロッと言うのが好き)
あれ、堀越二郎氏が著書の中で回想されていますね。
「私は、さっそくチームのおもだったメンバーを集めて、
当時の世界の航空界の情勢や、日本のおかれた立場などを話しあい、
私の抱いていた具体的な構想やアイデアを述べた。
活発に意見を交換する技師たちもみな楽しそうであり、笑い声が絶えなかった」
(堀越二郎『零戦』角川ソフィア文庫 p.34)
あと二郎さんが「牛がいるね」「牛がいないね」ってやたら牛に注目してたけど(笑)、
あれも堀越さんの回想どおりです。
当時の日本では、完成した飛行機を牛車に積んで2日かけて飛行場に運んでいた。
一方、同時代のヨーロッパでは工場に隣接していない飛行場はひとつもなかった、と。
(映画でも本庄さんが同じこと言ってる)
菜穂子さんはきれいな人だった(*´∀`*)。
震災のときは二郎さんのトランク抱えて勇ましく歩いて、女中さんの一大事にもひるまず走って
(実家の人が女中さんを迎えに行くとき両親に止められてたね、きっと一緒に行きたかったんだと思う)、
絵を描く横顔がきりっとしてて、紙飛行機とばすの楽しそうで
病気だってわかっても治りたくて、でも二郎さんと一緒にいたくて必死になってた。
加代ちゃんとすぐ仲良しになったっていうのも嬉しかったなあ、どんな話をしたのかな。
ラストで黒川邸から山の病院に帰っていくけど、
あれたぶん、いつかは帰るって山を下りたときから考えていたんだと思います。
最初は「一目会えたらすぐ帰るつもりだった」わけだから。
演じた瀧本美織ちゃんがパンフレットで
「生きようともがく感じではなく、与えられた時間を精一杯生きているイメージで」と
宮崎さんに言われたそうで、そうだなあ、そんな感じでした。天使。
本庄さんかっこよすぎやべえええぇぇええ!!
誰に一番夢中になったって本庄さんですよまったくもう。
職業人できびきびして、早口で、一瞬で物事をとらえて、早く海外の技術に追いつきたくて
ユンカースかぶれを自覚してて、友達が発明した部品を使うのは友達が使ってからっていう礼節も持ってる。
二郎さんが赴任してきたときのウィンクパチンと、「ありがたいが今は使わん」のドアップやばかった。
なにあのイケメン。けしからんもっとやれ。
(演じた西島さんも「頭の切れる気持ちがいい人」と言ってる)
二郎さんのサバ定食にツッコミ入れるけど野暮なことしないし、おまえちょっと寝ろって体調気遣うし
二郎さんの買ってきたシベリア食べてるし、二郎さんが淹れた紅茶飲んでるし、
セリフがほぼ「おい二郎」で始まるし、すぐタバコ切らして要求するし、
ドイツ出張で啖呵切るし、興奮しすぎて「頭が煮えちまいそうだ」って散歩するし。
風貌から、『紅の豚』におけるフェラーリンのような存在かと思っていたら
ものすごく熱いスピリットの持ち主だったね…!
ダメだ本庄さん好きすぎて墜落する。
二郎さんも一緒に仕事するの楽しいみたいで、設計主任になったとき「スタッフに本庄を」って言うし。
(上司にダメって言われちゃうんだけど)
わたしは男の友情とか大好物ですが、ちょっと二郎さんと本庄さん深すぎた。
Twitter見てたら薄い本準備してる人いたね。夏コミ間に合うといいね。
史実の本庄季郎氏は、堀越二郎氏と同じ三菱の社員で設計者です。
一式陸上攻撃機などが有名かな。りっこーりっこー。
黒川さんの走ってるときの揺れる髪。かわいい。
ピッコロおやじみたいに背が小さくて、二郎さんに自転車運転させて自分が後ろに乗るのかわいい。
丸まってる紙にもぐりながら新人の仕事ぶりをつい観察しちゃうのは
宮崎さん本人の行動なんじゃないのって思う。かわいい。
結婚式の仲人ぶり良かったなあ、噛んじゃうところとかもう。
しっかり者の奥さまが好きです。
突然東京へ行きたい人がいても最善の方法をパッと提示できて、頭のいい人なんだなあ。
設計課長の服部さん、いい人なんだか悪い人なんだか。
「会社は全力できみを守る。きみが役に立つうちはな」って猛烈かっこいい。職業人間。
(史実の服部氏もやっぱり堀越二郎氏の上司です)
加代ちゃんかわいい。俺の妹がこんなに可愛いわけがない。
小さい頃はにい兄に構って欲しくて、大きくなったらにい兄に説教しちゃうかっこいい妹。
震災の後二郎さんを訪ねてきて、キッと振り向いたおかっぱの髪が揺れるのがただ者じゃないなって。
とても凛々しい人です。
二郎さんのいない間に、菜穂子さんとどんな会話を交わしたのかな…。
「わたし菜穂子さん大好き。とてもいい人」の言葉から、楽しげに談笑する2人が目に浮かびますね。
カストルプさんはたぶん、『魔の山』のハンス・カストルプがモデルかと思いますが
風立ちぬ原画展で見た宮崎さんのイメージボードではヨハン・カストルプと書いてありましたな。
劇中でも「ここは魔の山、みんなよくなる」って嬉しそうだった。
山盛りクレソン大好物とかかわいい。
テニスでもしてたのか、短パン姿のカットがかわいい。
二郎さんと菜穂子さんがラブラブしてるのをカフェで見ていたりして役得だなあと( ̄▽ ̄)。
歌のシーンは、風間杜夫氏のサポートのおかげであんまし音痴に聴こえなかったよ♪
「日本破裂する。ドイツも破裂する」「ドイツはまた戦争をしますか」「そう、止めなければ」のくだりで
なんとなく『三四郎』冒頭の広田先生と三四郎の会話を思い出した。
「しかしこれからは日本もだんだん発展するでしょう」「亡びるね」の会話ね。
カプローニおじさん。
偵察戦闘機「Ghibli」を設計したカプローニおじさん。
二郎さんの行く先々に現れるフェアリーのような人。メフィストフェレスだけどフェアリー。
飛行機が大好きで、飛行機の夢にとりつかれている自分を自覚しているので
非常に危うい位置に立ってる気もするな…。
「戦争が終わったらこいつを作るんだ」と巨大な旅客機を出現させるくだりは
カプローニさんの人生が透けて見えて泣けた。
イタリアの設計者も戦闘機しか作れなかった時代だもんなあ。
大型機のテスト飛行に失敗してカメラぶっ壊しちゃうシーンが笑えます。
こういう「無駄に元気でパラノイアで暴走しがちなおじさん」(そしてかなりの確率で髭を生やしている)
って、宮崎さんの作品では割とよく出てくるタイプですね。
たぶん宮崎さん自身なんだろうと思います。
(そして髭が意外とかわいい)
いかんみんな好きすぎてやばい。
登場人物で苦手な人が1人もいない映画もやっぱり千と千尋以来です…。
人間をそのまま描いている気がします。この映画に限らないけど。ジブリの場合は。
しかし西島秀俊氏と野村萬斎氏と風間杜夫氏めっちゃいい声ですね…。
瀧本美織ちゃんはとても素敵でした。庵野さんは聞いているうちに慣れた。
作画監督が高坂希太郎氏だから、二郎さんや菜穂子さんのデザインがヒョロ長でしたね。
高坂氏は『耳をすませば』の聖司くんとか『茄子』のペペみたいな、
すらりとした人物を見事なまでにすらりと描くんだよね。きれいな線でね。惚れます。
飛行機の音を人の声でやっているのは事前情報で知っていましたが
注意して聞いてみると確かに人の声に聴こえます。
ジブリ美術館の『やどさがし』のタモリさんの声と違って、加工してあるからわかりにくいけど。
シュコシュコ、カチッ、ポコポコポコポコ、ブーーーーン。面白い。
久石譲氏の音楽も良かったよー。
二郎さんとカプローニさんの夢は壮大で、会社や飛行テストの曲は明るく元気がよく、
軽井沢と菜穂子さんの曲は繊細で美しくて涙が出そうだった。
主題歌も耳に残ります…初めて観た時は1週間くらい脳内をグルグル回っていた。ひこう~きぐ~も~。
夢と現実で様々な飛行機が出てくるのも『紅の豚』以来じゃないかな。
わたしは全然詳しくないので機種とかまるでわかりませんけども、
アヒルの子の七試、白鳥になった九試、そしてラストの零戦は文句なしにかっこいいです。
戦闘機であることも忘れて見とれて、あわてて戦闘機であることを思い出したりした。
服部さんが二郎さんの設計を見て「きれいな線を引くな」って言ってるけど
その設計がみごとに具現化された飛行機なのかなって。
風立ちぬ原画展で、飛行機は全部のカットで同じようには描けない、その画面でらしくあればいいと
宮崎さんの指示があって相変わらずだなって思った。
本物を描くより本物らしく描く方を重視なさるよね…そこがいいんだけど。
あと、やっぱり詳しくないですが鳳翔とか長門とか出てるので
艦これやってる人たちも観ると楽しいと思う。
小物がいちいち効果的です。
メガネ、帽子、シャツ、タバコ、トランク、詩集、シベリア、天上大風、手紙、パラソル、
菜穂子さんのキャンバス、二郎さんが折った紙飛行機。
紙飛行機をゴムで飛ばすのかわいい。
一番印象的だったのは計算尺。細かく数字が描きこまれて、計算以外にも役に立ってかっこいい。
二郎さんは応用のきく人だなーと思いました。
もし彼が現代にいたらPCもスマホもタブレットも使いこなすんだろう。
あと、二郎さんと本庄さんが泊まっていたドイツのホテルの部屋に「死の島」の絵がありましたね。
アルノルト・ベックリンがサン・ミケーレ島をモデルに描いたあれです。
風立ちぬの絵コンテにも「ベックリンのニセモノ」って宮崎さんの書きこみがあるし(笑)。
(確かヒトラーもベックリン持ってたよね…モロトフと会談した部屋の壁に死の島がかかってるとか、
そういう写真を中野京子さんか誰かの著書で見た覚えが)
戦争や震災の描写はあえて避けられていて、
主人公や周囲の人々の、生きることや前に進んでいくことに重点が置かれていましたね。
キャラクターの誰も戦争はいやって言ってなくても、観てるこちら側が怖さをひしひし感じられるというか。
二郎さん(たち)の情熱は結果として悲劇を生む手助けをしてしまうけど
そこは匂わせる形で終わっていて、問いかけというか、こちら(鑑賞者)が考えることみたいになってた。
戦争を描くなら政治を描けって言う声もあるのかもしれませんが、
今回は会社員が主人公だしね。
国や軍隊がどうなってるかとか報道されてない世の中だろうし
一般人の仕事や家庭生活ってだいたいあんなもんだと思う。
(宮崎さんも戦争映画やパニック映画にはしたくないと言っていた)
そもそも舞台が1920~30年代という時点でもえるよね!
地球の反対側ではポルコ・ロッソが赤い飛行艇で飛んでるはずだから…。
なんか涙腺ゆるくなってきた。
ちょっと無理だなって思ったのは、
二郎さんが寝ている菜穂子さんの隣でタバコを吸うシーンがあって
菜穂子さんは「いいよ」って言うんだけど吸わないで欲しかったです。
あと何がつらいって、震災時に二郎さんが菜穂子さんと別れて東大に駆けつけたとき
大学図書館が炎をあげて燃えていたことだよね…。
史実ですが、本や図書館が燃えてしまう映像は本当にたまらない。
あの日は土曜日で図書館に司書がいなくて、たまたまいた職員たちだけで運び出した本もあるけど
蔵書はほとんど燃えてしまって
江戸時代からの古典・古書・漢籍がスッカラカンになってしまったんだよね。
もうマジで泣けた…他人事でもないし。
(芥川龍之介はこのことについて『婦人公論』の震災特集のエッセイで厳しく批判しています)
ついでに言いますと、震災後の東大図書館の復興にあたっては多くの援助が寄せられています。
国内からは徳川家や渡辺家、森鴎外など多くの家・人から寄贈があったそうな。
海外からは、図書復興援助の決議を国際連盟が採択してくれて欧米から多額の寄付があり、
図書館の建物はロックフェラー財団が、漢籍は中国がいっぱい贈ってくれたらしい。
泣けるわー。
映画では描かれていませんが、こんなこともあったよということで。ミニ知識。
とりあえず10年は生きてみることにした。
あと、風立ちぬが始まる前に『かぐや姫の物語』の新しい予告編も見ました。
姫が重ね着した着物をばんばん脱ぎ捨てながら大路を全力疾走してましたね。小林古径の清姫みたいに。
高畑さんはかぐや姫をどうするつもりなんだろう、wktk。
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お久しぶりです
- 2013/08/25(日) 20:23:07 |
- URL |
- しけま
- [ 編集 ]
暑い日が続きますね。
夏とはいえ、昔の日本はこれほどではなかった様な。。
遅ればせながら昨日「風立ちぬ」を観ました。
すっかり中年になった自分が宮崎監督作品を観たら
どう思うかという楽しみで一杯でしたが、
平たく言うとやや消化不良という感です。
前半はそれなりにスムーズな展開でしたが、
後半は話が迷走気味で最後の締めくくりはちょっと
強引だったような気がしないでもありません。
制作と同時に絵コンテ(シナリオ)が進行する事は
いつもの事ですが、今回は後半に行くほど
監督の思いがあふれ過ぎたような。。。
あるいは自分の宮崎監督作品に対する見方、考え方、
感じ方が昔と変わったのかも知れません。
これが10年前、20年前の自分だったら
感想はもっと違うものだったのではとも思います。
昔は無批判で宮崎監督作品を観てきましたが、
仮にナウシカの様な少女が現実世界にいたら
恐らく賛否両論だろうと思います。
あくまで物語という世界の中だからこそ
多くの人が共感をもてるのであって。
現実世界、私達が生きる世界は
誰にでも好きな人、嫌いな人がいます。
意見にも賛否両論があります。
100人が100人とも賛成することは
まず有り得ません。
宮崎監督はこの作品でやっと観客を裏切ることが
できたのだと思います。
「信じてくれる人の鏡に自分を映したらお終いだ」と
監督はかつて言っていました。
必ず観る側の期待に応えてくれる作品を作ってくれる-。
そんな圧力に、監督はそんなつもりはなくても
いざ完成してみるとそういう感じが拭えない内容になっている。
それが「ポニョ」までの結果だったのではないかと。
自分がやりたくてもやれなかった事を
(あるいは無意識のうちに避けてきた事を)
監督はこの作品で全て出し切ったのだと思います。
その結果が賛否両論であり、
私もすんなり感情移入できなかった理由だったのではと思ったり。
多くの芸術がそうである様に、
全ての人に受け入れられる作品というのはありません。
むしろ、賛否どちらかに偏るよりも
賛否両論あった方がそれだけ世間に認められているという
何よりの証かなと。
とは言っても私は本作品は好きですよ。
二郎君も菜穂子さんも。
違和感を感じることはあっても、
この作品で登場する多くの人の生き方がひたむきで健気なところが
今までの作品に出てきた人のそれと同じですから。
言いたいことがうまくまとまっておらず失礼しました(^^;
これからも創作活動頑張ってください!
Re: お久しぶりです
- 2013/08/28(水) 21:14:04 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
お久し振りです~☆
日中は暑いですがやっと朝晩が涼しくなりましたね。今年は秋が長いといいなあ。
ご覧になりましたか!
公開後も賛否両論どころか千差万別な意見を連日ネットで見ますね~。
「好き」と言う人も「苦手」と言う人も
とにかくなんでもいいから誰かにしゃべりたくなる映画かなーと思います。
いいことですね(^ ^)。
> 今回は後半に行くほど
溢れてましたね!びしびし感じました。
わたしはそれがとても心地よかったですが、数年後に見直したときどう感じるか楽しみです。
> 自分がやりたくてもやれなかった事を
> (あるいは無意識のうちに避けてきた事を)
> 監督はこの作品で全て出し切ったのだと思います。
そうですね~見ていて宮崎さんがすごく解放されてるなって気がしましたし、
折に触れてそういうことおっしゃってますよね、今回は。宮崎さん。
明らかに大人向けでしかも戦闘機を作った人の映画で、
「描いてはいけないずっとと思っていた」内容のものを作ったわけですし。
だから完成したとき泣かれたのかもしれませんね。
「やっと作れた」という思いと「作ってしまった」という思いと
ほかにも色々な思いがあったのかも。
わたしはもののけ姫が「必ず観る側の期待に応えてくれる作品」のピークかなーと思ってます。
千尋やハウルあたりから、だんだん見る側の期待と自分の思いが50:50になってきていて、
今回で完全に自分の思いにシフトしたなって。
あくまで個人的見解ですが。
> この作品で登場する多くの人の生き方がひたむきで健気なところが
> 今までの作品に出てきた人のそれと同じですから。
二郎さんも菜穂子さんも本庄さんも黒川さんもみんないいですよねー!
加代ちゃんと黒川の奥さんのやさしさや厳しさとか、
カストルプさんとカプローニさんのぞくぞくっとする魅力とかたまらんです。
はーい、ぼちぼちやっていきます(´▽`)ノ☆
お時間がありましたら見に来てやってください♪
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