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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


毒にもなれば薬にもなる。

  1. 2013/09/05(木) 23:56:04_
  2. 絵本・児童書
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  4. _ comment:0
まはら三桃さんの『わからん薬学事始』を読みました~。
マンガ『赤髪の白雪姫』を読んで以来、知識はないけど薬草そのものには興味のあるわたしにとって
パーフェクトにホイホイなタイトルだったわけですが、
本編も薬草と謎がいっぱいで楽しく、すいすい読めましたね。
まはらさんの本は『鉄のしぶきがはねる』『鷹のように帆をあげて』など数冊読んでいますが、
今までのと違って少しファンタジーが入ってます。
こういう本も書かれるんだなあ。
カバー画が大野八生さんでびっくりしました。イラストレーター兼造園家のあの方ですよね。
「じょうろさん」が好きです。

地図にも載っていない小さな島、久寿理島(通称:魔女島)にて
万病に効くといわれる「気休め丸」という秘薬を代々つくり続けてきた木場家に
八代目として400年ぶりに生まれた男の子という、設定てんこ盛りな主人公・草多くん15歳。
薬の製法は女性のみに受け継がれるため、草多は自力で秘薬の作り方を学ぼうと、
また顔も知らない父親の痕跡を探そうと、島を出て東京の和漢学園で薬学の勉強を始めます。
授業は座学のようですが、実習や牧野研究会の風景はハリポの栽培授業を思い出しますね。
マンドラゴラは出てこないけど。

草多には薬草の声が聴こえる力があって、薬草と他の草との区別がつきます。
学校の薬草園の草取りをしながら薬草たちと会話していて面白い。
「わたしはジギタリス、抜くな」「ジギタリス?」
「フランスのお城が懐かしい」「ヨーロッパ生まれか」
とか、楽しそうというわけじゃないけど、何気なくしゃべっていていいなあと思う。
(何となくピクミンとかなめこ栽培キットを連想しました)
しゃべる草はそのままにして、無言の草だけを抜けばいいって便利な力だなあ~。
他にも、牛のお腹から聞こえる「ここに、ここに」の声で胆石を見つけたり
真赤と真白の誤解を解こうとして、ペンダントの琥珀のミツバチに話しかけたり
(時空を超えた会話だったのでその後過労でひっくり返っちゃうんだけど)、
何かと突っ走りがちな主人公だなあ。
薬草たちも結構自分から草多に話しかけています。
ビンの蓋を開けようとすると「オニノヤガラです」と名乗ったり、
「キササゲ」「センナ」「エビスグサ」と自己紹介したり、
草多が探しているのがわかると「わしはここだ」って呼びかけたり。
気休め丸の声が気になるな…。
草多が無意識に力を振り絞って、気休め丸の薬草どころか成分の音まで聞いちゃう場面がありますが
水の中で鉄琴をたたくような音ってどんなん…気になる…。

草多の相棒(?)の竜骨も好き。
普段は物知り顔で、マーリンやガンダルフに似た賢者のような雰囲気で
割と大物っぽく振る舞っていますが
真赤の水晶玉を自分がかつて持っていた黄金の玉と勘違いして「わしの、わしの」って主張したり
泰蔵さんの玉が自分の玉かもしれないと聞いて「見たい見たい見たーい」ってダダこねたり
なんてかわゆいジジイ龍(*´ `*)。
かと思えば、草多がきこえなくなっている間もしょっちゅう話しかけていたり、
草多の大事なシーンで「言いたいことはそれだけじゃないだろう」って背中押したり。
やっぱりいい相棒。

学園の下宿「わからん荘」に草多と一緒に住んでいる人たちが個性的すぎる件。
動物が好きで動物実験ができない嵐さん、動物が嫌いで動物実験ができない伸太郎さん。
嵐さんのペットのモン吉に振り回される伸太郎さん。
真赤とブランカ(真白)は真赤がクール、ブランカが明るいって感じですが
真赤も結構熱いスピリットの持ち主だと思う。
草多が薬草の声を聴くとわかって、その倍の勉強をして薬を見分ける知識を身につけるあたり
ものすごい努力家だし。
(草多が3巻でそれを身をもって知るのがいいなあと思う)
しかし初対面で草多の根付(竜骨)に気づくあたり目はいいのかもしれません。
あと蘭さんの性格が好き~。
こんなおじいちゃんいたらたまらんけど楽しいだろうなあ。

結構長く続くのかなと勝手に思っていたので、3巻のラストで「完」の文字を見て
しばしあっけにとられました。
その前の草多とイラクサの会話がとても良かった。
口の中で薬草がものすごく大事なキーワードをしゃべるって何か官能的じゃありませんか。
草多の物語は始まったばかりなのですね。

作者のまはらさんは鹿児島市に住んでいたことがあるそうで、
久寿理島のモデルは屋久島と奄美大島だとか。
どちらも未踏の地なのでいつか行きたいです。
あと、この本は全3巻ですが3巻とも目次の後に本編に登場する薬草・生薬の一覧がありました。
カッコン、ヨモギ、レンギョウ、ドクダミ、ハトムギ、カミツレあたりはわかるけど
もし薬草園で探してくれって言われたら難しいだろうな…。
草多の耳が欲しい。



手古舞。※クリックで大きくなります
後ろ姿シリーズ7。6はこちら
埼玉県川越市のお祭と、川越稲荷神社巡りをごちゃまぜにしました。
川越祭りは江戸時代の「天下祭」を再現した300年以上続く祭礼、
稲荷神社巡りは川越市内に60社以上ある稲荷神社を狐の仮装で巡るイベントです。

衣装は手古舞の女性たちが着ているものです。片肌脱ぎにたっつけ袴、花笠が基本形。
着物の片袖を外して左右違う柄を見せるっていうのが粋で好き~。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
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テーマ : 児童書    ジャンル : 本・雑誌

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Author:ゆさ
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歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
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