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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


むかしむかしの都には。

  1. 2013/11/05(火) 23:17:17_
  2. 文化・美術
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
okura1.jpg
三連休の初日に大倉集古館へ行ってきました。
建物がもうすごい雰囲気。石積と鉄筋コンクリート。中国風というか東洋建築。かっこいい。
ちなみにまわれ右するとホテルオークラがあります。

開催されているのは「描かれた都-開封・杭州・京都・江戸」展。
日本・中国の絵画の中から都市の景観や風俗などを画いた作品を展示しています。

まずは中国の都の絵。蘇州の風景を描いた清明上河図が3点。
蘇州といえば日本の遣唐使が渡唐して最初に降り立つ場所ですな!←
長江が近かったこともあって歴史的にも栄えてきた都市です。
(ちなみにお隣は上海です)
今回は、明代と清代の蘇州の様子を描いた巻物の展示。
川沿いの人々の生活や商売、橋の上の賑わい、市の活発さ、荘厳な王宮と
都市の階層がほぼ網羅されて細かく描かれています。
人物の表情がみんな違うのすごい!
清代の方が、そんなに年月も経っていないから綺麗でしたね。
去年に東博で宋代の清明上河図を見ましたが、今回出品の3点があれよりずっと画面が明るいのは
描かれた時代のせいなのかもしれません。

次に、日本の都の絵。
狩野永徳の洛外名所遊楽図は嵯峨から嵐山を描いています。
この屏風って確か、何年か前に永徳筆と確認されたばかりじゃなかったっけ。
メリハリのあるタッチとか建物の屋根の青緑とか永徳らしさが随所にみられ、
上杉本の洛中洛外図屏風を縮小したような印象でした。
狩野松栄(永徳のパパ)の釈迦堂春景図は清凉寺を中心に渡月橋や二尊院の桜が描かれてますが
ため息が出るほどきれい。
色遣いがとても明るくて光が差しているように見えました。
息子ははっきりくっきりした色が好きみたいだけど、パパはほんわかふんわかなのですね。

林和靖を描いた作品が3つ。
林さんは俗世を離れ梅と鶴を愛でながら暮らした宋代の詩人で、よく画題になるそうです。
盛懋の林和靖図は真ん中に林、隣に童子、梅の木の根元に鶴がいて
人物がでーんとして正統派って感じ。
隣に狩野探幽の縮図(スケッチ帳)がありました。
探幽がさらさらとした筆遣いで描きためた人物や花鳥風月、風景などに混じって
林和靖のスケッチもあります。
探幽のも人物がメインで、どちらかといえば正統派。
しかしそれが、曽我蕭白の手にかかるとたちまちひどいことに(笑)。
小ぶりの掛軸いっぱいに中国山水の風景が描かれ、さて林和靖はどこと探してみると
左下にものすごくちっちゃく描かれていたりします。マッチ棒みたいに。
一応、梅や鶴も描かれているので林和靖図とかろうじてわかるのですが
虎渓三笑図といい、この絵といい、もう~蕭白ってどうしてこうなの、大好き(笑)。

池大雅の西湖勝覧図、中国へのあこがれが伝わってきますなあ。
大雅の絵は広がりがあって圧迫感がまったくなくて、やさしくて伸び伸びとしていて
無数の点描でさえ楽しんで描いたような気がしてくる。

okura2.jpg
2階に来てみました。中国チックなテラス。

2階にも展示室があります。
葛飾北斎の蔦屋さんち見るの何度目だろう。何度見ても広告の「山東京伝」にニヤリとする( ̄▽ ̄)。
宮川長亀の桜図と納涼図の屏風、どちらも人々の宴会で賑やかです。
しかし遊女は歌麿大先生を見慣れているせいで、長亀さんのは全然色っぽく見えないね!困った。
歌川広重の肉筆画3幅。
隅田川の月・飛鳥山の花・佃島の雪で雪月花を表現しています。
描きこみが最小限までそぎ落とされていて美しいです。広重は引き算の絵がうまいなー。

両国橋や隅田川を描いた鍬形蕙斎「東都繁昌図巻」と、鶴岡蘆水の「両岸一覧」。
お江戸の絵師は隅田川っていうと必ず花火描きますね(笑)。
隅田川の花火大会は今も有名ですが、お江戸の頃からずっと「隅田川=花火」のイメージなのですね。
(ちなみに隅田川花火大会は徳川吉宗が享保の飢饉の犠牲者を弔うため水神祭を行ったときに
余興として両国の料亭・鍵屋が花火を打ち上げたのが始まり)

山口晃の「東京圖 六本木昼図」と「東京圖 広尾-六本木」。
現代アートの洛中洛外図。
色彩もパーツもごちゃまぜですけど見ていて飽きない。むしろ楽しくなってきます。
ところどころにキンキラキンの雲がかかってるんですけど、その下には何があるんだろうとか思う。
雲よどけ。わたしは下が見たい。
山口氏は出品にあたりコメントを寄せてくださったらしく、
「ある一時期のものを描くとき、それが普遍性をもっているように描くのが大事。
その普遍性が描かれた時点で現代性を表しているのも大切」
「締切ではなく納期、というと緊張感が違う」「昔の絵師が屏風に雲を描いた理由がわかったかも」的な
言葉がキャプションにあって
あーそれすごいわかる!!ってガラスの前でうんうんうなずいてた。
細かい絵って描いてて楽しいけど、雲を描かないと画面が埋まらないときがあるんだよね。
(山口氏といえば先日のほぼ日のインタビューがとても良かったです。→こちら
あのお顔から「びかびかーっ!」って言葉がとび出すと思うと、たまらない)

久隅守景の賀茂競馬図。現代も行われている上賀茂神社の競馬を描いた屏風です。
広々とした境内を疾走する馬と、馬を乗りこなしながら的を射る騎手。かっこいい!
神社の周りには茶摘みの様子も描かれていてのどかな風景。
静と動が同時に存在するのが狩野派の真骨頂ですね。(守景は狩野探幽の弟子)
伊藤若冲の乗興舟も何度も見たけど、版画の漆黒が好き。惚れ惚れします。
現代の職人にこの黒を出せる人がいるのかどうか。そもそも過去の職人もどうやって出したのか。
肉筆も版画も、若冲の絵は再現できるレベルじゃないような気がします。


美術充したので大倉集古館を後にして、神谷町方面に坂を下りますと。
sugita1.jpg
榮閑院があります。
江戸時代の蘭方医・杉田玄白のお墓があるので会いに来ました☆
今年は玄白の生誕280年にあたります。

sugita2.jpg
境内の猿塚。
昔、この辺りで猿回しが芸を披露したことから榮閑院には猿寺の異名があるそうです。
本堂の前には阿吽のお猿さん像がいます。狛犬代わり?(笑)

sugita3.jpg
玄白のお墓はこちら。
後ろの卒塔婆にも「玄白居士」って書いてあるよ!間違いないね!フオオォォウ
横には正四位の文字が刻まれています。1907年に贈られたもの。没後90年記念ですかね。

そして自然と考えてしまうのは平賀源内さんとの関係なわけで。
2人の親友ぶりは玄白の著書とか、玄白が源内の墓標に贈った送辞から伺えます。
源内が獄死したのは52歳ですが、玄白は84歳まで生きていますので
お空の上で再会したときには親子くらいの年の差になってるのですね。
友達と久々に再会したら32歳差ってなんだ、浦島太郎じゃあるまいし。
(しかも生前は玄白の方が年下だったし)
どうせ源内はシュンとしてるだろうから玄白はなぐさめてるに違いないね。
源内はあの性根だから「なんだよーおまえおれより年取りやがってこのやろう」とか突っ張るけど
玄白はそれすら懐かしくて「そんなこと言うなよ」ってカラカラ笑うんだろうね。
で、一足先にお空に来ていた前野良沢とか中川淳庵とか小田野直武とも再会して
蘭学や解体新書のこととかいっぱい語り合うんだろう。
で、さらに源内がすねる。かわいい。
で、しょうがないからみんなで酒盛りして盛り上がってつぶれる。かわいい。

とか、とか、どうでもいい徒然妄想を脳内で繰り広げていたらしゃがんでいた足がしびれました。


で、神谷町から地下鉄に乗って。
jinb1.jpg
神保町ブックフェスティバルにやって来ました!
神保町交差点を中心に、今年も歩道にずらっと青空ワゴン棚が並んでいましたよ。
人出は多いけどこの熱気が楽しくて毎年来ています。
みんな本を求めてやってくるんですねえ。いいねいいね☆

jinb2.jpg
解体中の小学館ビル。
よく見ると、8月の落書きがところどころに残っていました。名残惜しいなあ。バイバイ。

しばらく物色していたのですが、あいにく途中から雨がぱらついてだんだん本降りになってしまって
すずらん通りの青空ワゴン棚も次々に「雨のため中止します」と引き上げていってしまったので
カフェを探して休憩することに。
jinb3.jpg
東京堂書店さんのカフェに初めて入りました!
東京堂カレー。

青空古本市は残念でしたけど、古書店は開いていてセールなど続けてくださったので
ぼちぼち収穫がありました♪
前は抱えきれないくらい買い込んで宅急便で送ったりしていましたが、
今は考えつつ厳選して買うようになりました。少しは大人になれたか( ˘ω˘ )。
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歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
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