fc2ブログ

鳥、虫、けもの、草木、花。

2013.12.13 23:51|ジブリ
来年夏公開のジブリ最新作は『思い出のマーニー』だそうですね!!
Twitterのニュースでマーニーの4文字見て「ぴぎゃーー」って叫ぶところでしたよ。
やばいっめちゃくちゃ嬉しいっ待ち遠しい☆
アリエッティに次ぐ米林宏昌氏の2作目ですよ。
アリエッティに続いてアンナとマーニーがジブリの絵で動きますよ。
そして、アリエッティと同じように舞台設定をイギリスから日本に変更するそうな。

原作は前に宮崎駿氏がプッシュしていたので読みまして、面白いようにハマって
今も大好きな本です。
静かで暖かくて胸がぎゅーっとする切ないエブリデイ・タイムファンタジー。
出てくる人みんなすごくいい人ばかりなんだ…。
時の旅人とかトムは真夜中の庭でとかグリーン・ノウシリーズとか、
イギリスは良質なタイムファンタジーが多い国ですね。

公式サイトもできていたので見たら、脚本が3人体制ですね。
千と千尋のとき作画監督だった安藤雅司氏が脚本に参加してる、たぶん作監もやるんだろうな。
音楽が村松崇継氏!京都1200年の旅のテーマ「希望という花を」のお方ではないか。
マーニーの世界観にぴったり~♪
村松氏の音楽に合わせてマーニーがあんな風に、アンナがこんな風に動くとか(落ち着け)
やばい見たすぎる。
生きねば\\\ ٩( 'ω' )و ////


…と、前置きがだいぶ長くなりましたが。
先月と今月と2回観に行ってきた映画『かぐや姫の物語』の感想を書きたいと思います。
あめつちよ。
以下、盛大にネタバレしていますので未見の方はご注意ください。
大丈夫な方はクリックでどうぞ~↓
 
 
いやー……すごい映画だったなあ……。

いきなり何やねんと思われるかもしれませんが、初見の感想はそれだけでした。
全然すごいことやってないように見えて、実はものすごいことやってくれたような映画でした。
高畑さんがこれまでやってきたことが全部つまっていた。集大成でした。
制作に8年かかったのも納得…。
わたしの中では高畑作品で一番好きになりそうです。

見事なまでに原作に忠実、合間に高畑さんの創作や解釈がうまく挿入されていて
かぐや姫が求婚を断ったり月に帰るとき泣いた理由などが
がつんと心に響く作りになっていました。
原作が古典なのでネタバレも何もなさそうな感じですが、先がわかってても引き込まれた。
ぽんぽこみたいなまんが日本昔ばなし的雰囲気と
おもひでぽろぽろみたいな世の中の不条理がミックスされてる感じ。
高畑さんは本当に不条理を描くのがうまいなあ。
アニメのハイジみたいだという映画評が多いですが、うん、そうだな、ハイジだ。かぐや姫が。
そして最終的には女童ちゃんと捨丸兄ちゃんがなんか色々ぜんぶ持っていった。←

よく聞く感想ですけど、作画がすごいです。
筆のようなタッチでどこまでもシンプルなライン、水彩画のような色彩、
でも植物や虫の種類はきっちりわかるような単純化。
ナズナはナズナ、シロツメクサはシロツメクサとか、きちんとわかってる方が描いてると思いました。
あたたかなシーンはどこまでもやさしく、感情的なシーンは激しいタッチ。
かぐや姫が桜の木の下でクルクル舞うシーンは踊るようなタッチだったなあ…
筆で描いた絵がそのまま動いているっていうか、
源氏物語絵巻や鳥獣人物戯画とかの、絵巻物が動いてるみたいでした。
アニメーションは人物と背景を別々に、きっちり色とラインで描くのが定石ですが
高畑さんは境界線のない絵にしたかったようです。
あとね、空を青く塗ってない。日本画はそうだって、爆問学問で高畑さんおっしゃってたよね。
言われてみればそうですね。
加えて、男鹿和雄氏の背景美術と、色彩設計さんと、仕上さんの仕事ぶりは神。
こんなすごいアニメーターたちがこの国にはいるんだよ…もうみんな世界の宝だよ…。

OPクレジットは色あざやかな料紙のタイトルバック。
絵と音楽の静謐さが素敵すぎて最初からふわああーーってなりました。
「今は昔、竹取の翁という者ありけり…」の宮本信子さんのナレーションに感激し、
竹藪で翁がかぐや姫を見つけて連れ帰るまでの流れで泣きそうになり、
媼がおっぱいあげたり翁が手を叩いて「姫、おいで」って呼ぶシーンで
本編始まって間もないのに涙腺をKOされかかりまして。
本気だ…この映画とISAOはどこまでも本気だ…。

原作ではかぐや姫が大きくなるまでの話はさらっと流されてるけど
映画は丁寧に描いていました。
すくすく育っていく姫が生き生きしてた。
近所の子どもたちと野山を駆け回り、ウリ坊にちょっかいを出し、キジを追いかけ、崖をすべり下り、
雨に打たれ、歌を歌い、川にとびこみ、大声で笑ってすごく解放されてる感じ。
子どもたちから「タケノコ」って呼ばれてたのもかわいかったです。
捨丸兄ちゃんと畑から瓜を失敬してこそこそ食べるシーンに笑ってしまった。

そんな冒頭だったから、翁たちと都にやって来てからの姫には
そりゃ感情移入しますよ…。
昨日まで一緒に遊んでいた友達はもういないし、
きれいな着物は着られるけど、お姫様教育が始まると走るな、騒ぐなと注意されて
フランクフルトでロッテンマイヤーさんに叱られるハイジのような感じに。
手習いでラクガキ(主にウリ坊)したり、子猫と遊ぶ姫にもしんみり。
汗が目に入るからと眉を剃るのを嫌がった姫に「高貴な姫は汗をかきません」と言う相模に
「高貴な姫は、人ではないのね」と言い返すのがズシンときた。
裳着の宴会で男たちにいいように言われて清姫みたいに夜道を全力疾走し(トレーラーのあれです)、
5人の貴公子たちの求婚を断ったのはただ自己主張しただけなのに
みんな宝物を集めるのに苦労したり傷ついたり、亡くなってしまった人(石上中納言)もいて
「みんな不幸になった!わたしのせいで!」ってさぁ…
媼が「姫のせいではありませんよ」ってなぐさめてくれるのがまた泣けてな…。
翁と媼のことが大好きで、期待に応えようと一生懸命で
でも翁の望みが自分の思いとは決定的に違うから悩んでしまって。
「わたしは生きるために生まれてきたのに」のセリフ…
姫が地球に来たのは生きてみたかったからで、
その生きることとはかつて友達と野山を駆け回って風や空や土を感じることで、
でもそれに憧れることが月の世界ではタブーとされているという解釈に目からウロコ。
月の世界から見れば地上は悲しみに満ちていて愚かなものかもしれないけど
それでも姫が最後の最後で地上を肯定しようとしていて
何だかほんともう、「ありがとうございます!」って深々と頭下げたくなっちゃった。
朝倉あきちゃんの演技が光っていたなあ…。
かわいらしく、時に凛として、決然と。かっこよいかぐや姫をありがとうございました。

竹取の翁は純朴でやさしくて、ものすごく姫を愛していて
姫を思うがゆえの行動が姫を苦しめたりもしています。
(親に抑圧されて育った経験のある人は翁を見るのがつらいかもしれない)
地井武男さんの声を久しぶりに聞いてとてもなつかしく思いました。
泣いてるシーンは本当に地井さん泣きながら演ったんじゃないかって感じた。
宮本信子さんの媼がやさしくて包容力があって…あかん…おかあさんマジ抱きしめてくだしあ。
都のお屋敷に来ても、ラフな格好して畑をつくって、機織りもして。
姫を結婚させようと躍起になっている翁に「あなたはまだわからないのですか」ってかっこよかったです。
媼のいる空間は姫の癒しの場でもありましたね。
姫と一緒に地面にぺったんして草木をのぞき込むカットが好きです。ホッとする。

しかしそれ以上にベストヒットだったのはかぐや姫の側にいた女童ちゃんです!!
かわいい!かわいすぎる!!(十万石まんじゅう風に)
もう最強。高畑作品でベストキャラかもしれません。
おじゃる丸の電ボに見えて仕方ない。ニャンコ先生にも。Twitterでパタリロ侍女って言ってる人いたな(笑)。
声をあてた田畑智子ちゃんがすごくいい仕事してました。
かぐや姫の裳をこっそり着けちゃったり、大きな風呂敷を頭に乗っけて歩いたり、お稽古中は居眠りしてたり
着物にラブレターいっぱい持ってくるシーンとか、姫と羽根つきしてるのとか
(高畑さんは平安時代の羽子板の絵は残ってないが、羽子板がなかったという証明もないと言っている)、
姫のために桜の枝を持ってくるシーンとか、姫を守ろうと鉢巻きしてるのとかよかった。
つまり全部よかった。(爆)
とにかく動いてればかわいい(´▽`)。
姫や他の人物に比べて、彼女だけなんかキャラデザと頭身おかしくてそれがまた癒やし。
猫みたいな口でほっぺたフクフクしてて、ぷにぷにしたい。
うしししって目と口でニヤニヤしてるとこなんか、もはや子猫。
すべてにおいてパーフェクトなかわいさを誇る彼女ですが最後の行動には涙腺決壊させられた(T▽T)。
姫を守ろうと薙刀持って待機してたのに、いつの間にかいなくなったと思ったら
都のちびっこ連れてわらべ唄とか!
グッジョブ。
この映画のMVPは彼女です。彼女の着ぐるみはまだですか。ってか、うちに1人ほしい。ください(真顔)。
映画館のショップのグッズも童ばっかり。がま口におみくじキーホルダーにシール。はわああぁぁ

そうそう、わらべ唄。
山の子どもたちが歌うのと、かぐや姫がふと思い出すように歌うのと2パターンあって
折に触れて歌われたりBGMだったりして素敵でした。
唄とかぐや姫が貴公子たちに求めた宝物がリンクしてて面白かった。
鳥、虫、けもの、草木、花。
燕の子安貝、龍(虫→蛇)の首の珠、火鼠の皮衣、蓬莱の玉の枝、仏(花)の鉢。
あの唄、月に帰った姫が理由もわからず思い出して歌ってたりしたら泣ける…。

久石譲氏の音楽は本当にすばらしかったです!!
録音はフルオーケストラのはずですが、必要最低限の音で映画の奥行きをぜんぶ表現していた。
予告でいっぱい聴いた琴の曲は、劇中でかぐや姫がさらさらっとつまびいていましたね。
やばいサントラほしい…。

教育係の相模さんが巻物広げるシーンが好きです~かぐや姫がコロコロって長く開くのもよかった。
高畑淳子さんの声優のお仕事を拝見するのはデボネア様と庚さん以来だ。
志の輔師匠の秋田。名づけのときいいオヤジだなーと思ったら、途中でおいやめろってなった。。
すべての発端はおまえじゃねえか。
他の男たちと違う人種のような気が勝手にしていたんですが蓋を開けたら同じ穴の狢でした。
貴公子たちが姫のことを知った風な口で語るのがもう、生々しいったら…
橋爪功氏と車持皇子の顔が似すぎててフイタ。
伊集院光氏のハマりっぷり。火鼠の衣を燃やすシーンの慌てふためきっぷり面白かったです。
(プレスコで収録2年前だから言えない期間長くてしんどかったってラジオで語ってらしたな)
上川隆也ヴォイスで口説いてくる石作皇子は最低なのに色っぽすぎ。反則。
そんな面々の中ただ一人愚直に姫を想う大伴大納言の船にいた船頭さんが仕事できすぎて惚れそうになりました。
この映画で一番のイケメンは船頭さんだよ!!!(力説)
石上中納言が屋根から落ちて壺にがっぽんはまっちゃって亡くなったときの
かぐや姫の悲しみ方が原作より重かった。
そして……御門の……AGOね…………←
かぐや姫見た人の99%がアゴのこと言ってて何の映画かと(;´∀`)。
お七ヴォイスじゃなかったら気持ち悪さ5割増ですね(笑)お七でも充分気持ち悪いけど(いい意味で)。
映画をしみじみ思い出そうとすると彼のアゴが脳裏によみがえってきましてな。夢に出そう。

御門の行動は姫が「自分はなぜ地球に来たのか」を思い出すきっかけになってしまって
それから毎日、釣殿で月を眺めてはため息をつく姫の足元に
水面に映った月が揺れていて綺麗でした。
媼が牛車を用意して山に帰るという最後のプレゼントをくれるのも泣けた。
捨丸兄ちゃんとのシャガールのようなランデブーは一瞬引いたけど
姫が幸せそうだったのでよしとする。
全力で「あめつちよ、わたしを受け入れて!」って叫ぶ姫は解放感に満ち満ちて
瞳もキラキラして美しかった。
手に手を取って空を飛ぶと書くと『千と千尋』のハクと千尋ですな。うん。

クライマックス、姫が月に帰るシーンはすごくて美しくて怖くて泣いた…!
雲に乗って音楽奏でながらお迎えに来た月の使者たち。どう見ても極楽浄土から来た人たち(笑)。
仏様のエレクトリカルパレードやばい、ファンシーな音楽攻めもやばい。
てっきり笙がファーンとか鳴って雅楽なお迎えと思っていたのに、ハワイアンでサンバみたいで
すごく明るくて輝いていて、だからこそ怖かった。
(久石さんによると「メロディラインはアイリッシュ、太鼓はアフリカのもの」らしい)
かぐや姫がすーっと雲に吸い寄せられていって
女童ちゃんたちのわらべ唄と「いかないで、姫!」って叫ぶ媼の声で目から華厳の滝。
もうなんかぶわーーって溢れちゃってコートの袖ぐっしょりになった。。(;∀;)
使者が姫に天人の羽衣を羽織らせるタイミングに鳥肌たちました!
シビアにばっさりいきましたね。高畑さんやりよる。
雲の真ん中にいた聖おにいさんっぽい人が実のお父さんかと思ったのですが特に言及されませんでした。

翁と媼だけでなく、御門や貴公子たち、秋田と相模、捨丸兄ちゃん、
みんなが月を見上げて姫を見送るようなシーンとか
かぐや姫がハッと振り返ると地球が見えてるシーンとか、切なすぎて何も言えねぇよ…。
月に浮かぶ赤ちゃんかぐや姫がラストカットでした。

いやーよく作ったなあ。
ちょっと大傑作でした。
同じレベルのものを作れと言われたらたぶん誰もできないんじゃないかと思います。
関係者の皆様、高畑さんに好きなだけやらせてくれてありがとうございました。
そしてエヴァンゲリオンのスタッフさんは心置きなくエヴァ新作の制作に戻ってください。


原作ラストにある、翁と媼が寝込むとか帝が不老不死の薬を富士山で燃やしたとかのエピソードはカット。
かぐや姫と帝が歌を詠みかわすのとかもなかったですね。
「会ったこともないのに添い遂げるなんて」のセリフとか、帝の前から影のように消えちゃうとか
帝に乞われた姫が「わたしを宮中へやるくらいならいっそ殺してくれ」と
きっぱり宣言するくだりはきちんとあった。
さっきも言いましたけど基本は忠実で、そこに何らかのアクションが追加されてましたね。
姫が火鼠の衣を燃やしてみてと右大臣に言うとき手が震えてるとかね、
そういうところを本気で丁寧に描いてくれるのが高畑さんですね。

Twitterやブログでいくつか感想とか映画評とか見てみると
風立ちぬみたいに見る人によって解釈が違うので面白いです。
色んな人の感想読んだり語ったりしたいなあ。
夏に風立ちぬ、冬にかぐや姫。
尊敬する映画監督の作品を同年に2本も見られて、彼らと同時代に生きている幸せ。
今年は記念の年だ。

鑑賞後、映画館ロビーを走り回るちびっこがみんなタケノコ時代のかぐや姫に見えて泣きそうでした。
グッズはパンフと根付買いました☆
女童ちゃんのマスコット売っててあらかわいいねえって思ったのに、買い忘れてしまいました…。
スポンサーサイト



テーマ:スタジオジブリ
ジャンル:映画

コメント

わわっ、「かぐや姫の物語」だ。
ごぶさたしております、TOM-Fです。
観てこられたんですね。この作品、気になっていたんですよ。でも忙しくてなかなか劇場に行けなくて。
ゆささんの記事を読んだら、やはり観たくなってきました。近いうちに、劇場に行ってきま~す。

Re: タイトルなし

> TOM-F様

かぐや姫です~~~☆
あわわ、こちらこそご無沙汰してしまってます。

おーTOMさんも気になさってますか!なりますよね。
記事、読んでくださいましたか、だいぶネタバレ書いてしまいましたが(;´∀`)、
でも書ききれないくらい素敵な要素たくさんありましたので大丈夫だと思います!
ぜひぜひ。
非公開コメント

カレンダー

01 | 2024/02 | 03
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 - -

プロフィール

ゆさ

Author:ゆさ
猫に熱烈な愛をそそぐ本の蟲
歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
*twitterにも出没なう。→こちら

初めての方はブログご案内をどうぞ。
当ブログはリンクフリーです(宗教、アダルトサイトは×)。
文章や画像の加工、無断転載は禁止。
版権元の企業や団体とは一切関係ありません。

All Rights Reserved.
No reproduction or republication without written permission.
This blog is written only in Japanese.



にほんブログ村 イラストブログ オリジナルイラストへ
にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ


☆気が向いたらクリックお願いします

FC2カウンター

「小倉百人一首」

問い合わせ先

最新記事

カテゴリ

月別アーカイブ

リンク

検索フォーム

応援中

最新コメント

最新トラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード