大猫の尻尾でじやらす小蝶哉。

渋谷区立松濤美術館で「ねこ・猫・ネコ展」を観てきました(=^エ^=)ニャー
タイトルのとおり猫に関する美術品を集めた展覧会です。
絹絵、版画、油絵、ブロンズ像など展示室のあらゆる方向から猫攻めされ終始ニヤニヤしてきました。
ああ、幸せな時間♪
最初に迎えてくれるのはエジプトの猫ちゃんのブロンズ像「聖猫」。シュッとおすわりした姿です。
古代エジプトには猫の神様がいて、エジプトの人々は猫をとても大切にしたので
こうした像がたくさんあるそうです。
隣には「聖猫頭部」といって猫のミイラに被せて埋葬したという頭像があった!
エジプトでは猫もミイラにしたんだ…。
仁阿弥道八の「黒楽銀彩手焙」は背中に蓋がついててそこから炭火を入れると
猫の両耳から煙が出るものだそうで面白いと思いました。
展示室の中央には朝倉文夫氏の猫ブロンズ像がいくつか展示されていて、
ネズミを捕った猫、折り重なって眠る猫たち、うとうとする猫、5匹の子猫がじっとこちらを見る姿など。
東洋のロダンと呼ばれた朝倉氏の作品ですからリアルさもさることながら
猫像の顔つきといい手足の表現といい、これは猫を飼っている人の視点だなあと思って
帰宅してぐぐってみたらやっぱり猫好きな方だったとわかりました。
常に十数匹の猫と暮らしていたとか、国芳の生まれ変わりですか!(笑)
しかも氏のアトリエを改装した朝倉彫塑館には氏の猫の彫刻を集めた「猫の間」があるとな(゚□゚)。
なにそれこの世の天国!行きたい超行きたい!にゃー!!
猫絵もたくさんありましたよ~。
春日権現験記絵の模本。大きなお屋敷の中にこちらに背を向けてちょこんと座る虎猫ちゃん、
キュートなお尻のしっぽが今にもぱたんぱたん動き出しそうでした☆
与謝蕪村の「繍毬花下睡猫図」。てまりの花の下で丸まって眠る猫ちゃんが気持ちよさそうで
鼻とか耳とかさわってピクピク動くのを楽しみたい。
河鍋暁女の「絵手本習作」は猫のページが開いていて、正面を向いた大小3匹の猫がこっちを見てて
背中がずんぐりむっくりで何かおにぎりみたいでかわいかった(笑)。
竹内栖鳳の「酔興」。猫とネズミが杯を交わしいい気分で宴会してる図が
ぶっとい筆でコミカルに描かれてます。栖鳳ってこんな絵も描くんだなー。
小林清親の「猫と提灯」。木版ですが一瞬肉筆かと思いました!筆跡の再現率がすごい。
真っ黒な背景に、提灯にじゃれる白黒猫ちゃん。首に鈴がついててかわいいな~。
提灯には清親の家紋がついていました。
柴田是真の「猫鼠を覗う図」。ざくろを食べる鼠を物陰からのぞいている猫ちゃんの図。
(ちなみにざくろも豊穣をあらわすということで、これもおめでたい絵だったりします)
松尾敏男の「花かげ」。大きな牡丹と猫。ペルシャ猫かな?
青みがかった灰色のふわふわした毛並みの美しい猫ちゃんでした。もふりたい。
沈南蘋の「燕掠飛花図」。
満開に咲き誇る花の木からはらりと落ちる花を燕が狙い、それを下から見上げる猫。
動く鳥とじっとする猫。静と動の対比。添えられるピンクの花はみごとな写実でさすが南蘋と言う他なくて
じっと見入ってしまいました。
司馬江漢の「猫と蝶図」。優雅に飛ぶ黒アゲハを見上げるミケ猫ちゃん。
耄と耋を描いた耄耋図というやつですな。吉祥画。
中国語で「猫」と「耄(70歳の意)」の発音が同じMaoだというのは縁起もの展で学んだのですが
「蝶」と「耋(80歳の意)」がやはり同じDieという発音であることは初めて知りました。
且つそれに牡丹が加えられると長寿と富をあらわす文様となり最強におめでたいのだとか!
すごいね中国…。
(そいや杉田玄白が晩年に書いた随筆に『耄耋独語』というのがありますが
その中で玄白は「六十には六十の、七十には七十の変あり」としるしている)
自賛には写実的に描くこととシンプルな中に奥深さを見ることの両方に惹かれる、というようなことが
書いてあった。ほほう~わたし江漢とは気が合うかもです( ̄▽ ̄)。
百川子興の「美人に猫図」。振袖美人が揺らすポンポンつきの紐に猫ちゃんがじゃれつくかわいい図。
女性の振袖が黒地に秋草、重ね着した着物の模様もチラチラ見えていて最高です!
百川は別名を栄松斎長喜といって鳥山石燕の弟子で、とても丁寧な絵を描く人です。
この絵もかなり綺麗な保存状態でどこの持ち物かなとキャプションを見たら東博だった。安定。
勝川春英「湯上り美人と猫図」も、やはり女性の浴衣の裾に猫がじゃれついています。
立ち姿の女性と着物にまとわりつく猫の図は見立女三宮図と呼ばれて
江戸時代によく描かれたそうです。
(源氏物語若菜巻における、猫が御簾をめくり部屋にいた三宮の姿を柏木が目撃するシーンが元ネタ)
長谷川昇「夫人と猫」。着物の少女が猫を抱いていました。
少女の左手の薬指に大きな赤い宝石がついた指輪があった。キラキラ。
中村貞似の「猫」。白いブラウスの女性のひざに黒猫がちょこんと乗っていました。
猫の毛並みのふわふわ感に触ってみたい~と悶え、女性のブラウスの透明感にほれぼれ。
佐久間将監の肖像。徳川家康~家光に仕えた佐久間実勝を描いたものです。
元絵は狩野探幽だそうですが、この肖像画の佐久間さん、なんと猫を抱っこした姿で描かれています!
ひいぃっ戦国時代に猫好き武将が!!と刮目せざるを得ませんでした(笑)。
しかも隣には狩野安信が描いた佐久間将監を狩野常信が模写した「佐久間将監像」が!
日常着で机にもたれる将監の頭に、肩に、足元に、傍らに、机の上に、合計8匹もの猫がいるという
猫好きには何とも幸せいっぱいな図です。
びあああぁぁ猫好き戦国人すばらしい~今日ここ来て良かった。
(帰宅後にぐぐったら佐久間さんは古田織部の弟子の茶人だったと知っておおってなったんですが、
彼が建てた寸松庵の名前にどうも聞き覚えがあると思ったら
和様の展に出品されていた寸松庵色紙を所蔵していた庵と知り落雷のような衝撃を受けました。
なななんだってー!!!
伝紀貫之の寸松庵色紙わたし見たよ確かに見たよ!五島美術館のあきはきの!→これね
そうか佐久間さんはあの色紙の持ち主だったのかーそうですか…(感慨にふける)。
これだから展覧会通いはやめられない止まらない)
そして猫といえばこの方!岡本一平が描いた「漱石先生」の絵がありました。
夏目漱石と猫が仲良く並んで描いてあります。漱石ひげ太くて笑える。
そして猫が(笑)ちょ、これ猫っていうか手足長すぎて猿のようだよ。
とどめは中島千波「猫ひと時」。
窓に座り込んだ猫が亀とおしゃべりしています。亀にバサバサまつげついててかわいかった。
下部にはメキシコ製の猫おもちゃや置物が描いてあり、周りには白い花が降っています。
制作年を見たら2014年だった!なんということ新作じゃないか。すごいや~。
はあぁ心ゆくまでニャン充しました!猫の展覧会、最高。
あと、この日は雑司ヶ谷の旅猫雑貨店さんにも行きました。

和雑貨と古本があるとってもかわいらしいお店なのですが、
今月はこちらで猫ノフルホン市というお店に負けずかわいらしいイベントが開催中だったのです~。
「猫」がつく屋号の店舗や作家さんが出展なさった古本市で
猫雑貨や猫本がお店に溢れていました。
それぞれの棚を見るのも、雑貨店さんの棚も楽しくて訳もなく店内をぐるぐる回ってあれこれ手に取り
やっと猫のひとこと便箋を買ってきました。明日から職場で使うんだ^^
お店の雰囲気もこなれた雑多な感じで気に入りました。また行きたい。
で、雑貨店から目白駅に向かう途中で洋書の児童書のお店を発見→こちら
バスに乗れなくて歩いて行ったのですが、歩いてよかったです。
これからも時間があるときは歩くことにしよう…何か発見できるかもしれない。発見したい。
あと、松濤美術館にいく前は渋谷の舞踏の国のアリスでお昼ごはんにしました☆

チェシャ猫さんのニヤニヤ。
池袋のアリスはディナーのみですが、ここはランチがあるのですよ~。

店内はこんな感じ。舞踏会のホールのような真っ白内装!
天井にはミラーボールが輝き、壁には針が逆に回る時計がかかり、
アリスや時計ウサギやトランプのイラストがファンタジックにちりばめられていました。

カレーとチキンとチーズのナンピザ。カレー味のピザってあまり食べたことないけどおいしかったです。
お皿にチェシャ猫の足跡がついてる~かわいい~(*´∀`*)。

デザートはハートの女王様のワッフル。
ハート型のワッフルにバニラアイスがついて、ベリーソースもかかっております。
お皿のトンガリにもハートのソース。おいしかった&楽しかったです!
次はディナーをいただきに来たい。
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