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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


徒然なるままに日ぐらし。

  1. 2014/07/23(水) 23:52:49_
  2. 古典・歴史
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tsurezure.jpg
サントリー美術館の「徒然草 美術で楽しむ古典文学」に行ってきました。
卜部兼好の随筆『徒然草』が歴史の中でどのように享受されてきたかを記録から探る内容と
徒然草の各章を絵画化した徒然絵が楽しめる内容でした。
徒然草の文章や兼好の姿絵などはよく見かけますが、研究や章ごとの絵はほとんど見たことがなく
色んな場所で徒然草が研究されたり絵にされていることがわかって面白かったです☆

入ってすぐのところには兼好の姿を描いた掛軸がいくつか並んでいました。
尾形乾山の「兼好法師図」が!かわいい!
ものすごくまじめに写実的に描いてる松花堂昭乗や海北友雪の兼好肖像が隣に並んでるから
余計にコミカルさが際立つといいますか、
字がくねくねしてて兼好の目鼻はちょんちょんとか、乾山らしさ噴火しててマジかわいい。
乾山はかつて兼好が晩年を過ごした双ヶ岡に住んだことがあるので
兼好に思いを馳せることもあったろうな…。
「ここ兼好法師が歩いたかも!同じ景色ぼくも見てるのかも!」とかな…( ̄∀ ̄)ニヤリ
「和歌四天王図」は頓阿・慶運・浄弁・兼好と、南北朝時代を代表する歌人が描かれていますが
4人ともまんまる造形なのかわいい。
どうでもいいけど兼好は肖像画に描かれると必ず帽子被ってますね。

兼好の自筆といわれる『兼好家集稿本』には赤が入ってて推敲のあとがみられるそうで
重要文化財に指定されています☆
本当に自筆だとするとかなり字うまいですぞ、兼好。
徒然草が再び脚光を浴びるきっかけになった歌論書『正徹物語』は
「隨分の哥仙にて、頓阿・慶運・静弁・兼好とて其比四天にて」云々とあるページが開かれていて
兼好が歌人としても一目置かれていたことがわかります。
室町時代の日記魔こと三条西実隆の書いた『実隆公記』もありまして
深草院に兼好の旧跡があると記しています!
おおぉ双ヶ岡だけじゃなく深草院にも兼好さん住んでいたのね。
実隆さんは色んな人と交流してるうえに気になったことすぐ日記やメモに残してくれて
室町時代の藤原定家とわたしは呼んでいますが、
それらをしっかり保存しておいてくれる子孫の人たちもね!マジ尊いすね!
現代までの室町後期史の研究、彼らのおかげでわかってることたくさんあるんじゃないかと思う。
面白かったのが『太平記絵巻』。
初めて知ったんですけど、高師直がラブレターの代筆を誰かに依頼しようとする場面で
「兼好といふ遁世者の歌よみ」が登場するのだそうです(笑)。
和歌を届けている兼好が描いてあって、なんだかお調子者っぽかった。。
(そして師直はこてんぱんにふられる^^;)

小堀宗甫・本阿弥光悦・松花堂昭乗・近衛信伊合作と伝わる嵯峨本『徒然草』と
烏丸光廣が書写して光悦が作った『徒然草』がきれいだった。
3年前に東洋文庫所蔵の光悦作『徒然草』を見ましたけど、
今回の展示品も光悦が無駄に本気出して美しく装丁してますよ!
まるで星をちりばめたような雲母刷り料紙であった…光悦はほんと金箔をうまく使いますね^^
戦国~江戸初期の文献研究として有名な林羅山の『野槌』や
松永貞徳の絵入注釈書『なぐさみ草』など、徒然草研究の資料もありまして
ああこうしてだんだん"現文"から"古典"になっていくんだな…と思いました。
特になぐさみ草の挿絵はこの後出てくる徒然絵の構図をほぼ規定したといっていいらしい。

それにしても南北朝から戦国時代って200年くらい間が空いてるけど
もう注釈がないと読めなくなるのか、と思ったんですけど
そういえば藤原俊成・定家親子も「このままじゃ源氏物語を誰も読めなくなる」って危惧して
注釈作ったりしてるし(源氏物語と俊成・定家の間は約200年)、
古代エジプトでもその時代に書かれたパピルスが
200年後には筆記者が解読できずに間違って書写されたりする事例があるんだよね…。
200年というのは言葉が断絶して読めなくなる期間なのかもしれない。
わたしも江戸後期~幕末の本読めるかっていったらスラスラとはいかないし。

そんな研究と、印刷技術の発展とともに徒然草は一般にも広く知られるようになって
源氏物語の"源氏絵"や伊勢物語の"伊勢絵"のような、
徒然草の章段をそれぞれ絵画化した徒然絵なるものが江戸初期から制作されるようになります。
白黒印刷やカラーの絵画がいっぱい展示されてました!
狩野派(探雪や常信など)が描いた絵巻はやっぱりきれいですね、丁寧で落ち着いた仕上がり。
土佐光起は徒然草137段だけをひとつの絵巻に描いてて
『絵本徒然草』はカラーで金泥もつかってあって贅沢な1冊。
奈良絵本の『徒然草貼交屏風』は本文と隣り合う絵をどうも適当に貼り合わせたらしくて
文と絵が一致してない適当さに笑ってしまった。。

徒然草は章段に区切られているので人気のある場面が絵画化されるケースが多いのですけど
ことに41段の登場率はどの時代でも高いなあと思う。
木に登って上賀茂神社の競べ馬を見物する法師が眠そうにしている図が絵にしやすいのでしょう。
鍬形慧斎の徒然草屏風にある41段は法師が木の上で猫みたいに丸くなって寝ててかわいかった。

展示の後半は海北友雪の『徒然草絵巻』全20巻がズラーッと公開されてます!
全部ではないけどほぼ全段に絵をつけたというから圧巻です!
「つれづれなるままに~」の書き出しに添えられた兼好のポーズは
展示室の入口に飾られていた兼好図と同じでしたね~。
すごーいきれい繊細、渋い、かわいいって楽しんで眺めてたのですけど
半分くらいでふと「これってひとりで描いたんよね?」というのを改めて感じて戦慄した。
描いたのかよ、これを…海北友雪、なんという猛者。
もしわたしだったら5巻で「先は長いぜ…」とため息をつき、10巻で山場を越えたと少し安心し、
15巻以降あたりでは息も絶え絶えにデスレース、
20巻の最後の一筆を入れるなり机か床につっぷする地獄を見る気がする。
なぜ20巻も企画したのか、いや描いてるうちに20巻になってしまったのかもしれませんが
これだけの絵巻を描ける人ってすごい、惚れる。
友雪はそんなに描きこむ人ではないので、割とあっさりした筆と色遣いでしたけども
それでもシンプルなわびさびっぽさがあって味わい深くて
兼好の世界観を大切にしつつ描いているなあと最後まで見て思いました。
20巻のラストに友雪の署名を見つけた時は泣くかと思った、しかもフォントおもしろすぎ!
見られてほんと幸せでした…友雪すごいわ…。
そしてこの20巻を収める小さな箪笥は黒光りしてて要塞みたいで、猛烈にかっこよかった。

友雪の画業を紹介する展示もありました。
総持寺縁起絵巻に出てくる一夜で十一面観音を彫り上げるチート童子がすっごくかわいらしいのですが
正体は長谷観音様だったりして伏し拝むしかないし、
誓願寺縁起絵は和泉式部や清少納言、上東門院などこれまで同寺を訪れた有名人をたくさん描いてて
ああこんなに色んな人が通り過ぎて行ったお寺なのかとしみじみするしかない。
一の谷合戦図屏風がおもしろくて、右に熊谷直実、左に平敦盛が描かれているのは定石ですけど
屏風いっぱいに大きな扇を描いて、その中に馬上の武者を配置してて
うわーこんな絵描きたい!って思いました。
そして60代に描いたという五行之図が美しいシンプル絵すぎて震えた。


sendaitana.jpg
徒然草展を観終えて美術館を後にしてガレリア館内をぶらぶらしていたら
2Fに仙台七夕まつりの吹き流しを見つけました。
「東北三大祭り in 東京ミッドタウン」ということで東北3県のお祭モチーフが展示されているとか。
8月末まで見られるそうです。

neputa.jpg
1Fにあった青森ねぶた祭の「ねぶた」。

akitasao.jpg
地下にあった秋田竿燈まつりの「竿燈」。おっきい。

torakin1.jpg
とらやの今月のお菓子も無事ゲット。「若葉蔭」だそうです。
金魚が水の中で涼し気☆

そんな感じで、美術館楽しかったしお菓子も買ったしさあ帰ろう~とお店を出て
ふと何の気なしにとらやの右奥にあるガラスの向こうにミッドタウンの芝生広場を見ましたら、
2014godzilla1.jpg
!?!?!?
え、え、ちょっと待ってゴジラいるゴジラいる、なんで!?ってなって大慌てで広場に飛び出しました。
「MIDTOWN meets GODZILLA」というイベントで、
ハリウッド版ゴジラの公開を記念して8月末までここに植わってるそうです!(なんか違う)
うおおお知らなかった知らなかったマジびっくりしたうおーっ!

2014godzilla2.jpg
近くまで来るとすごい雰囲気、実物の1/7スケールとはいえかなり見上げる大きさです。
つかビジュアルに一瞬!?ってなったけど今週公開の映画のゴジラかそうか、
口が耳元まで割れてるもんね。
チェーン張ってあって触れないけどきっとカッチカチに硬い皮膚よね!

2014godzilla3.jpg
後ろから。
夜はライトアップされるらしいですが背中のせびれはピカピカ光ったりするんだろうか。

2014godzilla4.jpg
足跡。芝生の色で見事に再現。
ゴジラの尻尾の両脇に交互にいくつかあって、
まるでさっきまで歩いてたゴジラがここでズボッと埋まったみたいな感じになってました。

2014godzilla5.jpg
吠えるお姿さえあまりに気高すぎて剣を捧げたくなる。
どうでもいいけどこのご尊顔を拝し奉るとドシラ、ドシラ、ドシラソラシドシラ…と
伊福部昭氏の例のメロディが自動的に脳内再生されるよね。

ゴジラ好きの弟に写メ送ったら「おお、今年のゴジラじゃん」ってさっさと見抜いたよ!
わたしは近づいてみるまでわかりませんでした。修行が足りぬ。
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ゆさ

Author:ゆさ
猫に熱烈な愛をそそぐ本の蟲
歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
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