あの世界の果ての虹にとどくまでは。

青山Gofaで開催中の「十二国記画集刊行記念 山田章博展Exhibition & Cafe」に行ってきました☆
山田章博画伯による十二国記画集『久遠の庭』刊行記念の原画展です。
(画集タイトルの命名は原作者である小野不由美主上だそうだ)
会期は8月いっぱいで前期・後期の2期ありまして、
前期:『魔性の子』~『東の海神西の滄海』まで
後期:『風の万里黎明の空』~『丕緒の鳥』まで
の、ホワイトハート版&新潮社版のカバーイラストや挿絵原画がそれぞれ展示されていました。
十二国記愛読歴10年以上のキャリアを持つ身としては両方行くよね?ということで
前期は早々に行きまして、今日から後期展示が始まったのでやっぱり早々に行ってまいりましたので
ようやくレポを書くことにしたわけです。
2期ともわたしが行ったときはそんなに混んでませんでしたが、会場がそんなに広くなくて
土日など人が増える日には整理券をつけて入場制限をするそうなので
これから行かれる方はお気をつけください~。
初めて近くで見る山田画伯のナマ原画はとても良かったです!
カラーはやっぱり本物の色が見られるのがいいですね。
図南の翼表紙の珠晶の髪飾りの赤とか、印刷と全然色が違うし。
黄昏の岸~のホワイトハート版麒麟大集合絵とか
華胥の幽夢表紙の采麟がホワイトハートも新潮社もすごく美しくて!
山田画伯はコピックユーザーでもいらっしゃるので、カラーを拝見するとすごく勉強になるというか
わたしには全然思いつかない色遣いをされてて
これ何番と何番で塗ってるの?どうやってぼかしてるの??と気になる点がたくさんあって
もしその場に画伯がいらしたら解説していただきたい(あつかましい)くらい興奮しました。
他にもカレンダー、関連商品パッケージ、読者プレゼントなどに描かれたカラー生原画が並んでて
人物の髪の毛や服装、画面を彩る装飾の塗り方にほれぼれ…。
モノクロの挿絵も、筆ペンで一気にザクザク描いたようなホワイトハート版も
ペンでザクザク描いた新潮社版もこんなに近くで見られるなんて!
下書きや修正液などの跡が見られるのも生原画の醍醐味で
こうして作家さんが制作していたというのが感じ取れるの最高ですありがとうございます。
(ホワイトハートより新潮社の方が原画が大きいのですね)
ホワイトハート版は主線がそんなに多くなくて、影で立体感をつけているのさすがだなと思います。
妖魔と闘う陽子とか、蝕に翻弄される汕子と流される泰果とか
妖魔の口に赤子を入れる更夜とか、斡由に剣をつきつける尚隆とか
慶で追われて桓魋に手をさしのべられる祥瓊とか、景麒に騎乗して乱を止めようとする陽子とか
影がグレーじゃなく黒なんですよね、くっきりした黒。うまいつけ方ですよね…。
新潮社版もそんなに描きこんでないけど絵としてよくまとまってて、
紙をひっかいたようなタッチがかえって立体感を出してるのがいつ見てもすごいと思う。
『丕緒の鳥』収録の標仲が雪道を行く挿絵に、白黒の世界にものすごい奥行き感があって
あまりの完成度の高さに見とれちゃいました。
「青条の蘭」はどこの国の話なのかわからないまま読んでいくと
クライマックスで出てくる王宮の名前でああもう大丈夫だ!ってカタルシスが圧巻でしたな…。
あああ何もかもみな懐かしい&新鮮!
ひとつひとつ見ていくと物語を次々に思い出しちゃうし、画伯の絵の変遷も感じ取れて
十二国記と山田章博の歴史を同時に見られるっていうのが感慨深かったです。
(画伯が十二国記の絵を20年以上描き続けていると気づいて呆然としたのは内緒)
画集はもちろんゲットしましたよ。
前期鑑賞時にギャラリーでサイン入りが注文できるというのでお願いして、
本日ようやく受け取ってまいりました。ほくほく☆
山田画伯のサインはなんというか、描かれる絵そのままですね。絵のようなサイン。大事にします!
あ。
会場入口でチケットを買うと、この原画展のために山田画伯が描き下ろした
A4サイズのウェルカムペーパーがもらえます!
イラストは夏服を着たさわやか陽子さんです~うおー主上~~☆
会場内に原画も展示されてまして、
「本編にないシーンですけどこういう想像をお許しいただけるでしょうか」的な画伯のコメントがついてました。
許す!!(笑)
画伯はどんどん想像の翼を広げて十二国の住人を描くべき。ぜひ描くべき。(落ち着け)

建物の1Fにはコラボカフェがありまして、十二国記からイメージしたドリンクやスイーツがいただけます。
カプチーノのラテアートが3種類あって、陽子・景麒・楽俊でした~。
わたしが行ったときは普通に座れましたけど、こちらもそんなに広くないので
土日には行列ができるそうですし、
すごいときは閉店前にメニューが売り切れてしまうこともあるとか!
山田画伯と十二国記の人気もはや空高く渦巻きすぎて蝕起こすレベル。

前期鑑賞後に注文した陽子カプチーノと、麒麟のための冷製粥と、楽俊の桃グラッセ☆
メニューひとつごとにコースターがもらえまして、わたしは3つ頼んだのでコンプリートできました!
楽俊の桃はあれですね、『月の影影の海』下巻で行き倒れになっていた陽子を助けた楽俊が
「酒につけた桃を砂糖で煮たのだ」って持ってきてくれる桃ですね^^
ほたほた歩く楽俊の姿を思い浮かべながらパクッと食べたらゼリー?ムース?が猛烈に甘くて
「甘っ!」って突っ込みそうになった。
どれくらいかというと、恭から御物を持ち出して柳で捕まりかけた祥瓊くらい甘かった。(意味不明)
桃はほどよい甘さでするするいただけて、
楽俊と陽子のコースター(写真左下)を添えたら月の影影の海ごっこができました。
お粥は、「麒麟のための」とついていますがなぜか鶏肉が入ってます。あれー?
食したファンの間では「蓬莱で肉食を強いられた泰台輔のお苦しみを追体験する」という
コンセプトになっているようです(泣笑)。
生姜が効いてておいしかった!

陽子さんかっこよすうおおおお!!
個人的に十二国記でイケメンを挙げろと言われたら利広さまと陽子さんって答えます。
ちなみにわたしの中では十二国記におけるヒーロー:陽子と珠晶、オヤジ:尚隆、兄貴:六太、
姉御:琅燦、執事:冗祐というカテゴリになっています。ひどい。
景麒はヒロインかな…。楽俊は天使。(キリッ

本日、後期展示を鑑賞した後で注文した景麒のケーキ(笑)。
マンゴー(麒麟の金髪をイメージしているらしい)が乗ってるレイヤーケーキでした~。
あまり甘くなくて食べやすかった(*´∀`*)。

コラボカフェのテラスのテーブルにはこんな旗がひらひら☆
新潮社版の裏表紙に使われている絵です。写真は左が魔性の子で、右が丕緒の鳥。
他の文庫の裏表紙もあるよ!
山田画伯の十二国記画集は第二弾も計画中だそうです、待ち遠しい。
あと、時期は未発表ですが小野主上による原作の新作長編も新潮社から刊行予定とのことだし
まだまだあの世界が小説でも絵でも楽しめるんだなー生きねば!オラわくわくすっぞ!
(原作に関してはあまりに待ちすぎていつから待ってるかもわからなくなってますので
今後ものんびり待つつもりです。
はやく泰麒と戴の人々を何とかしてあげてください主上~)

「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その4。3はこちら。
2日後、宗達は出張のためお休みしていたお店(絵屋)を再開しました。
じっとしていないへんな生き物たちをつかまえた宗達と光悦の図。
宗達「こら、乾いてねえのに触んな」
光悦「すっかりなつかれてるな」
宗達「まいったなあ、納期遅れちまう。日暮れまで面倒みててくれねえか」
光悦「いいよ。そいや、こいつらなんて呼ぶ」
宗達「なんか風と雷っぽいから、フウとライ」
光悦「そのまんまだな」
宗達「うん」
というわけで、宗達と風雷と、ときどき光悦、の奇妙な共同生活が始まりました。
スポンサーサイト
Re: 山田章博氏
- 2014/08/23(土) 20:41:01 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
ギャラリーに詳しいタカダ様がよもや!
ぜひぜひ行ってみてください~小さい会場ですごい顔近づけて見られますよ☆
記事書いてお役に立ててよかったです!
> 山田章博展は8月一杯
そうです~31日までです。
あ、月曜が定休日なのでお気を付けて!楽しまれますように(´∀`)
カレンダー
プロフィール
FC2カウンター
「小倉百人一首」
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
- 2023/09 (6)
- 2023/08 (5)
- 2023/07 (5)
- 2023/06 (4)
- 2023/05 (4)
- 2023/04 (5)
- 2023/03 (4)
- 2023/02 (4)
- 2023/01 (5)
- 2022/12 (5)
- 2022/11 (4)
- 2022/10 (5)
- 2022/09 (4)
- 2022/08 (4)
- 2022/07 (6)
- 2022/06 (4)
- 2022/05 (4)
- 2022/04 (5)
- 2022/03 (4)
- 2022/02 (4)
- 2022/01 (5)
- 2021/12 (4)
- 2021/11 (4)
- 2021/10 (6)
- 2021/09 (5)
- 2021/08 (4)
- 2021/07 (6)
- 2021/06 (4)
- 2021/05 (5)
- 2021/04 (4)
- 2021/03 (5)
- 2021/02 (4)
- 2021/01 (5)
- 2020/12 (4)
- 2020/11 (4)
- 2020/10 (5)
- 2020/09 (4)
- 2020/08 (5)
- 2020/07 (5)
- 2020/06 (4)
- 2020/05 (5)
- 2020/04 (4)
- 2020/03 (8)
- 2020/02 (7)
- 2020/01 (8)
- 2019/12 (7)
- 2019/11 (8)
- 2019/10 (7)
- 2019/09 (7)
- 2019/08 (7)
- 2019/07 (8)
- 2019/06 (8)
- 2019/05 (7)
- 2019/04 (6)
- 2019/03 (7)
- 2019/02 (6)
- 2019/01 (7)
- 2018/12 (7)
- 2018/11 (7)
- 2018/10 (8)
- 2018/09 (7)
- 2018/08 (8)
- 2018/07 (7)
- 2018/06 (7)
- 2018/05 (7)
- 2018/04 (8)
- 2018/03 (7)
- 2018/02 (7)
- 2018/01 (8)
- 2017/12 (7)
- 2017/11 (8)
- 2017/10 (7)
- 2017/09 (7)
- 2017/08 (7)
- 2017/07 (6)
- 2017/06 (7)
- 2017/05 (8)
- 2017/04 (7)
- 2017/03 (8)
- 2017/02 (7)
- 2017/01 (8)
- 2016/12 (8)
- 2016/11 (7)
- 2016/10 (8)
- 2016/09 (7)
- 2016/08 (7)
- 2016/07 (8)
- 2016/06 (7)
- 2016/05 (8)
- 2016/04 (7)
- 2016/03 (8)
- 2016/02 (7)
- 2016/01 (8)
- 2015/12 (7)
- 2015/11 (8)
- 2015/10 (7)
- 2015/09 (7)
- 2015/08 (8)
- 2015/07 (7)
- 2015/06 (8)
- 2015/05 (7)
- 2015/04 (7)
- 2015/03 (8)
- 2015/02 (7)
- 2015/01 (8)
- 2014/12 (8)
- 2014/11 (7)
- 2014/10 (8)
- 2014/09 (7)
- 2014/08 (8)
- 2014/07 (8)
- 2014/06 (8)
- 2014/05 (7)
- 2014/04 (8)
- 2014/03 (8)
- 2014/02 (7)
- 2014/01 (8)
- 2013/12 (9)
- 2013/11 (7)
- 2013/10 (7)
- 2013/09 (8)
- 2013/08 (7)
- 2013/07 (9)
- 2013/06 (10)
- 2013/05 (11)
- 2013/04 (10)
- 2013/03 (10)
- 2013/02 (8)
- 2013/01 (11)
- 2012/12 (10)
- 2012/11 (10)
- 2012/10 (10)
- 2012/09 (10)
- 2012/08 (10)
- 2012/07 (14)
- 2012/06 (15)
- 2012/05 (15)
- 2012/04 (15)
- 2012/03 (15)
- 2012/02 (15)
- 2012/01 (15)
- 2011/12 (14)
- 2011/11 (14)
- 2011/10 (15)
- 2011/09 (15)
- 2011/08 (15)
- 2011/07 (15)
- 2011/06 (15)
- 2011/05 (16)
- 2011/04 (16)
- 2011/03 (15)
- 2011/02 (15)
- 2011/01 (16)
- 2010/12 (16)
- 2010/11 (18)
- 2010/10 (17)
- 2010/09 (18)
- 2010/08 (18)
- 2010/07 (19)
- 2010/06 (18)
- 2010/05 (20)
- 2010/04 (18)
- 2010/03 (16)
- 2010/02 (17)
- 2010/01 (17)
- 2009/12 (16)
- 2009/11 (16)
- 2009/10 (17)
- 2009/09 (16)
- 2009/08 (17)
- 2009/07 (5)
リンク
検索フォーム
最新コメント
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム
QRコード
