fc2ブログ
  • 2023_09
  • <<
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • >>
  • 2023_11

ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


鳥獣戯画と大和アートの旅その2。

  1. 2014/11/03(月) 23:40:10_
  2. 旅行
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
京都・奈良旅行2日目のレポをお届けします。1日目はこちら
本日は奈良公園付近と葛城市・郡山市へお邪魔します(^o^)/

yamatoa35.jpg
ホテルの朝ごはん。かわいいテーブルクロスにかわいいブレックファースト☆
サラダにきのこキッシュにベーコン、にんじんスープ、フルーツ、パン、100%オレンジジュース!
食後の紅茶も奈良産とのこととても美味でありました。
これからたくさん歩くのでしっかり食べさせていただきましたよ~ありがたや。

yamatoa36.jpg
近鉄奈良駅のロッカーに荷物を預けて、奈良公園を通ってゆきます。
鹿さんたちも多くは座ってたけどぼちぼちお目覚めでしょうか、おはようございます。

yamatoa37.jpg
親子の鹿さん。
鹿せんべい売りのおじさんが「半年前に生まれたんだよ~」と教えてくれました。
寄り添っててかわいい(´▽`)。

yamatoa38.jpg
信号を渡って奈良県庁の裏手にある奈良県立美術館にやって来ました。
「大古事記展 - 五感で味わう、愛と創造の物語」が開催中なのです~。
昨日、近鉄奈良駅の観光案内所でゲットした割引券を握りしめて!いざ!

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開閉しますのでどうぞ☆
 
 
 
大古事記展はタイトルの通り、古事記に関する書物や当時の考古資料、
登場人物を描いた美術作品、神話をもとにした民俗芸能など
あらゆる視点から古事記について楽しめる展示構成になっていました。
朝イチで行ったせいか人がほとんどいなくてゆっくり見られましたよ。
古事記は2012年に編纂1300年を迎えてイベントもいくつか行われましたが
古事記そのものの展覧会は行けずじまいでしたので今回来られてよかった☆

入ってすぐにきりっとした表情の太安万侶座像が迎えてくれて、
後ろにはイザナギ・イザナミ座像もいらして雰囲気はばっちり。
古事記を題材にした絵画コーナーがテンションあがったな~。
鈴木松年の「八岐大蛇退治図」はこれでもかと強烈なタッチで、
かつて彼が天龍寺法堂の八方睨み龍を描いたのもうなずける。
河鍋暁斎の日本神話シリーズは色紙に神々の誕生やスサノヲ追放などを描いていて
美しさよりもおもしろさが際立ってて、あー暁斎だなって和みました(笑)。
前田青邨の「小碓尊」、後にヤマトタケルと名乗る少年がクマソを討つために
女装して物陰から機会をうかがっている姿で
ぴいん!と張りつめた緊張の糸の音がするようでドキドキしてしまいました。
これ10代の作品なんですか…信じられない。
大浦玉陽の「弟橘姫投身之図」の迫力がすごい、
風になびく衣装や髪、荒ぶる波しぶきの音まで聞こえてきそうでした。
堂本印象の「木華開耶媛」はコノハナサクヤヒメを描いた巨大な絵画で
ポーズがちょっと微妙なんですが(笑)きれいでした。
こうの史代さんの「ぼおるぺん古事記」の原画、
まだコミックス読んでないのですが読み下し文が書いてあるんですね!
ボールペンの可能性を感じさせてくれました…何本消費したんだろう。

室町時代の古事記の写本や本居宣長の注釈書・研究書などもあって
古事記伝の草稿に赤が入りまくっていたり、再稿本で冊数が倍に増えていたりするのを見ると
いつものことですがああ、宣長生きていたんだなーと思ってしまいます。
(書籍も萌えますが真っ先に著者について考えてしまうのはわたしの悪い癖)
44歳の時の自画自賛像は教科書や資料集で見ましたな、
「大陸からもたらされた花よりも飽きないのは桜の香りだなあ」と呟きながら
細いタッチのヒョロりとした体躯に総髪でちょこんと座る宣長たんかわいい。
太安万侶墓誌も2年前以来の再会でうれしかった、
ピン展示でピンスポも当たっててVIP扱いですね(笑)。
鈴木三重吉の古事記物語や児童書に翻案された古事記、海外で紹介された古事記の物語なども。
チェンバレンの「Japanese fairy tales series」は小さな絵本たちの展示で
桃太郎などに混じって因幡の白兎が紹介されていました。
(白兎の話は日本でも色んな人が絵本にしているよね)

古事記に登場するアイテムのコーナーには勾玉、鏡、銅矛、盾、釣針、太刀など。
新山古墳出土の直弧文鏡は、後期に展示される石井林響の「童女の姿となりて」で
女装した小碓尊が持つ鏡のモデルになったらしいとの説が最近発表されましたね~。
千塚古墳から出土した勾玉は翡翠・瑪瑙・水晶の3点でとてもきれい☆
勾玉で一番有名なシーンは天照とスサノヲの神産みバトルではないでしょうか、
スサノヲと男装した天照が勾玉をバリバリ噛み砕いてふっと吐くと
それぞれ5人の女神と3人の男神が誕生するというあれです。
靫と矢は鴨都波古墳からの出土品を復元したもので、
「天照は矢が1000本入る靫を持っていた」とキャプションにあって(°_°)ってなった。
釣針はもちろん海幸山幸ですね。
纒向遺跡から出土した桃核(桃の種)があったのは面白かったです。
イザナギが黄泉の国で追っ手に追い回されたとき、桃を投げて振り切った記述が古事記にありますな。
布留遺跡から出土した和琴の隣には弾琴男子椅座像埴輪があって
こんな風に弾いていましたよ的な様子も感じ取れてよかったです。
熊本の江田船山古墳出土の銀象嵌銘鉄刀はレプリカでしたが
本物は前に東博で見たっけな…。
稲荷山古墳出土の金策銘鉄剣のレプリカもありました。
本物に興味のある方はぜひ埼玉は行田市にて200円で見られますのでお越しください。宣伝です(笑)。

七支刀はわたしが行った日がちょうど本物が展示される日でした☆
『日本書紀』に記述されている「七枝刀(百済から献上されたらしい)」にあたる刀で
前にも何かの展覧会で見ましたけど枝が生えた木のような刀ですな…。
あと日本刀と比べて小型ですね。魔女っ子もののステッキみたいな大きさじゃないかな。
隣には復元実験プロジェクトチームによる精巧な復元品があって
ピカピカ光ってて表面の金文字もはっきり読めるの感動してしまいました。
民俗芸能コーナーにはご当地の芸能で使われる面や大道具があって
やはり物語にしやすいのでしょうか、ヤマタノオロチ関係が多いですね。
石見神楽提灯蛇胴は和紙で作られてオロチの体がとぐろを巻いていてすごい存在感、
名前に提灯と入っているけど火を入れることもあるのだろうか…。
ヤマタノオロチ面は3つほど並んでいましたがどれもおどろおどろしい。
石見神楽や高千穂神楽など、実際にそれらをつけて演じた芸能の映像が流れていて面白かったです。
今でも演じられているんだな…いつか見に行きたい。

yamatoa39.jpg
古事記を表現した現代アートのコーナーに入ると地球儀がわたしの足元に転がってきました。

yamatoa40.jpg
アーティストユニット・トーチカさんによる「ゲームセンターアマテラス」。
リズムに合わせて画面に流れてくる光を踏むという形でアメノウズメのように踊りながら
天照を岩戸から呼び出すダンシングゲームです(笑)。
えっめちゃくちゃ真面目な展示だったのに何なに、ここでアメノウズメになれるの??ってやってみたら
結構、合わせるのむずかしかった…!
音ゲーはDDRとポップンしか経験ないよ~せめて太鼓の達人をやっとくべきだったなあと
後悔したけど遅かりし由良之助。

天照は無事に救出できましたが終わったら結構疲れました…。
まさか古事記の展覧会で音ゲーすることになるとは…奈良やるな…!!
(撮影OKのコーナーでしたので動画あげてる人いますね→こちら

yamatoa41.jpg
マッサンのポスターが貼ってあるNHK奈良局を通りすぎて、
奈良女子大学記念館(重要文化財)を見に来ました。
大学の前進である奈良女子高等師範学校時代の建築物です。
中は関係者以外入ることはできませんが、100年以上前に建てられたとは思えないほどの
美しい外観を拝見するだけでも来る価値あります!
屋根についている鐘は時間になると鳴ったりするのかな~。

yamatoa42.jpg
奈良女から歩いて10分ほど、若草中学校入口にある多聞城跡に着きました。
戦国時代に松永久秀が建て、織田信長が正倉院の蘭奢待を切り取った城です。
久秀がこの城を追われた後に入って来た信長が
「蘭奢待見たい蘭奢待見たい蘭奢待見たーい!」とか何とか天皇にお願いして
正倉院から出してきてもらったのだとか。
なにせ海を渡ってきた(らしい)最高級の沈香ですから、ノブ様はしゃいじゃったろうなあ。
(ちなみに蘭奢待は天皇のほか足利氏や土岐氏など結構な人数がざくざく切ってるらしい)

蘭奢待は正倉院展でも何度か出品されていまして、最近は3年前に公開されましたな。
同じ種類の沈香の香りを体験できるスペースもあったらしいのですな~行きたかった。

yamatoa43.jpg
東大寺方面へ歩いて、転害門に来ました。
こちらは東大寺境内で唯一、奈良時代に創建された当時の建築物なんです!
御年1262歳ですよ!フオオォォオウ
平重衡の南都焼討とか三好・松永の戦いとか、東大寺は大仏殿を含め歴史上で何度か燃えていますが
この門はめげずにずっと残ってきたんですね…。

門の向こうは東大寺だ!

yamatoa44.jpg
転害門から歩いていくと、大仏池があります。向こうに見えるのは大仏殿。

yamatoa45.jpg
正倉院に来ました。
3年がかりの大修理を終えてこの日がちょうど一般公開が始まった日で、
わたしが行ったときテレビ局の人たちが取材を終えて引き上げていってました。
10年ぶりくらいに見ましたがそんなに変わってないなーお久し振りです~。
昨日の正倉院展にはこの中の物が出品されていたのだと思うと感慨深い。

yamatoa46.jpg
大仏殿の後ろを通って正面へ向かいます。
普段は南大門から行くのですが、こっちから行くのは初めて。

yamatoa47.jpg
入場料を払って回廊に入ると、見えたー!うおおお!

東大寺もですが奈良公園周辺の寺社って境内が他都道府県の寺社の比じゃないので
端から端まで歩くとものすごい時間かかったりしますよね…。
歩いても歩いてもなかなか目的地に辿り着かない!
そして目的の建物が見えたときのあの感動ってなんなんだろう、全身がぞわぞわってなります。

yamatoa48.jpg
大仏殿正面です。
4年前の1300年祭でも来なかったからほんと何年振りだろう、大きい!
週末だったせいか人がたくさんいて、外国からのツアー客みたいな集団も結構いましたが
欧米よりアジア系が多かった気がします。仏教国からいらっしゃってるのでしょうか。

yamatoa49.jpg
大仏さまー!盧舎那仏さまー!!ごごご無沙汰しておりまして…むにゃむにゃ。
俺のステージへようこそって感じいつ見てもやばいです。
何度もお会いしているのにこんな大きな仏さまが建物の中にいるっていうのが未だに信じられずにいる。
この仏像を造れる技術と、像をを覆うだけのものを建てられる古代人の技術…圧倒的技術…!
ぐるぐる回って見て来てしまった。

いくつかの仏教美術展で見た光背なしの仏像お背中とかずっと脳内にこびりついてますから
後ろにぐるりと回ってある程度お背中を拝見できるお寺は本当にありがたいです。
特に菩薩さんあたりの健康的でつややかなお背中の美しさとかね…最高ですね…。
本音を言うと盧舎那仏さんもお背中がっつり拝見したいと思ってますが
このお方のお背中を公開するとなるとものすごい労力とお金がかかることも素人なりにわかるので
光背ごしに見られることにまずは感謝しております。

yamatoa50.jpg
大仏様の向かって左におわす虚空蔵菩薩さまと、

yamatoa51.jpg
右におわす如意輪観音さま。
おふたりとも江戸時代の作で5メートル近くあるのですが、初代はもっと大きかったらしいです。
すう…って細めた目に何もかも見透かされそうでドキドキ。
耳の脇から垂らした瓔珞の飾りがリボンのようでかわいらしい~。

yamatoa52.jpg
大仏殿にお別れを申し上げて中門から外へ出ました。

yamatoa53.jpg
鹿さんとランデブー。
相変わらず園内は鹿さん天国で、ケンカしたり追いかけっこしたり
外国人さんが地図に噛みつかれて引っ張り合いっこしてたり、
鹿せんべいを持ったお姉さんが背中どつかれたりおじさんが群れに追い回されたりしていました。

yamatoa54.jpg
東大寺ミュージアム!やっと!来られました!
東大寺の考古資料や仏像などが展示されている、図書室を併設したミュージアムです。
現在は「東大寺の歴史と美術」展を開催中。
創建された奈良時代から江戸時代までの歴史と、平安・戦国の罹災と鎌倉・江戸の復興が
彫刻や工芸、絵画などで辿れるようになっています。

四月堂から移られた千手観音菩薩立像、日光・月光菩薩立像、持国天立像、多聞天立像の…タッグ…!
特に千手観音さんの手の多さ、仏具、数珠、鏡、花、鳥、破魔矢、蝋燭、座像、建築物など
持ち物がぜんぶ違う!
数十本もの手を支える体はふくよかで健康そのもの、お顔も涼しげであたたかでした。
こんな方いたら仏様じゃなくても拝んじゃうでしょう…。
日光・月光菩薩さんの穏やかなお顔もすてきでした。
日光さんの衣装を拝見すると元々はきれいに着色されていたのかなあ、
でも今の白いお姿もとってもきれいです。
持国天と多聞天はずっしりした鎧に身を包んでいらっしゃって勝てる気がしない、
着るのも脱ぐのもめんどくさそうな、でもだからこそ強そうに見えるんだろうな…。
多聞天の右腕が欠けてしまってておいたわしい、元々は宝珠を持っていらっしゃったそうです。

あと、現在開催中の正倉院展に合わせて
正倉院御開封記と開封図、行列記などが公開されていました。
正倉院から宝物を出す際の作法について描かれた絵巻物で、
開封の儀式や、人々の服装や歩く順番まで細かく決められていたようです。
江戸時代の制作なので色彩がきれいで、
今も正倉院から宝物を出すときは参考にされているのかなあ。
なんとなく伊勢神宮のせんぐう館で見た式年遷宮絵巻を思い出しました。
あれも神宝と行列が描かれていましたね…。

yamatoa55.jpg
南大門を後ろから。
左右の阿吽像は現在、阿像さんが12月まで修理中とのことで白いシートに囲われていまして
吽像さんはムキムキ元気なお姿を拝見できました。
(修理を終えてきれいになった阿像さんのシートが外されておふたりが顔を合わせたとき
吽像さんは「フン、いい顔になったじゃねぇか」とか言いそうだなって妄想したところで
鹿さんに背中からどつかれました。ナイスタイミング)

yamatoa56.jpg
南大門をヒョイと越える鹿さん。

yamatoa57.jpg
階段を降りる鹿さん。
この後、わたしに向かってペコリと頭を下げてくれたのでつられてわたしも返しました。
奈良公園の鹿さんは正面に立つとお辞儀してくれます。おためしあれ。

yamatoa58.jpg
興福寺に来ました!
現在、東金堂後堂が公開中でご本尊の薬師如来坐像や脇侍、文殊、維摩居士、四天王像ほか
今年から遷座した正了知大将立像も拝観できるそうです。

yamatoa59.jpg
南円堂。
康慶作の不空羂索観音菩薩坐像が安置され、年に1度の御開帳以外は閉まっています。

yamatoa60.jpg
北円堂が特別公開中でした!
運慶一門作の弥勒如来坐像、無著・世親兄弟の像、四天王立像をぐるぐる廻って拝観できます。
(無著と世親は5世紀頃にペシャワール(現パキスタン)に生まれた兄弟で大乗仏教の僧侶です)
東金堂もですがここも仏像にかなり近づいて見られるのがよかった!
絵の展覧会とかでも距離が近いと存在感ハンパないので、距離って大事だなあと思う。

北円堂は平家の南都焼討で焼失しましたが、30年後に復興されたそうです。
興福寺は他にも1180年に焼失した建物や仏像がたくさんあって、パネルにもそう書かれたのがあって
ごめんね平家がごめんねって思ってしまう。

yamatoa61.jpg
ランチタイムはならまちセンターの近くにあるプティマルシェ&ぷちまるカフェさんでいただきました。
レトロな小物やゆったりしたソファ、あたたかみのある木枠の本棚も置いてあって
懐かしい雰囲気☆

yamatoa62.jpg
シフォンdeベーコンフレンチと、奈良県産焙煎大和茶オレ。
甘くないシフォンケーキ初めて食べました~ふわふわでベーコン&チーズとの相性ばっちり。

そしてそして。
yamatoa63.jpg
念願の古墳ケーキ☆
これが食べたくて予約してここ来たのです~~うわああ!本物!
名前の通りこんもりと盛り上がった前方後円墳型ケーキで
抹茶スポンジの緑と円筒はにわメレンゲの茶色で外観からしてパーフェクトすぎて泣きそう。

yamatoa64.jpg
別売りのスコップスプーンでざくさく発掘(笑)していくとカシューナッツが出てきて
勾玉を発見したみたいな気分が味わえました(*´∀`*)。
あとピーカンナッツのかけら(土器の代わりらしい)もいくつか出てきてもう、最高です。
すごくおいしい&楽しかったのでこれ食べるためだけにまたこのお店来たい!てか、来る!


yamatoa65.jpg
お腹もいっぱいになりましたので、電車で1時間ほど揺られて当麻寺駅へ移動。
歩いて當麻寺へ向かいます。

yamatoa66.jpg
當麻寺とぼたんのマンホール。

yamatoa67.jpg
到着~。仁王門です。
門の中には阿吽の金剛力士像が門番のようにどっしりと構えていらっしゃいました。かっこいい!
東大寺の阿吽像よりずっと小さいけど、迫力はほとんど負けてないです。
江戸時代からこの門を守っていらっしゃるそうだ。

yamatoa68.jpg
境内に入るとかなり広いです。少しですが紅葉も始まっていました。

當麻寺は麻呂子親王が河内に創建し、やがて役行者が奈良に移したのが始まりで
飛鳥~奈良時代にかけて金堂や塔などが増設されて現在に至るそうです。
藤原仲麻呂の兄・豊成の娘だった中将姫ゆかりのお寺としても有名ですね。
2つの宗派が共存している珍しいお寺でもあり、
塔頭のうち中之坊・西南院が真言宗、奥院・護念院が浄土宗だとか。
曼荼羅堂では真言宗のお勤めの後、入れ替わりに浄土宗のお勤めが行われる日もあるそうだ。

yamatoa69.jpg
特別公開中の絵天井を拝観するため、中之坊にin。
中之坊は中将姫が剃髪した授戒堂で、現在の建物は室町時代の再建。
庭園「香藕園」は心字池の周りを植物がぐるりと囲んでいる池泉回遊式で、
ちょっと狭いけど見ごたえのあるお庭です。
借景として遠くに東塔も見えました。
左にあるのは書院と茶室で、お抹茶とお菓子もいただけます。

yamatoa70.jpg
絵天井のある客殿。
周囲は牡丹園になっているそうで、春には牡丹の花がきれいに咲くんだろうな。

yamatoa71.jpg
絵天井そのものの撮影は禁止なので、畳に寝転んでボーっと眺めてきました。
4年に1度、寅・午・戌年の秋にのみ特別公開されるとのことです。
今年は午年。ちょうどいい年に来られて良かった(´∀`)。

絵天井は1925年に前田青邨が「飛鴨」を奉納したのをきっかけに
様々な画家たちが絵を奉納するようになってできたもので、
天井の格子ひとつひとつに飾られた絵は150枚ほどになるそうです。
花、鳥、虫、動物、龍などモチーフも様々。

yamatoa72.jpg
曼荼羅堂。
當麻曼荼羅という、4メートル四方もの曼荼羅がご本尊だそうです。
原本は奈良時代に唐から渡って来たものですが、これまで何度か編み直されて
現在の曼荼羅は室町時代に転写されたもので国宝に指定されています。

お寺に伝わる伝説によると、中将姫がこちらで出家した際に
剃髪した自分の髪を織り込んで一晩で織り上げたのが當麻曼荼羅だとか。
(中央の大日如来に使われている赤糸は姫の血で染められたとも)
堂内に安置されている十一面観音立像は
中将姫が曼荼羅を織り上げる際に手助けをしたと伝わる観音さまを彫ったもの。
曼荼羅の右側には姫の像もありました。小さくてかわいかった。

他にも中将姫関連では、中之坊香藕園の入口に姫が誓いをたてたとされる石があったり
坊内霊宝館に中将姫画像、姫が剃髪した際に使ったとされる剃刀、
姫の髪を織り込んだ刺繍などもありました。
ほとんど伝説化している人ですがこんなに物が残っているのすごいな。。

yamatoa73.jpg
東と西には三重塔が建っています。
當麻寺は薬師寺と同じく、ひとつの寺院+東西2つの仏塔という双塔式伽藍で
現在、創建当時の建物が残っている国内唯一のお寺なのだそうだ。
創建以来ずっと非公開で、4年前の平城京遷都1300年祭のときに初めて公開されたらしい。

奥院とかも行ってみたかったんですけど、
だいぶ日が暮れてきたので諦めて電車で移動することにしました。
絵天井が目的だったとはいえあまりゆっくりできませんでしたし、
また改めて時間を作って訪れたいと思います。

yamatoa74.jpg
近鉄郡山駅から歩いて郡山駅を通り過ぎて、佐保川沿いを歩きます。

yamatoa75.jpg
奈良市と大和郡山市の境にかかる橋の上にある羅城門跡地の看板。
ここが平城京の南端ですよ~うおおおやっと来られた!
当時、羅城門が建っていたとされる場所は現在、佐保川の真ん中あたりになるので
この橋がまさに跡地の真上なわけですな。
大極殿や朱雀門が見えるかなあと目を凝らしましたが、まったく見えませんでした。。
そりゃそうか、平安京の羅城門跡からも御所ぜんぜん見えないしなあ(;´∀`)。

yamatoa76.jpg
橋を渡ったところにある羅城門跡公園。
阿倍仲麻呂、小野老、伊勢大輔ほか奈良を詠った歌碑が建てられていました。

yamatoa77.jpg
橋を戻って、陸橋の階段を降りると羅城門跡を示す看板と平城京朱雀大路跡碑がありました。
昔はここまで都だったんですね…。
そして身分の低い官吏は家がこの辺でしたからここから歩いて出勤したわけで、
朝廷の門は朝7~8時には閉まってしまうので
一体何時に起きて出発したんだろうとか思いを馳せてしまった。
今も昔も始発で出かける人たちには頭が下がります。毎日本当におつかされまです。

yamatoa78.jpg
郡山駅に戻る途中の夕焼けがきれいだった!

この後は急速に陽が落ちて、まさに秋の日は釣瓶落としといった感じで
あっという間に暗くなってしまったので、
郡山駅から電車に飛び乗って奈良駅、歩いて近鉄奈良駅に移動して
わらび餅とか奈良漬とかもろもろ買い込んで近鉄に飛び乗り、京都から新幹線で帰宅しました☆
たくさん歩いて、かなり運動らしい運動をした2日間でした。

yamatoa79.jpg
プティマルシェさんで買った古墳クッキー、にゃらまちクッキー、鹿さんクッキーと木簡グリッシーニ。
この後小分けして家族や友達に配りました。

そんなこんなでたっぷり楽しんだわけですが、
帰って来たばかりなのに心残りが多すぎてまた奈良に行きたくなっています。
三輪に行ったのに纏向遺跡寄れなかったし郡山城も行けなかったし古墳にも行けなかった、
次はいつ奈良のどこに行こうかなあ~。
スポンサーサイト



テーマ : 京都・奈良    ジャンル : 旅行

<<小さな動物はしっぽに弓を持っている。 | BLOG TOP | パンプキン・ホットスポット。>>

comment

 
 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback




カレンダー

09 | 2023/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

プロフィール

ゆさ

Author:ゆさ
猫に熱烈な愛をそそぐ本の蟲
歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
*twitterにも出没なう。→こちら

初めての方はブログご案内をどうぞ。
当ブログはリンクフリーです(宗教、アダルトサイトは×)。
文章や画像の加工、無断転載は禁止。
版権元の企業や団体とは一切関係ありません。

All Rights Reserved.
No reproduction or republication without written permission.
This blog is written only in Japanese.



にほんブログ村 イラストブログ オリジナルイラストへ
にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ


☆気が向いたらクリックお願いします

FC2カウンター

キリ番踏んだ方、報告いただければイラストのリクエストを受け付けます☆詳細はブログご案内をどうぞ。

「小倉百人一首」

問い合わせ先

月別アーカイブ

検索フォーム

« 2023 10  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード