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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


よい按配その2。

  1. 2015/06/06(土) 23:57:41_
  2. 歴史
  3. _ tb:0
  4. _ comment:2
okashina1.jpg
とらや赤坂本店の「虎屋文庫のお菓子な展示77」に行ってきました。
お菓子の資料室・虎屋文庫(1948年に開館)がとらや本社ビル建替えのために
3年間休室することになったそうで、
これまでに開催された77回の展覧会を年代順にダイジェストで紹介してくれています。
創業時の記録に注文用カタログに商売道具、パッケージ、ポスター、映像資料ほか
展示されているお菓子は職人さんが実際に再現された本物なのです!
しかも入場料無料です、無料なんです!お菓子好きな方ぜひ行くべきー!!

とらやの資料をお客さんに見てもらおうと1948年に始めたらしい資料展覧会は
最初は古文書が中心だったそうですが、やがてお菓子を展示するようになり(第3回)、
とらやの歴代店主を務めた黒川家や歴史上の人物のお菓子にスポットを当てたり
パリ店がオープンした年には西洋のお菓子を紹介したり(第14回)、
和菓子の歴史に注目する内容が増えたり(第18回)、
そうした取り組みが実を結んで来場者数が1,000人を超えたり(第27回)、
展覧会限定お菓子の販売(第29回)や映像展示を始めたり(第35回)、
大河ドラマ関連展示をしたり(第45回)、香り体験や辻占クッキー配布を行ったり
タマちゃんブームでフィーバーしたり新型インフルエンザであわや中止!?になりかけたり
スタンプラリーやトークイベントが行われるようになったり(第73回~)などなど
時代と平行しながら行われてきた展示の悲喜交々がつづられていました。
記念すべき第1回展(1973年)は「富岡鉄斎と虎屋展」で、
幕末~近代にかけてとらやの京都店支配人と親しかった鉄斎が取り上げられたようです。
現在もとらやで使われている「竹に虎」の掛紙は鉄斎の筆によるものだそうです。知らなかった。

歴史上の人物とお菓子の企画がwktkでしたっ( ̄∀ ̄)
第4回展で取り上げられた光格天皇はお菓子が大好きだったようで、
とらやのお菓子に何度か名前をつけているそうです。
そのうち「下染」「村紅葉」の2つが再現され展示されていました。きれいだった!
第13回展は和宮御用関係の展示で、成人祝いのでっかい月見饅頭がおもしろかった。
お饅頭の中心に穴をあけて、夜空にかざして月を覗き見る風習があったそうで
そのためにすごく大きく作ったのだそうです。ちょっとやってみたい…p(◎qд ̄)
第45回展で紹介された、1705年に尾形光琳が中村内蔵助に贈ったお菓子は
10種類を重箱につめた豪華なものだったようです☆
うち「色木の実」「友千鳥」が再現され展示されていまして、
とらやで発行されていた御菓子之書図というお菓子カタログは絵入りで品物の説明がされていて
光琳が見たのはこんな冊子だったのかなあとワクワク。
(歴史上の人物と和菓子についてはとらやのサイトでも連載されています→こちら
来年には本になるそうだ!楽しみ!)

やっぱり一番テンションがあがったのはお菓子の再現ですかね!(o゜▽゜)o
重箱にお菓子が敷き詰められた百味菓子(第6回)、
伊勢神宮の神使である鶏の2羽を表現した「みもすそ川」というお菓子(第19回)、
源氏物語の夕顔の扇子や、若紫の伏せ籠をイメージしたお菓子(第30回)に
唐菓子(第50回)に干菓子の模型(第56回)に宝来袋(第64回)!
あああああ全部食べたいいぃぃぃいいいい(*´Д`*)hshs
第14回の、パリ店で出しているガレット・ディロワは餡子入りのパイで
中にフェーブと呼ばれる陶器製の小物を入れたそうです。
パイを切ってみんなで食べて、小物が入っていた人はその日1日王様になれるという
西洋の風習を取り入れたものですね。
第58回の、鳥籠サイズの三角形の籠にハマグリお菓子をどっさり入れたのが最高でした☆
こ、これ…もう籠抱え上げてそのまま口にドバドバ放り込みたい←
第69回の、枕草子に出てきた削り氷の再現度が高すぎてやばい、
甘葛たっぷりかけて食べたくてたまりませんでした。
第75回にはお菓子で作った七福神を宝船に乗せた展示があったのですが
制作した職人さんが「マニュアルもなく試行錯誤。きれいに飾れた時はうれしかった」との
コメントを寄せられていまして、
「ふの字尽くしの宝船だー前に見たーー!」とテンション上がりました☆あれは良かった…。
生菓子だけではなく、お菓子の模型もあって
第67回に展示された木製のお菓子は、中にマグネットが入っていてパカッと割れます。
丸みを帯びているからお子様のおもちゃとかに喜ばれそうだなと思いました。

お菓子についての豆知識もおもしろくて、
ようかんを「羊羹」と書きますが、字の「羊」は小さい羊を、「羹」は大きい羊を意味するそうで
羊羹の字には羊が3頭いるんですね、気がつきませんでした。
(ちなみに羊羹とは、もともとは羊の羹(あつもの)ということでスープのようなものだったらしい)
金平糖の語源がポルトガル語のコンフェイトではないかという話はどこかで聞いたけど
茶巾餅が砂金袋をイメージしてるのは初耳でした!漂うズッシリ感…。
第77回展の桜餅大調査は都道府県の桜餅の材料をお客さんから調査したパネルで、
埼玉は道明寺が73・長明寺が175だったそうです。うん、確かにうちは長命寺を食べます…。
(ちなみに京都を見たら110・4でやっぱり道明寺が多いようですな)
戦時中のお菓子を紹介した映像ではお菓子の写真とレシピが次々に映し出されて
いかに当時の人が工夫しておやつを作っていたかが克明に。
寒天でみかんの汁を固めるとか、小麦粉とイモにりんごを混ぜて鹿の子とは!勉強になりました。
材料は小麦粉や砂糖、イモ、卵が多かったような印象があるな…。

さらに、展覧会が長ければハプニングにも事欠かないわけで
合間にちょこちょこ貼ってあるここだけの話っぽいパネルがおもしろい。
第33回展の、和菓子を入れるためのお通箱「井籠」(立派な造り!)についてのエピソードは
広告にお菓子と井籠が紹介されたせいで「この籠に入れて届けて欲しい」と
実際にお客さんから注文があったとか、
第36回展で全国のご当地羊羹を展示したら
展示ケースが斜めに傾いたタイプだったので床に落ちてしまうこともあったとか、
亥の子餅の展示で「猪の小弥太萩餅」なる回転パネルを作って
表に小弥太の絵を、裏に絵についての説明をつけて置こうとしたら
「お客様の手をわずらわせるのはいかがなものか」と社内から意見が出たとか(結局採用)、
たくさんのこぼれ話を拝見できました。
今は触ったり香りをかいだりするような参加型展示は全国的に溢れておりますが
昔は見るだけというのが基本でしたからね…。
そう考えると時代って進んできたんだなあと思います。
第71回展で昔の子どものお祝い用に作られたという大きな鏡餅のレプリカを置いて
裏に重さの答えを書いて「持ち上げてね」って書いておいたけど
皆さん持ち上げるだけであまりひっくり返してくれなかったこともあったようでした^^;
で、「今回はご覧ください!」とパネルにあったのでお言葉に甘えて持ち上げてみたら
結構、ずっしりと手にきましてびっくり。
お餅の下に「ありがとうございます!重さは2kgです」と喜びいっぱいに書かれてて笑ってしまった^^

いやあ楽しかったです。3年後にビルができたら次はどんな展示をしてくれるのかな。

okashina2.jpg
とらやの5月の生菓子唐衣(左)と更衣(右)。
唐衣は1694年に発売されたお菓子で、伊勢物語八つ橋の「唐衣きつつなれにし~」の歌を
イメージしているそうです。初夏を感じますな(´▽`)
更衣は1770年発売の、涼やかな夏の衣をイメージした衣替えのお菓子だそうで
毎年5/30~6/1の3日間限定販売です!
ずっと買いたくてタイミングを逃していて、やっと買えました。もっちりした食感でおいしかった☆

okashina3.jpg
とらやさんの隣のビル中2階に小さなお稲荷さんがございましたのでお参り。
美喜井稲荷神社というそうです。
比叡山から降りてこられた徳の高い神様を祀っていると看板にありましたが
神様の名前は書いてなくて、
代わりに「この神様にお願いする方は蛸を召し上がらぬこと」と謎の一文が^^;
そういえば最近食べてないな、蛸…。

okashina4.jpg
猫ちゃんの彫刻があった☆ 左は鳥と戯れていますが、右は魂と戯れてます。
むむ、ここはお稲荷様のはずですが…謎神社^^;


あと、この日は東博にも寄りました。
choju7.jpg
特別展入口にはこんなディスプレイが。すごい、絵巻の一場面がリアルに再現されている…!

現在、東博では去年に京博で開催された鳥獣戯画展が巡回中でして、
京都旅行でも大混雑の様子をレポしましたが東京展はさらに大変な混雑&長蛇の列だそうで
(公式アカウント@choju_uenoでは開館前に800人以上が並び日中は入館まで2時間待ち、
甲巻まで2~3時間待ちという収拾のつかなすぎる状態が連日ツイートされている)、
まあ京都で見たので今回は展示そのものは鑑賞しなかったのですが
撮影スポットには並ばなくても入れるとの情報を得てやって来ました。

choju8.jpg
撮影スポットにいた子犬ちゃん^^
鳥獣戯画を所蔵する高山寺の祖・明恵上人が愛玩したと伝わる子犬像のレプリカです。
かわいい~かわいすぎる~~~(*´∀`*)。
京都の展示にもいて、ちょこんと座る姿にたくさんの方が見入っていたのを覚えています。大人気。

ミュージアムショップでグッズ見ようかとも思いましたけど、レジに大行列ができていたので諦めました。
いやはやなぜこんなに人気が出てしまったのか鳥獣人物戯画、
2007年のサントリー美術館の全巻展示はかなりすいてて前期後期ゆっくり見られたというのに…。
もともとの人気と東博・京博のネームバリューと、美術番組と京騒戯画と
ここ数年で関連グッズが爆発的に売られるようになったせいかな~。
あと綺麗になったしな、修復効果。

東博本館では特別展の関連展示として「鳥獣戯画と高山寺の近代」展を開催中でした。
1872年に町田久成(東博初代館長)らによって行われた高山寺の宝物調査の記録や
絵巻の模本、絵巻を撮影した写真資料などが展示されていて
100年以上前の学芸員たちがどんな風に文化財調査をしていたかがわかるようになっています。
調査は、主に高山寺の仁王門や茶室や明恵上人坐像の撮影や
鳥獣人物戯画(当時は「鳥羽僧正筆画巻物4巻」と記録されているらしい)を含む文化財の状態を
調べるのが目的だったようです。
(ちなみに調査の10年後に戯画の修復が行われている)
こういう「誰が、いつ、どんな風に」調査したかっていう「調査方法の記録」を
残しておくことも大切だよなあ…。
物と違って「やり方」には形がないので、その人がいなくなったらわからなくなってしまうのだから。
(というか研究者の皆さん積極的にハウツー残しましょう後世のためにも…メイキング大事)

choju12.jpg
1888年に岡倉天心やフェノロサらが行った調査で撮影された写真。
鳥獣人物戯画乙巻の一部です。

choju9.jpg
山崎董詮が模写した甲巻はすべての場面が公開されていました!

choju10.jpg
壁に本物を写したパネルがあって、

choju11.jpg
下に絵師の写した絵があって見比べられるようになっていました。
模写方法の説明が特になかったのですが、並べて描いたのか紙を重ねて写したのか…
パッと見だけだとたぶん前者のような気がする。

わたしもやってみたいなあ戯画の模写…和紙買ってきて筆ペンとかでできるかな。
しかし動物かわいく描ける自信ないうえに甲乙丙丁で全長約12mあるから折れない心も必要だ。

そんなこんなで展示を堪能しましたので、この日東博に来た最大の目的を果たしに
東洋館横のホテルオークラのレストラン「ゆりの木」へ向かいまして。
choju13.jpg
じゃーん!鳥獣戯画ケーキを注文しました☆
特別展は見られなくてもこれだけは食べたかったんだ!

choju14.jpg
白うさぎのマカロンを外すとこんな感じ。
よもぎシフォンスポンジの上に黒糖ババロア、ゆずわらび餅がズンと乗っかってて
苺とオレンジがぎっしり積まれています。この世の天国…ホレボレ(*´з`)
シフォンとババロアの柔らかさと、わらび餅のぷるぷる食感と、フルーツの甘酢っぱさが口の中でミックスして
しあわせすぎて訳がわからなくなりました。
うわああ鳥獣人物戯画ずっと大好きだー!

あ、うさぎマカロンといえば。
choju15.jpg
4月に日本橋三越に期間限定オープンしていた鳥獣戯画ショップでゲットしたマカロンの写真を
載せようと思っていてすっかり忘れていたので、この機会にアップ。
戯画のうさぎとカエルが描いてあって、もっちもち食感でしたよ~また販売してほしい。


korin4.jpg※クリックで大きくなります
「風神雷神図屏風Rinne」光琳・乾山編その3。2はこちら
乾山、外へ出した方がいいのかなあと障子を開けてみましたが
へんな生き物たちは部屋の中で勝手に遊び始めてしまいました。
光琳「虫じゃねえよな…」
乾山「うん、風と雷出してる」
光琳「………」
乾山「………」
2人「「風神雷神図」」
光琳「だよな」
乾山「だよね」
光琳「どこにあったっけ」
乾山「妙光寺」
光琳「………」
乾山「どうしたの」
光琳「決めた、おれ絵描くわ」
乾山「はい?」
光琳「まだ質に入れてない品が手本になるし、親父の型紙も売るほどあるし。腕を上げて、宗達の屏風を写す」
乾山「本気なの」
光琳「本気」

目は確かに本気っぽいけど寝ながら言われてもなあ…と、乾山は半信半疑です。

光琳が本格的に絵を描き始めたのは40歳前後になってからといわれます。
父親の遺産を使い果たし兄弟からも借金の督促を受けるようになって、
何とかしなくてはと真剣に考え始めたのかもしれません。

宗達の風神雷神図はもともとは妙光寺(京都市右京区北部)にあったという説があるそうです。
妙光寺は乾山が住んだ鳴滝窯の近くにあり、乾山が陶法を学んだ野々村仁清の墓所もあります。
その後屏風は何らかの理由で江戸時代後期に建仁寺へ移されたそうです。
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comment

NoTitle

  1. 2015/06/08(月) 17:45:52 |
  2. URL |
  3. hippopon
  4. [ 編集 ]
東博よくはいれましたね。
朝から並んで最後の部屋見れずに追い出されたという文句をききましたよ。
もうだめだと思ってました。
ラッキーでしたね。

今年は更衣を頂けませんでした。
残念。
嘉祥菓子も毎年です。
かわらけがたいぶたまりました。ww

Re: NoTitle

  1. 2015/06/10(水) 19:36:49 |
  2. URL |
  3. ゆさ
  4. [ 編集 ]
> hippopon様

混んでいるのは特別展だけで本館は普通に入れましたよ~ちなみに特別展には入っていません。
追い出されたという話は聞きませんが、待ち時間が長すぎて諦めた人はたくさんいたようです。

> 今年は更衣を
おお、来年またチャレンジしましょう!
わたしは今年初めていただけました。おいしかったです^^
 
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