ジブリと電車でまわる京都旅その1。
名古屋と京都に行ってきました!
愛・地球博記念公園にて開催中のジブリ大博覧会・サツキとメイの家と
京都の琳派展・秋の非公開文化財特別公開の鑑賞が目的です☆
紅葉が始まるシーズンの週末でしたのでそれなりに混んでいた場所もありましたが
お天気もよく過ごしやすい行楽日和の旅でございました。
まずは1日目。名古屋と、ちょこっと京都の様子をお届けします。

夜行バスに乗って早朝に名古屋駅に着きまして、駅のコメダ珈琲にて朝ごはん。
コメダのモーニング初めてだ!
ドリンクを注文するとゆで卵とトーストを無料でつけてくれて有難い。
サラダもいただいて野菜とビタミンを補給。野菜大好きですのでね。

名古屋駅から地下鉄・リニモを乗り継いで愛・地球博記念公園駅へ。
地下鉄から乗換えの藤が丘駅で往復乗車券「リニモカード」が買えるのですが
ジブリ展の期間中はマーニーがプリントされた柄が買えるというのでゲットしたよ^^
会期末だったけど残っててよかったです。

記念公園に降り立つゆさ。(どーん)
10年前の万博は来ようかどうしようか迷って来なかったけど(祖母と母は行った)、
当時はどんな景色が見えたのかな。
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

現在、愛知万博から10年ということで公園内では「花と緑の夢あいち」を開催中。
園内のいたるところに花を見ることができます。
入口のガーデンは大きな鏡が設置されてました~きれい。

各地の団体さんたちによるお庭の展示も。こちらは「野ら庵」という日本庭園。
お茶もいただけるそうですが、まだオープン前でした。。

「庭男子」という、かわいらしいお家つきガーデン。

「街をつなぐ市をつなぐ」のお庭にいた、豊橋市と豊川市のマスコットキャラクター。
石窯ですってよ奥さん!こんなかわいい窯でピザとか焼けますのよ!(何)

開催中の思い出のマーニー展に合わせて大岩家の庭も再現されていました。
杏奈ちゃんが収穫したトマトも植えられていたよ~大玉だった。

マーニーいる!大岩のおじさんおばさんも。

「ちかみち」もあった!

西エントランス広場にある「日本の塔・月」。万博の際に建てられた永久設置モニュメントです。
早朝だったので見られませんでしたが
1日に5回ほど音楽(東儀秀樹氏提供)とともにからくりが動いて演技をしてくれるとか。

塔には護り童子として風神雷神の像(夢童由里子氏作)が設置されています!
こちらは雷神。

風神。
なんだか天使のような、大変わたしの萌えポイントをついてくれる姿形でした^^

広場には全国各地を象徴するモニュメントも置かれています。
写真は神戸市の有馬温泉をイメージした作品。うさぎは秀吉とおねを表現しているそうです。

浜松市の浜松城の天守閣にいた出世大名家康くんがむちゃくちゃかわいかった(゚∀゚)☆

園内を走る「夢あいち号」。ハロウィンイブだからでしょうか、ジャックオーランタンつきです。
実際に人を乗せて走っている様子はジブリ展からマーニー展へ移動するときに見まして
汽笛も鳴って賑やかでした、ポッポー。

公園の奥の方にある展望台からサツキとメイの家が見られるというのでやって来ましたよ。

ほんとだーーいい眺め!
家、サツキたちが遊んだ庭、背景に山!完璧です。
というわけで建築10年目にしてサツキとメイの家の見学です(^▽^)ノ
来よう来ようと思いつつ結局こんなに経ってしまいました。なんということ。
愛知万博の展示の一環として10年前に建てられた際は行きたくて気が狂いそうでしたが
チケット抽選の競争率が激戦すぎて泣く泣く諦めまして、
ジブリが編集した『サツキとメイの家のつくり方』を買って眺めていた当時がなつかしい…。
やっと!やっと念願が叶います、やっほう楽しみ!
現在のサツキとメイの家入場チケットはジブリ美術館と同じく日時指定の予約制で
見学時間は30分入れ替え制、屋外15分・屋内15分です。
受付でチケットと引換に入館パスをお借りして、終了後に返却するというしくみ。

ガイドさんの後について草壁家に向かいます。
「メイ、橋があるよ」「はしー?」の橋を渡って、

木のトンネル…ほどではないですが木立の中をみんなで歩きまして、

着いたよおおおお入口の門からしてこの忠実再現!

表札!!

ギャー!!!

再現度の高さが想像以上で見上げながら仰向けに倒れそうになりました。さ、最高~☆
実際に昔の建築方式を用いて建てられておりエイジングもかけてあるそうですが
10年の間風雨に打たれていい感じに家っぽくなってて住人がいる感がそこかしこから溢れております。
ふええ想像以上だよ。

ていうかここまで再現することないでしょ!
柱はお触り禁止なのに触って揺らして落っことしてみたくなったわ!!

メイちゃんがお父さんにお花を持ってくるシーンの背景、もといお父さんの洋間です。
お父さんの下駄と、「電報でーす」のおじさんが見かけた椅子とパレットまである。

外からなら撮影可ということで鬼のように撮影しまくる見学者の皆さん(笑)。
わたしも人が離れた瞬間を狙って撮りまくりました~。
本棚にも床にも無数の本が積まれ壁には海図が貼られ、考古学者らしく土偶のレプリカまで置いてあるし
帽子もかけてあったよ。
さっきまでお父さんがいて、あと数分もしないうちに戻って来て作業を再開するような気がする。

サツキとメイが「クスの木」「クスの木~!」と駆け込んでくる縁側。

廊下はこんな感じ。
天井からドングリは落ちてきませんでしたが、
屋内見学のとき奥にある扉の左側にある扉を開けたら2階への階段があって
そこにはドングリが落ちてました!
登るのは禁止だけど、見上げたら小さなシャンデリアとかちゃんと再現されてたよ…。
他にも、ドングリが落ちてる場所が屋外に1か所あります。行けた人ぜひ探してみてね!

お部屋。(外から撮影)
屋内見学のとき、襖やクローゼットや机の引き出しなどは自由に開けてOKとのことで
むちゃくちゃ開けまくりました(笑)。
押入れには4人分の布団とパジャマが用意してあるし
引越しのときおばあちゃんとメイが片付けていたお茶セットなどもしまってあった。

サツキがお母さんに手紙を書いていた机のそばにはランドセルもあって
開けると当時の教科書とかプリントとか入ってるんですよ!
くず籠にもゴミが捨ててあるし生活感にも程がある。

4畳半の茶の間。
サツキが「これメイのね」ってお弁当の仕上げをしている場面や
雨の日にお父さんを迎えに行く前のシーンの背景です。
屋内見学では戸棚を自由に開けることができて、赤いお弁当箱もちゃんと入ってます。

縁の下の格子が!いましも小トトロがパキッと折って突入した形跡のよう。

カンちゃんがおはぎを持って来たときサツキが駆け込んでくる台所。
かまども食器も大きなマッチも、サツキが火おこしで使っていた団扇まであります!
奥はお風呂です。ネコバスが草壁家の近くを横切った夜を思いだしますな…。

井戸小屋。
柱にたてかけてある底抜けバケツは大人気で
みなさんメイちゃんになりきって覗きながら写真撮影されてました。

お父さんの自転車!
映画では3人乗りでお母さんのお見舞いに行ってましたね。

玄関。
入ってすぐの靴箱にはお父さんの靴やメイの赤い長靴、サツキの白いサンダルまで
完璧に揃っていました!
この家にある家具や小物などはすべて、建設当時にジブリのスタッフが1年半かけて集めたもので
その後も寄付により集まったものが収納されているそうです。

いやあ楽しかった…。
短い時間でしたけど草壁家を探検できて幸せでした…。
映画のモデルになった建物とか、再現された建物とかを訪れるの大好きなので
名古屋駅からは遠いけどなんとかしてまた訪れたいです。
(実はこの家、万博終了後はトトロの舞台である埼玉に誘致する話もあったみたいですが
もし実現していたら飽きるまで通い詰めてたと思う)

ジブリの大博覧会を見るために愛・地球博記念館まで歩いてきたら
大きなモリゾーとキッコロがいた^^

というわけで会場に入ります~わくわく楽しみ。

入口の陰にいたまっくろくろすけ。
わたしの前を歩いていた親子連れのお子さんが気づいてくれなかったら
うっかり見過ごすところでした。あのときの坊ちゃんありがとう。
展示内容はナウシカに始まる歴代映画のポスターや新聞広告、キャッチコピー、原画等から
ジブリの歴史を辿るというもの。
宮崎さんサイン入りポスターや原画ラフ、動画、背景画、
ぬいぐるみや文房具やアクセサリーやジブリの歴代年賀はがきほか
無数の貴重な資料やグッズが所狭しと並べられ壮観でした。
グッズのお部屋には天井からポルコやジーナの飛行機、ポニョの妹たちなどが吊られていたよ。
糸井さんと鈴木さんがファックスでやりとりしていたコピー制作の紙にはものづくりの楽しさと苦悩が垣間見えたり
細部まで再現された鈴木さんの机に中日のカレンダーがあって笑えたり。
メディアが進化すれば宣伝方法も変わるわけで、
テレビCMとパソコン画面とガラケーとスマホとiPadの宣伝画面が全然違うことに
改めてびっくりしました。見比べ楽しい。
千と千尋の金熊賞とオスカー像もオリジナルが展示されていて
これらはジブリ美術館の千と千尋展以来の再会で懐かしかったです。
個人的に面白かったのが、ジブリのスタジオ内に貼られていたという
制作スケジュールや宮崎さんからの指示紙、スタッフへのお知らせなどの紙類。
「絵コンテ上がり」「○○さん誕生日おめでとう」など
重要なお知らせからどうでもいい内容まで、すべて手書きのイラストつきという手間暇に感服した。
「宮崎案」「鈴木案」と書かれた予告編を検討する紙に「どっちがいいか丸をつけること」とかあって
スタッフさんたちのご苦労もしのばれます(笑)。
「風邪が流行っています。みかんを食べましょう」的な警告の紙は
ゲド戦記のアレンにハイタカが差しだすパンがみかんに変えられたコラ画像になってて笑っちゃった。
あ。展示の入口には大きなトトロのぬいぐるみがいて出口には巨大なネコバスがいました!
ネコバスは小学生以下のお子様のみ乗車可能でしたので
係の人に「触ってもいいですか?」と尋ねたら「いいですよ~」と言っていただいたのでお触りしました。
いい感じにぬいぐるみの感触だった…。
(そういえば伊豆のテディベアミュージアムには大人も乗れるネコバスがいるそうなので
いつか行ってみたい)
大博覧会は巡回するそうです。
かつてレイアウト展が全国を巡回するうちに展示物が変わり図録も増補されたように
この展示も関東に来る頃にはまた違った雰囲気になってるといいな。

歩いて地球市民交流センター体育館へ。思い出のマーニー×種田陽平展です。
展示内容は東京展とほぼ同じでしたので割愛しますが
作画監督の安藤雅司さん、美術の吉田昇さんが実際に使っていた机が持ち込まれて
紙も絵の具も置かれてさながら作業風景のようになってたのはよかった!
実際に作画する安藤さんを写した写真パネルがあったのですが、安藤さんの隣の席が米林さんだったみたいで
おーマロさんここにいたのかーって机の隣ではしゃいだりしました(笑)。

センターの中でも花と緑の夢イベントの一環でお花を展示中。
写真は愛知県の菊をボール状にアレンジした「フラワーシャンデリア」。
生花のためスタッフさんが毎日水をあげているそうです。道理で綺麗なわけだ…。

花のシャワー☆

駅へ戻ってリニモに乗り、名古屋方面を目指します。

西高蔵駅で降りてやって来ました、喫茶シャーロックホームズ(´▽`)。
イギリス料理がいただけるらしくてぜひ来てみたかったんだ!
扉を開けたら内装も店員さんのファッションも19世紀イギリスの雰囲気、最高です。

ハドソン夫人の海鮮パイとホームズパン。
パイは焼きたてでサクサクしてるしパンはふわふわおいしい(*´∀`*)。

デザートのケーキセット。ベビーワトソンを注文したら濃厚なチーズケーキがきました(゚∀゚)☆
バニラアイスにチョコがかかってておいしかったです。
うん、確かにわたしの中でもワトソン君はチョコケーキやショートケーキよりも
チーズケーキが好きそうなイメージが勝手にある。
(そんなわけでお料理も雰囲気も大変満足なのですが
ひとつ言いたいことがあるとすれば、分煙されてなかったんです…。
禁煙者が来るお店じゃないのかもしれませんが、配慮はあってほしかったかな)
この後は名古屋駅に戻り、東海道線に乗って移動でした~。
愛知・岐阜・滋賀・京都まで計4府県を越えます。県境をひたすら通過しまくるぜ!

ぎふ!
(駅前の黄金の信長像をいつか見に来るぞ)

せきがはら!(車内から写真撮るって難しい)
ほかにも大垣とか米原とか彦根とか通過するたびに無言で興奮していました。。
特に彦根はお城とひこにゃんに会うためだけにいつか行きたい。
安土も駅名表示の撮影したかったけど、新快速に乗っていたので停車してくれなくて
ピューッと通過されてしまった…それはもう見事なスルーっぷりであった…。
安土城跡も行ってみたい、駅から遠いらしいですが。
4時間の長旅を終えて京都に到着する頃にはすでに陽は落ちていまして
バスで京都国立博物館に到着したら辺りはすっかり暗くなっていました。

お待ちかね、開催中の「琳派 京を彩る」展を鑑賞します。
琳派を代表する俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一の風神雷神図屏風が
2週間限定でそろい踏みするとのことで、何がなんでも見たかったんだ!
博物館の公式Twitterを見ていたら連日、入館まで2時間待ちの状況みたいですが
去年の鳥獣戯画展を思えばまだかわいいものですな…^^;
3人の風神雷神図が揃ってからはさらに待ち時間が増えたので、これは夜しかないなと思って
金曜日に鑑賞することにしました。
(京博は毎週金曜日は夜8時まで開館しています)

京都国立博物館公式キャラクタートラりん。尾形光琳「竹虎図」をモチーフにしたキャラクターです。
展覧会初日の10月10日にお披露目されテープカットも一緒にやったみたいです。
名前の由来は虎+琳派でトラりん。
ときどき(主に休日)博物館の館内や中庭に出没するそうです→こちら

博物館本館もライトアップされて美しい。
夜の6時半に行ったら入館待ち時間はなかったものの、
館内は全体的に混雑しており作品に近づいて鑑賞するには譲り合いの精神が必要でした。。
琳派400年記念祭の終盤を飾る展示ですので内容も充実していて
いわゆる「これが琳派」と呼ばれるものが揃っててキュレーションにブレーキ痕が見当たらないのは
さすがに京都国立という感じ。
光悦の舟橋蒔絵硯箱も群鹿蒔絵螺鈿笛筒も宗達・光悦の鶴下絵三十六歌仙和歌巻も
久しぶりに再会できてどれも変わらず美しくてよかったです☆
今回は光悦の人物像が垣間見える品が多くて
日源の求めに応じて写した立正安国論(文末に大虚庵の署名がある)や
加賀藩の家臣や漆芸について相談する手紙など、
光悦の多彩な交友関係が想像できて改めて感心してしまった。
刀匠銘書(国別に刀匠の名前を記載)や薙刀直シ刀(骨喰藤四郎)からは本阿弥家の本業が垣間見えるし
刀剣の鑑定で「三郎兵衛が不在のため明日また本人と相談します」とか
茶碗屋吉左に「赤い土を持って来てください」とお願いする手紙からは
現場の息遣いが聞こえてくるような!
なんでもない事務的なやり取りってワクワクします、なぜでしょうね。
宗達と光悦の合作による古今集や新古今集の和歌を書いた色紙は
書と絵と料紙のコラボレーションがバランスよく成立していて
光悦が歌ごとに書体を変えてるのがおもしろいなあと思う。
蓮下絵百人一首和歌の断簡は関東大震災で大半が焼失してしまって
現在残っているのは藤原俊成の歌ほかごく一部分だけらしい、よく残ってくれたものです。
宗達の伊勢物語色紙の芥川の雷神は、体は赤かったけど
例の風神雷神図の雷神ポーズとそっくりでした。
重要文化財の牛図は一対の水墨画で、2頭の牛が向かい合って座ってるのですが
たらし込みがたっぷり使われてて宗達さん描いてるとき楽しかっただろうなあ、などと想像。
去年の旅行で訪れた養源院から唐獅子一対が来てて、改めて大きな杉戸だなあと思いつつも
同時に、いま養源院に行ったら入口にこの杉戸はないから
奥の白象が思いっきり見えたりするのかなあ、とか。
宗達の弟子・宗雪の秋草図屏風は東博で見たことがあって久々の再会☆
野々村仁清の色絵芥子文茶壺の芥子には絵師の関与が認められるそうですが
具体的に誰かはわかっていないらしい…時期的に宗達と同時代の絵師だろうな、ロマンがあります。
光琳が一番展示作品数が多かったな~。
白楽天図屏風や小西家に伝わる文書など
根津美術館の展示から半年ぶりに再会した作品もありました。
重要文化財の竹梅図屏風は水墨だけで描かれた竹と梅がシーン、と静まり返った世界観が胸に響くし
蹴鞠布袋図(法橋叙任前の数少ない作品)はまんまる布袋様がおもしろいし
トラりんのモデルになった竹虎図はすねたように引きむすんだ口がかわいい(=^ω^=)。
八橋・秋草図団扇はケースの中に立てて展示してあって裏表が見られた~よかった。
中村内蔵助像は光琳の数少ない肖像画で
「痛けれど胸に秘めたる春の山」の句から内蔵助の内面とか生き方みたいなものが伝わってくる。
個人的にテンションあがったのは光琳の父・宗謙の譲状です!
おまえにはこれだけくれてやるから後は権平(乾山の本名)とよく話しなさい、とあって
完全に兄より弟の方が頼りになる存在として認識されている。父よ…!
(まあ光琳はああだから無理もないですね^^;)
乾山の展示は菊図向付や石垣文皿など、ほとんどがサントリー美術館の乾山展で見た器やお皿で
やっぱりこれらは乾山の代表作なのだなあとたっぷり堪能しました。
あと、サン美すごいなって思った。
立葵図は乾山にしては珍しく掛軸の作品で、明らかにお兄ちゃんの立葵図の影響がありますな。
抱一ゾーンはもうね…光琳への愛がさかなクン並に度を越しててだいぶやばい、知っててもやばい(笑)。
酒井家の膨大な所蔵品の中から光琳を発掘し、光琳没後100年目に展覧会を開き目録を作り
観音像を妙顕寺(光琳の菩提寺)へ奉納したり
好きが高じたのとお金もあったから(抱一の兄は姫路藩主)遠慮なく活動しまくったよな…。
琳派のプリンスまじプリンス。
瓶花図はやっぱり光琳百回忌の制作だそうですが同じものを100幅(!)作ったそうで
ほんとだ「光琳忌百幅之一」って書いてある、つか1/100ってなによ、シリアルナンバーかよ!!(笑)
「尾形流略印譜」は宗達に始まる17~18人の落款を網羅したもので、つまりサイン集ってことで
画集だけじゃなくサインもコレクションするあたり抱一のガチっぷりを感じる。
三十六歌仙屏風とか四季草花蒔絵螺鈿茶箱とか見てると才能も改めて感じて、
蒔絵の制作に光琳百図から柄を拝借してデザインしたり
四季花鳥図巻の赤もみじが虫食いになってて何だか伊藤若冲さんみたいな絵も描くんだなと思いました。
鈴木其一の三十六歌仙屏風はどことなく光琳画に似ていて
これはたぶん師匠の抱一が発行した光琳百図を参考にしたんだろうなと。
そして今回の目玉、3人の風神雷神図屏風はひとつの一部屋に勢揃い☆
真ん中に宗達、右に光琳、左に抱一が展示されて
合わせて6柱の風神雷神に囲まれるという熱いエネルギーに満ちた空間だったよ!
(ついでに人も一番多い空間だった)
宗達は栄西と建仁寺展以来の再会で、相変わらずの大ざっぱなバランスがおもしろいし
光琳は東博所蔵でもう何度も見ていますが、やっぱり美しいし
抱一は光琳の臨画なんだろうけど完全に自分の画風で描いてて、粋。
あちこち見比べたくて会場をグルグル回ってしまいました。
3人の屏風が同じ空間に揃うのは7年ぶり、京都で揃って展示されるのは75年ぶりだそうです。
私淑でつながる奇跡の流派!
200年後にこうして並べられるなんて本人たち想像もしてなかったろうな。

博物館を堪能した後は、バスで高台寺に行きました。
高台院(北政所ねね)が夫である豊臣秀吉の菩提を弔うために建てたお寺で
春・夏・秋にはライトアップも兼ねて夜間拝観が行われているのだ!
点々と灯るあかりが境内へ誘ってくれるような神秘的な雰囲気。

高台寺・圓徳院共通拝観券を買って、まずは高台寺境内へ入ります。
ライトアップされたお庭と木々が大変すばらしく、美しすぎてため息しか出ません。
境内は人も少なく静かです。

庭園。
小堀遠州による作で国の名勝・史跡に指定されています。
池の真ん中を渡る臥龍廊は龍が伏せる姿に見えることからその名で呼ばれるそうです。

まだ完全には色づいていない紅葉が
赤や黄色や緑など様々な色でグラデーションみたいでほんとに綺麗。
池に映る葉っぱもきれいです。

もうアホみたいに写真撮ってしまった。。

竹林もむちゃくちゃきれい。まるで嵯峨野に来たような気分でした。

どこにカメラを向けても絵になって感動します。
高台寺のライトアップはもう何年も前からずっと来たくて
京都に来る機会だけは何度もあったのになかなかタイミングが合わなかったけど
これはもう一度来てみたいと思いました。
石、植物、建物など何もかもが揃っていてしかもちょうどよく配置されてるんだな…小堀遠州すごい。

方丈では百鬼夜行プロジェクションマッピングが行われています。
夏の百鬼夜行展でも上映されていましたが来られなかったので何がなんでも見たくて
いざ見たら妖怪たちのオンパレードでおもしろかったよ~!
まずは何かの前触れのように境内が白や青に照らし出されます。わくわく。

夜が更けて百鬼夜行のはじまり!
妖怪たちが出てくるとパーッと明るく賑やかになります。

ゴーン…と梵鐘の音が朝を告げると、妖怪たちは潮が引くように飛び去っていきます。
くわっとこちらを睨む目。
写真ではなかなか伝わらないので動画をご覧ください→こちら
約3分の映像が繰り返し上映されているのでひたすら写真撮ったり飽きるまでボーっと眺めて
さて次に行こうかなと立ち上がったら、急に風を冷たく感じてブルッときました。。
この時期の東山の空気はひんやりしています。これから拝観予定の方は防寒対策忘れずに。

高台寺を後にして、すぐ目の前にある塔頭の圓徳院へ。
高台院が余生を過ごした寺で、寺号はねねの甥にあたる木下利房(小早川秀秋の兄)の戒名です。
こちらも秋の夜間拝観中でした。

国の名勝に指定されている庭園。小堀遠州も作庭に関わったようです。
ねねも、ライトアップはされていなかったろうけどこのお庭を見ながら夜を過ごしたのかな…。

紅葉はほとんど始まっていませんでしたが、少しずつ色づいていました。

岩がたくさん配置してあっておもしろい。
あまりに綺麗だったのでボーっとしていたらバスの時間がなくなりそうだったので
この後はバスに乗って京都駅へ戻り、
お気に入りの京野菜のお店で夕ごはんにしようと思ったら混雑していたので諦めて
コンビニへ寄って適当におにぎりなど買ってホテルへ戻りました。
金ロのるろ剣をチラッと観たら伊勢谷氏の蒼紫様が何だかすごかった…。
まいごのまいごの蒼紫ちゃん、あなたのおうちはどこですか。
次回記事はがっつり京都。お寺のアート巡りのレポをお届けします☆
愛・地球博記念公園にて開催中のジブリ大博覧会・サツキとメイの家と
京都の琳派展・秋の非公開文化財特別公開の鑑賞が目的です☆
紅葉が始まるシーズンの週末でしたのでそれなりに混んでいた場所もありましたが
お天気もよく過ごしやすい行楽日和の旅でございました。
まずは1日目。名古屋と、ちょこっと京都の様子をお届けします。

夜行バスに乗って早朝に名古屋駅に着きまして、駅のコメダ珈琲にて朝ごはん。
コメダのモーニング初めてだ!
ドリンクを注文するとゆで卵とトーストを無料でつけてくれて有難い。
サラダもいただいて野菜とビタミンを補給。野菜大好きですのでね。

名古屋駅から地下鉄・リニモを乗り継いで愛・地球博記念公園駅へ。
地下鉄から乗換えの藤が丘駅で往復乗車券「リニモカード」が買えるのですが
ジブリ展の期間中はマーニーがプリントされた柄が買えるというのでゲットしたよ^^
会期末だったけど残っててよかったです。

記念公園に降り立つゆさ。(どーん)
10年前の万博は来ようかどうしようか迷って来なかったけど(祖母と母は行った)、
当時はどんな景色が見えたのかな。
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

現在、愛知万博から10年ということで公園内では「花と緑の夢あいち」を開催中。
園内のいたるところに花を見ることができます。
入口のガーデンは大きな鏡が設置されてました~きれい。

各地の団体さんたちによるお庭の展示も。こちらは「野ら庵」という日本庭園。
お茶もいただけるそうですが、まだオープン前でした。。

「庭男子」という、かわいらしいお家つきガーデン。

「街をつなぐ市をつなぐ」のお庭にいた、豊橋市と豊川市のマスコットキャラクター。
石窯ですってよ奥さん!こんなかわいい窯でピザとか焼けますのよ!(何)

開催中の思い出のマーニー展に合わせて大岩家の庭も再現されていました。
杏奈ちゃんが収穫したトマトも植えられていたよ~大玉だった。

マーニーいる!大岩のおじさんおばさんも。

「ちかみち」もあった!

西エントランス広場にある「日本の塔・月」。万博の際に建てられた永久設置モニュメントです。
早朝だったので見られませんでしたが
1日に5回ほど音楽(東儀秀樹氏提供)とともにからくりが動いて演技をしてくれるとか。

塔には護り童子として風神雷神の像(夢童由里子氏作)が設置されています!
こちらは雷神。

風神。
なんだか天使のような、大変わたしの萌えポイントをついてくれる姿形でした^^

広場には全国各地を象徴するモニュメントも置かれています。
写真は神戸市の有馬温泉をイメージした作品。うさぎは秀吉とおねを表現しているそうです。

浜松市の浜松城の天守閣にいた出世大名家康くんがむちゃくちゃかわいかった(゚∀゚)☆

園内を走る「夢あいち号」。ハロウィンイブだからでしょうか、ジャックオーランタンつきです。
実際に人を乗せて走っている様子はジブリ展からマーニー展へ移動するときに見まして
汽笛も鳴って賑やかでした、ポッポー。

公園の奥の方にある展望台からサツキとメイの家が見られるというのでやって来ましたよ。

ほんとだーーいい眺め!
家、サツキたちが遊んだ庭、背景に山!完璧です。
というわけで建築10年目にしてサツキとメイの家の見学です(^▽^)ノ
来よう来ようと思いつつ結局こんなに経ってしまいました。なんということ。
愛知万博の展示の一環として10年前に建てられた際は行きたくて気が狂いそうでしたが
チケット抽選の競争率が激戦すぎて泣く泣く諦めまして、
ジブリが編集した『サツキとメイの家のつくり方』を買って眺めていた当時がなつかしい…。
やっと!やっと念願が叶います、やっほう楽しみ!
現在のサツキとメイの家入場チケットはジブリ美術館と同じく日時指定の予約制で
見学時間は30分入れ替え制、屋外15分・屋内15分です。
受付でチケットと引換に入館パスをお借りして、終了後に返却するというしくみ。

ガイドさんの後について草壁家に向かいます。
「メイ、橋があるよ」「はしー?」の橋を渡って、

木のトンネル…ほどではないですが木立の中をみんなで歩きまして、

着いたよおおおお入口の門からしてこの忠実再現!

表札!!

ギャー!!!

再現度の高さが想像以上で見上げながら仰向けに倒れそうになりました。さ、最高~☆
実際に昔の建築方式を用いて建てられておりエイジングもかけてあるそうですが
10年の間風雨に打たれていい感じに家っぽくなってて住人がいる感がそこかしこから溢れております。
ふええ想像以上だよ。

ていうかここまで再現することないでしょ!
柱はお触り禁止なのに触って揺らして落っことしてみたくなったわ!!

メイちゃんがお父さんにお花を持ってくるシーンの背景、もといお父さんの洋間です。
お父さんの下駄と、「電報でーす」のおじさんが見かけた椅子とパレットまである。

外からなら撮影可ということで鬼のように撮影しまくる見学者の皆さん(笑)。
わたしも人が離れた瞬間を狙って撮りまくりました~。
本棚にも床にも無数の本が積まれ壁には海図が貼られ、考古学者らしく土偶のレプリカまで置いてあるし
帽子もかけてあったよ。
さっきまでお父さんがいて、あと数分もしないうちに戻って来て作業を再開するような気がする。

サツキとメイが「クスの木」「クスの木~!」と駆け込んでくる縁側。

廊下はこんな感じ。
天井からドングリは落ちてきませんでしたが、
屋内見学のとき奥にある扉の左側にある扉を開けたら2階への階段があって
そこにはドングリが落ちてました!
登るのは禁止だけど、見上げたら小さなシャンデリアとかちゃんと再現されてたよ…。
他にも、ドングリが落ちてる場所が屋外に1か所あります。行けた人ぜひ探してみてね!

お部屋。(外から撮影)
屋内見学のとき、襖やクローゼットや机の引き出しなどは自由に開けてOKとのことで
むちゃくちゃ開けまくりました(笑)。
押入れには4人分の布団とパジャマが用意してあるし
引越しのときおばあちゃんとメイが片付けていたお茶セットなどもしまってあった。

サツキがお母さんに手紙を書いていた机のそばにはランドセルもあって
開けると当時の教科書とかプリントとか入ってるんですよ!
くず籠にもゴミが捨ててあるし生活感にも程がある。

4畳半の茶の間。
サツキが「これメイのね」ってお弁当の仕上げをしている場面や
雨の日にお父さんを迎えに行く前のシーンの背景です。
屋内見学では戸棚を自由に開けることができて、赤いお弁当箱もちゃんと入ってます。

縁の下の格子が!いましも小トトロがパキッと折って突入した形跡のよう。

カンちゃんがおはぎを持って来たときサツキが駆け込んでくる台所。
かまども食器も大きなマッチも、サツキが火おこしで使っていた団扇まであります!
奥はお風呂です。ネコバスが草壁家の近くを横切った夜を思いだしますな…。

井戸小屋。
柱にたてかけてある底抜けバケツは大人気で
みなさんメイちゃんになりきって覗きながら写真撮影されてました。

お父さんの自転車!
映画では3人乗りでお母さんのお見舞いに行ってましたね。

玄関。
入ってすぐの靴箱にはお父さんの靴やメイの赤い長靴、サツキの白いサンダルまで
完璧に揃っていました!
この家にある家具や小物などはすべて、建設当時にジブリのスタッフが1年半かけて集めたもので
その後も寄付により集まったものが収納されているそうです。

いやあ楽しかった…。
短い時間でしたけど草壁家を探検できて幸せでした…。
映画のモデルになった建物とか、再現された建物とかを訪れるの大好きなので
名古屋駅からは遠いけどなんとかしてまた訪れたいです。
(実はこの家、万博終了後はトトロの舞台である埼玉に誘致する話もあったみたいですが
もし実現していたら飽きるまで通い詰めてたと思う)

ジブリの大博覧会を見るために愛・地球博記念館まで歩いてきたら
大きなモリゾーとキッコロがいた^^

というわけで会場に入ります~わくわく楽しみ。

入口の陰にいたまっくろくろすけ。
わたしの前を歩いていた親子連れのお子さんが気づいてくれなかったら
うっかり見過ごすところでした。あのときの坊ちゃんありがとう。
展示内容はナウシカに始まる歴代映画のポスターや新聞広告、キャッチコピー、原画等から
ジブリの歴史を辿るというもの。
宮崎さんサイン入りポスターや原画ラフ、動画、背景画、
ぬいぐるみや文房具やアクセサリーやジブリの歴代年賀はがきほか
無数の貴重な資料やグッズが所狭しと並べられ壮観でした。
グッズのお部屋には天井からポルコやジーナの飛行機、ポニョの妹たちなどが吊られていたよ。
糸井さんと鈴木さんがファックスでやりとりしていたコピー制作の紙にはものづくりの楽しさと苦悩が垣間見えたり
細部まで再現された鈴木さんの机に中日のカレンダーがあって笑えたり。
メディアが進化すれば宣伝方法も変わるわけで、
テレビCMとパソコン画面とガラケーとスマホとiPadの宣伝画面が全然違うことに
改めてびっくりしました。見比べ楽しい。
千と千尋の金熊賞とオスカー像もオリジナルが展示されていて
これらはジブリ美術館の千と千尋展以来の再会で懐かしかったです。
個人的に面白かったのが、ジブリのスタジオ内に貼られていたという
制作スケジュールや宮崎さんからの指示紙、スタッフへのお知らせなどの紙類。
「絵コンテ上がり」「○○さん誕生日おめでとう」など
重要なお知らせからどうでもいい内容まで、すべて手書きのイラストつきという手間暇に感服した。
「宮崎案」「鈴木案」と書かれた予告編を検討する紙に「どっちがいいか丸をつけること」とかあって
スタッフさんたちのご苦労もしのばれます(笑)。
「風邪が流行っています。みかんを食べましょう」的な警告の紙は
ゲド戦記のアレンにハイタカが差しだすパンがみかんに変えられたコラ画像になってて笑っちゃった。
あ。展示の入口には大きなトトロのぬいぐるみがいて出口には巨大なネコバスがいました!
ネコバスは小学生以下のお子様のみ乗車可能でしたので
係の人に「触ってもいいですか?」と尋ねたら「いいですよ~」と言っていただいたのでお触りしました。
いい感じにぬいぐるみの感触だった…。
(そういえば伊豆のテディベアミュージアムには大人も乗れるネコバスがいるそうなので
いつか行ってみたい)
大博覧会は巡回するそうです。
かつてレイアウト展が全国を巡回するうちに展示物が変わり図録も増補されたように
この展示も関東に来る頃にはまた違った雰囲気になってるといいな。

歩いて地球市民交流センター体育館へ。思い出のマーニー×種田陽平展です。
展示内容は東京展とほぼ同じでしたので割愛しますが
作画監督の安藤雅司さん、美術の吉田昇さんが実際に使っていた机が持ち込まれて
紙も絵の具も置かれてさながら作業風景のようになってたのはよかった!
実際に作画する安藤さんを写した写真パネルがあったのですが、安藤さんの隣の席が米林さんだったみたいで
おーマロさんここにいたのかーって机の隣ではしゃいだりしました(笑)。

センターの中でも花と緑の夢イベントの一環でお花を展示中。
写真は愛知県の菊をボール状にアレンジした「フラワーシャンデリア」。
生花のためスタッフさんが毎日水をあげているそうです。道理で綺麗なわけだ…。

花のシャワー☆

駅へ戻ってリニモに乗り、名古屋方面を目指します。

西高蔵駅で降りてやって来ました、喫茶シャーロックホームズ(´▽`)。
イギリス料理がいただけるらしくてぜひ来てみたかったんだ!
扉を開けたら内装も店員さんのファッションも19世紀イギリスの雰囲気、最高です。

ハドソン夫人の海鮮パイとホームズパン。
パイは焼きたてでサクサクしてるしパンはふわふわおいしい(*´∀`*)。

デザートのケーキセット。ベビーワトソンを注文したら濃厚なチーズケーキがきました(゚∀゚)☆
バニラアイスにチョコがかかってておいしかったです。
うん、確かにわたしの中でもワトソン君はチョコケーキやショートケーキよりも
チーズケーキが好きそうなイメージが勝手にある。
(そんなわけでお料理も雰囲気も大変満足なのですが
ひとつ言いたいことがあるとすれば、分煙されてなかったんです…。
禁煙者が来るお店じゃないのかもしれませんが、配慮はあってほしかったかな)
この後は名古屋駅に戻り、東海道線に乗って移動でした~。
愛知・岐阜・滋賀・京都まで計4府県を越えます。県境をひたすら通過しまくるぜ!

ぎふ!
(駅前の黄金の信長像をいつか見に来るぞ)

せきがはら!(車内から写真撮るって難しい)
ほかにも大垣とか米原とか彦根とか通過するたびに無言で興奮していました。。
特に彦根はお城とひこにゃんに会うためだけにいつか行きたい。
安土も駅名表示の撮影したかったけど、新快速に乗っていたので停車してくれなくて
ピューッと通過されてしまった…それはもう見事なスルーっぷりであった…。
安土城跡も行ってみたい、駅から遠いらしいですが。
4時間の長旅を終えて京都に到着する頃にはすでに陽は落ちていまして
バスで京都国立博物館に到着したら辺りはすっかり暗くなっていました。

お待ちかね、開催中の「琳派 京を彩る」展を鑑賞します。
琳派を代表する俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一の風神雷神図屏風が
2週間限定でそろい踏みするとのことで、何がなんでも見たかったんだ!
博物館の公式Twitterを見ていたら連日、入館まで2時間待ちの状況みたいですが
去年の鳥獣戯画展を思えばまだかわいいものですな…^^;
3人の風神雷神図が揃ってからはさらに待ち時間が増えたので、これは夜しかないなと思って
金曜日に鑑賞することにしました。
(京博は毎週金曜日は夜8時まで開館しています)

京都国立博物館公式キャラクタートラりん。尾形光琳「竹虎図」をモチーフにしたキャラクターです。
展覧会初日の10月10日にお披露目されテープカットも一緒にやったみたいです。
名前の由来は虎+琳派でトラりん。
ときどき(主に休日)博物館の館内や中庭に出没するそうです→こちら

博物館本館もライトアップされて美しい。
夜の6時半に行ったら入館待ち時間はなかったものの、
館内は全体的に混雑しており作品に近づいて鑑賞するには譲り合いの精神が必要でした。。
琳派400年記念祭の終盤を飾る展示ですので内容も充実していて
いわゆる「これが琳派」と呼ばれるものが揃っててキュレーションにブレーキ痕が見当たらないのは
さすがに京都国立という感じ。
光悦の舟橋蒔絵硯箱も群鹿蒔絵螺鈿笛筒も宗達・光悦の鶴下絵三十六歌仙和歌巻も
久しぶりに再会できてどれも変わらず美しくてよかったです☆
今回は光悦の人物像が垣間見える品が多くて
日源の求めに応じて写した立正安国論(文末に大虚庵の署名がある)や
加賀藩の家臣や漆芸について相談する手紙など、
光悦の多彩な交友関係が想像できて改めて感心してしまった。
刀匠銘書(国別に刀匠の名前を記載)や薙刀直シ刀(骨喰藤四郎)からは本阿弥家の本業が垣間見えるし
刀剣の鑑定で「三郎兵衛が不在のため明日また本人と相談します」とか
茶碗屋吉左に「赤い土を持って来てください」とお願いする手紙からは
現場の息遣いが聞こえてくるような!
なんでもない事務的なやり取りってワクワクします、なぜでしょうね。
宗達と光悦の合作による古今集や新古今集の和歌を書いた色紙は
書と絵と料紙のコラボレーションがバランスよく成立していて
光悦が歌ごとに書体を変えてるのがおもしろいなあと思う。
蓮下絵百人一首和歌の断簡は関東大震災で大半が焼失してしまって
現在残っているのは藤原俊成の歌ほかごく一部分だけらしい、よく残ってくれたものです。
宗達の伊勢物語色紙の芥川の雷神は、体は赤かったけど
例の風神雷神図の雷神ポーズとそっくりでした。
重要文化財の牛図は一対の水墨画で、2頭の牛が向かい合って座ってるのですが
たらし込みがたっぷり使われてて宗達さん描いてるとき楽しかっただろうなあ、などと想像。
去年の旅行で訪れた養源院から唐獅子一対が来てて、改めて大きな杉戸だなあと思いつつも
同時に、いま養源院に行ったら入口にこの杉戸はないから
奥の白象が思いっきり見えたりするのかなあ、とか。
宗達の弟子・宗雪の秋草図屏風は東博で見たことがあって久々の再会☆
野々村仁清の色絵芥子文茶壺の芥子には絵師の関与が認められるそうですが
具体的に誰かはわかっていないらしい…時期的に宗達と同時代の絵師だろうな、ロマンがあります。
光琳が一番展示作品数が多かったな~。
白楽天図屏風や小西家に伝わる文書など
根津美術館の展示から半年ぶりに再会した作品もありました。
重要文化財の竹梅図屏風は水墨だけで描かれた竹と梅がシーン、と静まり返った世界観が胸に響くし
蹴鞠布袋図(法橋叙任前の数少ない作品)はまんまる布袋様がおもしろいし
トラりんのモデルになった竹虎図はすねたように引きむすんだ口がかわいい(=^ω^=)。
八橋・秋草図団扇はケースの中に立てて展示してあって裏表が見られた~よかった。
中村内蔵助像は光琳の数少ない肖像画で
「痛けれど胸に秘めたる春の山」の句から内蔵助の内面とか生き方みたいなものが伝わってくる。
個人的にテンションあがったのは光琳の父・宗謙の譲状です!
おまえにはこれだけくれてやるから後は権平(乾山の本名)とよく話しなさい、とあって
完全に兄より弟の方が頼りになる存在として認識されている。父よ…!
(まあ光琳はああだから無理もないですね^^;)
乾山の展示は菊図向付や石垣文皿など、ほとんどがサントリー美術館の乾山展で見た器やお皿で
やっぱりこれらは乾山の代表作なのだなあとたっぷり堪能しました。
あと、サン美すごいなって思った。
立葵図は乾山にしては珍しく掛軸の作品で、明らかにお兄ちゃんの立葵図の影響がありますな。
抱一ゾーンはもうね…光琳への愛がさかなクン並に度を越しててだいぶやばい、知っててもやばい(笑)。
酒井家の膨大な所蔵品の中から光琳を発掘し、光琳没後100年目に展覧会を開き目録を作り
観音像を妙顕寺(光琳の菩提寺)へ奉納したり
好きが高じたのとお金もあったから(抱一の兄は姫路藩主)遠慮なく活動しまくったよな…。
琳派のプリンスまじプリンス。
瓶花図はやっぱり光琳百回忌の制作だそうですが同じものを100幅(!)作ったそうで
ほんとだ「光琳忌百幅之一」って書いてある、つか1/100ってなによ、シリアルナンバーかよ!!(笑)
「尾形流略印譜」は宗達に始まる17~18人の落款を網羅したもので、つまりサイン集ってことで
画集だけじゃなくサインもコレクションするあたり抱一のガチっぷりを感じる。
三十六歌仙屏風とか四季草花蒔絵螺鈿茶箱とか見てると才能も改めて感じて、
蒔絵の制作に光琳百図から柄を拝借してデザインしたり
四季花鳥図巻の赤もみじが虫食いになってて何だか伊藤若冲さんみたいな絵も描くんだなと思いました。
鈴木其一の三十六歌仙屏風はどことなく光琳画に似ていて
これはたぶん師匠の抱一が発行した光琳百図を参考にしたんだろうなと。
そして今回の目玉、3人の風神雷神図屏風はひとつの一部屋に勢揃い☆
真ん中に宗達、右に光琳、左に抱一が展示されて
合わせて6柱の風神雷神に囲まれるという熱いエネルギーに満ちた空間だったよ!
(ついでに人も一番多い空間だった)
宗達は栄西と建仁寺展以来の再会で、相変わらずの大ざっぱなバランスがおもしろいし
光琳は東博所蔵でもう何度も見ていますが、やっぱり美しいし
抱一は光琳の臨画なんだろうけど完全に自分の画風で描いてて、粋。
あちこち見比べたくて会場をグルグル回ってしまいました。
3人の屏風が同じ空間に揃うのは7年ぶり、京都で揃って展示されるのは75年ぶりだそうです。
私淑でつながる奇跡の流派!
200年後にこうして並べられるなんて本人たち想像もしてなかったろうな。

博物館を堪能した後は、バスで高台寺に行きました。
高台院(北政所ねね)が夫である豊臣秀吉の菩提を弔うために建てたお寺で
春・夏・秋にはライトアップも兼ねて夜間拝観が行われているのだ!
点々と灯るあかりが境内へ誘ってくれるような神秘的な雰囲気。

高台寺・圓徳院共通拝観券を買って、まずは高台寺境内へ入ります。
ライトアップされたお庭と木々が大変すばらしく、美しすぎてため息しか出ません。
境内は人も少なく静かです。

庭園。
小堀遠州による作で国の名勝・史跡に指定されています。
池の真ん中を渡る臥龍廊は龍が伏せる姿に見えることからその名で呼ばれるそうです。

まだ完全には色づいていない紅葉が
赤や黄色や緑など様々な色でグラデーションみたいでほんとに綺麗。
池に映る葉っぱもきれいです。

もうアホみたいに写真撮ってしまった。。

竹林もむちゃくちゃきれい。まるで嵯峨野に来たような気分でした。

どこにカメラを向けても絵になって感動します。
高台寺のライトアップはもう何年も前からずっと来たくて
京都に来る機会だけは何度もあったのになかなかタイミングが合わなかったけど
これはもう一度来てみたいと思いました。
石、植物、建物など何もかもが揃っていてしかもちょうどよく配置されてるんだな…小堀遠州すごい。

方丈では百鬼夜行プロジェクションマッピングが行われています。
夏の百鬼夜行展でも上映されていましたが来られなかったので何がなんでも見たくて
いざ見たら妖怪たちのオンパレードでおもしろかったよ~!
まずは何かの前触れのように境内が白や青に照らし出されます。わくわく。

夜が更けて百鬼夜行のはじまり!
妖怪たちが出てくるとパーッと明るく賑やかになります。

ゴーン…と梵鐘の音が朝を告げると、妖怪たちは潮が引くように飛び去っていきます。
くわっとこちらを睨む目。
写真ではなかなか伝わらないので動画をご覧ください→こちら
約3分の映像が繰り返し上映されているのでひたすら写真撮ったり飽きるまでボーっと眺めて
さて次に行こうかなと立ち上がったら、急に風を冷たく感じてブルッときました。。
この時期の東山の空気はひんやりしています。これから拝観予定の方は防寒対策忘れずに。

高台寺を後にして、すぐ目の前にある塔頭の圓徳院へ。
高台院が余生を過ごした寺で、寺号はねねの甥にあたる木下利房(小早川秀秋の兄)の戒名です。
こちらも秋の夜間拝観中でした。

国の名勝に指定されている庭園。小堀遠州も作庭に関わったようです。
ねねも、ライトアップはされていなかったろうけどこのお庭を見ながら夜を過ごしたのかな…。

紅葉はほとんど始まっていませんでしたが、少しずつ色づいていました。

岩がたくさん配置してあっておもしろい。
あまりに綺麗だったのでボーっとしていたらバスの時間がなくなりそうだったので
この後はバスに乗って京都駅へ戻り、
お気に入りの京野菜のお店で夕ごはんにしようと思ったら混雑していたので諦めて
コンビニへ寄って適当におにぎりなど買ってホテルへ戻りました。
金ロのるろ剣をチラッと観たら伊勢谷氏の蒼紫様が何だかすごかった…。
まいごのまいごの蒼紫ちゃん、あなたのおうちはどこですか。
次回記事はがっつり京都。お寺のアート巡りのレポをお届けします☆
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