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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


こいつぁ春からその5。

  1. 2016/01/05(火) 23:53:03_
  2. 舞台鑑賞
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
2016ibaraki3.jpg
本年の歌舞伎初め!お正月に歌舞伎座の壽初春大歌舞伎を観てきました☆
目的は新古演劇十種の内「茨木」。今年生誕200年を迎えた河竹黙阿弥の作です。
玉三郎さんが茨木童子を、松緑さんが渡辺綱を演じられると聞いて
「美しすぎ&かっこよすぎるだろ!!」ってなって朝から並んで幕見席のチケットをゲットだぜ。
去年の棒しばりからすっかり幕見に目覚めてしまいました…見たいものは見たらいいのだ(^皿^)ウシシ)

2016ibaraki1.jpg
人生2度目、本日初日の垂れ幕。
初日という言葉にきらめきを感じるようになりました、これが沼か…。
着物姿の人をたくさん見かけてすてきだ~と萌えていたら
目の前を直衣に烏帽子を被った小学生くらいの男の子が着物の親御さんに手を引かれて歩いてて
思わずガン見してしまった。
お正月にまさかのちびっこ貴族様。あわわ。

2016ibaraki5.jpg
去年と同じく、初詣は歌舞伎稲荷大明神にて。
今年も役者の皆様、関係者の皆様、観客の皆様が無病息災で過ごせますように。

2016ibaraki2.jpg
木挽町広場もお正月の装いがきれいでした。

2016ibaraki4.jpg
チケットを買ってから開幕まで時間があったのでランチ。
今年の外食初めは喫茶youにて、去年もいただいたぷるぷる卵焼きのオムライス!
こんな風に卵焼いておうちでも食べてみたい。


初日のご愛敬というか、前の幕が15分近く押してて入場待ち時間がだいぶ長かったですが
幕見席は今回も無事に最前列に座れました。ホッ(´∀`)。
幕が開くと、能舞台のようなセットにお囃子の人たちがズラリと並んで背面の板には大きな松の絵が。
「茨木」は松羽目もの(能狂言を原作とした歌舞伎)ですが、能楽には茨木という作品はなくて
今回のは役者が能っぽく演じることを目的に作られた歌舞伎だそう。
初演は五代目菊五郎ですが、同じく彼が初演の新古演劇十種の内「戻橋」には背景セットがあったので
あれよりは厳格な印象を受けました。

舞台は渡辺綱の屋敷。
今昔物語集などでもよく知られているお話、渡辺綱が羅生門にて鬼と対決し片腕を切り落として持ち帰ると
安倍晴明から「鬼は7日のうちに必ず仕返しに来るから物忌みしなさい、腕も厳重に封印してね」とのことで
言われたとおりに腕を箱に入れてます…的なことを、家臣の宇源太くんが説明してくれます。
歌昇くんかっこいい~水色の裃姿もお似合いです^^

そんな綱のもとを、伯母の真柴という人が訪ねてきます。
能「通小町」のシテのような装束で、花道を音もなく静々と歩いてくる玉さまは枯れ葉のような雰囲気ですが
「伯母がはるばる訪ねてきたのだから案内しておくれ」と口調はしっかりしていてエレガント。
綱は「物忌み中なのでたとえ伯母上でも屋敷には入れられません。諦めてお帰りください」と
きっぱり断って頭を下げます。
松緑さん綱の大きな装束がとても似合ってるし振る舞いもすてきだし声も張りがあってかっこいい~~☆
真柴さんはがっかりして帰ろうとしますが
屋敷の門のところで「綱の両親が死んでから綱を育てたのはわたしなのにこの冷たい仕打ち、
どんなに強くても優しくなければ武士じゃないわ、もう縁を切ります」というつぶやきを聞いた綱は
「伯母上戻って来て~」と扇をヒラヒラさせて呼びます。
ここの松緑さんのしぐさが、福原にて太陽を扇で戻した清盛みたいなかっこよさで見とれてしまった(´▽`)。

真柴さんが屋敷に入ると、綱は上座に案内してお互いに息災をねぎらいまして
「伯母上はそういえば舞がお上手でしたね。よろしければ一さし」と舞を所望します。
真柴さんは「あなたが舞ったらわたしもやります」とおっしゃって
綱の代わりに太刀持ちの音若少年が舞を披露。
左近くん!左近くん大きくなりましたね軸もぶれなくなりましたね!
雅な柄の金扇を使って軽やかに、しかし武家の子らしく気品のある舞でした。
(お父様の松緑さんが間近で(役柄とはいえ)すごい目つきでガン見てらっしゃるのが
身内でもないのになんかドキドキしちゃった^^;)
続いて真柴さんの舞。
人の一生を春夏秋冬にたとえた静かな歌詞で、左手を使わず右手だけで舞います。
(なぜ左手を使わないかはもうわかるよね)
踊りの途中でハラリと扇を落としてしまうのですが
これは謡の「甲斐なく」の歌詞が「腕(かいな)」の掛け言葉になっているので
腕の入った箱をうっかり見つめてしまい一瞬、気が散ってしまったという演出のようです。
あれ恥ずかし、と扇を拾って再び舞い始めて終わります。

羅生門で鬼の腕を切り落としたときの話をしてほしいと頼まれた綱は
保昌(頼光四天王のひとり)にバカにされて売り言葉に買い言葉で行って茨木童子と対決したのを
勇壮な舞も混ぜながら語って聞かせます。
玉さまは無表情でした…鬼としては目の前で武勇伝っぽく語られるのはいい気分はしないよね(゚∀゚lll)。
「箱を開けて腕を見せておくれ」と頼む真柴さんを、綱は一度は諫めますが
「老い先短い身なのだから、冥途の土産に」と懇願されて
じゃあわたしここで見張ってますからねと真柴さんの側に腰かけて結局箱の蓋を開けてしまいます。
ああ、綱ったらもう(笑)。
ここで綱が蓋を開けたりしている間に、玉さまは舞台の後ろで後見さんの手を借りて髪をほどいて
ウロコ箔柄の着物姿になってアップを始めた感がじわじわと。
(ウロコ箔は能狂言で鬼や龍を演じる人が身につける柄です)

箱の中を見た真柴さん、ふいに両目をむきくわっと真っ黒な口を開けると
腕をつかんでクルクルっと舞台左の揚幕へ引っ込んでしまいます。
綱も慌てて追いかけて揚幕へin。
(チラッと見えた鬼の手は4本指でしたね。
5本指は貧欲、嫉妬、愚痴、知性、慈悲をあらわし鬼は慈悲と知性が欠けているため3本指とされますが
茨木童子は人に化ける知性があるため4本指なのだそう)
そこへ運藤さんと軍藤さんという町人の格好をした人たちが花道から出てきて
「鬼やべえたたりやばい怖い」みたいなおしゃべりをチャキチャキと繰り広げます。
雁治郎さんと門之助さんとってもおもしろかった☆
そして玉さまは今頃きっとおっかないお姿に変身中なのだわ…などと舞台裏に思いをはせたりした。

クライマックスは本性を現した茨木童子と渡辺綱の大立ち回り。
取り戻した片腕を小脇に抱え、右手で杖を振り回す茨木童子と刀を抜いて応戦する綱、
ギャー!!!おふたりともかっこよすぎる+゚+。:.゚(*゚Д゚*).:。+゚ +゚
玉さまはざんばらの長い白髪に2本の角を生やし、逆立ちした太眉、
能面をつけているのかと見間違えるほどリアルで黒々とした隈取(牙も墨で描いてた)が超迫力ありました。
待って待ってほんとに玉さまですか!想像を超えたおっかなさですけど!さっきと別人ですけど!!
派手な動きはないけど体の軸が強く侮れないような、妖気漂う手強い物の怪の雰囲気が伝わってきたよ。
松緑さんの綱も勇ましく刀を振るって、大股でのしのし歩いて殺陣も決まってたし
茨木童子に向けて刀を突き付け、舌を出してにらみつけるのマジかっこよすぎか。
(松緑さんの今回のお役は玉さまも誉めていらっしゃるそうな)
茨木童子が花道へ逃げたところで定式幕が引かれて
取り戻した腕を改めてうれしそうに眺めてくわーーっと真っ赤な口を開けて見得を切ると
ねっとりじわじわくる感じの六方で揚幕へ引っ込んで行かれました。

いやあこんな玉さま初めて見た…。
初芝居で役者ににらまれると1年間無病息災で過ごせるという俗説がありますけど
たぶん今回の茨木童子の見得で客席の邪気ぜんぶ祓われちゃったと思う(笑)。
鬼が出てくる能や歌舞伎は何度も見ていますが、玉さまが鬼をやると
肉体的な強さとかじゃなく強大な妖気に圧倒されて戦意喪失しちゃう的な、
精神的に勝てない気がしてくる。
今まで見たり読んだりしたどの茨木童子よりも強く感じました。恐怖というか畏怖。

そして黙阿弥生誕200年祭は始まったばかりですね!
今月は新橋演舞場で白浪五人男、浅草公会堂で三人吉三をやっていますね。
今年は彼の作品がたくさん上演されるといいな。
ついでに言うと今年は「茨木」からペンネームを取った茨木のり子さんの没後10年なので
(ラジオから流れてきたセリフを聞いて「あ、これ」と採られたそうだ)、
何かイベントがあるかもしれないのでこまめにチェックしていこう。


torayashin.jpg
銀座のとらやさんに寄ったらこちらにもお正月飾りが。大きな鏡餅と伊勢エビ。

torafo.jpg
右はとらやさんの「心百花」(歌会始のお題「人」にちなむ)で
左は日本橋高島屋でゲットしたFAUCHONの招き猫エクレア。
年末年始だけの限定販売で、去年は買えなかったから今年こそ!と思ってて
無事に連れ帰って来られました。
ぱくっと食べたらクリームの中からほんのりお酒の香り、甘酒が入っていたみたいです。
「Bonne Chance!」のピンク色の文字はフランス語で「幸運を!」の意味だとか。

tokyomon1.jpg
東京駅GRANSTAの銀の鈴広場に登場していた孫悟空も見に行ってきました。
太田記念美術館所蔵の月岡芳年「月百姿」から「玉兎 孫悟空」を
立体フィギュアにして再現したものだそうです。
ふつうに人間サイズだし筋肉も服の上からちゃんとわかるし、松の木も大きくてすばらしかった。

tokyomon2.jpg
前と後ろから見るとこんな感じ。
展示は今日までですが、せっかくこんなにしっかりした作りですし
それこそ太田さんに所蔵されてどこかに展示され続けてほしいなあ。


2016kura.jpg
本年一発目の川越くらづくりのお菓子です。花びら餅と、お猿と、お題「人」。
今年も通うよくらづくり!うふふふふ
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テーマ : 歌舞伎    ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:ゆさ
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歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
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