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立春が過ぎて暦の上ではもう春です。
旧暦ではお正月にあたるということで新しい年の始まりでもあります。ハッピーニューイヤー☆
日もだいぶ伸びてきたし、早くあったかくなりませんかね。寒いよー!

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すっかり楽しくなって春らしいお菓子を色々ゲットしてきました。
くらづくり本舗からは春告鳥(うぐいす)と雪解け、
おまけにバレンタイン期間限定のさいたまイマージュ。
雪解けのお菓子は石のくぼみに水がたまってるデザインなのがたまんない。

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かんだ和彩の梅一輪とふきのとう、バレンタインの生チョコわらび餅。
どら焼きはおまけしてくれました^^
ふきのとうには朝つゆのゼリーがふりかけてあるし梅には金箔が散らしてある☆

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花扇さんからは寒水仙と春告鳥。
ラガーマン最中はおまけしてくださいました!ありがとうございます(´▽`)

そういえば立春大福をゲットし損ねたので来年は買わねば~。
和菓子屋さんにはそろそろ椿餅や桜餅、うぐいす餅などが並び始めますね。楽しみです。

春たちける日よめる
「袖ひちてむすびし水のこほれるを 春立つ今日の風やとくらむ」紀貫之
(古今和歌集巻一・二番)


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先日、東博と科博に行った日の帰りに文化学園服飾博物館にも初めて行ってきました。
入口に立つ地球儀のオブジェかっこいい。

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2月中旬まで「魔除け-身にまとう祈るこころ」展を開催中。
アジアやアフリカ地域における服飾から魔除けの役割を紹介する展覧会です。
コンセプトを見てソワッ…!となって行きましたら
想像以上の展示数と解説があり会場を2回もグルグル回って閉館間際まで滞在しました。
衣服の模様や刺繍、アクセサリーや化粧が
病気や死などから身を守る意味を持つ文化があるという知識は前々からあったものの、
たくさんの現物をまとめて見ると改めて人々の祈りや願いに圧倒される。

日本の魔除けの風習コーナーでは懸守(護符を入れて首から下げる)や守袋(護符を入れた小袋)が
絵巻物や浮世絵の用例とともに紹介されていました。
浮世絵などによく見られる、子どもが腰から下げている小さな袋は守巾着といって
守護札と迷子札(江戸時代は迷子が多かったので身元を記した)が入っているとかで
展示されていた20世紀初頭の守巾着(亀甲模様)は着物の帯に下げていたそうな。
着物における魔除けは文様や模様などが中心で
長寿や子だくさんの人が着ていた着物の切れ端を譲ってもらい縫い合わせて袖無羽織をつくったり
子ども用の着物に麻の葉つなぎや亀甲つなぎの模様がついてたり
(麻は成長が早く丈夫なため縁起の良い模様とされていました)、
籠目模様のねんねこ半纏や、虎・龍・稲妻のトリプル魔除け模様な男子着物があったり
矢絣も破魔矢に通じるため魔除けの意味があるとして
はいからさんでもおなじみの女学生たちの着物に使われたそうな。

女学校のお裁縫の授業で使われた「飾り縫い帳」は背紋の一覧表のページが開かれていました。
(背紋は子どもの背中を守るように親が着物の背に縫い付ける紋のこと)、
初めて知ったのですが、縫い目そのものも魔除けになるそうですね…
大人用の着物には背に1本縫い目が通っていますが、子ども用にはないので
背中から魔が入らないようにあえて縫い目をつけ糸を垂らしたのだそうです。→こちら(参考画像)
背守といって、着物の背中にちくちく縫って余った糸をだらんと垂らすのですが
(女の子用は右に垂らし、男の子用は左に垂らします)、
長ければ長いほど長寿の祈りになるらしい。
また、1879年刊行の『裁縫読本』には「背守は五色の色にて縫う」などと指示があるそうです。
会場には五色の背守がついた着物もあって、きれいな縫い目でした。

アイヌの衣装についているアップリケの模様にもひとつひとつ名前があって
「モレウ」「シク」などは目の意味を持つそうです。
服の模様で目を表現することで魔をにらみつけ退散させる狙いがあるのですね。
展示されていたアットゥシ(樹皮の衣)は「シクウレンモレウ文」という、
3つの文様をミックスした最強文様がデザインされていた。。
あれはなんて言えばいいのか…妙に中毒性がありましたな^^;
あと模様の位置にも意味があって、たとえば袖や衿、着物の裾などは
魔物が入りやすいと考えられていたため、
切伏せの角は必ずトゲの形にするとか特に厳重に模様がつけられたそうです。
青森のこぎん刺しにも、服の肩にや背中に魔除けや蛇よけのための「轡つなぎ文(逆さこぶ)」などを
刺すものがあるそうな。

アジアにおける虎と五毒の展示も。
虎は中国では西の守護神ともいわれ、強さの象徴でもありますが
五毒(サソリ・百足・蜘蛛・蟇蛙・蛇)を食べるとされる生き物でもあるため、
蛇やカエルが活発になる5月頃には虎模様の服や虎グッズを身につける風習があるそうです。
足先が虎の顔になってるブーツや、ぺったんこの靴、
子どもは虎の帽子を被るなどして虎に化けて魔をやり過ごすとされました。
ご当地の人たちの必死さはわかるんだけど、猫耳ならぬ虎耳ファッションを想像して萌えてしまって
その場からしばらく動けなかった←
あと、毒を以て毒を制すことからあえて五毒が刺繍された上着を着ることもあったらしくて
五毒が刺繍されてるベストのどぎつい色彩にびっくりした。
他にも赤をたくさん使われた中国の婚礼衣装があったり(赤は魔除けの色とされます)、
台湾のタイヤル族は背に祖先の目とされる菱形の模様をつけたりするなど
目で追い払う風習も各地に見られます。
モロッコの黒ケープは背中に丸く大きな赤色が使われてて大きな目が描いてあるし
コンゴの網目模様には「フクロウの目」なるものがあるらしい。
背中に目がついていたらいいなーという思想は万国共通、どこにでも見かける気がします。
わたしも夜道を歩いたり部屋にひとりでいる時などにふと感じる気持ちだし…
できるだけでっかくて遠目も夜目もきくといいな…なんて。

それにしても人々が服の模様に託した思いときたら、まるで魔との鬼ごっこです。
人々はいかに逃げるか、魔はいかに追うかの思想が常に問われている気がする。
迷路がデザインされているタイのデーン族の肩掛けは
魔物が本人のからだに辿り着けないようにとの工夫らしいし、
サーン・ホン(頭が象で体が鳥の神)など神様の絵が描いてあるのもある。
インドネシアの、首狩りの風習があった民族の肩掛けは
ガイコツを木にかける首架の模様がついててぞっとしたし、
パキスタンのギラギラしたブラウスは光で魔を撃退する目的があるみたいだし、
ナイジェリアの男性コートにはタンバ(王の太鼓)模様と2本のナイフ模様があって
首長の座をあらわすと同時に魔を跳ね返すと考えられているようです。
インドの家の入口につけるカーテンのような仕切りにも魔除けの意味があって
ガネーシャや動物たちなどを描いてできるだけ賑やかに見せておくとか。
ウズベキスタンのパランジャ(被衣)はマネキンが目深に被っててもうどこが顔だかわからないレベル、
チラッと見える裏地には派手な模様があって、これで悪霊を驚かすそうです。
(驚かすと逃げていく、というとまるで野生動物みたいだな…^^;)
日本でも着物の裏地におめでたい文様をつけたりしますけど
アジアも裏地に魔除けをほどこす文化があるんだな~。
「目のさめるような色」という表現がありますが、ビビッドな色遣いで構築されたファッションは
街中で見ても目を引くと同時に強さを感じるものでもあります。
そしていつも思うのが制作者…これらをデザインして作り上げた人たちの視点ですね、
細かく丁寧な仕事ぶり。

アクセサリーによる魔除け。
ヒマラヤ山脈のラッダク族が身につける頭飾りや首飾りに珊瑚やトルコ石が使われているのは
石そのものに力があるとされた現地の考え方によるもの。
他にも、牙の魔除けということでイノシシの牙や歯を首飾りやブレスレットにつけたり
巻貝が魔を封じ込めると考えられているフィリピンでは飾り帯に巻貝をじゃらじゃら下げたり
インドのラバリ族は鏡の破片をつけて魔除けにしたり(きらめきが魔を跳ね返す)、
トルコ石やガラスなど青を連想させる石は清浄を連想させアクセサリーに使われたとか
様々なパターンがあります。
銀貨や金属をどっさりつけてじゃらじゃら音を鳴らすことで魔除けにする風習は
日本の鳴弦にも通じるような気がしますが、
イエメンの鈴だらけベルトは見るからに重たそうだったし
ペルーのカンバ族の子守帯は抱っこひものような形で木の実がたくさんついてて
やはりじゃらじゃら鳴る音が魔除けになるそうです。
金属がどっさりついた頭飾りはめちゃくちゃ重たそうですが
これを寝るときも外さない民族がいるとキャプションにあって
意味は違うけどなんだか平安時代の貴族男性みたいだなと思った。
また、世界中の民間伝承にみられる邪視について、トルクメキスタンでは
・羊の角模様のショールをかぶり
・赤い色を身に着け
・額とこめかみに銀の飾りをつける
ことで、対処するそうです。光と音で急所から魔を避けるのですね。

お化粧の魔除け。
パキスタンにおける、目の周りに黒い粉(アンチモニー)をつける風習や
粉を入れておく容器などの化粧道具にも魔除けの模様をほどこしてあるのが
どこまでも手を抜いてなくてそれだけ真剣だったんだと思う。
また、魔除けは人間だけではなくペットや家畜にもほどこされます。
カラフルな色を使い鏡片や貝殻をたくさん使ってある牛用の背掛けは
寺院の牛の置き物にかけて守るのだそうです。
家畜は大事な働き手でもありますから覆面をしたり、額に飾りをつけたりして魔から守るそう。
あ。動物と言えば鳥や動物の文様がつけられたグアテマラの上衣があって
子どもが生まれると守護動物というのが決まる考え方があるそうで
それらを服につけて太陽にかざすとパワーが増幅するらしい。すごい。

道具そのものにも意味がありまして、
・帽子は頭を守るため強い文様や金属をつける。
・肩掛けで服をグルグル覆うのは魔が入り込む隙間を与えないため。
・袖口や裾から魔が侵入しないよう金属ビーズをつける。
・耳飾りや鼻ピアスやエプロンや性器隠しは魔が体の穴から入り込むのを防ぐため。
など、など。
ブルガリアの婚礼衣装の袖や裾に縁取りで刺繍がしてあるのは
縫い目そのものが結界になるという考えからきているというし。
また、ファティマの手や三日月模様、聖書やコーランの言葉を金属に刻んだ護符を持ち歩いたり
ローズマリーやニンニクなど強い香りを放つものを袋に入れて首から下げるなど
お守代わりの道具も展示されてましたな。
あとは女性の長髪について。
日本では美の象徴とされましたが、グアテマラでは霊力があり悪霊から身を守るとされていますね。


魔除けや人々の思いについて具体的に様々に提示されていて夢中でメモしまくって
会場を出たら腕がめっちゃ疲れてました(笑)。
ありとあらゆる方法で魔を避けようとする人々のエネルギーはすさまじいな…。
いつどこから襲ってくるかわからない魔に対してひたすら知恵を絞った服が作られているのを感じるし
文明や産業の発達で服の材質も制作者の腕もどんどん上がっていったんだろうと思ったし
時代や地域ごとに素材や模様が違ったり共通点があってほんとにおもしろい!
オリエンタルでエキゾチックな模様や繊細なデザインの意味、
なぜ作られたのか、どういう背景があり今このモノはここにあるのか考えるのは本当にワクワクします。
よくあるテーマ展示では「○○さんの遺品」「○○さんが作った」「こういう使い方をされた」
「使われている技術は○○」など芸術面や生活面から紹介されるモノが
別の視点で語られる展示は楽しいので行ってよかった!
興味のある方、会期もうすぐですよ~どうぞお早めに。
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目覚めよと呼ぶ声が聞こえ。

夜空ノムコウ。

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